偏差値50からでも医者になれる!?最近の医学部事情

医学部入試情報

医学部に入るために必要な偏差値

医学部に入るのは難しい?

皆さんは医学部受験に対してどんなイメージを持っていますか?難しい、偏差値が高い、競争が激しい、といったような印象があるかもしれません。実際、医学部受験は難関と言われ、競争は年々激しくなっているとも言われています。一方で、近年医学部入試における女性や多浪生への差別が問題となったことから、医学部入学にあたって性別や年齢はあまり関係なくなってきてはいるようです。

医師になるには医学部を卒業しなければいけませんが、依然としてその入り口は狭き門です。今回は、どのくらいの偏差値があれば医学部に入れるか、偏差値が低くても医師になるにはどうすればいいのかについてご紹介します。

最低でも60くらいの偏差値が必要!

医師になるには医学部医学科のある大学に入学し、6年間学んだのち医師国家試験に合格しなければなりません。医師になる第一歩である医学部医学科のある大学は、82校あります。このうち、防衛医科大学校は医系の自衛官養成を目的とした文部科学省の管轄外の大学校ですので、厳密には大学ではありません。また、自治医科大学と産業医科大学は、それぞれ地域医療に従事するための医師、産業医の養成を目的としており、通常の医学部とは性質を異にします。今回の記事では、上記3つの学校も含めた医学部医学科の偏差値について記述します。

この82校のうち、国公立大学は50校、私立大学が上記の3校を含め32校あります。国公立大学の中で偏差値が一番高いと言われているのが東京大学で、主要3予備校(河合塾、駿台、東進)の出している偏差値の平均は73.8です。ついで京都大学の72.5、大阪大学の71.3となっています。逆に1番低いと言われているのが福島県立医科大学ですが、それでも64.3です。その次に低い琉球大学、山形大学、宮崎大学、島根大学、佐賀大学、秋田大学、旭川医科大学でも64.7です。国公立大学の医学部医学科は、入りやすいと言われる大学でも偏差値が64以上必要な難関です。

それに対し、私立は国公立よりも偏差値が低く、学費を全く考慮しないのであれば比較的入りやすいと言われます。私立で一番偏差値が高いのは慶應義塾大学の71.5です。ついで東京慈恵会医科大学の70、順天堂大学の68.7となります。対して私立の中で1番偏差値が低いのは、獨協医科大学と川崎医科大学の61.8です。私立の医学部でも偏差値が61以上必要ですし、学費が比較的安い大学ほど人気が出て偏差値が上がる傾向にあるため、実際に学費が払えるかなどを考えるとさらに高い偏差値帯でないと医学部に行くことは厳しいでしょう。

偏差値が低くても医師になりたい!

偏差値が低くても医学部に入る方法

医学部医学科の偏差値がかなり高いことがわかりました。しかし、高い偏差値をとれていないけれども医学部医学科に入りたい、という人は多いでしょう。一番はやはり、猛勉強して医学部医学科に合格できるような水準に達することでしょう。今はまだ夏休みですので、冬に受験という人も今から追い上げれば十分間に合います。ただ、戦略として医学部の中でも入りやすい大学や、入りやすい入試方式を選ぶことが大切でしょう。

入りやすい大学というのは、正直どこというのは一概には言えません。というのも、大学によって出題傾向や重視している科目が違う上に、相性や運による要素が大きいためです。ただ、入試方式をうまく選べば、偏差値が高くなくても医学部医学科に合格する道筋が見えてきます。今回は、推薦と地域枠を紹介します。

推薦で医学部に行こう!

一つの方法は、推薦です。これには、高校が推薦する指定校推薦・学校推薦と、自分で自分を推薦する自己推薦があります。指定校推薦であれば、その高校から枠のある医学部に、学校の成績とちょっとした試験と面接・小論文だけで合格することもできます。学校では真面目に勉強しているのに模試の成績が伸び悩んでいる人にとっては良いかもしれません。しかし、在籍している高校が指定校推薦の枠を持っていなかったり、行きたい大学の枠がなかったりすることもあるので注意が必要です。

学校推薦や自己推薦を使って医学部医学科を目指す場合、指定校推薦よりは受験層が広がる分入りやすさはやや下がるかもしれません。しかし、勉強だけでなくスポーツや芸術などの分野で功績を残した人にとっては、良いアピールポイントになりますし普通に勉強して入学するよりもハードルが低いかもしれません。国立大学でも推薦枠がある大学もあり、選択肢が多様です。

地域枠を使おう

もう一つの選択肢としては、地域枠の活用があります。地域枠というのは、指定された都道府県で一定帰化に量に従事することを義務付けられる代わりに学費が免除になる制度です。将来進む診療科や就業場所に縛りがありますが、多くの大学では一般枠に比べて偏差値が低い傾向にあります。地元に残って働き続けたい人にとってはありがたい制度かもしれません。ただ、地域枠で入学すると将来の進路に制限ができますし、入りやすいとは言っても一般枠と大きく変わるわけではなく微々たる差だと言われているので、注意が必要です。

選択肢は日本だけじゃない⁉︎

海外医学部という選択

難易度の高い医学部医学科に入るために、上記のように推薦や地域枠を活用するのも手ですが、それでも狭き門ではあります。推薦を取るには学校の成績や学外活動での実績が求められますし、再受験生や多浪生は制度を使えないこともあります。地域枠は将来の進路が縛られるので、指定されていない科に行きたい人や研究したい人にとっては向きません。そこで、日本ではなく海外の医学部に入って学ぶという選択をする人が近年増えています。海外の医学部を卒業しても、日本の医師国家試験に合格すれば日本で医師として働くことができます。英語など外国語の能力は必要になりますが、日本よりも入試のハードルが低く、さらにグローバルな医師になれるというメリットがあります。

特に人気なのが、ハンガリーやチェコなど東欧の大学です。授業を英語で行っている上に日本から入学する学生が多く、支援体制が万全です。日本の私立大学よりも学費が安く、生活費を含めても日本の私立医学部より安いと言われています。このグローバルの時代に、英語で医学を学び外国の医師免許と日本の医師免許を両方持っていることは大きなアドバンテージになるかもしれません。

海外の医学部についてはこちらの記事でも触れているのでもしよければ読んでみてください。

まとめ

いかがでしたか?医学部医学科の偏差値は非常に高く、狭き門です。ただ、入る大学や受ける入試方式を戦略的に選択することで合格可能性は大きく変わってくるでしょう。また、近年ではより入学しやすい海外の大学に行くという選択肢もあります。選択肢は多様ですので、どんな医師になりたいのか、将来何をしたいかなどを考えた上で、自分の成績や状況を踏まえて受験校を決めましょう!

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