大学受験はどうなる⁉ 2025年度入試からの新課程も焦る必要なし!
「大学受験はこれからどうなるんだろう?」
2022年4月高校1年生から新学習指導要領がスタートし、新課程対応入試が2025年度から始まるため、上記のような不安を感じている人も多いでしょう。
しかし特別な対策は必要はありません。今回の記事では、受験の傾向や2025年度入試について詳しく解説していきます!
なお、「今年はどうだったの?」と2023年度の共通テストボーダーについて気になる方はこちらからご覧ください。
Contents
少子化の影響で志願者は全体的に減少傾向
5年連続で共通テストの志願者は減少
大学入試センターによると2019年度から5年連続でセンター試験、共通テストの志願者数は以下の【表1】のように減少しています。共通テストが導入されたのは2021年度からです。これは少子化の影響が大きいとされています。
最新の2022年度から2023年度の推移に注目すると、志願者数は約2万2000人減少しています。2022年度共通テストが難化し、多くの科目で平均が下がったことから大幅な減少が予想されていましたが、蓋を開けてみると人口の自然減の範囲でした。
これはコロナウイルス感染症によって、共通テストが必要ない私立大学を志望する学生も、共通テスト利用などを狙ってとりあえず受験したというパターンが多かったからではと分析されています。今後も少子化の進行により共通テスト志願者は減少していくでしょう。
詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
【表1】
全志願者数 | |
2019年度 | 57万6830 |
2020年度 | 55万7699 |
2021年度 | 53万5245 |
2022年度 | 53万0367 |
2023年度 | 51万2581 |
検定料の割引措置など各大学は受験生の確保に奮闘
私立大学は人気に偏りが出ており、定員割れを起こしている大学が多い現在、各大学は広告戦略や検定料の割引措置など受験生の確保に奮闘しています。
成功事例を2つ紹介します!
①共通テスト利用試験の受験料無料
コロナウイルス感染症の影響により志願者数が大幅に減少した2021年度において千葉工業大学、麗澤大学などは共通テスト利用入試無料化により受験者数を大幅に増やしました。例えば2021年度以降千葉工業大学の志願者数は10万人を超えており、全国的に見てもかなり上位です。
②広告戦略
教育内容自体が魅力的であることは受験生にとって勿論重要なポイントになると思いますが、その伝え方も大切でしょう。
受験生確保に成功している大学は、印象的なキャッチコピーで魅力をアピールしたり、ホームページに在学生インタビュー動画やPR動画を公開するなどデジタルを積極的に活用したり、求める学生像を明確にしてターゲットを絞りこんだりしています。
「理高文低」国際系は低迷、スポーツ系が人気
学部の人気も社会情勢が大きく関与
大学通信情報調査によると2023年度の学部志望状況は、1位体育・スポーツ系、2位生命系、3位医学、4位心理学、5位商学となっています。
国際系は19年度(新型コロナウイルス感染症流行前)は1位だったものの、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて15位とダウンしています。
1位の体育・スポーツ系は競技スポーツだけを指しているのではなく、スポーツ教育やスポーツ・食生活を通じた生活の質向上を目指す分野も含め、その分野に興味を持つ受験生の増加がこの順位に繋がっているとの調査結果が出ています。
難関大学でもスポーツ系学部が置かれており、東洋大学、立教大学でも2023年度に新設されました。
学部志望状況を見るとヒトに通ずる学問が多く、新型コロナウイルス感染症により、人々の心身の健康に興味を持った受験生が増えたことが背景として考えられます。
今後も学部の人気は社会情勢と大きく関わっていくでしょう。
医学部は変わらず人気
理系では医学部・薬学部が安定した人気を得ており、2023年度は2022年度よりも志願者が増えたという結果が出ています。新型コロナウイルス感染症により医療従事者の姿に影響を受けた受験生も多いことでしょう。
実際私も受験生の頃に新型コロナウイルスが大流行していたので、テレビで見る医療従事者の方々に非常に感銘を受け、医学部進学への思いがより強くなりました。
医学部の高止まりしている人気は、安定した職業であることや私立医学部の学費値下げ、地域枠の拡充などが挙げられるでしょう。
推薦入試、総合型選抜入試が主流に
一般入試を敬遠し、推薦入試・総合型選抜を選ぶ受験生が増加
現在、学校推薦型選抜や総合型選抜が年々拡大しています。それにより、現在は大学入試における推薦入試合格者が全体の約5割にものぼるとされています。総合型選抜なども含めると一般入試以外の受験形式を選択する受験生が増えていると言えるでしょう。
一般入試と推薦入試選抜の選択分岐点の偏差値は、現在は55程度となっていますが今後は上昇していくと考えられています。
ただし共通テストの難化が見られた2022年度においても上位国公立大学で志願者が増加したように今後も上位校志望者は強気姿勢を崩さないことが予想され、2極化が進んでいくでしょう。
推薦入試や総合型選抜の入学者は第一志望であることがほとんどのため、一般入試合格者と比較して入学後の伸び率が高いとされています。今後も推薦入試や総合型選抜の入学者は増えるとされています。
推薦入試と総合型選抜の違いは?
推薦入試は原則として学校長の推薦が必要です。そのため高校で一定の成績を収めることが受験資格となる場合が多いです。
「公募制」と「指定校制」の2タイプに分かれています。
「公募制」は大学が提示する出願条件を満たしていれば出願・受験でき、国公立大学はほとんどがこのタイプです。
「指定校制」では大学が指定した高校の生徒を対象とする選抜で、私立大学が中心となっています。「公募制」 に対して「指定校制」では専願制がほとんどであることも特徴の1つでしょう。
総合型選抜は学校長の推薦は必要ではなく、基本的に誰でも受験可能です。受験生の出願書類、面接、論文などを通して総合的に判断する入試方式です。
だからといって学力が軽んじられているわけではなく、各大学が実施する評価項目に共通テストを含む教科・科目に係るテストなど学力を確認する評価方法を活用することが必須となっています。
医学部医学科の推薦入試、総合型選抜情報
医学部医学科でも国公立大学・私立大学ともに推薦入試・総合選抜型入試を実施している大学が多くあります。詳しくは以下のサイトでご確認ください!
受験のチャンスが増えることは嬉しいですよね!「推薦入試や総合型選抜にかける!」というよりは受験回数を増やすという意味で、出願条件を満たしていれば是非とも挑戦することをオススメします。
2025年度の新課程入試も対策は変わらず
2022年度の高校1年生から新学習指導要領が実施
日本の学生指導要領は10年ごとに改訂されています。今回の新学習指導要領の基本的な考え方として、
①「生きる力」の育成
②知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成バランスの重視
③道徳教育や体育などの充実により豊かな心や健やかな体を育成
の3点があります。
実際の変更点として以下があります。
国語…「現代の国語」「言語文化」が必履修科目に
英語…4技能を総合的にあつかう「英語コミュニケーションI」が必履修科目に
数学…「数学活用」が廃止され「数学C」が新設。内容は、「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」「数学的な表現の工夫」です
情報…「情報I」が必履修科目に。プログラミングの基礎や情報モラルを学ぶ
地理歴史…「地理総合」「歴史総合」が必履修科目に
公民…「現代社会」がなくなり、「公共」が必履修科目として新設。「公共」は社会に主体的に参加することなどの重要性を学びます
2025年度以降の共通テストでは、新教科「情報」を加えた7教科21科目へと再編されます。詳しくはこちらからご確認ください
浪人生には経過措置がとられる見込み
現行の教育課程(2023年度の高校3年生以上)に対しては今まで通りの共通テストと同様の教科・科目で受験可能です。
ただし新課程入試で加えられた「情報Ⅰ」は「旧情報(仮)」として別科目が設置され、旧課程「社会と情報」「情報と科学」の共通部分に対応した必答問題とそれぞれに対応した選択問題が出題されます。
なお、現行課程履修者は新旧両課程の教科を混ぜて受験することも可能です(地理歴史・公民で2科目受験する場合を除く)。
新課程入試に向けても対策は変わらない!
「結構変わるのか、心配だなあ」と感じている人も多いでしょう。
しかし、対策自体を変える必要はありません。早期から基礎基本、そして「なぜこの公式が成り立つのか」など根本的な原理を押さえて勉強を積み重ねていきましょう!
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。