【速報2022】「薬箱」が江戸時代から著名な北陸の国立医学部!伝統と革新のマリアージュ!
本日は、北陸の国公立医学部である、富山大学医学部を紹介・分析していきます。
富山大学医学部の最新情報
富山大学ってどんなところ?
富山大学は、その起源をさかのぼれば、長い歴史を擁しています。もともと1973年に教員養成を目的として「新川県講習所」が発足し、これが2005年まで存在した富山大学教育学部の前身です。「新川県講習所」は、「新川県師範学校」「富山県立師範学校」と改称されます。
その一方、1893年には「共立富山薬学校」が設立され、薬草園が整備され、「富山薬学専門学校」になります。これが、富山大学薬学部の前身です。19世紀のうちから薬学学校が設立されたのは、富山が江戸時代から「富山の薬売り」「富山の薬箱」が有名な薬の生産地であることと関連しており、現在も富山県は製薬産業が盛んです。「富山の薬箱」は、現在ちょっとしたレトロ趣味になっています。実際、富山大学には「和漢医薬学総合研究所」があり、和漢薬や漢方薬、生薬について学ぶことができます。以下のリンクより公式サイトをご覧ください。
さて大学の沿革としては、また別の独特さがあり、2005年には富山医科薬科大学と高岡短期大学を併合しています。ですから、現在の富山大学医学部と富山大学薬学部は、「旧 富山医科薬科大学」となります。
富山大学には、理系学部としては理学部、工学部、医学部、薬学部などがあり、医学部には医学科と看護学科があります。公式ホームページによると、医学科と薬学科と看護学科の合同の講義や実習もあり、チーム医療の大切さを時間できるという事なので、医学部に入った人も和漢薬や漢方薬といった伝統的な薬について深く学ぶことができることでしょう。
実際、薬学部には「和漢薬コース」があるくらいですし、富山大学には漢方薬について学ぶサークルもあります。さらに、なんと医学部にも「和漢診療学講座」があり、和漢薬と漢方薬に関する診療・教育・研究を行っており、現代西洋医学と漢方薬の双方に精通した医師の養成を目指しているほか、大学院に入学して「博士(医学)」の取得を目指すことも可能です。
富山大学は、医学部と薬学部をはじめ、多種多様な医学薬学系の大学院のオリジナルサイトが豊富であり、カラフルで見ているだけで楽しいです。以下に、富山大学医学部の「和漢診療学講座」のサイトへのリンクを添付します。
ややニッチな観点になりますが、ありとあらゆる薬の事に詳しい医師や医学博士を目指す人は、富山大学医学部に進学して、北陸の雄大な自然を楽しみながら、美味しいものを食べつつ学業に専念してみては如何でしょうか。
公式データに基づく富山大学医学部の最新入試情報や入試制度
では、文科省や富山大学の発表による公式データから、医学部の最新入試情報を紹介・分析します。
最新の2022年の「一般選抜」において、医学部医学科は前期日程のみで入試を実施しており、70名の募集人員に対して218名が志願しており、倍率は3.1倍となっております。充分に狙えるラインです。
ちなみに、看護学科は、前期日程で50名の募集人員、後期日程で10名の募集人員であり、倍率はそれぞれ1.6倍と12.4倍です。
さて、文科省のデータなどですと、「富山大学医学部は、前期日程で120名の募集、後期日程で10名の募集」と書かれて、あとは志願者数や倍率などが付記されて終わりになってしまうのですが、富山大学医学部医学科は、学校推薦型選抜や総合型選抜でも学生を募集しています。
最新の2022年入試において、医学科の学校推薦型選抜は、「地域枠」として「15名以内」を募集しており、39名が志願しました。昨年も、奇遇なことに、全く同じ数字です。また、医学科の総合型選抜は、「富山県一般枠」と「富山県特別枠」として各10名を募集しており、それぞれ16名と23名が志願しました。
富山大学公式サイトの「入試情報」のページは、以下よりご覧ください。学生募集要項は、冊子での配布は行わないため、こちらのページより閲覧・ダウンロードして頂くほか、こちらのページからインターネット出願も可能です。また、医学部医学科の学士編入の情報も掲載されているほか、「大学見学会・出張進学説明会・出張模擬授業」もこちらのページから申し込むことができます。
世界の最先端はグローバル化とデジタル化と言われますが、インターネット出願ができるくらい進んだ大学である一方で、「伝統的な漢方薬や和漢薬と現代西洋医学の融合」を目指す医学部や大学院があるなど、革新と伝統が併存してマリアージュしているのが富山大学の大きな魅力の一つです。
富山大学医学部の入試科目や配点
では、富山大学医学部医学科の入試科目や配点について紹介します。
まず前期日程の入試ですが、最新の2022年入試では、共通テストが「国語200点、地歴公民が100点、数学と理科と外国語が各200点」で、計900点です。地歴公民は、「世界史B,日本史B,地理B,倫理・政経」より選択なので、現代社会などは選択不可。理科は、物理・化学・生物より2科目選択です。
そして個別学力試験は、「数学と理科と英語が200点ずつ、面接が100点」で、計700点(理科は、物理・化学・生物より2科目選択)。共通テストと合計して、計1600点になります。なんといっても共通テストの配点比率が高いのが最大の特徴で、理系受験生には苦手な国語200点をはじめとして、共通テストの得点が大きく響きます。また、「面接は100点」と明記している点も良心的です。
また、総合型選抜の入試では、共通テストは前期日程と同じ科目で900点であり、それに「小論文、面接・書類審査」が加点されます。小論文は100点、面接は150点ですが書類審査を含み、これらを個別学力検査の250点として、共通テストの900点に足して、合計で1150点です。
配点も明瞭なのが富山大学医学部の特長です。
なお、河合塾が提供するデータによると、富山大学医学部医学科の前期日程は、共通テスト得点率が76パーセントで、偏差値は62.5です。
実際には、富山大学には、富山県在住者だけでなく、関東地方、名古屋、大阪から受験生が集まります。
医師国家試験などの医学部最新情報
最後に、富山大学医学部の最新情報を紹介します。
最新の2022年の医師国家試験において、富山大学医学部は、出願者数と受験者数が109名、合格者数が98名で、合格率は89.9パーセントです。ギリギリ90パーセントを切りましたが、国立大学医学部として、東京大学医学部の87.8パーセントよりは上です。(私が東京大学大学院の出身で、東大は身内なので、このような比較表現をしています。)
さて、富山大学医学部の特長などは、これまでにいくつか紹介してきました。最後に、富山大学が誇る、豊富な医学系の大学院について紹介します。
富山大学の公式サイトに、富山大学の医学部の大学院の構成を分かりやすく示したチャートがありましたので、抜粋して以下に掲載いたします。
上記のチャートに乗っている「医学薬学教育部」や「生命融合科学教育部」の他にも医学系の大学院があるのが特長であり、その一つとして「総合医薬学研究科」があります。総合医薬学研究科は、「医学・薬学・看護学分野における基盤的研究の深化と、これら分野間の連携・融合の更なる強化を図り、医学・薬学・看護分野の枠組みを超えて協同する」ことを目的としており、「先端医科学プログラム」も提供していますが、これは医学科以外の出身者を対象としていますのでご注意ください。
「富山の伝統である薬学」と緊密に接しながら医学を勉強・研究できる所の例として取り上げました。参考までに、総合医薬学研究科の公式サイトは以下よりご覧いただけます。
富山大学の主として医学部を取り上げましたが、いかがでしたか。伝統と革新がマリアージュしている点は、ヨーロッパの薫り高い芸術をも想起させます。ぜひ皆さんの選択肢の一つとして受け止めて頂ければ幸いです。
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。