医大生は学費以外にどのくらい費用がかかる?金銭事情も含め現役医大生が解説!

現役医大生の実情

医学部は学費が高いイメージがありますが、実は入学後にも必要となる費用があります。

医学部卒業までに学費以外にかかる費用TOP3は、生活費、交際費と教材費です。

入学後実際にいくらくらいかかるのか、また進学先の大学によって金銭事情は異なるのか、疑問に思う受験生は多いと思います。

そこで、本記事では現役医大生が医学部で実際に必要となる金額について、解説していきます。

【第一位】生活費は、おおよそ全国平均程度

医大生の大半は、実家から大学へ通う、または一人暮らしか寮での生活となります。一人暮らしを行う場合、家賃が必要となる他、通学などのために車の購入を行う学生が多いです。

各大学によって生活費は大きく異なりますが、以下のサイトでは、全国平均の実家暮らしは月4万円程度、一人暮らしは月11万程とされています。

ここからは、医学部の生活で必要な費用について解説していきます。

【参考】国公立大学と私立大学では6年間の学費が約10倍になる

国公立大学の学費は6年間総額で約350万円であるのに対し、私立大学は平均で約3,000万円でおよそ10倍ほどの差があります。

学費や地域枠制度については、以下の記事も参考にしてみてください。

寮生活や一人暮らしが必須となる大学もある

大学によっては、寮生活が義務付けられている場合もあります。昭和大学や順天堂大学、岩手医科大学などでは、1年次に寮生活が必須となっています。

寮費は各大学によって異なりますが、年100万円弱程の大学が多いです。

また、実家から通えない距離の大学に通う場合、一人暮らしが必要となることもあります。特に臨床実習に参加する際は、朝早い集合時間を設定されていることもあり、一人暮らしを始める学生もいます。

そのため、実家から距離のある大学を志望する場合は、一人暮らしをしなければいけない状況になることも考え、生活費を多めに見積もることも大事です。

実習のために車1台分持つコストがかかることも

医学部では、4年生の後半から6年生前半にかけて、臨床実習が行われます。大学により実施方法は異なりますが、附属病院だけでなく大学から少し離れた場所の病院に行くこともあります。

都心の大学であれば電車で通学することも可能ですが、地方で電車では通いにくい場合、車による通学機会が増えます。そのため、地方大学の医大生は、都心の医大生と比較すると車の所有率が高くなります。

低学年のうちは免許を持っていないため車を所有していない学生も多いですが、実習が始まる高学年ではほとんど全員が車を所持しているといった大学もあります。

一方、同じ実習班の人の車に同乗させてもらうなど、車を使用しない人もいます。地方大学に進学したからといって、必ずしも車が必要となることはないようです。

【第二位】交際費は部活などで月3万円〜必要なこともある

医大生も飲み会や旅行に行くことは多い

医大生というと、勉強ばかりしていてあまり遊ぶ時間がないというイメージを持つ方も多いと思います。しかし実際は、試験勉強などの時間をきちんと確保した上で、旅行や飲み会などの遊びを両立する人が多いです。

飲み会は一回あたり3,000円程度、旅行は3万円から5万円ほどが標準的だと思います。

交際費は遊びに行く頻度によるため、人によっては大きく前後しますが、おおよそ月3万円程必要な事が多いようです。

部活に所属するのにもお金はかかる

医学部では部活動が盛んに行われており、約9割以上の学生が部活動に所属しています。

また、医大生は運動部に基本的に所属するため、試合や合宿などに参加することも必要です。そのため、各部活ごとに開催されている大会の都度遠征費が必要となり、部活動にかかる費用も生活費の多くを占めます。

特に東医体や西医体といった医学部で最大規模の大会では、東日本または西日本全ての医学部が一堂に会するため、宿泊費や遠征費が必要となります。この大会は年1回実施されており、どの部活でも最低3泊から4泊程度するようです。

競技や活動頻度によっても必要額は異なるため、入部前にきちんと確かめておく事が重要です。

医大生の部活動はおごる文化がある

医大生の運動部では、先輩と後輩でご飯に行った際におごる文化があり、ほとんど全ての大学で行われています。そのため、学年が上がるにつれて、部活動での出費が増加していきます。

部活動によっては、活動後にご飯を食べに行き体力をつけるといった制度もあり、上級生は一度の部活動で5,000円程度支払うこともあるようです。

【第三位】医学部入学後に必要な教材費は累計30万円程

医学部では、専門的知識を身につけるために、教材を購入して勉強に励む必要があります。そこで、具体的にどのくらいの教材費を必要とするか、ここからは解説していきます。

1年生は教養科目で他学部と同じ授業の書籍を購入

1年生では、いきなり医学の専門分野を勉強するのではなく、数学や理科、第二外国語などの教養科目を受講する大学が多いです。総合大学では、医学部以外の他学部と同じ授業を受講することもあります。

受講する授業によっては購入する書籍が指定されることもあり、教材費は受講する授業により異なります。

私は第二外国語や英語、理科の授業でそれぞれ教材が指定され、約1万円程かかりました。

2・3年生で医学の専門書(約2万円〜)やiPad(約10万円)を購入

2年生になると、解剖学などの専門分野の学習が始まるようになります。

教科書は指定されないことも多いですが、医学分野の教科書を自主的に購入する人もいます。

「Qシリーズ」や「人体の正常構造と機能」、「標準シリーズ」などが、医学部生の中で有名な教科書です。中でも、「人体の正常構造と機能」は「正常人体」と略され、2.3年生で勉強する基礎医学の分野において最も参考にされる教科書の一つで、価格は2万円程となっています。

人体の正常構造と機能

これらの他にも、組織学や発生学の分野で様々な本が発売されており、各自で自分が必要とする教科書を購入したり借りたりします。

また、この時期にiPadなどの電子媒体を購入する医大生が増加します。

医学部の教材はとても分厚いものが多いので、電子書籍の形で購入してiPadなどにダウンロードすると、どこでも閲覧できるようになり勉強が捗ります。そのため、専門書を買うタイミングでiPadの購入を検討する学生もいました。

近年は新型コロナウイルス感染症の影響で、授業が遠隔で実施される機会も増えました。資料がPDFで配布されることもあり、iPadで閲覧できると課題の提出も便利になります。

医大生におすすめのアプリは、「GoodNotes5」というアプリです。こちらのアプリでは、ダウンロードしたPDFに対してノートのように書き込みを加える事ができ、ノート内を検索したりPDF化して共有したりする事ができます。1,500円課金する事で無制限で使えるため、ほとんどの医学生がGoodNotes5をダウンロードしています。

4年生で医学部の共通試験のために予備校の授業を受講

4年生では、CBTとOSCEに合格する事が重要となります。

CBT・OSCEとは臨床実習に進むにあたって合格しなければいけない試験で、CBTはコンピューターによる筆記試験、OSCEは身体診察や医療面接などの実技試験になります。

CBTは基礎医学から臨床医学まで、膨大な量の知識を要求されるため、合格するためにはかなりの時間の勉強が必要です。そのため、大学の授業だけではなく、医学専門の予備校の授業を受講したり問題を解いたりする医大生が多いです。

特に、クエスチョンバンク(QB)という問題集にはCBTの再現問題が掲載されており、多くの医大生が利用しています。模試も含めた価格は33,000円で、私もCBT受験の際はQBを解いて対策を行いました。

また、QBは書籍版が廃止されオンライン版のみの販売となったので、今後購入を検討する際には必ずiPadが必要となります。

5.6年生で国試対策のために動画講座を受講

5.6年生になって臨床実習が始まると、実習を行いながら国試などの勉強を始めるようになります。

また、医大生の就職活動では、病院によっては筆記試験が課されることもあり、早いうちから国試対策を始める学生もいます。

国試の勉強には、4年生次の共通試験対策と同様に、動画講座を受講したり問題集を購入したりして勉強を進めます。

4年生から6年生までの3年分の動画講座を購入すると、おおよそ7万円から8万円程になります。

以下のサイトが、医大生に人気の動画講座です。

医大生はアルバイトや支援で費用をやりくりする

ここからは教材費や生活費にお金がかかる、医学部生の金銭事情について解説していきます。

医学部生の収入源はアルバイトや実家からの支援、奨学金など

医学部生の多くは、生活費をアルバイトや実家からの支援に頼っています。

実家が裕福である場合、アルバイトをせずにお小遣いをもらったり、車など必要な物品を買ってもらったりすることもあるようです。

一方で、アルバイトをして生活費を稼いでいる医大生もいます。

医大生に特に人気なアルバイトは、家庭教師や塾講師、飲食店などで、時給は1,000円程度から3,000円程度まで幅広いです。

医大生のアルバイトについては、以下の記事も参考にしてみてください。

教材は図書館を有効活用する他、先輩に聞く

医学の専門書は一冊2万円することもあり、とても高価です。また、学ぶべき知識の範囲も広いため、全ての参考書を集めることはなかなか難しいです。

私は大学の図書館などを有効活用して勉強を進めていました。多くの大学では、医学生が必要とする書籍を取り揃えており、貸し出し制度も充実しています。そのため、テスト前の期間などに参考書を借りて、集中して勉強していました。

また、先輩からもう読まない参考書を譲り受けたり、友人と共同で使用したりもしていました。

医大生でも一般の大学生と同じような交際費の使い方をする

医学部生と一口に言っても、個々の金銭事情は大きく異なります。アルバイトをしながらお小遣いももらっているという人が多く、およそ7-8割程度を占めます。

遊び方もそれぞれ自由ですが、家計簿をつけて交際費を決めている学生もいれば、自由に遊んで良いと言われている学生もいるようです。

医学部入学後にも教材費や生活費は学年によって必要となる

本記事では、医学部入学後に実際に必要となる費用について解説しました。

大学の所在地や購入する教材によっても異なりますが、どの大学でも学費以外に必要な出費があります。また、上記以外にも交際費や交通費など、都度出費の可能性を考える事が大事です。

志望校を考える際は、偏差値などに縛られるのではなく、進学後に交通費や車の所有が必要なこともあるため、所在地や費用もきちんと検討するようにしましょう。

ぜひ本記事を参考にして、大学入学後に必要なことを考えてみてください。

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