大学生で奨学金を借りているのは何割?
気になる借入総額なども解説

医学部対策の勉強法

大学に通うにあたって「だいたいどれくらいの人が奨学金を借りているのだろうか」と気になったことはないでしょうか。
しかし気になってはいても、お金や進路に関わるデリケートな話のため、実際に友達に「ねえねえ奨学金借りる?いくら借りる?」と聞くのは憚られてしまいますよね。

そこで今回の記事では、大学生の何割が奨学金を借りているのか、いくらぐらいの奨学金を借りているのか、親の年収と奨学金の割合はどう関係してくるのかを徹底調査した結果をお伝えします!

気になる「返済金額の平均」や「奨学金破産が最近増えているって本当?」ということまで解説しますので、奨学金を借りようと思っている人、あるいは既に借りていて将来が気になる……という人の参考になれば幸いです。

 

大学生で奨学金を借りているのは約5割

 

日本学生支援機構(JASSO)の「令和2年度学生生活調査 大学昼間部」によると、奨学金を借りている人の割合は以下の通りです。

 

大学区分
奨学金を借りている人の割合
国立大学 42.3%
(うち日本学生支援機構84.5%、その他8.1%、両方が7.4%)
公立大学 55.0%
(うち日本学生支援機構84.9%、その他6.9%、両方が8.2%)
私立大学 50.8%
(うち日本学生支援機構84.3%、その他7.1%、両方が8.6%)
平均 49.6%
(うち日本学生支援機構84.3%、その他7.2%、両方が8.4%)

国立大学のほうが私立大学より奨学金を借りている人の割合は少ないですが、それでも約5人中2人、私立大学では約2人に1人が何らかの奨学金を借りて大学に通っています。
奨学金を借りている人が6人いたとすると、そのうち5人が日本学生支援機構の奨学金を借りている計算です。

日本学生支援機構とそれ以外の奨学金を利用している人も8%程度いますし、今や奨学金を借りることは大学進学においてメジャーな選択肢と言えるでしょう。

 

予約採用を申請している人の割合

同じく日本学生支援機構の「令和2年度業務実績等報告書」によると、奨学金支給者の約7割が高校3年生のうちに申し込む予約採用3割が在学採用や緊急採用によって給付を受けています。

一般的には予約採用のほうが学費の心配が少なくなるため、安心して大学受験に臨めるという点で人気ですが、実はこの予約採用と在学採用は給付申請時期だけではなく、奨学金を受け取れる収入・所得の上限額(目安)も異なっています。

「自宅外通学・私立大学」などお金がかかる進学のケースでは「予約採用では申請が通らなかったけれど、在学採用なら申請が通った」ということもありますので、奨学金希望の際は在学採用に落ちたからといって諦めず、もう一度申請することを強くおすすめします。

 

家庭の年収による割合変化

なかなか他人には聞けませんが、家庭の年収によってどの程度奨学金利用者の割合が変化するかも気になりますよね。
「年収が少ないほうが借りている人が多いんじゃないか」と安直に考えがちですが、実はそうではありません。

以下は大学生の中で奨学金を利用する人の割合と家庭の年間収入の関係です。

 

国立 公立 私立 平均
200万円未満 10.9 10.9 9.2 9.6
200万〜300万円 9.8 9.8 8.1 8.5
300万〜400万円 10.0 9.3 9.8 9.8
400万〜500万円 10.4 12.0 10.4 10.5
500万〜600万円 10.6 13.1 11.8 11.7
600万〜700万円 11.4 11.3 13.0 12.7
700万〜800万円 10.2 10.4 11.3 11.1
800万〜900万円 9.6 9.1 9.1 9.1
900万〜1000万円 6.3 5.0 6.8 6.6
1000万〜1100万円 4.7 4.3 4.3 4.3
1100万〜1200万円 2.1 2.1 2.4 2.4
1200万〜1300万円 1.0 1.0 1.5 1.4
1300万〜1400万円 0.9 0.8 0.8 0.8
1400万〜1500万円 0.5 0.4 0.4 0.4
1500万円以上 1.6 0.5 1.1 1.1

(単位:%)

(参照:日本学生支援機構|令和2年度学生生活調査 大学昼間部

 

意外かもしれませんが、奨学金を借りて大学に通っている人が多いのは年収が400万円〜800万円の家庭です。
それより年収が多いとそもそも奨学金を借りる必要は少なくなるから当然ですが、年収〜400万円までの層でも奨学金を借りる割合が少なくなっていることが不思議ではないでしょうか。

 

これは「奨学金を借りても、返すことに対しての負担が大きくなりすぎてしまう」ため、年収が低い層での奨学金利用が控えめになっているのではないかと考えられています。
そのため、「現状の奨学金(多くの場合返還義務がある)は本当の意味での『教育の機会均等』に資していないのではないか」という批判もできるかもしれません。

 

平均で324.3万円を借りている

では、奨学金はだいたいいくらぐらいをみんな借りているのでしょうか。
これについては現在借りている人ではなく、実際に今奨学金を返済している人(平均年齢38.5歳)を対象にした労働者福祉中央協議会のアンケートからわかります。

 

アンケートによると、奨学金の借入総額の平均は324.3万円
一番多いゾーンは200〜300万円未満ですが、500万円以上を借りている人も12.4%います。

 

ちなみに、厚生労働省によると、日本学生支援機構の奨学金のうち利用者数が最多の月額は無利子で5万4000円、有利子で月額5万円(平成27年時点)です。
それぞれ4年間借りたとすると無利子が259万2000円、有利子が約256万円を返還しなくてはなりません。

 

奨学金利用者が多い理由

 

奨学金を借りている人の数は、ピークの2012年には52.5%いました。
それよりは少ないとはいえど、現在でも50%の学生が奨学金を受給しています。
奨学金を借りる人数で考えると、1998年度には38万人しかいなかったのに対して現在は約100万人が奨学金を受給しています。

 

なぜ奨学金利用者が多くなったかというと、以下のような理由が挙げられます。

 

・大学進学者が増えた
・しかし平均給与は増えていない
1998年に比べると減っている
・だが大学の授業料は高くなっている

 

平均給与は1998年に比べると減っているのに対して、大学の授業料は年々上がる一方です。
そのため、「子どもは大学に行かせてやりたいが、自分の給与だけでは進学させられない」という層が増えたと考えられます。

 

返却時のことも考えよう

 

奨学金を借りることがなぜ問題になるのかというと、多くの場合「給付」ではなく「貸与」、つまり返還しなくてはならないからです。
奨学金は学生本人の借金になるため、大学を卒業して就職したら自分のお給料から毎月いくらかを返還していくこととなります。

 

「奨学金破産」は起こりうる?

少し前に「奨学金破産」が話題になったことがありました。
新卒の若者の手取りが少ないため、奨学金の支払いができず自己破産になってしまうケースが増えてきている……といった内容です。
本当に奨学金を理由にした破産は増えているのでしょうか。

 

日本学生支援機構によると、2016年度における奨学金返済者のうち自己破産になったのは2009件、返還者総数のうち0.05%です。
(ただし、自己破産の直接の原因は不明)
これは2016年度における日本全体の自己破産の割合(0.06%)とほぼ同じ数値です。

 

たしかに、奨学金返済者における自己破産者は増えてきています。
ただしそれは、奨学金制度によるものというよりも、奨学金を借りる人が増えてきたことに起因するものと考えられるでしょう。

 

ちなみに「自己破産」というと借金などがチャラになるイメージがあるかもしれませんが、奨学金は自己破産した場合親や親族などの連帯保証人や保証人が代わりに返還しなくてはなりません。
最悪の場合、親や親族を巻き込んで連続破産することになりかねませんので注意が必要です。

 

月々の返却額は平均約1.7万円

労働者福祉中央協議会のアンケートによると、奨学金の毎月の返還額は平均で約1.7万円
250万円借りていた場合は147ヶ月、つまり約12年かかることになります。

(奨学金の返済期間は平均14.7年であり、多くの人はそれよりも長い間奨学金を返済しています)

 

厚生労働省によると、大卒男女の初任給平均は約21万円。
ここから様々な税金が引かれることを考えると、実際の手取りとしては、社会人になりたての頃は月17万円程度になるでしょう。

 

一人暮らしの場合ここから家賃や光熱費などを払い、更に奨学金で1.7万円引かれる、そしてそれが12年以上続くとなると、「破産はしないまでも結構苦しい」と感じる人が多いのではないでしょうか。

 

奨学金を賢く利用して大学へ進学しよう

今やほぼ2人に1人が大学進学時に借りている奨学金。
「お金を借りている」と聞くとなんとなく後ろめたい気持ちになってしまいがちですが、奨学金を借りて進学することはメジャーになりましたし、自分の将来のために勉強することは大切です。

 

しかし、将来への投資とはいえど、奨学金は借金。
額も大きく返済にかかる期間も長いので、家の購入や結婚など、将来の生活への影響はかなり大きくなります。

 

奨学金を利用するときは、自分に合った形の奨学金を、自分の将来まで見据えて借りるようにしましょう。

 

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