共通テストとは何?大学入試でどのように使うのかを知っておこう

医学部入試情報

2021年に始まった大学入試共通テスト。
名前は変わったものの科目や試験日程に変更はないため、「結局、センター試験と何が違うの?」と疑問に思う保護者の方も多いのではないでしょうか。

 

あるいは、高校1〜2年生だと、「そもそも共通テストってどんなテストなの?」というところから疑問に思う人もいるでしょう。

 

そこで、今回の記事では、「共通テストとはなにか」「どのように入試で使うのか」を説明します。
共通テストの位置づけを知って、入試に対する知識を深めましょう。

共通テストとは?

 

共通テストとは、1月中旬の土曜日・日曜日に全国で行われる、多くの受験生が受ける統一試験のことです。
2021年に、それまで30年ほど続いてきたセンター試験の後継として始まりました。
マークシート式で、現役生が受験生の8割を占めます。

 

受験料は2教科以下であれば12,000円、3教科以上なら18,000円。
成績通知書が欲しい場合は手数料として+800円かかります。

 

現役生の場合は学校を通じて受験申し込みをするのでまず出願忘れはありませんが、浪人生の場合は自分で出願書類を取り寄せて申し込まなくてはならないため注意が必要です。

試験の内容は「大学入学志願者の、高校での基礎的な学習の達成がどの程度なのかを判定するもの」とされており、教科書〜教科書の応用程度の、基本的な内容が出題されます。

 

受験科目

共通テストの科目は全部で6教科30科目。
最大で9科目(理科で基礎科目を選択した場合。専門科目なら8科目)を受験できます。

 

教科 科目 試験時間 配点
土曜日
地理歴史 「世界史A」「世界史B」
「日本史A」「日本史B」
「地理A」「地理B」
1科目選択
60分2科目選択
130分
(うち解答時間120分)

1科目選択
100点2科目選択
200点

公民 「現代社会」「倫理」「政治・経済」
「倫理,政治・経済」
国語 「国語」 80分 200点
外国語
「英語(リーディング、リスニング)」 リーディング80分
リスニング60分
リーディング100点
リスニング100点
「ドイツ語」「フランス語」
「中国語」「韓国語」
80分 200点
日曜日
理科※ 「物理基礎」
「化学基礎」
「生物基礎」
「地学基礎」
60分(2科目) 100点(2科目)
数学
「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」 70分 100点
「数学Ⅱ」「数学Ⅱ・数学B」
「簿記・会計」「情報関係基礎」
60分 100点
理科※ 「物理」
「化学」
「生物」
「地学」
1科目選択
60分2科目選択
130分
(うち解答時間120分)
1科目選択
100点2科目選択
200点

(※理科は
A①から2科目
B②から1科目
C①から2科目+②から1科目
D②から2科目

のどれかのパターンを選択して解答しなくてはいけない。)

1日目に文系科目、2日目に理系科目が固まっているため、文系であれば1日目しか受験しない人もいます。

 

センター試験との違い

センター試験と共通テストの違いは、2つあります。

 

・英語のリーディングとリスニングの配点
・思考力や判断力を重視した設問

 

センター試験の時代には、リスニング50点、筆記200点の配点でしたが、共通テストではリスニング100点、リーディング100点となり、リスニングの重要性が大幅にアップしています。

 

また、単純に知識の量を問題にしてきたセンター試験に比べ、共通テストでは思考力や判断力を重視した設問が取り入れられています。
ガラリと全部出題傾向が変わったわけではありませんが、どの科目でも設問の文章量が増え、考えさせる問題が追加されました。

 

例えば数学では文章を読んで立式する問題や、国語では2つの文章を読み比べて比較したりするタイプの設問が従来のセンター試験の内容にプラスされています。
地歴や理科でも、図やデータ、資料などを読み取って答える問題が増えました。

 

代わりにマーク数そのものは全体的に減っており、「設問そのものは少なくなったが、問題を読んで考える時間が必要なものが増えた」と言えるでしょう。

 

大学入試でどう使う?

 

大学を受験する際、共通テストの使い方は国立と私立とで異なります。
どちらを第一志望にするとしても共通テストは大きな役割を持つので、しっかり押さえておきましょう!

 

国公立大学の場合

国公立大学を一般試験で受験したい場合は、共通テストは必須となります。

 

というのも、共通テストの前身であるセンター試験……のさらに前身である「共通一次」は、元々国公立大学の一次試験を全国共通で行うために作られており、現在も共通テストは「国公立大学の一次試験」としての役割を持っているからです。

 

つまり、国公立大学を一般試験で受験する場合はまず共通テストを受け、その後に二次試験として個別試験を受けなくてはなりません。
大学によって配点や必要科目などは異なりますが、共通テストと二次試験を合計した点数で合否の判定が行われます。

 

私立大学の場合

私立大学専願であれば共通テストを受けなくても良い、というわけではありません。
というのも、現在では私立大学の多くも共通テストを利用した受験方式を導入しているからです。

 

私立大学共通テスト利用には、2つのパターンがあります。

・共通テストのみで合否判定する「単独型」
・共通テストと学校独自の試験両方を受験する「併用型」

 

単独型は大学共通テストの結果を大学側が参照することで、大学独自のテストを受けなくても合否判定が行われます。
入試に必要な科目や配点は国公立以上にバラエティーに富んでおり、3〜4科目で判定するものから得意教科1教科、あるいは受験科目のうち高得点のものを使用する学校など様々です。

 

併用型は国公立に似た形式の受験方式で、共通テスト後に大学独自のテストを受け、2つを合算して合否の判定を行います。
一見ただ負担が増えるだけのように見えるかもしれませんが、大学の個別試験の科目数が減ったり、得意教科の配点を増やせるなどの利点があります。

 

私大共通テスト利用のメリットとデメリット

私大を共通テストで受験することには、以下のメリットがあります。

 

《共通テスト利用のメリット》
・受験料が安い
・個別日程の試験を受けなくて良い
・遠距離の大学でも受験しやすい
・一般入試では使えない科目の組み合わせで受験できる場合がある
・受験回数が増える

 

共通テスト利用出願の場合は、一般試験よりも受験料が安いのが特徴。
時間も交通費もかからないため、受験地が遠い大学でも気軽に出願できます。

 

また、大学や学科によっては、一般入試では受験科目にならない教科や組み合わせを受験科目として利用できる場合があります。
ほとんど一般受験では使わない公民が得意だったり、ある1科目だけ得点が高かったりするタイプの受験生は、大きく有利になるでしょう。

 

また、一般入試と合わせて受験すれば受験機会が増えるため、あこがれの大学に入れる可能性が高まるでしょう。

 

ただし、もちろんデメリットもありますので、共通テスト利用をしようとしている人は注意が必要です。

《共通テスト利用のデメリット》
・偏差値が一般入試に比べて高くなることが多い
・共通テスト受験前に出願が締め切られてしまうこともある

 

共通テスト利用の試験は手軽に受験できる上に合格者の枠が少ないため、どうしても偏差値は高くなりがちです。
一般入試より1ランク上の難易度になることが多く、実際にその大学を第一志望としている人ではなく、滑り止めとして受験している人が主に合格するレベルとなります。

 

また、大学によっては受験前に出願が締め切られてしまうため、受験後に「この点数ならあの大学にも出願しておけばよかった」あるいは「出願しなくても良かった」と思っても、手遅れになってしまうことも。

 

私大受験において、共通テスト利用受験はメジャーで便利ではありますが「合格しやすい」わけではありません。
メインはやはり一般受験のため、共通テスト利用にだけ頼った受験計画は立てないようにしましょう。

 

共通テストは受験の基本!

2021年に始まった共通テスト。
センター試験に比べて思考力を問う問題が増加したため、求められる知識量は同じ「教科書レベル」でも、より深い理解が問われるようになりました。

 

共通テストは国公立大学の一次試験として必須ですが、多くの私立大学も共通テスト利用型の入試方式を導入しています。

 

うまく使えば受験の費用や時間的コストを大きく下げられるため、自分の志望大学や得意科目などに合わせて、賢く共通テストを活用しましょう!

 

 

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