【保存版】医学部6年間のリアルな日常に迫る!勉強からプライベートまで充実した生活

現役医大生の実情

「医学部に入ったら、毎日図書館で勉強する?」

「検索してもでリアルな医学生の生活がみえない・・・」

医者の親戚がおらず、医学生はどんな生活をするのか全く分からないなか、2018年に金沢大学に入学しました。医学部6年生となった今、学生生活を振り返ってみると、思いのほか図書館の外で過ごす時間も多かったです。サークル、部活、バイトなど、実習など座学以外にもたくさんのことに取り組んできました。医学部受験を考えている皆さん、ぜひ学生生活をイメージしながら最後までお読みください。

医学部の6年間は多忙をきわめる

余裕のあるキャンパスライフを送れるのは1年生だけ

総合大学の医学部1年生は他学部とともに教養科目を学ぶため、自分で選択できる授業も多くあります。多くの大学では2年生以降は遠く離れた医学部キャンパスで学ぶので、1年生は他学部の友達を作るチャンスです。

また、入学時のアパートの立地にも注意が必要です。引っ越しの費用と手間を考えると、最初から医学キャンパスの近くに住むことをおすすめします。

一般教養科目は必修科目と選択科目があり、楽な単位(通称「楽単」)を選ぶのもよし、医学以外で興味のある科目を選ぶのもよしです。私は上手く授業を組み合わせて「全休」(1日休める日)を作っていました。休みの日は友達と出かけたり、アルバイトをしたりします。

医学生のアルバイトといえば塾講師です。受験勉強の経験を生かし、ほとんどの医学生が塾講師として働いた経験があります。私も1年生から3年生まで個別指導の塾講師、4年生の頃に家庭教師をしていました。一方で、あこがれや興味から飲食店で働く人もいます。「医学生のバイト事情」について、詳しくはこちらをご覧ください。

それに対し、単科大学では1年目からすべて必修科目だそうです。せめて1年生のうちは大学生ライフを満喫したい考えている方は、総合大学の医学部がおすすめです。

医学生は意外と体育会系だった!全体の約8割が運動部に所属する

入学してすぐに、部活動の新歓(新入生歓迎会)に参加します。意外かもしれませんが、医学生の多くは運動部に所属しています。4月には多くの部活動の新歓があり、先輩たちにご飯をおごってもらったので、自炊をすることはあまりありませんでした。多くの運動部は週3前後の活動があり、試験前でも休むことができません。いつの間にか部活中心の生活になってしまうことがよくあります。

全体の1割くらいは医療系サークルを兼部する

運動部の他にも、救命処置を練習するサークル、漢方を学ぶサークル、夏休みに山の上の診療所の手伝いをするサークルなど、医学部独自の文化系サークルがあります。部活動やサークルは学校によって大きく異なるので、ぜひ志望校の部活動を調べてみてください。私は夏休みに富山県立山での診療ボランティアに参加しました。こちらの写真では、食糧などを背負って診療所に向かっています。

8割以上が運動部に所属し、一部文化系サークルを兼部する人がいます。こちらの記事で「医学部の部活動」を詳しく解説していますが、自分の理想とする学生生活と部活動の内容をよく考えてから、入部宣言をしましょう。

1年生は週に2回ほどの専門科目があります。こちらは一般教養科目の試験よりもっと真剣に取り組む必要があります。医学の教科書は高額なので、購入する前に部活の先輩に聞いてみましょう。運が良ければ、教科書をもらえるかもしれません。

1年生は、夏休みや冬休みに2か月弱の長期休暇が与えられます。バイトや旅行、自動車学校に通うなど、長期休暇をぜひ有効活用しましょう。

後期に入ると、一般教養科目の履修もほとんど終わり、時間に余裕ができます。この期間は、バイトや趣味に打ち込む学生が多いようです。医学生活の中で最も自由な時間が過ごせる期間といえます。

解剖学実習で学ぶ、医学部生活の厳しさ―2年生の体験談

医学部では2年生、4年生、6年生が大変だと言われています。こちらに2年生の頃のある1日のスケジュールを紹介します。

 

2年生からいよいよ本格的に基礎医学を学びます。多くの学校では解剖実習が始まります。実習では、血管や神経など見つけるべき構造物を指定され、それらを見つけるまで帰れません。夜の8時までかかったこともありましたが、ほとんどの場合6時前後に帰りました。その後部活やバイトに行き、帰宅が10時を超えることもしばしば。日曜以外は部活かバイトをしていたので、自宅でゆっくり夜の時間を過ごすことはありませんでした。そんな中で時間を見つけてテスト勉強を行います。授業、部活、新歓、バイト、試験が重なると体力的にかなり辛かったです。

学生生活を過ごす中でやりたいことは増えていきます。それも考えて入学時の部活を慎重に決めましょう。先輩・後輩との人間関係ができてからでは辞めるのが難しくなります。

2年生からは夏休みが1か月になります。毎年8月中旬には部活道の大会があり、それまで強化練習が行われるので夏休みは実質3週間にも達しません。私はバドミントン部に所属し、西医体(西日本の医学生が競う大会)に出場しました。

解剖実習を乗り越えると時間に余裕ができるので、新しいことに挑戦するのにいい時期です。私は2年の後期から研究室に所属しました。現在、多くの学校で学生が研究室に所属することを推奨しています。

基礎医学を完成し、いよいよ臨床医学を学ぶ3年生

授業に慣れ、試験勉強のコツもつかめた頃です。この時期には、解剖実習のような大変な授業はありません。

基礎医学の授業を終えると、次は研究室配属です。1か月ほど基礎医学の研究室に所属し、実験の方法や論文の読み方を学びます。医師になるためには研究も重要な要素です。研究は必須ではありませんが、将来のキャリアに役立つため、学生時代に実験を学べる貴重な機会です。

私は2年生の頃から脳神経の研究室に所属し、マウスのてんかんモデルを用い、グリア細胞の活動を観察しました。医大生の研究室配属について、こちらで解説しています。

後期からは臨床医学の授業が始まります。基礎医学よりも興味深い内容ですが、1限から5限までの長時間授業になるため、慣れるまでかなり疲れます。

3年生になると、部活動で幹部として活躍する頃です。学業が比較的楽な時期なので、多くの学生が部活やバイトに力を注ぎます。

試験とCBTに追われる4年生

臨床医学の授業を終えると、4年生は20科目以上の試験地獄に直面します。連日の試験は2か月に及び、みんな疲弊していました。同級生たちはストレスから胃痛や食欲減退、過敏性腸症候群に悩まされながらも、過去問対策に取り組んでいました。私自身も試験準備が追いつかず、初めて徹夜を経験しました。

試験地獄を乗り越えると、次に待っているのはCBT-OSCEと呼ばれる試験です。この試験は全国の医学生同士で競い合うもので、CBTでは基礎と臨床の知識問題に取り組み、OSCEでは実技試験が行われます。全国の優秀な医学生たちとの競争が激しく、努力しても相対的に低い点数になることもあります。

医学生の多額な教材費

CBTの問題集は完全電子媒体なので、3年生までに全員タブレットを購入します。CBT対策のためのタブレット、参考書、問題集、ビデオ講座などを合わせておよそ20万円ほどかかりました。学費や生活費以外にも教材費や部活動の遠征費など、隠れた出費が多くかかります。こちらの記事で「医学生の金銭事情」について解説しています。

学校の試験とCBTの畳みかけで、4年生が最も留年しやすいと言われています。CBT終了後は1カ月半ほどの休暇があり、この時期には多くの学生が旅行に出かけます。CBT合格祝いとして友人と九州旅行に行きました。

試験を乗り越えると、晴れて「スチューデントドクター」として病院での実習が始まります。実習では基本的に見学が主であり、問診や身体所見の記録などに携わります。時折、学生同士で採血の練習を行うこともあります。

実習に慣れ、初期研修について考え始める5年生

実習の時間は科によって異なります。午前中だけで終わる場合もありますし、一日中手術見学をする科もあります。立って見学することも多く、意外と実習は体力勝負です。特に外科志望であれば、運動部に所属して鍛えておくことをおすすめします。

威圧的な医者はほとんどいない

昔の医療ドラマのような、若い医者や看護師に対して威張った態度をとる医者はほとんどいません。私自身、病院実習を行っている中で幸運にもそういった態度の悪い医者には出会いませんでした。ほとんどの医者は学生に対しても優しく接してくれます。

カンファ(治療方針などを決める会議)で教授に質問されることがあります。恥ずかしい思いをしないためにも、実習で回る科の内容について予習が必須です。

実習中には救急搬送や手術見学、担当患者さんの死といった様々な経験を積むことになります。さまざまな科を回る中で、患者さんや指導医との多くの出会いがあり、当初の志望科とは異なる科に興味を抱くこともあります。

就活のために病院見学に行く

実習の傍ら、そろそろ将来について考え始める時期です。医学部の就職は「マッチング」というシステムで行われます。人気のある病院で働きたい場合には、5年生のうちから病院見学に行きアピールする必要があります。

5年生は学校の試験がないので、実習以外の時間を有効活用して資格の勉強や新しいバイトに挑戦することもできます。

6年生は実習、マッチング、卒試、国試と多忙な時期を迎える

必修の実習が終わると、5年の終わりから6年の6月頃まで「選択実習」があります。この時期には、興味のある診療科に再度実習に行ったり、就活をかねて県外の病院で実習したりできます。学校によっては、希望する学生が海外での実習プログラムに応募することも可能です。幸運にも私はハワイの病院で1カ月間の実習をする機会を得ることができました。「海外での臨床実習」について、こちらの記事で詳しく解説しています。

実習を終えると、いよいよマッチング試験(各病院の就職試験)が待っています。7~8月に希望する病院での試験に参加します。1つの病院にのみ応募する人もいれば、5か所以上の病院に応募する人もいます。一般的に都会の病院は人気が高く、競争倍率も高くなります。

マッチングを終えると、卒試に向けての準備が始まります。国試形式の出題を行う学校がある一方、国試とは異なる独自の問題形式を採用する学校もあります。

卒試に合格したら、いよいよ国試に向けて集中して勉強します。国試の合格率は約9割と高いですが、医学生の10%弱が不合格になる厳しい試験です。試験後の旅行を励みに、最後まで精力的に勉強に取り組みます。

勉強、部活、バイト、そして遊びも!充実した医学部生活のすすめ

勉強のスケジュールは大変そうに見えますが、医学生は意外と多様な活動を楽しんでいます。バイトや遊び、部活など様々な経験を積みながら、勉強にも取り組んでいます。大切なのは勉強に集中するときとリラックスするときのメリハリをつけることです。医学部に合格して、充実した学生生活を送りましょう!

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