世界史AとBは大学受験においてどう違う?2022年からの違いも解説!

医学部入試情報

共通テストの科目などを見て日本史や世界史に「A」「B」の区分があることに気づき「2つはどう違うのだろう」と疑問に思ったことはないでしょうか。
普段学校で授業を受けているときは特にAやBを意識して勉強することはありませんが、なんとなくネーミング的に「Aのほうが簡単なのでは」という雰囲気を感じてしまいますよね。

 

今回の記事では、世界史のAとBについての違いと、大学入試でどちらを選ぶべきかについて解説します。
2022年に高校に入学した人からは「A」「B」の区分がなくなることについても知っておきましょう!

 

世界史AとBの違い

 

世界史Aと世界史Bの違いは、主に以下の3つになります。

 

・高校の単位数
・出題範囲
・出願できる大学

 

ちなみに、多くの普通科の(進学を目的としている人が多い)高校では、世界史を選択している場合「世界史B」を自動的に履修しています。(日本史選択なら日本史Bを学んでいるはずです)
週に4回以上世界史の授業があれば、「普段やっている方の世界史=世界史B」と考えてOKです。

 

単位数

世界史Aと世界史Bの大きな違いの一つは「高校で学ばなければならない単位数」です。
「単位数」とは耳慣れない言葉かもしれませんが、要は「高校でどれくらいの時間その科目を勉強しなくてはならないか」ということ。
50分×35時間の授業を受けると1単位と認定されます。

 

文部科学省によると、世界史Aは2単位、世界史Bは4単位の履修が必要となっています。
(参考:文部科学省|高等学校の各学科に共通する教科・科目等及び標準単位数
ですから、世界史Aは70時間、世界史Bは140時間の授業が最低限必須です。

 

簡単に言ってしまえば、世界史Aを高校で履修したと認められるための授業数は、世界史Bの半分で済むということ。

 

規定では世界史Aと世界史B、どちらかを勉強していれば良いとされています。
そのため、主に世界史Aは総合学科や商業高校、工業高校などで採用され、世界史Bは大学受験を目的とする生徒の多い普通科で採用されています。

 

範囲

世界史Aと世界史Bでは、同じ世界史を学ぶものの範囲が異なっています。

 

世界史Aは近現代史、主に大航海時代から後の時代を中心に取り上げています。
それより前が全く出題されないというわけではありませんが、「現代の世界状況に関連する歴史」の部分がメイン。

 

世界史Bは「古代から現代までの全ての世界史」が範囲。
現代までの全ての歴史が等しく出題範囲・履修範囲となっています。

 

高校で知っておくべき教養の範囲が世界史A、入試を見据えたより広い勉強としての範囲が世界史Bとも言えるかもしれません。

 

出願できる大学

世界史Aと世界史Bでは出願できる大学も大きく異なっており、「世界史B」しか入試で利用できない大学のほうが圧倒的多数を占めています。

 

実際に、2022年の共通テストで世界史Aを受験している人は1,544人であるのに対し、世界史Bを受けている人は85,690人。(参照:受験者数・平均点の推移(本試験)令和3年度共通テスト)
大学受験を志すほとんどの人が世界史Bを選択しています。

 

特に文系では、受験に世界史を使うのであれば「世界史B」はほぼ必須です。
もちろん、世界史Aで全く文系に進めないわけではありませんが、かなり受験できる学校が限定されてしまいます。

 

理系では文系よりも世界史は重要視されていないため、世界史Aで受験可能な大学も増えます。
中には弘前大学の医学部のように、医学部ですら世界史Aが選択可能なところも。

 

ただし、理系の場合はそもそも地歴科目より公民科目を選ぶのがおすすめ。
出題範囲的にも難易度的にも一般的に地歴科目より公民科目のほうが楽であり、文系と違って「日本史もしくは世界史」を受験しないといけないという状況もほとんどの場合存在しないからです。

 

ちなみに、美大や音大、体育大学など実技が入試に課される大学では、比較的世界史Aを入試に利用できる大学の割合が多くなっています。

 

難易度は同じ

意外に感じる人も多いかもしれませんが、世界史AとBの難易度は「同じ」です。
名前や範囲的に世界史Aのほうが簡単そうに見えてしまいがちですが、世界史Aは出題範囲が一定ではなく(必ずしも大航海時代以降のみが出題されるわけではない)、範囲が狭い分深い内容まで聞かれがちであり、単純に「範囲が狭い分簡単」というわけではないのです。

 

また、「範囲が広い分基本的なことしか聞かれず、世界史Bのほうが簡単」というわけでもありません。

 

ただし、共通テストの平均点は世界史Aが46.14点、世界史Bが63.49点と20点ほどの大きな差がついています。(参照:受験者数・平均点の推移(本試験)令和3年度共通テスト)
これは世界史Bが簡単ということではなく、受験者層の違い(前述したように世界史Bは進学校で採用されやすく、世界史Aは商業高校や総合学科などで採用されがち)と世界史Aの受験者の少なさによるブレが大きいと考えられています。

 

受験に使うなら世界史Bがおすすめ

 

結論から言ってしまえば、受験に使うのであれば世界史Bを選ぶのがおすすめ。
というのも多くの場合学校で履修しているのは世界史Bですし、予備校で世界史Aが開講されていることもありません。
そのため、世界史Aを勉強しようとするとなると自習がほぼ唯一の手段になってしまいます。

 

また、そこまでして頑張って勉強しても、世界史Aが入試で利用できる大学は圧倒的少数。
しかも、世界史Aで受験できる大学は世界史Bでももちろん受験可能です。

 

つまり、世界史Aを選択すると難易度は変わらないが勉強の手間はかかり、しかも入試に使える大学がものすごく少なくなってしまうのです。
もちろん元々学校で履修していたのが世界史Aという場合はこの限りではありませんが、「世界史のAとB、より簡単そうならAの方で受験しようかな?」などと考えているのであればやめたほうが無難です。

 

新課程では「世界史A」「世界史B」はなくなる

 

ここまで説明してきた「世界史A」と「世界史B」ですが、2022年からの新学習指導要領によってなくなることが決まっています。
(参照:文部科学省|高等学校学習指導要領における歴史科目の改訂の方向性(案)

 

完全にそれぞれ対応するわけではありませんが、「世界史A」と「日本史A」が合体して「歴史総合」に、今までの「世界史B」は「世界史探求」、「日本史B」は「日本史探求」になります。

 

旧課程 新課程
世界史A 歴史総合
日本史A
世界史B 世界史探求
日本史B 日本史探求

 

この「歴史総合」は必修。
『現代的な諸課題の形成に関わる近現代の歴史を考察する科目』とされており、近現代の世界史・日本史両方を「歴史」として学ぶ科目です。

 

世界史Bは世界史探求と名前を変え、歴史総合の知識を前提としてより世界史への知識を深める科目となります。
名前通り現行の世界史Bよりも「探求」に重きが置かれており、課題の発見と追求、資料の読み取りなどが重視されています。

 

共通テストでも「世界史A」「世界史B」はなくなる

この新学習指導要領に対応して、共通テストでも2025年(令和7年)から「世界史A」「世界史B」は「歴史総合、世界史探求」の1科目に変わります。

 

大学入試センターには既に「歴史総合」部分のサンプル問題が公表されています。(参照:令和7年度以降の試験に向けた検討について|大学入試センター
現行の共通テストでは「センター試験との差があまりない」とされている共通テストの歴史科目ですが、このサンプルの通りになるとすると出題科目変更のタイミングで国語や数学のように資料の読み取りや思考力重視の問題に変化する可能性がありそうです。

 

受験に使うなら世界史Bを選択しよう

世界史AとBの違いは、学校の単位数や範囲、出願できる大学の多さです。
採用している学校が多く、採用している大学が多いため、入試に世界史を使いたいのであれば「世界史B」を選ぶのがおすすめです。

 

ただし、2022年から新課程になり、世界史AとBの区別はなくなります。
3年後には、新課程の生徒の卒業に合わせて共通テストも変更される予定です。
新しい科目である「歴史総合」は世界史Aと日本史Aが合体した近現代史を学ぶ教科、「世界史探求」もより資料の読み取りや自分で課題を見つけて探求することを重視する教科になります。

 

先輩や兄弟の参考書などを当てにしている人や、「世界史A」で受験しようかなと考えている人は注意しましょう!

 

 

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