医学部【独学】で合格することは可能なのか?目指す人へのポイントも
「医学部に進学するための学費を取っておこうと思ったら塾代がない」「自分のペースで学習したい」などの理由から、医学部受験をするにあたって独学を選ぶ人もいるでしょう。
しかし、ただでさえ合格が難しい医学部。
独学だとさらに合格の難易度はアップすると言われています。
今回の記事では、「なぜ医学部に独学で合格するのが難しいのか」と、「それでも独学で医学部を目指す人へのポイント」を解説します。
あとで「ああしておけばよかった」と後悔しないよう、独学か塾などを活用するか、よく考えてから勉強スタイルを決めるようにしましょう。
Contents
独学での医学部合格が難しい理由
結論から言ってしまえば、独学での医学部合格は「無理ではありません」。
別に医学部の入試条件に「塾に通っていたこと」などがあるわけではありませんし、塾の先生にコネがあるので塾経由でないと医学部に入れない……ということもありません。
入試で合格点を取れれば、どんな勉強方法であっても医学部には入れます。
ではなぜ独学での医学部受験がおすすめされないかというと、単純に「自分一人ではその合格点に到達するところまで学力を伸ばすのが難しい」からです。
どうして独学だと学力が伸びづらいのか、その理由を以下で紹介します。
モチベーションの維持が難しい
独学が難しい大きな理由は、1人だとモチベーションの維持が難しいこと。
最初は「絶対に医学部に合格するんだ!」と思っていても、「毎日塾に朝から行かなくてはならない」「授業で課題が出る」などの外部からの強制がないと、だんだんとモチベーションが下がってきてしまいます。
モチベーションが下がると、どうしても勉強の効率が下がってきてしまいますし、最悪の場合意思への熱量がなくなったり、心が折れてしまったりして医学部受験を辞めてしまうこともあります。
情報を自分で集めなければならない
受験科目やオープンキャンパス、そもそもどのように勉強を進めるべきかなどの情報も、独学の場合は自分ひとりで集めなくてはいけません。
予備校にいれば自然と知る事でも、こまめにホームページをチェックしたり、オープンキャンパスで先輩に質問したりと積極的にアクションを起こさないと手に入りません。
情報を自分で調べるのには時間や手間がかかりますし、間違った情報や古い情報を見極める目も重要になってきます。
中でも大変なのは、面接や小論文などの傾向と対策。
これらは情報のあるなしでは難易度が全く違ってきますが、個人だとどうしても「学校ごとの傾向」などは知りづらいもの。
今まで面接や小論文について対策したことがない人も多いため、勉強方法でつまずいてしまうことも多くなります。
勉強方法が合っていない可能性がある
「医学部に入るためにおすすめの参考書」「医学部に入るための勉強法」などはブログやSNSに数多く書かれていますが、自分がその通りに勉強すれば合格できるかどうかは別の話。
というのも、あくまでそこに書かれているのは「一般論」や「その人個人の体験」。
ですから、実際にあなたがどの参考書を使い、どうやってスケジュールを立てれば良いのかの「参考」にはなっても、「お手本」にはならないからです。
例えば、「学校の授業をメインで勉強していたら、医学部に合格できました!」と言っている人がいたとしても、その人が通っていた高校が元々医学部や旧帝大に進学するのが当たり前の超進学校だったのか、卒業したら就職が当たり前の学校だったのかでは話が全く違ってきますよね。
1人1人学校の授業の難易度や進度、得意教科や苦手な部分などは違ってきます。
塾や予備校では自分に合わせた勉強方法や参考書の選び方などの相談に乗ってもらえますが、独学では全部自分で考えなくてはなりません。
スケジュール作成・管理が難しい
「どの段階で、どのレベルまで勉強ができていたらOKか」を考え、そのとおりに勉強を実行していくのも独学では難しいもの。
自分ひとりだと、模試などを参考に自分の勉強の進み具合を知り、目標となる点数と比較し、そこから毎日何を勉強するかを逆算していかなくてはいけません。
最初のこのスケジュール作成が間違っていると、毎日長時間しっかりと勉強していても医学部合格は不可能。
また、勉強をしていると予想と違う進み具合になってしまったり、当初立てた予定通りに進まなかったりする事態が発生します。
その時に、「どうすれば元の計画に戻せるか」「教科間の調節をどの程度行うか」なども自分で考え、適宜修正していく必要があります。
それでも独学で医学部を目指す人へのポイント
「難しくても、医学部に行くには独学しか選択肢がない!」という人もいると思います。
どうしても独学で医学部に行きたい人は、以下の点に注意するようにしましょう。
参考書選びは慎重に
ネットで検索すると、「医学部受験ならこの参考書がおすすめ!」とされているものが多くあります。
しかし、医学部に行きたいからといってそれを鵜呑みにして行動せず、必ず「自分にあった参考書」を使うようにしましょう。
「自分にあった参考書」とは、「難易度」「解説の書き方」両方が現在の自分に合っている内容の参考書のことです。
簡単に言ってしまえば、「解けなかった問題でも、解説を読めばそれだけで理解できる」参考書を選びましょう。
焦って難しすぎる参考書を使っても、解説をなぞるだけで実力はつきません。
解説の書き方が自分にあっていないものだと、間違った問題を理解するまでに無駄な時間がかかってしまいます。
独学の場合は、解説がわからなくてもすぐに誰かに聞いて解決することはできません。
着実に実力を身に着けられるよう、解説の丁寧な問題集を選ぶようにしましょう。
学校は最大限に活用する
塾や予備校に通わない場合、一番受験について情報がある身近な場所は学校になります。
自分の学力に合わせた参考書や勉強の進め方、学校の授業で足りない部分などを教えてもらえるかもしれませんので、医学部受験をしたいと思ったときはまず学校の先生に相談することをおすすめします。
特に面接や小論文、志望理由書などは自分一人では対策がしづらく、独学のみでやっているととんちんかんなものになりがち。
学校の先生に模擬面接や添削などをお願いしましょう。
浪人生でも、卒業校に相談に行けば先生がアドバイスをくれたりすることもありますよ。
オープンキャンパスなどで積極的に情報収集しよう
独学は自分で情報収集するしかありません。
普段から定期的に志望医学部のHPなどをチェックし、オープンキャンパスにもどんどん参加して情報を手に入れていきましょう。
また、ただ単に構内を見たり模擬授業を受けたりするだけでなく、先輩や教授への質問などを積極的に行えば、自分の勉強が正しいかどうかの確認や、その学校の特色、強みなども知れます。
医学部に合格した先輩を探そう
学校の先生や知人のつてをたどって、医学部に合格した先輩を探して情報収集しましょう。
志望校がぜんぜん違うとあまり参考にならないこともありますし、受験してから時間が経ちすぎていると傾向などが変わっている場合もあるため、できるだけ自分と志望校が近く、現在医学部1〜2年生の先輩がベスト。
面接で聞かれた内容やその対策、実際の学校内の様子などをたくさん教えてもらいましょう。
SNSでももちろん探せますが、「どんな人か」が分かりづらいため、どうしても信頼性に欠けてしまいますので注意が必要です。
規則正しい毎日を送ろう
夏休みの小学生のようですが、朝起きて夜寝る生活を維持することも大切です。
勉強に集中してしまうと、どうしても夜ふかししてしまい翌日の起床が遅くなる→やがて昼夜逆転というサイクルになりがち。
独学だと予備校などに行くこともないので、余計に生活リズムが崩れがちになります。
一度夜型の生活になると、受験前にまた昼型の生活に戻すのは大変です。
夜中に勉強することで心身のバランスも崩しやすくなりますし、いいことはありません。
「朝は7時に起きて8時から勉強を始める」など、毎日のスケジュールを守るようにしましょう。
余裕があるなら塾の講習や特待生制度の検討を
もし金銭的に余裕があるなら、情報収集やモチベーション維持、自分のレベル確認などのために、塾の夏季講習や冬期講習などのスポット授業だけでも受講することをおすすめします。
医学部進学を目指す学力があるなら、模試を受けているうちに特待生制度のお誘いが来ることもあるでしょう。
塾によって特待生制度の内容は様々で、授業料の割引だったり、授業料が無料になってもテキスト代などはかかったりと完全無料とはいかないことが多いですが、それでも普通に講座を取るよりも安く授業を受けられます。
また、毎週は無理でも、月に1回の授業くらいなら払えるかも……というのであれば、個人の家庭教師などに交渉すれば「1月に1回、勉強の進捗状況をチェックする授業」などをしてもらえる場合もあります。
完全独学にこだわらず、できるなら少しだけでもプロの力を借りるようにしましょう。
「他にも医学部を目指す仲間がいる」「誰かにチェックされている」という思いがあると、毎日の勉強にも身が入りやすくなります。
「すべて自由」だからこそ難しい独学
予備校ですでに理解している部分の授業を聞く必要がない、学費がかからないなどのメリットが大きい独学。
しかし、参考書や勉強スケジュールを決めたりするのはすべて自分なため、間違っていても気づきにくくなってしまいます。
勉強のスケジュールも崩れやすく、モチベーションも維持するのが大変などデメリットもかなり大きくなるため、独学で医学部に合格するのは難しいと言われるのです。
それでも独学で医学部を目指すなら、積極的な情報収集などに気をつけて、強い意志で毎日勉強し続けなくてはなりません。
自分には予備校と独学、どちらが向いているかをよく考えて勉強方法を決めていきましょう。
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