【検証2023】この10年で大学受験は難しくなったのか?

医学部入試情報

大学受験は難しくなっているのか?

昔より今のほうが難しいのではと思いますよね。

今回は、大学受験は難しくなっているのか検証したいと思います。

1.大学受験は難しくなっている理由

 

茶色と青の家の建築写真大学受験が難しくなっているのでしょうか。3つの視点から検討しました。

①志願倍率は全体として増加

【参考資料】大学入学者選抜関連基礎資料集(その3)

上記のURLから図をご参照ください。

文部科学省入試室の調査によると、全体として志願倍率は上昇しているようです。2000年に6.4倍だった志願倍率は、2018年になると7.8倍となっています。

一方で、国公立大学の志願倍率は下がったようです。2000年と2018年の志願倍率を比べると、国立大学は4.8倍から3.9倍へ、公立大学は6.4倍から5.3倍へと下降しています。

私立大学の志願倍率は上昇しています。志願倍率が下がった年度もありますが、2000年から2018年にかけて、6.8倍から8.8倍へと2ポイントも上昇しています。

結論:志願倍率は全体として上昇。特に私立大学の倍率は上がっている。

②問題の内容は難化

受験英語は難化しています。英語塾経営者の斉藤淳の調査を参考にして、2022年の共通テストと1979年の共通一次試験を比べてみます。まず、リスニング試験が加わったのは2005年のため、1979年にはリスニング試験がありません。そして、同じ時間で処理する単語数が増えています。1979年には100分間で2354単語だったのが、2002年では80分間で5850単語を読む必要があります。同じ時間で計算すると、約3倍の語数を読まなくてはなりません。また、斉藤淳によると、語彙も難しくなっているようです。

共通テストとセンター試験を比べると、共通テストのほうが平均点は下がっています。

満点 2020年センター試験 2023年共通テスト 2020年との差
5教科7科目文系型 900 547 530 -17
5教科7科目理系型 900 552 547 -5
5教科6科目型 800 493 487 -6

(Medichen「【速報】2023年共通テストの平均点は下がった?」より)

理由:入試英語は難化している。以前のセンター試験より、共通テストは難しくなっている。

入試英語の難化について詳しく知りたい方は、以下のリンクをご参照ください。

数学の難化について詳しく知りたい方は、以下のリンクをご参照ください。

③定員割れ大学も増えた。

定員割れ大学は増えている。下記の図を見てください。1990年や、1995年に比べると、定員割れ大学は増えています。1990年には4%だったのが、2021年には46%になっていました。

私立大 定員割れ学校数の推移 (c) Kawaijuku Educational Institution.

(リセマム『【大学受験】定員割れ私大46.4%に上昇…河合塾が解説』より)

では、今は大学に入りたい時代なのでしょうか。木村誠の分析によると、大きな有名私大のない地方が苦戦しているという傾向があるようです。「令和4(2022)年度 私立大学・短期大学等入学志願動向」によると、全体的に入学定員充足率が下がっているなか、3000人以上の大学は充足率が上昇しています。また、都市部にある大学は、充足率が低くない傾向があります。

結論:地方の小規模な大学では、定員が割れるところもある。規模が大きい、もしくは都市部にある大学は定員充足率が高い傾向がある。

木村誠による分析を詳しく知りたい方は、以下のリンクをご参照ください。

「令和4(2022)年度 私立大学・短期大学等入学志願動向」について詳しく知りたい方は、以下のリンクをご参照ください。

2.中学受験と比べて大学受験は難しい

棚に積み上げられた本のさまざまなタイトル

中学受験と比べて大学受験は難しいのでしょうか。ライバルの数、勉強する内容に分けて比べていきたいと思います。

まずは、ライバルの数です。中学受験は圧倒的に受験人口が少ないです。河合塾によると、2023年の主要80大学の志願者数は150万1,225人だったそうです。対して、中学受験の受験者総数はおおよそ52,600人です。ライバルの数でいうと、中学受験のほうが楽な戦いといえるでしょう。

では、勉強する内容はどうでしょうか。中学受験は4科目入試が一般的です。大学受験では国公立を目指す場合、5教科以上を勉強する必要があります。しかし、私大では3教科で済むことも。勉強内容はどちらともいえないでしょう。

私は中学受験の経験者ですが、体感としては、中学受験のほうが簡単だったなと思っています。

「【大学受験2023】主要私大の志願状況(2/3現在)前年度比99%」について詳しく知りたい方は、以下のリンクをご参照ください。

「2023年私立・国立中学受験者数は過去最多の52,600名、受験率も過去最高の17.86%に!《首都圏》」について詳しく知りたい方は、以下のリンクをご参照ください。

3.勉強する内容は難化!倍率も増加!有名私大の難易度が上がっている

学業の帽子を空中に投げる新卒学生のグループ

今回は、大学受験が難しくなっているか検証してきました。結論としては、勉強する内容は難しくなっている、倍率も増加、有名私大の難易度が上がっているという結論となりました。

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