医学部生にとって部活は処世術として活用できる

現役医大生の実情

 

皆さんこんにちは。

春を迎えて医学部に入学したらしたいこと、考えていますか?

サークル(部活)・勉強・アルバイト…やりたいことは目白押し!ですよね。

大学といったらサークル!というイメージをお持ちの方が多いと思いますが、実は医学部では「部活」が多いのです。

特に私立医学部などの単科大学はなおさらです。

医学部の部活とは何か、みなさんにご紹介したいと思います。

 

大学の部活は高校の部活動とほとんど同じ

まず、部活とサークルの違いから説明します。

これ!という明確な定義はありませんが、一般的に

部活は高校の部活動と同じように、大会などある目標に向かって練習します。部活はある基準を満たした大学「公認」の団体です。

一方、サークルや同好会は学生たちが立ち上げた団体です。部活よりも自由度が高いのが特徴です。

サークルに比べると部活は練習日程も多く、厳しい印象です。

 

医学部の部活の1番の特徴は医療系学生しか入部できないこと

部活とサークルの違いについては先述した通りですが、「医学部の」部活に特徴的なことは、基本的に医学科、看護科など医療系学生しか所属できないことです。

医学部はサークルは少なく、部活が多い傾向にあります。

6年制であり、カリキュラムもかなり詰まっているため、医学部と他学部が全く同じように活動するのは難しいのですね。

また、「東医体」「西医体」という医学部の体育系部活に所属している学生だけが参加できる大会があることも特徴の1つです。

東医体、西医体において入賞することを目標として練習に励んでいる学生はたくさんいます。

 

医学部の部活の例として、体育系だとバレーボール部、硬式テニス部、軟式テニス部、硬式野球部、軟式野球部、バスケットボール部、水泳部、剣道部、空手部、ラグビー部、アイスホッケー部などがあります。

文化系だと、合唱部、ボランティア部、解剖学研究や漢方研究など医学系学問について学ぶ部活などがあります。

人生を決めるかもしれない大事な部活選び

皆さんは中高、再受験生の方は大学時代も含めて何か熱中していたものはありますか?

もしあれば医学部入学後、関連した部活に入ろうと考えているかもしれません。また、「今までとは違った新しいものに挑戦してみたい」という思いから全く新しい部活に所属を考えている方もいらっしゃるかと思います。

私が考える部活選びのポイントは

活動日・お金・テスト前の休み・伝統

などがありますが、1番のポイントは

人間関係

です。

医学部に入学して右も左もわからない状況の中、一番最初に救いの手を差し伸べてくれるのは同期でも先生でもありません、部活の先輩です(笑)

どの科目が難しいのかといったことから、大学キャンパスの使い方まで先人の知恵の恩恵をあらゆる場面で感じることでしょう。

私自身、部活の先輩には幾度となくお世話になっており、飲み会やBBQ、泊まりでの遊びなど沢山の楽しい思い出を作ってきました。

このお付き合いは卒業した後も続いていくものです。

出身大学で初期研修を行う場合、同じ部活という理由で、何かと気にかけてくれるOB・OGもいます。

だからこそ、部活選び(または部活に入らない、という選択をすること)は重要なのです。

 

部活に入るメリットは縦・横のつながりができること

部活に必ず入らないといけないわけではありません。

部活に所属するメリット・デメリットをそれぞれ紹介します!

縦のつながりができる

医学部で部活に入ることの最大のメリットが先輩(後輩)とのつながりができることです。ただ大学に通って講義を受けているだけでは違う学年の知り合いを作るのはなかなか難しいため、部活に所属するのが一番手っ取り早い方法です。

よく医学部は情報戦と言われます。実際に試験や課題を乗り越えて進級してきた先輩たちから聞く話はどの資料よりもエビデンスレベルが高いです。

大学の授業はどれを取ればいいか、どの科目を重点的に勉強すればいいか、教科書は何を買えばよいか、試験対策は何をすればいいかなど先輩から聞くべき話は山ほどあります。試験の内容や進級の大変さは大学によって全く異なるため、違う大学の人の話はほぼ参考になりません。

同じ大学の先輩の話を参考にしましょう。先生からは「先輩の話は鵜吞みにするな」と散々言われましたが、実際は先輩の言ったことを信じるのが進級への一番の近道でした(笑)。

また先輩と仲良くなると、使わなくなった教科書を譲ってもらえたり美味しいものを奢ってもらえたりとお得なこともあります。特に医学書は高額ですので先輩からもらえるとかなりの節約になります。

また、医学生の就活であるマッチングの時も先輩に知り合いが多いと有利です。

病院の面接や試験の情報を教えてもらえるほか、病院見学の時にお世話になることもあります。実際私が行った見学先の病院で偶然先輩に会い、見学担当ではなかったにもかかわらず病院の中を案内してもらえたことがあります。知り合いだからこそ気軽に色々質問できて大変有意義な見学にすることができました。病院見学では採点されることがあるため、知り合いの先輩がいると上の先生に良く報告してもらえたりと有利に働くこともあります。

もちろん先輩だけでなく同学年や後輩も医師になるわけですから、知り合いが多いことで将来なにかしらの助けになってくれる可能性は大いにあります。医師の世界はコネが大事な場面もありますので知り合いは多いに越したことはありません。

他大の知り合いができる

大会や合同演奏会などで他大の学生と交流する機会があります。違う大学の人の話を聞くのは新鮮で結構楽しいです。

さらに部活によっては大会後に打ち上げで交流を深められることもあります。私の勝手なイメージですが、水泳部など水系の部活では特に大学を越えた飲み会が盛んな気がします。

新しいことを始めるチャンス

大学に入ったら何か新しいことを始めたい!という方も多いと思います。そんな時は今まで経験したことのない部活に入るのがおすすめです。医学部内で完結する部活がほとんどですのでほぼすべての部活が初心者歓迎です。

 

楽しい・気分転換になる

医学部の部活は無駄に厳しい面もありますが、基本的には楽しいです。毎日勉強ばかりではせっかくの大学生活がもったいありません。好きなスポーツや楽器の演奏に打ち込むのも、部員と談笑するのも楽しいひとときです。メリハリのついた毎日にするためにも、部活というスパイスはなかなかいいものですよ!

東医体・西医体に参加できる

東医体・西医体については先ほども少し紹介しましたね。

正式名称は東(西)日本医科学生総合体育大会といい、運動部に所属する医学生にとって最大の目標がこの大会です。

医学科の学生だけが参加できる由緒ある大会です。なんと、日本国内では国体に次ぐ参加者を誇ります。東(西)医体で上位に入ることはかなりのステータスであり、就活の自己PRでも大いに強調できます。部活によっては部内の順位にかかわらず全員がレギュラー選手として出場できることもあり、誰もが大会に出場した経験と思い出を得ることができます。

東(西)医体で上位に入った選手は全医体という真の医学生日本一を決める大会に出場できます。東医体のパンフレットには各大学の個性あふれる紹介文が掲載されるなどなかなか面白い仕様になっているのでぜひ見てみてください(笑)。また開催地が毎年変わる競技もあり、観光気分で大会に参加できるのも醍醐味です。

東医体・西医体の運営に関われることも!

東(西)医体の運営は学生主体で行われるため、主管校となれば運営に携わることができます。非常に規模の大きい大会ですので運営は大変で苦労の連続ですが、大会を成功させた達成感はひとしおです。

さらに就活の面接ではかなりのアピールポイントになります。

主管校は4~5校がセットで毎年持ち回りですが、部員が少なく運営ができない場合などは考慮されます。主管校になる可能性があるかどうかは部活選びで地味に重要なので必ず確認しましょう。

部活に入る1番のデメリットはとにかくお金がかかること

部活にはもちろんデメリットもあります。

体育系の部活は年10万円以上はかかる可能性がある

部活動に入るとかなりのお金がかかります。具体的にどのようなことにお金がかかるのか挙げてみます。

・道具代:ユニフォームやラケットなど貸し出しがある場合もありますが、自前で用意する場合もあります。

・練習場所のレンタル費:大学以外の施設を使用する場合は使用料がかかります。部費として徴収されることもあります。

・大会の遠征費:交通費や宿泊費、現地での食費などがかかります。私の大学では交通費と宿泊費は大学から半額出してもらえました。

・合宿費:運動部は合宿があることが多いですので合宿費がかかります。

・新歓代:新歓を派手にやる部活(特に私立)は新歓代が凄まじいです(数万~)。OBからの援助で潤っている部活は0円のこともあります。

・飲み代:他大との交流はメリットも多いですが、もちろんお金がかかります。

・後輩の食費:先輩が後輩に奢るしきたりがある部活は食費がかさみます。低学年のうちに元を取っておきましょう(笑)。

・OB新歓、追いコン、プレゼント代:入部祝いや卒業祝いもお金がかかります。私の部活ではOB新歓と追いコンは今半のコースでしたので毎回1万5000円徴収されました。学生なのに分不相応な贅沢ですが、義務なので仕方なく参加しました(新入生と卒業生は奢られます)。

部活でかかるお金については聞きにくいですが、一番大事なことですので新歓の時に必ず確認しましょう。

 

時間・体力が削られる

先ほども少し触れましたが、医学部の部活は無駄に厳しいことが多いです。

練習・大会・合宿が強制参加なのはもちろん、新歓・追いコン・大会後の飲み会まで強制参加のこともあります。

またゴールデンウイークなど祝日は1日中練習のこともあります。

例えば、練習が週3回(土曜日も)で大会は日曜日にあることが多いと、2か月間1日も休みがないこともあり得ます。

部活の練習が行われる時間帯も注意が必要です。アイスホッケー部など深夜練を行う部活もありますので、練習に耐えられるか、帰宅はどうするかなどよく考えてから入部しましょう。

 

狭い医学部だと特に人間関係が面倒なことも

ただでさえ狭い医学部で、さらに狭い部活というコミュニティーでは人間関係がこじれると大変面倒です。

特に部内恋愛で別れた後などは場合によっては退部に追い込まれることもあります。私の大学では、部内恋愛を禁止している部活もあるくらいです。

また退部した後に先輩と気まずくなることもあります。

病院実習で会った時などに困ることがあるようです。普通に過ごしていれば問題ありませんが、人間関係は慎重に構築しましょう。

 

東(西)医体に出場できないことも

大学によっては部活はあっても東(西)医体に出場しない場合があります。もし東(西)医体に出場することを目標にするのであれば、受験前に確認しておくことをおすすめします。また部活によっては部内成績によって出場できないこともあります。

 

部活をやめることは可能ではあるけど、高学年になってからがオススメ

以上のようにメリット・デメリットを踏まえたうえで部活に入るか、また入部する場合はどの部活を選ぶか慎重に判断しましょう。

ちなみに私は、アルバイトが忙しく部活をやめました。

やめるときは退部届を顧問の先生に出さなければならないなど、手続きは少し大変でしたが、先輩と気まずくなるなど人間関係における問題はおきませんでした。

私のように部活は途中で辞める人も一定数います。早い人では1年生で入部して数日で辞めた人もいます。

またある部活は同学年で5人部員がいましたが、幹部学年が終わった後に1人を残して全員辞めました。基本的には部活を辞めても何も起こりません。

部活に入ることのメリットを失い、入らないことでのメリットを得るだけです。先輩や後輩との関係が悪くなることもありますが、それは人によります。

多くの人は他人に構っている余裕はないので(笑)、辞めたからといっていじめられたという話は聞いたことがありません。

ただやめる前提で入るのは他の部員に迷惑がかかったり、顧問の先生・先輩方に失礼に当たると思うので、やはり入部時は慎重に検討しましょう。

薄暗い部屋でバイオリンを弾く人々

色々な部活に出入りできる新入生歓迎会期間で部活を選ぼう

「部活に入る」と決めたら、次は部活選びですよね!

「部活には入りたいけど、やりたいことが見つからない」「高校と違う部活に入りたい」という方も心配はいりません。

どの大学にも大体、新入生歓迎会という部活(サークル)が新入部員を確保するため、新入生に向けてアピールする場が用意されています。

さらに、これも大体どの大学でも、入学後1ヶ月が新歓期間と言われ、部活の体験入部に始まり食事会や遠出のイベントなどが部活ごとに企画されています。

新入生はその間どの部活に顔を出してもOKなので、なるべく多くの先輩方と話して部活の雰囲気を知っておきましょう。

少しひねくれた見方かもしれませんが、この時に先輩方がどんな動き方をするかを見ておくと来年以降の自分がしなければならない仕事も見えてきたりします。

部活での出費を抑えたいな〜と思っている人はきらびやかな演出をしてくれる部活よりもアットホームな部活を選ぶのもアリだと思いますし、先輩方とコミュニケーションをはかって自分に一番マッチした部活を選びましょう。

また最近はInstagramなどのSNSのアカウントを持っている部活・サークルも多いです。選ぶ際の参考にしてください!

まとめ 部活選びは慎重に!

今回は医学部の部活について説明しました。

医学部の部活は医療系学生のみで構成されており、他の大学や学部・学科よりも、縦のつながりが強いのが特徴です。

しかし、入らなくても全く問題はありませんし、入ることのデメリットもあります。

部活に入る際は慎重に考えましょう。

みなさんの学生生活が実り多きものとなりますように。

 

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