国立と私立の違いは?推薦って?大学入試の流れを知ろう
高校生になると意識し始める「大学受験」。
しかし、「国立と私立で受験方法が違う」「推薦入試もある」「入試科目が選択できる」など、複雑過ぎてぱっと聞いただけでは何が何だかわからない……という人も多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では全体的な入試の流れを解説します。
受験方法と全体の流れを知って、自分の志望校の場合はどうしたらいいのか、どのような受験方法が自分にあっているのかを考えてみましょう!
入試の大まかな流れ
大学入試のスケジュールは概ね以下の通りになります。
(特に総合型選抜は学校によりスケジュールが違いますので、必ず志望校の募集要項を参照してください)
国公立大学 | 私立大学 | |||||
一般選抜 | 学校推薦型選抜 | 総合型選抜 | 一般選抜 | 学校推薦型選抜 | 総合型選抜 | |
7月 | 選抜要項発表 | 募集要項発表 | ||||
8月 | ||||||
9月 |
共通テスト受験案内配布・出願
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出願 | 募集要項発表 | 出願 | ||
10月
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試験
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試験
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11月
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出願 | 出願 | ||||
試験
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試験
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合格発表 | 合格発表 | |||||
12月
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募集要項発表 | |||||
1月
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出願 | |||||
共通テスト | 合格発表 | 合格発表 | ||||
二次試験出願 |
試験
(1月下旬〜2月中旬受験の「前期」と2月下旬〜3月中旬受験の「後期」がある) |
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2月
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前期試験 | ||||||
3月
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前期合格発表 | |||||
中期試験 | ||||||
中期合格発表 | ||||||
後期試験 | 合格発表 | |||||
後期合格発表 |
夏・秋ごろから総合型選抜が始まり、寒くなってきた頃に学校推薦型選抜が行われ、年が明けて共通テスト後から一般受験のテストラッシュが始まります。
私大の試験ピークは2月上旬の前期試験、国公立大学の試験ピークは2月下旬にある前期試験。
国公立の後期受験まで視野に入れている人は最後3月下旬頃まで試験がありますので、モチベーション維持も大切になってきます。
選抜方法の違い
表に書いたように、入試の選抜方法には大きく分けて「一般選抜」「学校推薦型選抜」「総合型選抜」の3つがあります。
「学校推薦や総合型選抜=簡単」と思っている人もいますが、それぞれ問われる能力が違うためどの入試方法が簡単かは人によって異なります。
それぞれどのような入試なのかを知って、自分に合った受験戦略を立てましょう。
一般選抜
「入試」というイメージに最も近いだろう方式がこれ。
学校独自の試験を受け、点数の高い人から順に合格していく形式です。
ほとんどの場合純粋に学力のみで判断されるため、「どれだけ勉強したか」で差が付きます。
募集人員も多いため、これを目指して勉強する人が多いでしょう。
学校によって必要な教科数や配点が異なりますので、募集要項でしっかり確認して勉強計画を立てていきましょう。
学校推薦型選抜
学校推薦型選抜とは、その名の通り学校から推薦文を貰って応募する入試方式。
出願要件として「評定平均◯点以上であること」や「リーダー経験」などが課されることが多いため、定期テストを頑張ってきた人や委員会活動、部活やボランティアなどの実績のある人が有利になります。
学校推薦型選抜には「指定校推薦」と「公募型推薦」が存在します。
指定校推薦は、大学ごとに決めた学校に対し、指定の人数の推薦枠(受験枠)を与えるもの。
志望者が多い場合は校内で選考が行われますし、先輩の素行などによっては指定校推薦がなくなってしまったり、年度によって人数が増減したりすることもありますので、あまり当てにしすぎてはいけません。
公募型推薦であれば学校の指定がないため、どの高校に在籍する生徒でも出願可能です。
指定校推薦に比べ志願者が多いので、倍率が高くなりがちな傾向にあります。
学校推薦型選抜の場合、書類審査と小論文、面接が選抜方法のメイン。
ただし難関校などでは学力試験や共通テスト受験が課される場合もあります。
総合型選抜
最近増えてきている入試方法で、学校の求める人物像(アドミッション・ポリシー)に合致する学生を入学させることを目的とした入試です。
条件に合えば学校からの推薦は必要なく、また1校から何人受験してもOK。
「この学校で絶対に勉強したいものがある!」という熱意がある人に向いた試験です。
選抜方法は小論文と面接がメインではあるものの、大学の授業を受けてその結果をレポートにまとめて発表したり、グループワークを行ったりと学校によって特色があります。
もちろん中には成績要件が厳しく、学力試験を課すタイプの学校も。
一般的に選抜にかかる期間が長いので、総合型選抜が不合格だったあとに一般入試の勉強を始めても手遅れになってしまいかねません。
常に「総合型選抜で不合格だったとき」のことを考え、一般入試などの準備も並行して行う必要があります。
国公立と私立の一般入試の違い
入試の話をするときにでよく出てくる区分けが「国立志望」か「私立志望」か、ということ。
「どっちも大学なんだから同じじゃないの?」と思うかもしれませんが、入試の出題傾向以前に入試の方法そのものが違うんです。
国立大学と私立大学の一般入試における違いを知っておきましょう。
国公立大学
国公立大学の一般入試は「共通テスト+2次試験(個別試験)」で合否を出す点と、『「前期」「中期」「後期」の3回試験を行うが、各回で1校にしか出願できない』という点が特徴。
つまり、国公立大学は最大でも3回しか受験チャンスはありません。
ただし、中期は公立大学にしか存在しませんし、後期は募集人員が少ないので実際はほぼ前期試験勝負。
また、前期で合格した大学に入学手続きをすると、中期や後期では合格判定の対象外になります。
共通テストの配点や使う教科は学校によって様々ですが、「英・数・国・理・社」の「5教科7科目型」が一般的。
文系でも数学や理科の、理系でも国語や社会の勉強が共通テストまでは必要になることが多いのです。
2次試験では文系なら「英・国・社・数」から2〜3教科、理系なら「国・英・数・理」から2〜3教科が基本。
中期・後期試験の場合はさらに科目数が少なかったり、小論文や面接のみしか個別試験を課さないところも多くなります。
私立大学
私立大学の一般試験はその学校が独自に行う個別試験タイプ、あるいは共通テスト利用入試タイプの2種類あります。
個別試験タイプは、「英・国・社」あるいは「英・数・理」の3科目受験が基本ですが、学校によって得意な1〜2科目で受験可能な形式や、英語や数学の配点を高くした方式などを取り入れている学校もあります。
学校にもよりますが、以下のような入試形式が存在します。
・同一の問題・日程でその学校のすべての学部に出願できる「全学部入試」
・学部・学科ごとに試験を受ける「個別学部入試」
・関東にある大学が遠方の学生のために九州や関西にも試験場を設けたりする「地方入試」
・何日かある中から好きな日程を選んで受験できる「試験日選択制入試」
・2月頃に追加出願可能な「後期日程入試」
これらの入試形式は、基本的には入試日さえかぶらなければすべて併願可能。
つまり、1校に対して何回も挑戦できるチャンスがあるのです。
共通テスト利用入試
共通テスト利用型入試とは、私立大学の個別試験のかわりに共通テストの結果を利用するタイプの入試。
必要な科目数は3科目が基本ですが、1科目で判断するところや国立のように7科目を要求する大学など、学校や受験タイプによって幅があります。
共通テスト利用入試には「共通テストの結果のみで合否が判断するタイプ」と「共通テストにプラスして個別試験を課すタイプ」の2通りありますが、どちらも大学独自の試験に対しての負担が軽い、受験料が安いなどのメリットがあります。
ただし、簡単に出願できてしまうので倍率や偏差値が高くなりがちな点に注意が必要です。
大学受験の仕組みを知って勉強計画を立てよう
「まだまだ大学受験なんて先……」と思っている人も多いかもしれません。
しかし、もし大学入試で学校推薦型選抜を選択肢に入れたいなら、高校1年生の定期テストから高得点を取り、体育や美術などにも手を抜かず高い評定平均をキープし続けなければなりません。
どんな入試方法を選ぶのか、国立にするか私立にするかの決定は、勉強方法に大きな影響を与えます。
大学受験の仕組みを知って、自分に合わせた勉強計画を立てていきましょう!
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