医学部合格のために中高生に必要なことは?受験と部活の両立はできる?

医学部受験生の生活習慣

医学部を目指す中高生はなにをしたらいい?

基礎を固める

医学部の入試問題は難問が出題されるイメージがありませんか?確かに難しい問題は多く出題されますが、そういった問題で差をつけられる人はわずかです。いかに最初の方の基礎的な問題でミスをせずにしっかりと点を取れるかが勝負の分かれ目になります。また難問といわれる問題でも基礎的なことを組み合わせていけば答えに近づけることがあります。記述式の大学では途中点で点数を稼ぐことができますので基礎が身についている人ほど合格に近づけます。また高得点が要求される大学では基礎が身についているかを問われていると思ってよいでしょう。

基礎を固めるためにはまずは授業をしっかりと聞くことが大切です。授業の内容は習った直後に軽く復習し、分からなかったことは必ずその日のうちに(できればその場または授業の直後に)解決するようにしましょう。授業を聞いて内容をインプットできたら早めにアウトプットの訓練をしましょう。レベルの高い問題集ではなく、基礎編や標準レベルの問題集を繰り返し解いてください。2周目や3周目は解く時間を短縮できるようにするとよいです。速くミスなく解けるようになったら問題集のレベルを上げて応用問題に着手しましょう。応用編に入ったあとも問題につまづいたときには基礎編に戻ってやり直すことが効果的です。

勉強の習慣をつける

医学部に合格するレベルの学力をつけるためにはそれなりの勉強量が必要です。早い段階から勉強の習慣がついている人とそうでない人ではトータルの勉強量の差は計り知れないものになります。単純に時間で比較すると、中学1年生から毎日15分勉強する習慣がついている人とそうでない人は高校卒業時には15分×365日×6年=32850分=547.5時間もの差がついてしまいます。たった15分でこれだけの差が開いてしまいますので毎日の勉強の習慣の大切さが分かりますね。勉強の習慣化については以下の記事でご紹介しましたので参考にしてください。

医学部は入ってからも試験がとても多いため、入学後も勉強の習慣を続けなくては進級ができません。また医学部を卒業して医師になってからも専門医試験がありますし、患者さんに最適な医療を提供するために日々最新の医学を学び続ける必要があります。習慣をつけるにはそれなりの期間が必要ですのでできるだけ早いうちから勉強することに慣れておきましょう!

まずは数学と英語を固める

理科の勉強を本格的に始める前に数学と英語は完成させておくのが理想です。どちらも得意不得意が分かれる科目であり入試の配点が高い場合も多いので確実に点を取れるように早いうちから練習しておきましょう。特に英語は単語や熟語を覚えていないとどうにもできませんので普段からすき間時間を有効活用して少しずつ覚えていくことをおすすめします。また医学部受験では数Ⅲが必須の大学も多いですので数Ⅲを始める前に数ⅠAや数ⅡBはある程度のレベルまで進めておくと楽です(言うは易く行うは難しですが…)。

差が付きがちな理科を固める

現役生と浪人生の差は理科でつくと言われます。現役生はどうしても数学と英語で手いっぱいになり理科が疎かになりがちです。有機化学など全く知らない分野を高校に入ってから学ぶことになりますので時間を割いて勉強したいところです。高校の教科書でいいので隅々まで読み込み、問題集を繰り返し解いて浪人生との差を縮めましょう。新しい参考書を買うよりもまずは高校の授業をしっかりと聞き、教科書を熟読してください。現役で東大や医学部に合格した同級生は表紙が取れるまで教科書を読みこんでいる人が何人もいました。教科書は意外と基礎固めにかなり役立ちますので軽視せずに活用してくださいね。

小論文対策をする

医学部では小論文が課されることが多いです。もちろん内容も大事ではありますが、まずは試験時間内に書き終えられるようになることが大切です。そのためには日頃から新聞やニュースに目を通し、医療関連の話題はマークしておきましょう。ニュースになった事柄について自分の意見を言えるようにしておくと本番でもスラスラ文章が出てきます。しかし入試で小論文が課されるとはいえ評価はざっくりなので合否はほぼ一次試験で決まります。どのくらい埋まっているか見た目で点数を付けられるとまで言われました。小論文対策は息抜き程度にほどほどにして一次試験対策を重点的にやるとよいでしょう。

面接対策をする

最低でも1回では模擬面接を受けることをおすすめします。面接室の入り方や挨拶の仕方など、1回でもやるのとやらないのとでは大きく違います。面接でよく聞かれる質問は検索すれば出てきますので答えられるようにしておきましょう。話す内容も大切ですが、あまりに発言が少ない場合や非人道的な発言をしない限りは大丈夫です。また医療関連のニュースについても意見を言えるようにしておいた方がよいですが、変に専門的なことを言って突っ込まれると困りますので高校生らしい答えをするように心がけてください。大学によっては変な質問をされるところがありますので過去の質問例を見て個別に対策すると心の準備ができます。

友達を大切にする

せっかくの学生生活ですから友達との時間も大切にしましょう。遊びすぎは禁物ですが、中高時代に友達と過ごす時間はかけがえのないものです。中高を共にした友達の中には今でも頻繁に連絡を取って会う親友もいます。勉強ばっかりしてきた医師よりも友達との時間も大切にしてきた医師の方が視野も広がっていると思うのでぜひ友達を大切にしましょう。

課外活動を頑張る

医学部受験は勉強が大変ですが、部活やボランティア活動などの課外活動もできればやってみましょう。願書や面接時の話題作りにもなります。受験勉強ばかりでは飽きますし疲れますので気分転換も兼ねて積極的に参加してみるのがおすすめです。高校3年の11月までほぼ週3で部活をやっていましたが無事現役合格した方もいます。ハードな部活でも勉強と両立して東大をはじめ難関大学に現役で合格する同級生もかなりいましたのでメリハリをつけることでむしろ受験勉強の後押しになるかもしれません。

受験と部活の両立は大変!?部活の引退時期と大学受験は関係ある?

 

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上記で課外活動の重要性について述べましたが、多くの人にとって部活と勉学の両立は課題のはず。「部活をしていて、勉強する時間がとれない」「成績が落ちると部活を辞めろと、親に言われる」「部活と勉強の両立ってできるの?」と次々に疑問が出てきます。両立って本当に大変ですよね。

部活は早く引退するほうがよいのか?
結論からいうと、引退時期が早くても、第一志望に合格しやすい訳ではありません。

第一志望合格率と部活動を辞めた時期

 

高校1年に引退した人の、合格率は57.1%ですが、それよりも高校3年の冬に引退した人のほうが67.9%と合格率が高くなっています。
引退時期が早いからといって、第一志望合格率が高いわけはないようですね。
この調査によると、高校2年、3年の間で引退する場合、早いほうが合格率が下がるという結果がでています。

勉強と部活ってどうやって両立する?

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すきま時間を使え!

高校生になると、勉強も難しくなり予習、復習にも時間が取られるようになりますよね。部活をしていると、なかなか勉強時間が取れません。私は、休み時間や、登下校の時間に勉強していました。休み時間に次の授業の予習を終わらせ、登校時間に今日の小テストを詰め込む。そのようにして、勉強時間を確保していました。

「そんなに勉強できるの?」と思うかもしれませんが、休み時間が10分だとして、1日に5限授業があるとします。すると、10分×5=50分1日50分程度、時間がとれます。その時間を有効活用すると、授業の予習くらいは終わります。

授業中に頑張る。

意外とみなさん授業中はボケッとしていませんか。時間がなかった私は、授業中に色んなことをしていました。終わらなかった予習や復習、ちょっと先の単元を見ておくなど。工夫すると、授業中にも時間を作れます。例えば、先生が談笑している時間など。その時間でほんの少しでも勉強を進めると後々楽になるかもしれません。

短時間でも帰宅後、勉強する。

部活を終えて帰宅すると、もうクタクタで勉強したくありませんよね。しかし、そこで勉強せずに、困るのは未来の自分。少しでよいので、時間をとりましょう。部活がある日の私の勉強時間は、最短30分、最長1時間30分ほどでした。ギリギリ宿題が終わるくらいしか、勉強していませんでした。

1日30分でどうにかなるものでもありませんが、蓄積すると結構な時間になります。中間試験が終わってから、期末試験が始まるまで大体1ヶ月半。その間、毎日30分勉強していれば、30分×45日(1ヶ月半)=22.5時間となります。10分、20分と短くてよいので、勉強する習慣をつけると、あとあと大きな時間となります。

両立するうえでのポイントを紹介

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受験と部活を両立するためにはどうしたらよいのか、ポイントを紹介します。

受験で使う科目を決めておく。

部活動をする人たちは、どうしても受験勉強に集中する期間が短くなります。
その期間に全力を出せるよう、早めに受験で使う科目を決めておきましょう。
期間が短いからこそ、最後になって科目が増えると大変です。

文系を例にすると、
古文が必要か、現代文のみで受験できるかによって、国語の勉強量が違ってきます。
また、日本史または世界史のどちらかでしか受験できない大学もあります。

引退して、いざ志望校を考えたら、勉強する科目を増やす必要があった、または、科目を変更しないといけない。
そんなことにならないように、引退前に受験でどの科目を使うのか考えておきましょう。

受験科目については以下の記事も参考にしてみてください。

学校の成績は意識した方がよい? 

まず、進級がギリギリの場合は留年しないためにも、卒業し大学入学するためにも学校の勉強は必要でしょう。しかし、進級や卒業が大丈夫なかたは定期テスト等、学校の成績をどうするか悩む場合もあると思います。後者の場合、これは通ってる学校によると思います。大多数は大学に進学しない、進学実績が悪い高校に通っている場合は、学校の成績ではなく模試などを基準にしたほうがよいかもしれません。
自分が通っている高校の進学実績がよい、または、大多数が大学に進学する。そのような場合は、学校の成績を維持することは重要です。進学校では、授業も大学受験を意識したものになっているはずです。そういった授業についていければ大学受験にも対応できる力が身につきますし、定期テストでも自分の実力を測る材料になります。また自分の志望校の受験を指定校推薦や総合型選抜で受けることを検討している場合は学校の成績が合否に関わるため、万全な対策をすることが必要です。選抜の方法を増やせばそれだけチャンスも増えるので、早めに志望校の入試制度も調べましょう。

このように、学校の成績も案外重要かも、、と思った方もいらっしゃると思います。受験勉強の息抜き程度でも取り組んでみるといいでしょう。

両立していくうえで注意すべき点は?

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多くの人にとって、大学受験と部活を両立することは可能だと思います。

ですが、2つ注意点があります。

1つ目は、この記事の題材どおり医大や他には理系の難関大学を目指している場合。
この場合は、難しいかもしれないということを覚悟しつつ勉強しましょう。
実際、目指している同級生には浪人した人も多かったです。
しかし、部活をして、現役合格した同級生もいたので不可能というわけではありません。

2つ目は、部活で精神的に参ってしまった場合です。
その方は学校にも来たり、来なかったりでかなり辛そうだったそうです。受験には現役ではなく浪人で挑んだようです。部活で精神的に参ってしまうと、両立はかなり難しいと思います。

 

まとめ

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今回は、医学部を目指す中高生の方が合格のために必要なことや、勉強と部活を両立する方法について紹介しました。基礎を固めながら勉強し、すきま時間を使って毎日少しずつ勉強していれば、成績は維持できます。みなさんが、勉強と学生生活どちらも楽しむことを願っています。

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