医大生の9割以上が運動部に所属!医学部の部活・サークル事情を解明

現役医大生の実情

「医大生はいったいどんな目的で部活やサークルに入るのだろうか・・・」

「部活やサークルに入ったら、医学部の学業との両立はできるのだろうか・・・」

意外なことに医大生の9割以上は何らかの運動部に入っており、サークルまで含めると約9.5割です。勉強詰めのイメージがある医大生が、こんなに体育会系だったとは驚きですよね。

今回の記事では、現役医大生が医学部の部活事情を解説していきます。

医大生は忙しい中、ガッツリ部活動に取り組む文化

部活は運動系から文化系、不定期の活動まで様々

医学部の一学年の人数は約100名から130名程で、6学年合わせても600名から800名程と学部生の人数はあまり多くありません。

そのため、部活数は限られているのではないかと考える方もいるでしょう。

しかし実のところ、医学部では活動へ積極的に取り組む学生が多く、部活の種類も豊富にあります。

私の通っている医学部では、全て合わせると40以上の部活やサークルが存在します。

運動系や文化系など高校までにあった部活動だけではなく、救命措置を学ぶサークルなど、医療系学部ならではのサークルがあることが特徴的です。

部活によっては、医学部だけではなく、看護学部や薬学部など他学部生とも交流がある場合もあります。

医療系の学生のみの部活やサークルに入ることが多い

医学部を設置している大学には、他の理系学部や文系学部のある総合大学と、医療系学部のみの単科大学があります。

どの大学にも部活やサークルがありますが、特に総合大学では、「医療系の学部生のみの部活/サークル」と全ての学部生が参加できる「全学の部活/サークル」の二つが存在しています。

医療系学部は結びつきが強く、また医療系のみの学生を対象とした大会も存在するため、「医大生の部活」といえば基本的には医療系学部の学生の部活をさします。

多くの大学では、メインキャンパスと医学系のキャンパスが離れているため、全学のサークルに所属する医大生はほとんどいません。学年で数人程度です。

私は一年生の頃、全学の新聞サークルに所属していました。しかし2年生の解剖の授業が始まると忙しくなり、だんだん全学のサークルに行かなくなりました。

学年が上がると、医学キャンパスでの授業や試験が忙しくなります。1年生のときは全学サークルに所属していても、2年生には全学サークルをやめる人がほとんどです。

医学生は運動系の部活にほとんど全員が所属する!

ここからは、運動系の部活に焦点を当てて解説していきます。

おおよそ9割以上の医学生は、何らかの運動系の医療系学部の部活に所属しています。

大学で初めて運動系の部活に所属したという初心者から、インターハイ出場経験のある経験者まで、医学生の部活には様々な人が入部します。

週1からほぼ毎日練習がある部活まで、運動系の部活でも活動頻度は様々です。具体的には、医療系学部の部活は、だいたい週3日くらいの練習があることが多いです。

医療系学部の部活といっても運動部である以上、テスト前に休めないという部活が多いです。

私は週3回の部活動に所属しており、大会や合宿など様々な行事に参加していました。

医師といえば、座って外来をするイメージが強いかもしれません。しかし、外来が始まる前から回診や病棟業務をこなしたり、手術や内視鏡などで長時間立っていたりと、医師の仕事は意外と体力勝負です。学生時代に部活動に打ち込むことで、働くための基礎体力をつけているのです。

部活の先輩から得られる過去問や将来の人脈が他学部より重要

医学部では、縦のつながりがとても重要視されます。

例えば、医学部の試験は範囲が膨大で、一人で勉強しているだけではなかなか点数につながらないです。そこで、対策方法や過去問を部活の先輩に聞くことで、試験を効率よく乗り切ることができるようになります。特に運動系では上下関係がしっかりしている部活動も多く、その分、先輩との結びつきも強くなります。

また、ご飯を一緒に食べに行ったり遊びに連れていってもらったり、学生生活の上でとても大きな割合を占める関係性となります。

さらに、医学部を卒業したOBやOGとの繋がりを作ることができるのも、大きなメリットです。

医学生の実習は大学附属病院で行われることが多いですが、実習で指導をしてもらうのは大学の卒業生であることもあり、特に同じ部活出身であれば親近感を持ってもらえる場合があります。

医学部を卒業してからも、医局に所属する際に部活の先輩に紹介してもらうことができるなど、付き合いは他の職業と比較してもかなり長く続きます。

地域により程度の差こそあれ、「うちの医局に入ってほしい」といったスカウトも部活の先輩から受けることもあります。

医大生限定の全国大会を目指して練習する

東医体は「東日本医科学生総合体育大会」、西医体は「西日本医科学生総合体育大会」の略称で、東日本の医学部生は東医体、西日本の医学部生は西医体に参加します。また、東医体と西医体の成績上位校は全医体に参加する場合もあります。

これらの大会は医学科のみに出場が限られており、各競技によって夏季または冬季に日程が組まれています。

医学科生であれば、東医体や西医体は一大イベントという共通認識を持っています。年に一度の大規模な大会であり、毎年各大学のプレーや応援は白熱します。髪を派手な色に染めるなど、お祭りのように盛り上がります。

下の写真は、私の友人が東医体で髪を染めたときの写真です。卒業して医師になってからは、髪を派手に染めることが難しくなります。学生の間に思い出作りのため、派手色に染めて染める人が多いです。

東医体や西医体は運動系の競技でしか行われていません。医学部に入学したからには運動部に入って出場してみたいと思う方も少なくないでしょう。

また、試合期間は普段関わらない遠方の大学との交流もあり、他大学の知り合いを作る良い機会ともなります。将来医師として勤務する際にも、同じ部活出身であれば、はじめて会う人とも東医体や西医体の話ですぐ仲良くなることができます。

医大生は部活もバイトも勉強も手を抜かない人が多い

部活動を中心に生活がまわる医大生も少なくありません。

私の所属しているバドミントン部では、週に3日(月・水・土)練習があります。バイトや試験を理由に休むことができないので、部活を中心に予定を立てていました。

2年生の頃の1日のスケジュールはこのような感じです。

 

平日の放課後は部活かバイトに行き、家でゆっくり夜ご飯を食べることはほとんどありませんでした。日曜日だけ固定の予定を入れず、友人と遊びに出かけていました。「多忙」に見えますが、これが医大生の平均的な忙しさです。

要領よく暗記できる友人もいましたが、私は要領が悪いほうで、部活やバイトの後に学校に行き、試験勉強をしていました。

こういう学生生活を送ってきたからか、タイムマネジメントが上手な医師が多いと感じます。臨床業務と研究を両立させるのは当たり前で、仕事も自己研鑽の勉強もおこたらず、趣味も充実させる医師が多いです。「いったいどこにそんな時間があるんだろう」といつも不思議に思います。

医療系サークルを兼部する人はおよそ1割

医学生のほとんどが運動部に所属しますが、およそ1割の生徒は医療系サークルを兼部します。

医療系サークルの多くは医療の知識を学ぶものです。例えば、山の上の診療班、東洋医学研究会、救命処置を学ぶサークル、高校生に対して性教育を行うサークル、海外の医学生と交流するサークルなどです。他にも、クラシックや軽音サークル、釣りサークルなどの一般的なものもあります。

夏休みに山の上で診療活動を行うサークルも

私は普段は医学部バドミントン部で活動していましたが、夏休みの期間を利用して立山診療班に参加しました。

日本三霊山にも数えられる立山は、夏の登山客がとても多いです。医学生が山小屋に宿泊し、ケガや体調不良になった登山客の対応をしたり、医師に連絡をしたりします。

事前の勉強会では、日常診療であまり出会わない高山病や低体温症などの知識が付きました。患者のいない時には先輩と血圧の測り方や聴診などを教えてもらい、身体診察を練習できます。

医学の勉強以外に、山小屋生活もこの活動の醍醐味です。自分たちで食料を担ぎ上げ、山の管理人さんが調理してくれます。料理上手な管理人さんのおかげで、毎日のご飯が楽しみでした。食材費や宿泊費、交通費などは県から支給されるので、タダで山小屋生活を満喫できます。

こちらの写真は、ご来光を拝んだ帰り道です。天気が良かったので、立山の山頂から富士山が見えました。

授業では学べない「漢方」についてサークルで学ぶ

こちらは、部会で煎じ薬を作って飲んでみたときの写真です。

皆さんは、漢方薬を飲んだことがありますか?

日本の医師の9割が漢方薬を処方したことがあるという調査があります。

一方、漢方の医学教育は惨憺たるもので、私の学校では2コマ(計90分)しかなく、試験もありませんでした。医師国家試験にも出題されないので、自ら漢方について勉強する人はほとんどいません。

西洋医学の弱点である、「検査で見つからない疾患」や「いい治療法がない疾患」に漢方薬がよく効く場合があります。

私の所属する東洋医学研究会では、毎週漢方理論を勉強し、たまに集まって症例検討を行っています。

部活やサークルで医師に必要な体力・人間力を鍛えよう

医学部の運動系部活では、医師として働くための体力を鍛え、忙しい中で勉強する能力を培います。さらに、部活を通して得られた人脈は大学生活だけではなく今後の医師人生においても重要です。

一方、医療系サークルでは、学校の授業だけではカバーしきれない医療の知識を学ぶことができます。

部活やサークルは、体力をつけるだけだけでなく、忙しい医大生生活を送るなかで、青春の思い出を作る場です。医学部に入ったら、ぜひ部活動やサークル活動などに参加し学生生活を充実させましょう。

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