【慶応大学医学部Tさんの合格体験記】2浪を経て合格~2次試験~慶応医学部の特徴まで
「医者になりたい」「医学部に行きたい」と思う理由は色々。
身近な人の病気や怪我、親が医療職だったなどの具体的な理由がないと「こんなことで医者になっていいのかな」と思いがちです。
しかし、そういった経験がないと志望理由として弱いとか、医学部合格と関係があるわけではありません。
今回は、本をきっかけとして医者を志した先輩にお話を伺いました!
【お話を聞いた方】
Tさん
【学校・学年】
慶應義塾大学医学部 5年生
【現役・既卒】
2浪
Contents
医学部に進学したきっかけは1冊の本!
医学部志望の理由は本
– まずは、「なぜ医者を志したのか」をお伺いしてもよろしいでしょうか?
Tさん:はい。
といっても、自分の場合具体的になにか医療に関わる出来事があったわけではなく、高3の秋に、「医療大転換:日本のプライマリ・ケア革命(ちくま新書/葛西 龍樹 著)」という本を読んだのが分岐点でした。
医療大転換:日本のプライマリ・ケア革命(ちくま新書/葛西 龍樹 著)
(Amazonのページが開きます)
この本に出会って、単に患者の現在の症状だけでなく、「患者の家族の背景や既往症などにも注目して治す」という点に感銘を受けたんです。
家庭医の、ただ治療するだけで終わらず、家族全体に深く関わるという点が魅力的で。
もともと人の話を聞き、「その人がどんな人かな?」というのを観察するのが好きだったのもあり、「自分もこうなりたい!」と思ったんです。
浪人時代に得たもの
– 2浪して合格されたとお伺いしましたが、塾などには通われましたか?
Tさん:1浪と2浪めに、それぞれ違う予備校に通いました。
1校目の予備校は休憩時間が短く、先生との距離感もあったために質問がしづらい雰囲気でしたが、2校目は休憩時間が長めで、先生に質問がしやすい環境だったことが幸いだったと思います。
– 「質問」が重要だったのですか?
Tさん:そうですね。
自分はわからないところをどんどん聞いていきたいタイプだったので。
おかげで、「質問できるか」で人や環境を見て、自分に合ったところかどうかを判断できるようになりました。
これは自分にとっては大きな収穫でしたね。
– なるほど。質問できるようになって成績が向上したのでしょうか?
Tさん:一番成績アップに関係が大きかったのは「メンタル面」ですね。
自分は国語がどうにも苦手だったんですけれども、1校目の予備校では国語の記述対策なども受講しなくてはいけなかったんですよ。
ですが2校目の塾ではそういう縛りはなくて。
だから国語は諦めたんです。
国語の記述を勉強しなくていいんだ、と思うと気が楽になりましたし、その分の時間も他の科目に使えるので、英語や数学の勉強がはかどりました。
結果として、両方とも模試で全国上位に入れたんですよ。
(筆者:わたしも国社の優先順位をさげることで他科目に時間を割くことができました!私立医学部は英数理のみですしね!)
慶応の二次面接はどんな内容だった?
面接の経験が少ないと、どうしても「上手な日本語で受け答えをしよう」と模範解答を暗記したりしてしまいがち。
ですが、それでは練習していない質問では答えに困ってしまいますよね。
先輩の考える、二次面接で大切なこととは何でしょうか?
実際にどのような点に気をつけて面接対策をしていたのかも含めて教えていただきました。
慶応の二次試験で大切なことは?
– 慶応の二次試験ではどんなことを聞かれましたか?
Tさん:大学を志望した理由と医師になろうと思ったきっかけ、併願校を聞かれましたね。
そこをどんどん深堀りしていく感じです。
私は「患者に寄り添える医師になりたい」と答えたのですが、それについて「患者の気持ちに寄り添えるけれども腕が悪い」「腕は良いが冷たい」片方しか選べないとしたらどうする?と聞かれました。
私が「腕がある医者のほうを選ぶ」と答えたら、「あなたが今語った『なりたい医師像』と矛盾していないか?」と指摘されましたね。
これに対して「腕が良いのは当たり前でなくてはならない。そのうえで私は優しい医師になりたいと考えているから」と答えて合格できました。
こんな感じでちょっと意地悪なことも聞かれるので、志望理由などは深堀りされても答えられるようにしっかり固めて練習しておいたほうがいいです。
ここで動揺したり、自分の志望動機とブレたことを言ってしまうと落ちちゃうんじゃないかと思います。
– 面接で意識したことはありますか?
Tさん:「自分を入学させるメリット」を提示することですね。
同じ点数を取っていたら、学校側としては浪人生より現役生のほうがいいですよね。
だから、「浪人した分、学校や社会に還元できる年数は少なくなってしまうかもしれない。でも代わりに、自分は浪人時代に得たこんなメリットがあります」と伝えることを意識しました。
あとは、未来を見据えた人のほうが受かりやすい気がしますね。
将来どうなりたいか、自分が何をしたいかのビジョンがはっきりしている人、脳外科医になりたい、小児科医になりたいなどが明確な人ですね。
– 面接の練習は、予備校の対策授業などで行いましたか?
Tさん:特に対策授業とかは取っていません。
家族や予備校のスタッフの人に手伝ってもらい、じっくり時間をかけて対策しました。
慶応医学部の授業はどこが違う?
同じ医学について学ぶとは言っても、学校によってカリキュラムなどは少しずつ違うもの。
学校の特色については実際に入学した先輩に聞くのが一番ですよね。
Tさんが考える、慶応医学部の特色は何でしょうか?
これが印象的だった!大学の授業と留学制度
– 大学の授業で印象に残っているものはありますか?
Tさん:毎回各先端分野のトップの人が来て、学生へメッセージを伝えてくれる講義があり、それが刺激になりました。
「苦手な人を避けず、あえて話しかけてみよう」とか、「厳しいなと思っても、踏みとどまってもうちょっと頑張ってみよう」などの考え方を受け、自分の中での人生観に大きな影響を受けました。
– 他大学では海外に実習に行くことも多いですが、慶応にはその制度はありますか?
Tさん:慶応にももちろんあります!
大学が勧めているのは「アメ留」といって、5年の1月か2月に1ヶ月間臨床研修に行くというやつです。
TOEFLの試験を受けて80点を超えた人が参加資格を持っているんです。
後は6年の夏にブラジルに1ヶ月行ったり、アフリカに行ったりする人もいますね。
自分も行きたかったのですが、TOEFLはクリアできたもののどちらもコロナで中止になってしまいました。
とても残念です。
高校生への激励
– 医者になりたい!と思っている高校生にはどんな声をかけてあげたいと思いますか?
Tさん:高校生に伝えたいことですか……きっかけは憧れとかでいいと思うので、「その仕事が本当に一生やりたいことか、辛いことやしんどいことがあっても頑張れる仕事か」は深く自問自答してほしいですね。
楽しい時に仕事ができるのは当たり前なんです。
だから、苦しい時に逃げ出さずに踏ん張れるかどうかを考えて仕事として選んでほしい。
それが医者や医療職であれば嬉しいですね。
今回は慶応大学医学部に合格されたTさんにお話を聞きました。
2浪を経て合格したTさん。浪人しながら医学部を目指している方々の参考になったのではないでしょうか。
面接対策についてもとっても参考になりましたね!
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。