医学部再受験で合格するためには?
心構えとスケジュールを解説
一度他の道に進んだけれどもやっぱり医師じゃないとできないことがある!と気づいたり、人生における転換点などがあって「医師になりたい!」と思った人が目指す医学部再受験。
今回の記事では、医学部再受験を志す人が合格するための心構えとスケジュールを解説します。
医師になりたい、でももう他学部に入ってしまった、他の仕事についてしまったという人は参考にしてみてくださいね。
Contents
医学部再受験が難しいと言われる理由
医学部の再受験が現役・浪人生以上に難しいと言われる理由は、単純にまず「合格に到達する点数を取るのが難しい」からです。
その理由には、以下のようなものがあります。
・一度受験を終えて勉強から遠ざかってしまっている
・大学に通ったり仕事をしたりしながらだと勉強時間の確保が難しい
・どうしても甘えが出てしまいやすい
「面接で減点されるのでは?」と思う人も多いでしょうが、最近では医学部の不正入試問題があったこともあり、年齢などで減点される傾向は減ってきています。
特に私大では、再受験に寛容になっていると言えるでしょう。
それよりも、覚悟を決めきれずダラダラと勉強してしまい、結果学力が伸びず一次試験も突破できない……というケースのほうが多いのです。
仕事をやめるべきかどうか
医学部の再受験を考えた時にまず問題になるのは、「仕事や今通っている学校をやめるべきかどうか」という点でしょう。
理想を言ってしまえば、「1年分の予備校代・生活費・入学金などを貯金(あるいは親などに工面してもらって用意)し、勉強だけに集中する環境を整える」がベスト。
戻る場所があるとどうしても甘えが出てしまうため、仕事や学校も辞めて、もし医学部受験に失敗したら……というその後まで背負う覚悟を持って、1年間という期限を決めて集中するといいでしょう。
集中して勉強ができないと学力アップは難しいですし、「絶対に失敗できない」という覚悟を持って挑むことで本気になれます。
仕事をしながらの医学部再受験は難しい
「理想は医学部受験に専念すること」と言っても、実際問題としてそんなにお金がない、失敗したときのリスクを考えるとそこまで踏み切れない人も多いでしょう。
その場合は、仕事をしながら、あるいは大学に通いながら医学部再受験を目指すことになります。
当然ですが、仕事や学校をやめて医学部受験をする時に比べ、仕事や大学を継続しながら受験するほうが難易度は上。
勉強時間の確保が難しくなるため1年で合格レベルに持っていくことは難しくなりますし、そのためにモチベーションも下がりがちになってしまうからです。
「戻るところがある」と思うとどうしても甘える気持ちが出てきてしまいがちですし、相当の覚悟とモチベーションがないと難しくなります。
入試か編入か
再受験の場合、一般受験と編入試験、どちらを受けるべきかも問題になります。
編入試験では、2年次(大学によって1年後期、3年次のことも)に入れるため、より早く医師になれますし、その分学費も少なくなります。
しかし編入試験の場合、大学教養レベルの内容を問われる上に同じ試験を受ける層が偏差値の高い理系の博士・修士卒になってきます。
また、試験内容も大学によってかなり違い、対策も立てにくいため再受験の場合も一般受験を目指すのがメジャー。
理系院卒や医療職に従事している人は編入への適性が高く、それ以外の人は一般入試を受けたほうが難易度が低いとさています。
勉強スケジュールの立て方
再受験をするための勉強スケジュールは、基本的には浪人と同じです。
詳しくは、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
実際に再入学を果たした人によると、総勉強時間は5,000時間ほど(こちらの記事より)。
1日12時間以上勉強できるのであれば1年間で到達可能ですが、単純計算で1日の勉強時間が8時間くらいなら2年、5時間くらいなら3年ほどかかる計算になります。
仕事と両立させるなら早起き+仕事の休憩時間+家に帰ってきてからも勉強というルーティンを組み、平日でも最低5時間ほど勉強時間を確保したいところです。
平日5時間勉強+休日をすべて勉強に費やすとしても最短で2年はかかります。
家族の全面的な協力と、通勤時間などあらゆるスキマ時間を勉強に当てる姿勢が不可欠になるでしょう。
あまり年数をかけすぎるとその分「思い出す」作業も必要になってしまいますし、モチベーションも下がるのでどんどん勉強効率は悪くなっていきます。
「平日5時間も勉強時間が取れない」というのであれば、まず仕事などの見直しなどから始めないと難しいかもしれません。
まずは基礎を徹底する
1年で医学部進学を目指す場合は7月末、遅くても8月末くらいまでに、「入試基礎を完成させる」必要があります。
勉強時間で言うと1800時間分あたりですね。
注意しなくてはいけないのは、医学部における入試基礎とは「偏差値60程度」ということ。
数学で言えば「1対1対応」が完璧になっているくらいが目安です。
このレベルの問題を、「解説が読める」「間違えてしまったけれど意味がわかる」などではなく、「見ただけでスラスラと解ける」レベルまで持っていきましょう。
応用問題集は「時間と余裕があれば」
応用問題集(偏差値70目安のもの。数学で言えば新数学スタンダード演習・プラチカレベル)は、10〜11月までに完成させられるならば入試基礎後に取り組んでもOK。
取り組めるのであれば、体系的に抜けもれなく応用問題を覚えられるため、より安定して点数が取れるようになります。
しかし医学部は教科数も多く、どれも難易度が高いためその時間を捻出するのはかなり至難の業です。
よほど得意な教科があり、その分の勉強時間を浮かせられるなどの理由がない場合は手を出さないほうが無難でしょう。
過去問演習の中から知識を増やす
基本的には、9月からは過去問演習になります。
ひたすら医学部の1次試験を解き、アウトプットの練習とそれまでの知識だけでは足りなかった部分の補強を行います。
これにより、「最低限取らなければならない基本問題」と「学校ごとに出やすい部分の応用」を解けるようにして、合格点への到達を目指します。
目安は志望校10年分程度。
あまり昔までさかのぼってもさほど意味はありませんし、かといって最近のものだけでは演習不足になってしまいます。
なぜ医師になりたいかは明確に
再受験で一番重要になり、そして面接でも必ず聞かれるのが「なぜ医師になりたいか」という動機の強さ。
ここまで挙げたとおり、並大抵の努力と覚悟では再受験で合格は勝ち取れません。
やり遂げるためには、「どうしても医者にならなくてはいけないんだ!」という強い気持ちを持ち続けなくてはいけないでしょう。
2次試験の面接で落ちないためにも、動機の明確さや強さは必要です。
学力試験の点数が良くても、「再受験してまでどうして医師になりたいのか」を教授たちに納得させられなければ合格できないからです。
医学部再受験を成功させるためには覚悟が必要
何が何でも医師になるというモチベーションを保ち続け、その上でもかなりの勉強時間が必要となる医学部再受験。
実際に仕事や学校をやめるかどうかはともかくとして、「医学部受験に人生をかける!」という覚悟がないと到底達成できない高い目標と言えるでしょう。
しかし、「難しく」はあっても、決して「無理」ではありません。
実際に、毎年再受験で合格している人は何人もいます。
ぜひその先の夢に向かって、医学部合格を勝ち取ってください!
再受験を目指す人は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
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