マッチングは医学部生の就活!経験者が解説します!

医者のキャリア

医学部にも就活はある!

皆さんは医学部生の就職についてどのようなイメージを持っていますか?医学部生には就職活動がない、という話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。私も、高校時代には医学部に行けば就職活動をすることなく職につけると思っていました。

確かに、一般大学のようないわゆる「就活」はありません。しかし、医学部の学生もマッチングというシステムのもとで就職活動をする必要があります。今回は、そんな医学部のマッチング事情について解説します!

大半の医学部生は医師になる

多くの方の想像通り、医学部医学科のほとんどの学生は6年生の冬に医師国家試験を受け、医師免許を取得します。中には臨床系の医師ではなく研究者や行政の道を志す学生もいますが、そういった人たちも医師免許を取得することがほとんどです。医師のキャリアについては以下の記事も読んでみてください!

医学部卒業後は研修医に

医学部を卒業し、無事医師免許を取得した後は、2年間の臨床研修を受ける必要があります。臨床研修を終えていないと病院の管理者になれないなど制約も多いので、研究など臨床以外の道に進む場合でも臨床研修を受ける人が多いです。

臨床研修を受けるためには、臨床研修を行っている病院に研修医として就職する必要があります。そのとき、マッチングシステムを使って就職活動を行うことになります。

マッチングは医学部生の就活!

マッチングは医学部版「ドラフト会議」

マッチングシステムでは、学生は行きたい病院のリストを、病院は採用したい学生のリストを作成し、登録します。そして、コンピューターにより双方の希望がマッチされ、どこの病院で研修するかが決まります。

その順位づけのために、学生は病院が主催する見学会や説明会に足を運び、行きたい病院の候補を絞ると同時に病院側に好印象を持ってもらう必要があります。病院側も優秀な学生を確保したいので、見学会や説明会を開催したり採用試験を行ったりして学生を評価します。

プロ野球のドラフト会議は球団が欲しい選手を指名するシステムですが、マッチングは病院にも学生にも選ぶ権利があります。マッチングは双方向型の医学部版ドラフト会議かなと個人的には考えています。

マッチングの流れ

マッチングの結果が発表されるのは6年生の10月末ですが、マッチングに向けて動き出すのはもっと早いです。私は5年生の春頃から病院を調べ始め、夏休みを利用して病院見学に行きました。もっと早い人だと4年生のうちから病院について調べたり、説明会に行ったりしている人もいるようです。

6年生の6月くらいになると、今度は採用試験の準備を始めます。採用試験にあたって履歴書を書かなければならないのですが、病院の中には履歴書作成が大変なところもあります。学生時代に取り組んだことだけでなく、医療に対する考え方や将来のビジョンについて書くこともあります。

また、病院によっては筆記試験があるので、そのための対策が必要なこともあります。

詳しくは後ほど書きますが、6年生の夏に採用試験を受けます。そして、その結果を元に病院は欲しい学生の順位表を作成します。学生は採用試験が一通り終わった後で行きたい病院の順位表を作成します。そしてコンピューター上でマッチングが行われ、10月末くらいに行く病院が確定します。

一般就活と違って複数病院から内定をもらうことはできませんし、決まった研修先を辞退することもできません。ただ、マッチングで残念ながら行く病院が決まらなかった学生は、採用枠に余裕がある病院と個別にやり取りをして研修先を決めることになります。

病院見学に行こう

「病院見学」という言葉に聞き馴染みがないかもしれません。病院見学とは、行きたい病院で1日から数日院内の見学や実習をさせてもらい、病院や先生たちの雰囲気を知るとともに自分のことを病院側に知ってもらうものです。

学生にとってはネットの情報や口コミだけではわからない病院の実情を知ることができ、病院側は採用試験だけでは測れない学生の様子を見られるのでとても重要です。

マッチングを成功させる鍵は病院見学にあると言っても過言ではありません。いろいろな病院に足を運んで、自分にあった良い病院を見つけましょう。ちなみに私は見学に行く病院を以下のようなサイトで探していました。

大学病院が向いているのか、それともそうでない病院がいいのか、都会がいいのか地方がいいのか、どんな強みを持った病院で働きたいのかなどを考え、調べてみることが重要です。

採用試験は面接がメイン

マッチングのための採用試験では、どこの病院でも大体面接が必須です。学生時代のことを掘り下げてくる病院もあれば、医学知識に関連した内容を聞いてくる病院もあるなどさまざまです。

面接に加え、小論文や筆記試験を課す病院もあります。中には英語や実技が試験内容に含まれる病院もあります。個人的な印象としては医学部入試の2次試験に近い気がします。

研修医以外の進路は?

研修をせずに研究者になる道も

多くの医学部生は研修医になりますが、研究者を志す人の中には研修医として臨床を学ぶことよりも研究に多くの時間を費やしたいと考える人もいます。なので、研修医にならずに大学院に進んだり研究室に行ったりすることもあります。

ただ、私の周りでは、研究者志望でも臨床を知った上で医学研究に臨みたいという考えから研修医になる人が多いように感じます。臨床研修をしていると研究者になってからも非常勤で臨床医として働ける機会が多いので、臨床研修をしていることはアドバンテージなのかもしれません。

一般企業に就職する人も

一般企業に就職したり起業したりする医学部生もいます。医学知識を活かして医薬品メーカーや医療系の出版社などに活躍の場を求める人たちがいます。

私の周りではあまり聞きませんが、コンサルタントや金融など医学とあまり関係のないところに活躍の場を求める医学生もいるようです。国家試験向けの予備校の先生の中にも、かつて大手外資系企業で働いていたという先生がいます。

まとめ

医学部生といえど、何もせずに就職ができるわけではなく、就職活動をしなければなりません。自分にとって最適な研修先を見つけるにはいろいろな病院を調べて実際に足を運び、一般企業への就活と同様、自分の特性や将来のビジョンをしっかり分析し検討することが大切です。

マッチングにおいては、ただずっと勉強ばかりしてきた人よりも、部活や好きなことに打ち込んできた人や、コミュニケーション能力が高く親しみやすい人が有利な印象を受けました。また、部活などで作った人脈、特に先輩との繋がりはマッチングにおいて非常に役立ちました。

医学部の6年間では勉強だけでなく、部活や趣味などさまざまなことに取り組んで豊かな学生生活を送るのが良いでしょう。

 

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