大学受験の漢文はどう勉強する?目標レベル別勉強法を解説!
出題される文章によって得点の取りやすいものとそうでないものがあるため「なかなか点数が安定しない」「高得点が取りにくい」と思われがちな大学入試の国語。
しかし、問題文によって差があるのは主に現代文の話。
実は古文と漢文は共通テストでも例年安定して点数を取りやすい部分です。
特に漢文は覚える量も少ないため、コツさえ掴めばぐんぐん点数が上がっていきます。
今回は、国語の中でも簡単に点数を伸ばしやすい「漢文」の勉強方法について解説します。
漢文で確実に点数を取れるようになって、国語の点数を安定させましょう!
Contents
漢文が入試に必要かチェック
漢文の勉強を始める前に、「大学入試で自分は漢文が必要になるかどうか」を確認しましょう。
というのも、自分の進みたい方向によって漢文が必要かどうか、そしてどのレベルまで勉強するかが決まってくるからです。
漢文が大学入試で必要になるのは主に以下の3パターン。
・早稲田大学・上智大学の文系
・GMARCHの文学部
・国立志望
つまり、「私立文系上位(主に文学部)」か、「国立」のどちらかを志望しない限り、基本的に漢文は定期テスト対策だけでOKなのです。
国立志望でも、二次試験に漢文が必要なケースとそうでないケースがあります。
上位校は漢文まで二次試験で課されることが多いですが、志望学部・学科によっても異なるため出願要項をしっかり確認しておきましょう。
また、「入試で必要かどうか」だけでなく、「どのレベルまで勉強すべきか」も要チェック。
こちらは大きく分けて「共通テストレベル(選択肢を選ぶだけ・句法を覚えればOK)」「国立二次レベル(記述問題あり・書き下し文や現代語訳までできる必要がある)」の2パターン。
共通テストでのみ漢文が必要な人、GMARCHレベルなら前者、国立の二次試験や早稲田・上智の文系学部を受験する人が後者になります。
「まだ自分の進みたい方向が決まっていない!」という高校1年生の人は、大学入試に向けた漢文の勉強をするよりも、英語や数学など汎用性が高く得点源になるものを優先して勉強するほうがおすすめ。
ただし後になって漢文の勉強に時間を取られないように、学校の授業をしっかり聞いて授業内容を覚えておくようにしましょう。
漢文を攻略するにはこう勉強しよう!
漢文は簡単に言ってしまえば「覚えて」「問題演習をする」だけで簡単に点数が伸びる科目です。
以下で具体的な手順を説明します。
返り点を正確に読めるようにする
漢文で最初に覚えるべきは「返り点」です。
レ点、一二点、上中下点、甲乙丙点といった、「読むための規則」が返り点です。
これが読めないと書き下し文にもできないため、ここから先全ての漢文学習でつまずいてしまいます。
まず返り点が怪しい……という人は、教科書の例文をしっかり音読しながら返り点の読み方を身に着けましょう。
句法を覚えよう
返り点ができるなら、句法を覚えます。
句法とは反語や使役といった漢文の文法、構文のようなものです。
「AヲシテBセシム(AにBさせる)」など、聞き覚えがある人も多いのでは。
句法以外にも「置き字(読まなくていい字)」「再読文字(1回返り点を無視して読み、2回目は返り点どおりに読む字)」なども覚えます。
「覚えることが多い!」と思うかもしれませんが、『ステップアップノート10漢文句形ドリルと演習』あるいは『漢文ヤマのヤマ』を1冊やればOK。
この時にも、ただ黙々と問題を解いたり読んだりするだけでなく、できるだけ音読をするようにしましょう。
漢文のリズムが身につくので、問題を解く際に取り組みやすくなります。
ちなみに、漢文にも覚えるべき重要単語(日本語と意味が違うためうっかりしていると文章の意味を取り違えてしまうような単語)がありますが、数は150〜200個と少ないため、あえて単語だけを取り出して覚える必要はさほどありません。
句法を勉強する際、あるいはこれから先問題演習をする際、気になる単語があればチェックしていくようにすれば充分です。
記述問題対策をする
二次試験でも漢文が必要な国立大学や早稲田・上智の文系に挑戦する人は、記述問題対策までやっておくとよいでしょう。
(共通テストだけでしか漢文を使わないのなら、ここは飛ばして過去問や問題演習に進んでください)
『得点奪取漢文』などを使い、書き下し文や現代語訳まで正確に作れるようにしていきます。
もしこの時点で問題集をやっていて「うまく点数が取れない」「なんとなくしか分からない」と感じたとしたら、多くの場合句法が覚えきれていません。
間違えたところを確認し、適宜句法の問題集に戻って確認することで基礎を固めましょう。
過去問・問題演習で慣れる
問題の解き方を理解できたなら、後は実際に問題演習を積みながらどのように解くかに慣れていくだけです。
自分の目標に合わせ、共通テストレベルの問題集や志望校の過去問を使いながら練習していきましょう。
とにかく問題を解き、分からなかったところや間違えてしまった所はその原因分析と復習を行うことで、覚えた知識を活用して得点につなげられるようにします。
効率よく勉強を進め、試験時に無駄な時間を使わないためにも、問題演習をするときは1問あたりの時間を常に意識するのがおすすめ。
古文や現代文の時間配分にもよりますが、共通テストレベルなら15分以内に解き終わるようにしていきましょう。
漢文の勉強には時間をかけない!
漢文の勉強で大切なのは「いかに時間をかけず、効率よく点数を伸ばすか」です。
もちろん国文学科に進みたい、単純に漢文が好きなどの理由で漢文の勉強をするのは良いのですが、入試を目的としているのであればあまり時間をかけるべきではありません。
というのも、漢文の配点は大体国語の4分の1。
共通テストでも50点と配点は限られているため、ここに限りある勉強時間を費やすのはもったいないからです。
ライバルと差をつけるためにも、できるだけ英語や社会といった得点源となる教科に時間をかけて勉強しましょう。
実際に漢文の勉強をするときは、以下の点に気をつけましょう。
・できるだけ学校の授業時間内に覚えきる
・手を付ける問題集は厳選する
・先に古文をある程度仕上げる
まず、漢文は上述したとおり覚える量はさほど多くないため、集中して授業を聞くことで「後から句法を覚え直す」時間を短くすることが可能です。
もし句法をしっかり覚えていれば、いきなり問題演習から手を付けられるので1ヶ月ほど時間短縮になります。
できるだけやる問題集を少なくし、ダラダラと問題集を使った演習をしないことも大切です。
目安は2冊以内とし、決めた問題集を3回ほど繰り返して完璧にしましょう。
また、漢文は古文と共通する文法も多いため、先に古文を覚えていたほうが楽に習得できます。
「古文と漢文、どっちから始めよう」と迷ったら、古文から手を付けるようにしましょう。
漢文で点数を取って国語の得点を安定させよう
学校の授業ではあまり触れられず、入試でも使う頻度の少ない漢文ですが、実はさほど時間をかけずに得点を伸ばすことが可能です。
覚えることが少なく問題も奇抜なものが出題されにくく、安定して点数が取りやすい科目でもあるため、国語の点数を安定させたいのなら古文とともに重要なファクターになります。
入試直前に漢文を勉強するのは時間がもったいないので、できれば高校2年生〜3年生の夏までに句法までは覚えておくのがおすすめ。
サクッと早めに漢文対策して、ライバルに差をつけちゃいましょう!
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