医学部編入試験を独学で突破するための方法【最低1000時間の対策が必須】

医学部対策の勉強法

医学部学士編入を知っていますか?

医学部の編入試験とは言っても、「医療系出身者」などの縛りがあるわけではありませんし、出身学部で優遇措置があるわけでもありません。試験で合格点さえ取れればいいので、もちろん社会人でも合格は可能です。ただし、働きながらの勉強に耐える体力や、仕事が忙しいからとついついサボってしまいそうな慢心に打ち勝つ精神力、働きながらでも疲れていても計画的に勉強を進めていく高度な自己プランニング能力などが必要です。ここではそんな方に必見の情報をお伝えします。

理系・文系出身者で異なるハンデ

まず、理系出身者と文系出身者では、履修してきた科目が違います。このため合格のために必要な対策も変わります。何が違うのかを確認しておきましょう。

理系分野をあまり勉強してきていない

文系出身者と理系出身車で一番違い、かつ医学部の編入試験を受ける上で問題になってくるのが「理系の授業を高校・大学で受けているかどうか」。薬学部や獣医学部、看護学科など医療系、生命科学系の出身者であれば、医学部編入試験で課される生命科学については大学時代にすでに学んでいるはずです。そうでなくとも、理系であれば大学時代に生物・化学・物理(もしくは数学)について勉強していますし、高校のときには理科2科目を多くの場合履修しています。
選択していた科目にもよりますが、化学や物理まで課す試験でも受けやすくなりますし、勉強するための労力も比較的少なくてすむのです。それに対し、文系では「生物基礎・化学基礎・地学基礎」のうち2科目、あるいは年齢によっては(新課程になる前に卒業した場合ですね)理科1科目しか勉強していない場合がほとんど。すでにスタート地点で文系と理系だとかなりの差がついているのです。

英語が得意だとアドバンテージに

理系科目は圧倒的に不利ですが、文系の方は比較的英語が得意、というアドバンテージを持つ方もいらっしゃると思います。
もちろん医療系の単語を覚えなくてはなりませんが、基本的な英文訳などは「理科や数学の能力だけでなんとか乗り切ってきた」という理系の人よりはできることが多いでしょう。ただし、もちろん理系でも修士・博士まで行くと英語で論文を読み書きするのは当たり前になってきますので、「英語力で差をつけて合格」というレベルまで行くのは簡単ではありません。英語についてアドバンテージが見込まれるとは言っても、過信は禁物です。

志望理由では明確に決意を表そう

編入試験では小論文や面接のウエイトが大きくなります。
特に医療系の人であれば、「なぜ医者になりたいか」という説得力のある志望理由を作成するのはさほど大変ではないかもしれません。しかし、ほとんどの場合はどうしても「なんで唐突にそんな転向を!?」という雰囲気になりがち。もちろん一人ひとり医学部編入を目指すまでの決心やドラマがあると思います。
その気持ちを、できるだけ具体的に「絶対に医者に今ならなければならない」という理由とともに伝えられるようにしましょう。「人の役に立ちたいと思った」などのふわっとした理由だと、それが本心からだとしても「『今の職業の給料が不満』などの消極的な理由で医者を目指しているのかな」などと思われかねません。
聞いた教授が「なるほどね」と思うようなものでなくてはならないのです。今までの社会人経験・研究経験などから自分ならではのメリットと強みを提示できるようにしましょう。

医学部編入試験の科目は一般の受験とは大きく異なる

医学部編入の学力試験は大きく分けて

  • 「英語+生命科学」
  • 「英語+生命科学+物理・化学」

が課される大学があります。(さらに数学が課される大学もあります)

一般の受験とは異なる科目になっていることが理解できます。もし英語と生命科学の学力が足りておらず問題を抱えているならば、物理・化学には手を出さないことをお勧めします。まずは英語と生命科学を勉強し、物理や化学が課されない大学の学士編入試験受験を考えましょう。また、英語だけは独学ではなかなか力がつかないので、英語の力が不足している人は、CDがついている参考書を買って電車の中で聞いて繰り返し発音したり、英語だけ予備校の短期集中講座を受けたりと、いろいろと工夫するとよいでしょう。

編入試験でほぼ必須!生命科学を突破するためにすべきこと

そもそも、生命科学とは何?人体に関する学問分野

生命科学とは、医学部編入試験で、学力試験で英語と共に必ず課される教科です。名称は、大学によって様々です。一番簡単に生命科学を説明すると、「高校生物の基礎の上に、人体に関する学問分野を深めた教科」という事が出来るでしょう。高校生物に加え、大学1~2年レベルの分子生物学、神経科学、免疫学、組織学、生化学、生理学などが加わります。

また、医学部編入試験の学科試験は、大まかに言って次の3つのパターンに分けられます。

英語+生命科学

英語+生命科学+高校の物理化学

英語+生命科学+数学+高校の物理化学

最重要はしっかりと得点するための対策

医学部編入の試験問題には、多かれ少なかれ受験生を悩ませる奇問が含まれると言われております。さらに、出題範囲も難易度も、年度や大学によって大きく異なっているのが事実です。そのため、対策方法に迷われる方も多いと思いますし、広範で複雑な試験対策が必要なように見えますが、単純にそう言い切れるものではないのです。医学部編入試験の過去問によると、どの大学も、高校~大学教養レベルの、複数校で複数回出題されている常識的な問題に8割程度の配点が与えられています。

学力試験で8割得点できれば、余裕で通過できます。まずは高校~大学教養レベルの、ごく一般的で普遍的な問題に太刀打ちできる学力を磨き上げることが先決でしょう。一般的で常識的な問題を完璧に解けるようにしておけば、充分合格できます。ただし、英語が得意で英語で点を稼いで医学部に入学した人の場合、入学してから生命科学や化学や数学の猛勉強が必要なので注意してください。

「練習は本番のように。本番は練習のように。」この格言が医学部編入についても当てはまります。普段から欠かさず演習を続けることを習慣化するのが理想です。また本番であわてないよう、バラエティに富んだ問題や奇問が出題されても何とか対応できるよう、普段の勉強は、実際に手を動かして問題を解いていく「演習」ベースにしましょう。必要な問題集を1冊選び、本番で手を変え品を変えて出題されても問題なく対応できるよう、問題演習を繰り返して、完璧になるまで反復しましょう。

医学部に学士編入するために必要な勉強時間は1000時間以上

医学部に学士編入するために必要な勉強時間は、どれくらいなのでしょうか?

その答えは、早稲田大学や慶應義塾大学に合格できる標準レベルの学力がある場合は生命科学は1000時間、英語は1000時間(ただし個々人の学力による)、物理と化学が課される場合はそれぞれ200-300時間(ただし、高校レベルの基礎が身についている人)です。

よって「個人個人によって異なり、現在の英語力などの学力による。また、高校で生物や、物理・化学を履修したか、履修したのならばどの段階まで履修したか、そして現在どこまで覚えているか」ということになります。いきなり1000時間と言われても想像がつきませんよね。下記で具体的に考えていきましょう。

生命科学には1000時間必要

ここでは、面接や小論文(課題作文)、志望理由書以外の受験科目を、「英語+生命科学」である場合と「英語+生命科学+物理・化学」である場合に絞って話を進めますね。早稲田大学や慶應義塾大学の入試で合格できる標準レベルの学力のある人の場合、「生命科学に1000時間を費やす」のが一つの目安になると言えます。

また英語に関していうと、TOEICに換算して800点以上の英語力がある人はそのままの英語力でも勝負できますが、英語力をTOEICに換算すると500点であるなど、英語力が不十分な人はさらに500~1000時間の勉強時間が英語で必要とされると言えます。いずれにしても、生命科学に1000時間以上の勉強時間をかけることが、どの医学部に学士編入するにしても必須となります。

忙しい中でも1ヶ月に60時間確保しよう

1年間で1000時間の勉強を終わらせようとすると、毎日3時間弱やり続ければよい算段になります。医学部を再受験する場合、学士編入であっても一般入試であっても、また独学であっても独学でなくても、勉強時間を確保するために職を辞してしまうことは社会的にお薦めできません。出勤前の時間、電車の中などのスキマ時間、昼休み、勤務後の時間など、なんとか時間を絞り出して、働きながら毎日3時間の勉強時間を確保できれば、それに越したことはありません。

もちろん、普通の高校生や浪人生と違って、仕事のストレスや疲れなどとも闘っていかなければなりません。平日に無理をして、時間を捻出すると仕事に支障をきたしてしまう場合があります。このため、勉強には土日や有給などを効果的に利用する必要があります。仮に、土日と有給を合わせて月に10日の休みを取れるとすると、休みの日に6時間を生命科学に費やせば1ヵ月60時間、一年間で720時間が確保することができます。また、720時間という長さは別の教科の英語では、得意な人では1.5年、苦手な人でも2〜3年で合格圏内の学力に達することができる時間です。学士編入の試験では、英語の配点が半分以上に設定されている大学が多いです。入試科目が「英語+生命科学」の大学であれば、この2科目を勉強すれば良いため医学部合格が少し現実的になってきたのではないでしょうか。

物理化学が課される場合の対策

もし、英語と生命科学の他に、物理と化学が課される大学を受験する場合でも、それらは高校レベルですから、高校で基礎を学び定着している人であれば、それぞれ200-300時間の勉強で取り繕うことができます。この物理とか化学は、あくまで「追加の科目」であり、どの医学部学士編入試験を受けるにしても、確実に合格するためには、英語か生命科学のどちらかが飛びぬけて得点できる必要があります。でも、ここで注意しておきたいのは、高校で生物や地学しか履修していなくて高校レベルの物理と化学の知識がゼロの人や、文系であり物理と化学が極めて苦手な人は、高校レベルの物理と化学をマスターするのに多くの時間が掛かりますし、「おまけの科目」の物理と化学が足を引っ張って最終的に不合格になるかもしれません。そのため、そういう方は物理と化学が課されない医学部学士編入試験を受けるに越したことはないでしょう。

どの科目も学力が足りない人は英語から学習を

さて、英語と生命科学の両方の学力が完全に足りていないという人は、受験科目が少ない医学部学士編入においても、5年以上の長期戦を覚悟しておいた方がいいでしょう。この場合は英語から学習を始めるのが良いと思います。英語の勉強をして学力をつければ、医学部に編入できなくても将来仕事で役に立つからです。でも、生命科学、物理、化学、英語を比較すると、最後まで確かな学力が身につかず独学で力をつけにくいのは、英語です。

独学で合格するための勉強法のコツ

ここまで勉強時間について見てきましたが、何で勉強すればいいかが気になりますよね。ここではどれから、何を使ってどう勉強するか解説していきます。

受験科目の勉強は市販の参考書でOK

勉強していく順番ですが、英語、生命科学、物理・化学(物理化学が課される場合)の順に勉強を進めていくとよいでしょう。英語は、医学部編入に失敗したとしても、今後働いてキャリアを積んでいくうえで大きな財産になるからです。少しでも無駄のないように勉強していくのがベストというわけです。

具体的な勉強方法ですが、英語は市販の参考書・問題集で勉強し、TOEICに換算して800点程度の英語力を目指せばよいでしょう。TOEICのスコアを伸ばすにはリスニング対策が欠かせませんが、800点というのはあくまで参考程度でリスニングは必要ではなく、必要なのは英語の筆記試験を突破する学力となります。英語の筆記試験は和訳と英訳が中心となり、市販の大学受験用の英語の参考書・問題集・単語本を使用して仕上げていけば事足ります。

生命科学の勉強法は、「定番の教科書」の重要事項をノートに書きだしたりして丸暗記したら、次は問題演習で知識を定着させ確実に得点できるようにする、という勉強法がオススメです。医学部編入試験のための生命科学のテキストとしては、「KALS」という予備校のテキストや、『Essensial細胞生物学』『医学部編入への生命科学演習』などが定番です。

学習の具体的手順

  1. 過去問分析を徹底的に行い、どの分野を学習する必要があるかを決めます。なお、ここで分析する大学は1つに絞ることが大切です。
  2. 学力の到達目標を立てます。
  3. 1つの分野に対して、参考書を1冊だけ厳選します。
  4. 試験日から逆算して予定を立て、参考書を反復して演習していきます。1冊に絞った参考書を完璧にできたら、次の参考書に手を出します。
  5. 一次試験の1ヶ月前から、ひたすら過去問を解き続けます。同じ問題を、繰り返し解きましょう。

苦戦しがちな生命科学克服の4ステップ

『医学部編入のための生命科学演習』と『Essential細胞生物学』は医学部編入の生命科学対策に当たって、もはや「鉄板」とも言える定番の参考書なのですが、高校生物の知識が抜けているような初学者にとっては、上記の2冊は細かい部分に詳しい解説がなされすぎてきて、基礎的な骨格となる知識の吸収に苦戦するかもしれません。そんな方は、以下の4ステップ式の勉強方法を試してみてください。

(ステップ1)用語をマスターする。その科目に出てくる用語の意味を知る。

生命科学においては、高校生物と同じく、物理や化学に比べて、用語の正確で深い暗記が重要です。「リボソーム」「mRNA」といった専門用語の定義を覚え、基礎的な骨格となる知識を完璧にしましょう。医学部編入の生命科学では、生命科学では、生命科学でしか使われない専門用語が並ぶ文章を理解し、またそれらの専門用語を使って解答することが求められます。具体的には、『プログレッシブ生命科学』という教科書を読みながら専門用語を定義をノートにまとめ、覚えきるまで読み直すようにしましょう。ただし、高校で生物を取っていなかった場合は、上記のテキストはレベルが高すぎます。『はじめの一歩の生化学・分子生物学』から取りかかりましょう。このステップでは、「用語のだいたいの意味をうろ覚えする」のではなく、「用語の正確な定義をスラスラと暗誦できる」レベルを目指しましょう。

(ステップ2)各事象を、正確に理解する。

生命科学でいう理解とは、たとえば「シグナル伝達、内分泌機構、疾病などの機序(=機能単位ユニット同士の相互作用と、その順序)を知ること」や「生体内の構造を立体・図として理解し、各パーツや箇所の名前を知ること」が挙げられます。

『プログレッシブ生命科学』のような教科書を熟読し、用語を確認・整理・暗記しながら、上記のような理解を進めていくことになります。具体的には、初めて出会った項目や、よく分からない点を、飛ばすことなく、理解できるまで関連諸項目を熟読し、他の文献・サイトなどに当たって複層的な理解を広げていく段階となります。

上述の、正しい知識と、正しい理解があって初めて、「得点」するための足場をかけることができると言えるでしょう。

(ステップ3)蓄えた知識と得られた理解を、反復演習を通して、脳に定着させる。

実際に手を動かして問題を解いて、知識漏れがないか、自分ではわかっているつもりなのに曖昧だった部分はないかをチェックし、曖昧な知識や曖昧な理解を明確にしていくのがこのステップです。具体的にノートを使った勉強では、専門用語と定義を整理したノートに、自分で1問1答式の問題をたくさん作って、完璧になるまで繰り返し解いてみるとよいでしょう。

(ステップ4)定着させた知識と理解を、実際の試験問題の題意に応じて、適切に記述できるようにする。思考力や考察力も高める。このステップでは、

  1. これまで理解してきたことを、記述できるように訓練する
  2. 実戦形式の問題(問題集、模試、実際の受験問題)を解く

という2つの流れがあります。前者は主に穴埋めや知識記述型問題、後者は実験考察型問題への対応になります。

方法1.は、「穴埋め・知識記述型問題の解答力強化を行う」「インプット知識を更に増強できる」という効果があります。特に知識記述型の出題を主に行う大学には、この訓練を重点的に行うことが有効になります。具体的には、「過去問やプログレッシブ生命科学に記載されている重要なキーワード」を200字以内で正確に記述できるようにします。

方法2.は、「初見では解きにくい実験考察型の問題形式に慣れる」「考察力を強化する」などの効果があります。特に実験考察型の出題を主に行う大学には、この訓練を重点的に行うことが有効になります。具体的には、『医学部編入のための生命科学演習』を解いたり、KALSという予備校が実施する校外模試や実力テストを受けたり、実際の過去問を解いたりします。

予備校の説明会などに積極的に参加する

最初にすべきなのは、「予備校の説明会や、相談会などに参加して情報を集める」こと。
これは理系でも同じですが、文系は不利なためより正しい情報を、多く集める必要があります。

予備校の説明会に参加すれば、それだけで最近の編入試験などの情報が得られます。
「予備校に通おうかどうか迷っている」「独学で編入試験突破を目指している」という人も、予備校に実際に通うかどうかはさておき説明会などで情報を集めましょう。特に医学部の編入試験で人気の予備校は河合塾KALS。予備校に通えば、授業を受けられるだけでなく過去問を手に入れたりするハードルもかなり低くなります。
金銭面や時間面で都合が合えば、受講を検討してみるといいでしょう。

河合塾KALSについては以下のホームページをご覧ください。

試験科目を絞る

試験科目が「英語&生命科学」タイプの大学を選んだほうが必要な勉強量が減りますし、英語のウエイトがより大きくなります。中でも、TOEFLあるいはTOEICが使える大学を選べば、どれくらいの点数を英語で取れるかが事前にわかりますし、生命科学にだけ集中して勉強時間を割けます。編入試験の英語についての参考書などはほとんどありませんが、TOEICやTOEFLであれば豊富に参考書や対策本があるため、対策もしやすくなるでしょう。もちろん、生命科学と英語の2科目だけでなく、物理や化学などを課す大学を選んではいけないという意味ではありません。
しかし、その場合は勉強量が増えますし、文系出身の方では、強みである英語のウエイトが比較的低くなってしまうため、より難易度が高くなってしまうことを覚悟する必要があります。

実際の過去問を見てみよう!

 

編入試験を受けるなら、一番最初にどんな問題が出るのか、現在の自分の学力と目標値にどの程度の差があるのかを知らなくてはなりません。そのために必要なのが上記勉強法でも出てきた編入試験の過去問。しかし、編入試験の過去問は赤本のように簡単に手には入りません。編入試験の過去問を手に入れるためには、主に以下の4つの方法があります。

・HPで見られる/請求できる
・大学窓口で閲覧できる
・予備校を利用する
・編入試験受験者を探す

それぞれの方法について、利用できる大学やメリットなどを紹介します。

HPで見られる/請求できる

最も簡単なタイプの入手方法です。
大学のHPから過去問がダウンロードできたり、もしくは郵送などで請求すれば手に入ります。

《HPからPDFで過去問が見られる大学》
筑波大学(4年分)

福井大学(1年分)

島根大学(3年分)

香川大学(1年分)

鹿児島大学 (4年分)

群馬大学(1年分)

上記の大学はいつでも好きなタイミングで過去問をダウンロードできるので、「過去問が見たい!」と思ったときにはすぐ入手できます。

《HPからもしくは郵送による手続きで過去問を入手できる大学》
金沢大学

旭川医科大学

高知大学

北海道大学

富山大学

大阪大学

東京医科歯科大学

郵送などで請求するタイプの大学は、過去問の入手まで少し時間と手間がかかるのが難点。
大学の休みと被ってしまうと予想以上に時間がかかることもあるため、その大学の編入試験を受けることが決まったら早めに請求しておきましょう。可能なら一緒に学部案内や募集要項も入手しておけば出願前に慌てなくてすみます。

大学窓口で閲覧できる

大学によっては、直接来校して窓口での閲覧しかできない場合もあります。
この場合、ほとんどが本当に「閲覧」のみで、要点などをメモ書きするのは可能でも、コピーや写真撮影ができない点に注意が必要です。

《窓口での直接閲覧が可能な大学》

名古屋大学 

神戸大学

浜松医科大学

滋賀医科大学

大分大学

大学と住んでいるところが離れているとしても、キャンパス見学を兼ねて一度直接来校して過去問を確認しておくことをおすすめします。
ただし、オープンキャンパスの日は事務室が閉まっていることが多いため注意が必要です。

予備校を利用する

・そもそも編入試験過去問が公開されていない
・遠方で窓口での閲覧が困難
・もっと多くの年度の過去問が欲しい

などの場合は、編入対策向け予備校を利用して過去問を入手することが一般的です。
「予備校に通う時間がない」「予備校が近くにない」という人も多いかもしれませんが、オンラインで自分の都合に合わせて受講できるところもあります。予備校を利用すれば過去問を入手できるだけでなく、学校ごとの傾向を教えてもらえますし、志望理由の添削なども受けられます。
効率的に勉強したいのであれば、受講を検討してみましょう。

編入試験受験者を探す

SNSなどで同じ編入試験の受験者や合格者と繋がり、お互いに情報交換するのも手です。
メルカリなどで販売している人もいますので、予備校に通わない場合は根気強く探してみるといいでしょう。しかし、編入試験の受験者はかなり少なく、学校によっては数人の場合もあります。
自分の志望校の過去問を持っている人を探すのが困難なため、志願者の少ない学校を志望する人にはあまり向きません。

過去問は3年分くらいで大丈夫

 

編入試験の過去問は、3年程度あれば十分でしょう。
編入試験は年度によって難易度の差なども激しく、入学する年度や学期、入試に課される科目なども変更されることが多いので、あまり昔まで遡る必要はありません。そもそも、上記の入手方法を見ればわかるように、簡単に手に入るのは1年〜3年分くらいで、それ以上は予備校に通ったりしなくては手に入りません。
大学受験の一般入試の場合は10年分以上解いて傾向を分析し、対策を練る人もいますが、そこまでする必要はないでしょう。また、何校受験するかによっても過去問の必要数は異なってきます。
4〜5校しか受験しないのであれば、その学校に特化した勉強をするためにもより多くの過去問は解いておきたいですし、過去問演習のための時間も簡単に取れます。
しかし、10校以上受験するとなると、すべての大学の過去問を1年やるだけでも大変な量になってきます。自分の受験スケジュールや、1年分解いたときの手応えなどと合わせて調整していきましょう。

必見 合格のための過去問の活用方法

 

過去問は、「今の自分と、受験校の差」を知り、出題傾向を確認するために使います。最初に過去問と自分を比較することで、自分の今の学力と、受験校で出題される問題のレベルを知ることで「あとどれくらい勉強すれば合格に達するだろうか」「勉強スケジュールをどのように組めばいいのか」を考えます。
そして最後に、総仕上げとして過去問演習をするのが一般的です。このときのコツは、「一番難しい学校に合わせて考える」こと。
受ける学校1校ずつに対して傾向と対策を考えて対策を行うのは大変ですし、突然傾向外の問題が出てきたときに失点する可能性もあります。大学入試を一般受験するときと同じように、「一番難しい学校に合わせて基本的な調整を行い、それ以外の学校でも特徴的な出題などがある場合は別に対策を行う」ように勉強していけば無駄が少なくなるでしょう。

生命科学は出題範囲が広いため、基礎能力をしっかり身につけることが大切になります。
手に入る過去問の量も少ないので、「過去問演習を勉強のメインに据え、足りない分の知識を補っていく」ような使用方法では抜けが出てきてしまうおそれがあります。

解説や問題文がない場合に要注意

学校によりますが、過去問そのものは手に入っても解説がない場合も往々にしてあります。できれば模範解答がなくとも自分の力で答えを探せるようになりたいところですが、論述問題などで自分の解答がどの程度取れているのかわからない、どうしても解答がわからないという場合は、やはり予備校に頼るかメルカリなどで解答を作成・販売している人を探すしかありません。また、英語などは著作権の問題で問題文が過去問に載っていない場合もあります。
多くは出典が明記されているはずですので、できるだけどのような内容・難易度か確認しておくといいでしょう。

社会人という理由で編入を諦める必要はない

ハンデがある場合でも、医学部の編入試験には受かります。
しかし、時間的、体力的、学力的に不利なところから始まるという点は事実。そのため、より長い期間で勉強計画を立てたり、試験科目を絞るなどの工夫をする必要が出てきます。
医師になったとき、それまでの経歴がどのように活かせるかもしっかり詰めて考えなくてはなりません。これまでの人生を生かした戦略を立てて、合格に向けて頑張ってください!

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