金沢大学医学部は北陸で1番難しい?魅力や入試情報を徹底解説

医学部入試情報

皆さんは ”きんだい” をご存知でしょうか?

日本海側のおよそ中央に位置する人口44万人の地方都市、金沢。県内ただ一つの国立の総合大学である金沢大学は、地元の人々に ”きんだい” という愛称で親しまれています。

金沢の医学部といえば、私立の金沢医科大学を連想される方が多いのではないでしょうか。

でも金沢には、金沢医科大学とはまた別に国公立大学の医学部がちゃんとあるんです!

ということで今回は、その国公立大学である金沢大学の医学部について、詳しく紹介していきたいと思います!

金沢大学医学部は宝町キャンパスで学ぶ

 

 

 

 

 

 

 

金沢大学は、角間キャンパスと宝町・鶴間キャンパスの2つのキャンパスに大きく分かれていて、その敷地面積はなんと国公立大学の中で2番目の広さなんです!(東京ドーム約41個分)

角間キャンパスは主に、全学部の1年生が共通科目を学ぶ教育棟や文系学部の研究棟、新しく建てられたばかりの理工学部・薬学部の研究棟があり、部活やサークルで使用するテニスコートやサッカーコート、体育館もこちらにあります。

一方、医学部や保健学部の学生が主に通うのは宝町・鶴間キャンパスで、こちらは金沢駅から15分、兼六園から車で5分くらいのところにあります。

角間キャンパスは山に囲まれているので、生活が不便だと思っていませんか?実は山のふもとにはイオンや数々の飲食店があり、買い物にもアルバイトにも困りません。

医学類の宝町キャンパスは比較的街中に近く、歩いて20分ほどで市内随一の繁華街・香林坊(こうりんぼう)に着きます。新型コロナウイルスの感染が広まる前は、よくこの街で部活の打ち上げや飲み会を行っていました。

キャンパスごとの見どころを分かりやすくまとめたパンフレットがあるので、興味のある方はぜひこちらをご覧ください!

金沢大学医学部の学費は6年間で349万円!

6年間の学費は349万円

国公立大学は学費が一律となっており、内訳は以下の通りです。

入学金:282,000円
年間授業料:535,800円
6年間の総額:3,496,800円

実際はこれに加え、一人暮らしや部活動の大会参加費、医学の高い教科書代などがかかります。ほとんどの学生がアルバイトをして生活費をやりくりしています。

奨学金制度や地域枠奨学金の利用もできる

多くの国立大学にもあるように、金沢大学にも家庭の経済状況に合わせて授業料減免の制度があります。詳しい条件についてこちらに書いてあります。

また、日本学生支援機構や地方公共団体、民間奨学団体による奨学金のほかに、金沢大学独自の奨学金制度があります。

金沢大学は留学を推奨しており、留学資金の一部(5万円程度)を支給する制度があります。イギリスに短期留学した同級生の多くがこの制度を利用していました。さらに、新型コロナウイルスによる経済的な影響で家計が苦しくなった学生に対しても支援を行っています。奨学金に関する情報は毎年変わるので、詳しくはこちらをご参照ください。

次に、医学部独自の地域枠奨学金について説明します。金沢大学は毎年10人の石川県枠と2人の富山県枠を設けています。これらは、県が学費と生活費を支給する代わりに、卒業後、県内の指定する医療機関に9年間勤めることを義務づける制度です。

金沢大学医学部の魅力5選

1、1年生から研究室に所属できるプログラムがある

金沢大学は研究医の育成に力を入れています。MRT (メディカルリサーチトレーニング) プログラムでは、1年生のうちから研究室に所属し、実験の基礎を学ぶことができます。

臨床だけでなく研究にも興味のある学生におすすめのプログラムです。

プログラムの概要や参加している研究室について記載しているウェブサイトがあるのでぜひご覧ください。

2、世界各国への留学のチャンスが豊富

医学部は他の学部に比べて留学の機会が少ないと思っていませんか?

実はスーパーグローバル大学に指定されている金沢大学では、グローバル人材を育成すべく、医学部生にもさまざまな留学の機会があります。

ここ数年はパンデミックの影響により、多くの留学が取りやめになってしまいましたが、2022年から少しずつ復活しています。ここでは、パンデミックが始まる前の留学について紹介していきますね。

2019年度例(いずれも人数制限あり)

1年次  イギリス エジンバラ大学医学部への短期留学 3週間
3年次  ベトナム ハノイ医科大学での研究室配属  / WHO(世界保健機関)本部での研修 1週間
5年次  ニューヨーク・プレクラークシップ海外研修 2週間
6年次  台北医学大学での臨床実習 4週間 / ハーバード大学での臨床実習 3週間

これから世界で感染が収束すれば、医学部でも留学の機会は十分にあります。

3、医学部 医学科ではなく医薬保健学域 医学類と呼ぶ

金沢大学のHPや募集要項をご覧になったことがあれば、一度は戸惑ったことのある方が多いのではないでしょうか。
実は金沢大学は、学部や学科といった表現を用いていません。
私たちが通常目にする「医学部 医学科」を、金沢大学では「医薬保健学域 医学類」と表記しています。

なぜこのような特殊な言い回しをしているかについては、日経が詳しく取り扱っていますので是非こちらをご覧ください。

4、後期日程の一括入試では、2年生から医学類に編入できる

金沢大学医学部には、後期受験枠がありません。そのため、前期入試または推薦入試での合格を目指す必要があります。
しかし、金沢大学には後期試験において文系・理系一括という特別な入学枠があります。
他の学類生と同様に、1年間の共通基礎科目を受けた後、成績によっては自分の志望する学類へ2年生から編入できるというものです。また学士編入制度も取り入れているため、2年次からより多くの同期と共に学生生活を送っていくことになります!

5、最新設備が揃う大学関連病院が多い

金沢大学医学部は、北陸において最高峰の医学部ということもあり、北陸の至る所に大学関連病院を所有しています。
そのため、4年生以降の臨床実習では、金沢に留まらず加賀や敦賀、黒部といった北陸にある数多くの病院で学ぶことが出来ます。また埼玉県の横浜栄共済病院も大学関連病院であり、希望すれば5年生のエレクティブ実習で埼玉に行くことまで出来ます!

そして何より、大学附属病院には最新設備と経験豊富な医師が揃っているため、北陸全土から数多くの症例が集まってきます。そういった観点から、医学を学ぶ上では北陸でこれ以上ない環境が揃っています!

金沢大学医学部入試の特徴4選

1、生物受験不可!

共通テストは他の医学部と同じように、英語、数学、国語、理科2科目、社会1科目を選択し受験します。

しかし二次試験の理科は物理・化学と決められており、生物選択者は受験できないので注意しましょう。

2、二次試験の配分が70%で高い

共通テスト:450点

二次試験:数学300点、理科300点、英語300点、面接150点

合計:1500点(共通テスト30%、二次試験70%)

二次試験の配分が高く、共通テストで多少失敗しても二次試験で挽回できる可能性は十分にあります。

共通テストで思うように点数を伸ばせなかった場合でも、巻き返しを充分図ることが出来ます!
実際、共通テスト後に志望を金沢大学に変更して合格した在学生は多々います。

3、推薦入試は共通テストの国語が半分に圧縮される

共通テスト:800点(国語100点、数学200点、英語200点、理科200点、社会100点)

面接:200点

合計:1000点(共通テスト80%、面接20%)

推薦入試はほとんど共通テストの成績で合格が決まります。最低でも8割後半は取っておきましょう。

4、面接は基本的な質問に回答できればOK

先生3人からの質問に答えていくスタイルです。質問内容は受験生によって大きく異なるようでした。

私は、医者になりたい理由、地域医療について、ボランティア活動の経験について聞かれたことを覚えています。他には、部活動のこと、友達関係のこと、自分の性格についてを聞かれた受験生もいました。

当たり前のことになりますが、志望動機や目指す医師像を考え、最近の医療関連のニュースを調べておけば問題ないでしょう。

受験科目は以上ですが、英語外部試験で一定の点数以上であると証明できれば最終の合否判定に加味する、という制度もあります。TOEFL-iBT 95点以上が目安となります。詳しい要件は募集要項をご覧ください。

金沢大学医学部は偏差値69で北陸最難関

医学部受験マニュアルにおける統計では、金沢大学医学部の偏差値は69.0で、全国の医学部82校の中で26位となっています。また国公立大学の中では22位と、北陸地方の中では最難関の大学となっています。
これは、名古屋市立大学や山梨大学と並ぶ偏差値で、防衛大学や大阪医科薬科大学より高い位置づけにあります。

毎年300人以上志願しますが、志願者数が募集定員の3.5倍程度(295人程度)を超えた場合は、共通テストによる”足きり”があります。2022年度は320人が志願し、足切りされたものや受験を放棄したものを除くと、実際には229人が受験しました。

なお、推薦はいずれも受験人数が30人と限られており、志願者がこれを超える場合に”足きり”が行われます。

倍率についてはこちらの「旺文社 大学受験パスナビ」にくわしく記載されています。

北陸最難関の金沢大学医学部に合格しよう

いかがだったでしょうか?
金沢大学医学部について、少しでも興味を抱いていただけたでしょうか?

実は金沢大学医学部は長崎大学、東京大学に続いて、日本で3番目にできた医学校です!

金沢は、美味しい海の幸と温かみのある人情で溢れていて、また最近ますます発展を遂げて新しい飲食店や商業施設が激増してきているので、学生生活を送る上ではこれ以上ない場所だと思います!

長い歴史を持ちながら英語教育や留学にも力を入れ、新しい風を取り込んでいる金沢大学で一緒に学びませんか。

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