共通テスト英語リスニングで100点を取るための効果的な勉強法
「リスニングの勉強法が分からない…」
「リスニングの点数が安定しない…」
医学部・難関大の受験生は共通テストリスニングで9割を取ることが最低ラインです。
国公立を受験する場合は言うまでもありませんが、私立大学の中にも共通テスト利用受験が可能な大学もあるので、私立専願の場合でも高得点をとって損はありません!!
今回は、医学部受験を突破するためにリスニングで高得点をとる方法をお伝えします。
Contents
共通テストのリスニング問題は大問は6つ
共通テストの英語は、リーディング100点、リスニング100点です。センター試験に比べ、リスニングの得点配分の比率が大幅に増えました。それに加え、問題も難化しています。
問題構成
第1問 | 短い文を聞く |
第2問 | 写真選択問題 |
第3問 | 短い対話を聞く |
第4問 | 表やグラフを埋める |
第5問 | 3分未満の講義を聞く |
第6問 | 1分半未満の長い対話を聞く |
第3問~第6問は音声が一度しか流れない
より長い文章を聞かなければならない後半パートでは、音声が一度しか流れません。音声が流れる前に「状況・ワークシート、問いおよび図表を読む時間」が与えられるので、その時間に集中して状況把握に努めること、そして前の問題を解き終わったら次の問題を読んでおくことが必要になります。
高校レベルを超える難易度の問題もある
第1問~第4問は高校標準レベル
第1問~第4問では、比較的基礎的な語彙を使った短い文章が読まれます。第1問~第3問は音声が2度流れ、第4問は音声が1度のみ流れます。この部分でリスニング100点中71点を占めます。国立大学や医学部を目指している生徒は、全問正解を目指しましょう。
第5問・第6問は高校レベルを超えている!
第5問は3分未満の講義を聞く問題、第6問は1分半程度の長い会話を聞く問題です。どちらも音声は1度しか流れず、非常に難しい問題と言えます。大学生や社会人が受験するTOEICでさえも、これほど長文のリスニング問題はありません。第5問・第6問は高校レベルを超えており、正解できれば他の受験生と差をつけることができます。
リスニングの実力を上げる方法3選
1、練習では「音」だけに集中する
まず英語を聞いて日本語に直して、問題を解くーーー
そのようにリスニングの練習をしていませんか?
実は、練習では日本語に直さずに、「音」を聞き取ることだけに集中する方が効果的です。後ほど詳しく述べますが、英語では単語同士がつながって発音されたり、文章全体の抑揚のために一部の単語が弱く発音されたりします。特に紛らわしいのが、”can”と”can’t”です。日本の生徒には音が似ているように聞こえてしまいますが、聞き取りを誤ると、逆の意味になってしまいます。
リスニングに自信がない人はまず、「音」を正確に聞き取ることだけに集中しましょう。まだ問題演習を行わなくて大丈夫です。
2、リスニングを上達させるカギは「ディクテーション」にあった
以前、私はオンライン英会話講師として生徒を指導したことがあります。その際、生徒のリスニング”力”の向上を最も実感したのがディクテーション練習でした。ディクテーションとは、聞いた音を一語一句書き取るトレーニングのことです。
やみくもにリスニング練習をしていると、必ず成績が伸び悩む時期が来ます。自分が「いつも聞き取れない音」を知らないからです。
ディクテーションしてみると、リスニングが得意な人でも、弱く発音される前置詞を聞き逃していることがよくあります。
リスニングの練習はディクテーションに始まり、ディクテーションに尽きます。まずはこれを徹底してください。
そうとは言っても、いきなり共通テストの試験問題を書き取るのは難しいですよね。まずは、自分が3回聞いて書き取れるレベルから始めましょう。中学校の英語の教科書がおすすめです。YouTubeにも簡単な短文でディクテーションの練習をする教材があります。ぜひ参考にしてみてください。
3、発音の練習
人間の脳は、発音できない音は聞き取れない仕組みになっています。
みなさんは、”L”と”R”の違いが分かりますか?”bought”と”boat”の違いが分かりますか?
これらを聞き分けるためにも、発音練習をおろそかにしてはいけないのです。
ディクテーションはリスニングの近道であるのに対し、発音練習は、その積み重ねが徐々にリスニングの点数につながっていきます。
満点を取るために注意すべきポイント
リンキングサウンドに要注意
リンキングサウンド(linking sound)とは、二つの単語をつなげて、ひとつの英単語のように発音するルールのことです。たとえば、”Let it go”は実際には”レディゴー”のように発音されます。リンキングにより音が変わったり、音が脱落したりします。
このリンキングがリスニングをより難しくしています。
日頃から音のつながりに注意しながら、ディクテーション練習を行ってください。
日本語母語話者が聞き取りづらい音
- can/can’t
アメリカ英語:”can”は弱く短く「キャン」、”can’t”は強く長く「キェーン(ト)」
イギリス英語:”can”は短めに「カン」、”can’t”は長めに「カーン(ト)」
2. want/won’t
want:母音「ア」を意識 won’t:母音「オゥ(ou)」を意識
3. They’re/There/Their
実は、この3つの発音のほとんど同じです。文脈で判別するしかありません。
4. “h”の脱落
英語には、”hour” “honest”などのようにフランス語由来で、語頭の”h”を発音しない単語がいくつかあります。
その他にも、”he” “his” “him” “her”といった人称代名詞でもしばしば”h”の脱落が起こります。
共通テストのリスニングでは、”h”がやや弱めに発音されていました。
試験テクニック① 解き終わったら必ず次の問題に目を通しておく
早く解き終わって残った時間は、次の絵の理解や状況の把握のために使いましょう。必ず問題と選択肢を読んでおきます。
試験テクニック② 自分なりの記号で素早くメモを取る
音声が一度しか流れない問題では、素早くメモをとる技術がとても重要になります。たとえば、逆接の接続詞に△と書いたり、登場人物を男女別の記号で表したりして素早くメモを取ります。
普段から自分なりの省略記号を考えておきましょう。
逆に、前半の問題は2回放送されるので、メモを取る必要はありません。メモを取ることが時間のロスにつながります。
実際の共通テストの過去問題を聞いてみよう
共通テスト2021年度(1月16日・17日) 英語リスニング問題の問題用紙はこちらからダウンロードできます。
なお、試験音声はこちらのウェブサイトからダウンロードできます。
第1問:短い文を聞く
問1
- The speaker does not want any juice.
- The speaker is asking for some juice.
- The speaker is serving some juice.
- The speaker will not drink any juice.
答えは2です。聞き取った内容を言い換えて答える必要があります。ここで重要な表現は、”ask for~”で「~を頼む」という意味になります。
問3
- Yuji is living in Chiba.
- Yuji is studying in Chiba.
- Yuji will begin his job next week.
- Yuji will graduate next week.
答えは3です。”moved”という過去形を聞き取れたでしょうか?時制に関する引っかけの選択肢が提示されるので、動詞の時制まで注意して聞きましょう。
第2問:写真選択問題
問10
答えは1です。冒頭に出てきた”garbage bag”が引っかけでした。聞き取った単語が必ずしも絵の中に表示されているとは限りません。
第3問:短い対話を聞く
問14 職場で女性が男性に中止になった会議について尋ねています。
Which is true according to the conversation?
- The man didn’t make a mistake with the email.
- The man sent the woman an email.
- The woman didn’t get an email from the man.
- The woman received the wrong email.
答えは3です。途中まで聞くと2が正解のようですが、後半にメールが正しく送られてなかった、と言っています。音声は1度しか流れないので、必ず最後まで気を抜かずに聞きましょう。
第4問:表やグラフを埋める問題
問18~21
- Going out with friends
- Playing online games
- Studying
- Working part-time
答えは、18番:1、19番:2、20番:3、21番:4です。19番の選択肢が聞き取りづらかったかもしれません。”The most popular selection was going out with friends, with thirty percent choosing this category. Exactly half that percentage of students selected working part-time.” から15%と選びます。
表やグラフを埋める問題はほとんどの場合、順番を前後して話します。音声が流れる前に必ず図表を確認しておきましょう。
第5問:3分未満の講義を聞く
問27~問31 音声を聞き、以下の問題に答えなさい。
問27 空欄 27 に入れるのに最も適切なものを選びなさい。
- a sustainable development goal beyond
- a sustainable economy supporting
- a sustainable natural environment for
- a sustainable society challenging
問28~31 空欄 28 ~ 31 に入れるのに最も適切なものを1つずつ選びなさい。選択肢は2回以上使ってもかまいません。
- goods
- relationships
- tasks
- everywhere
- indoors
- outdoors
問32 講義の内容と一致するものを選びなさい。
- Danish people are against high taxes to maintain a standard of living.
- Danish people spend less money on basic needs than on socializing.
- Danish people’s income is large enough to encourage a life of luxury.
- Danish people’s welfare system allows them to live meaningful lives.
答えは、問27→1、問28→1、問29→2、問30→5、問31→4、問32→4です。問28に関して、音声中では”materials”(物質)と言っていたのに対し、選択肢では”goods”と言い換えられています。また問30に関して、直接”indoors”とは言っていないものの、”candle” “cozy bedrrom” “hand-knit blanket”といった”indoors”を示唆するような単語が述べられていました。
この長い文章を聞く際には、メモを取るのが必須になります。後編ではメモを取る際の時短術もあわせてご紹介します。
第6問:1分半未満の長い対話を聞く
Jane がSho とフランス留学について話をしています。
問34 What is Jane’s main point?
- A native French-speaking host family offers the best experience.
- Having a non-native dormitory roommate is more educational.
- Living with a native speaker shouldn’t be a priority.
- The dormitory offers the best language experience.
問35 What choice does Sho need to make?
- Whether to choose a language program or a culture program
- Whether to choose the study abroad program or not
- Whether to stay with a host family or at the dormitory
- Whether to stay with a native French-speaking family or not
答えは、問34→4、問35→4です。どちらも対話全体を聞いて答える問題でした。
まずはディクテーションから始めよ
リスニングはすぐ点数が上がる科目ではありませんし、対策しづらいのもよく分かります。
リスニングの練習では、ディクテーションと発音練習が重要です。
ディクテーションの練習をしつつ、日頃から発音練習も続けていくことで、徐々に聞き取れる音を増やしていきましょう。
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