医学部受験を辞めたい人へ。受験のつらさが医大生になって役立つこと3選

医学部受験のメンタル対策

「医学部受験 やめたい」「もう無理だ」

そう思ったことはありませんか。きっと多くの受験生が一度は考えたことがあるはずです。今回は受験をやめたいと思ったあなたに、現役医大生からアドバイスをお送りします。

「医学部受験なんて無理」多くの人が思うから安心して大丈夫

医学部に合格した人は「自分は絶対に合格できる」という確信があったのでしょうか。

大多数はそうではありません。

医学部はかなりの難関ですし、「無理だ!」と思うことはとっても自然なことなのです。

「まさか自分が受かると思っていなかった!」合格者の多くが思っている

医学部に合格して入学すると、同級生同士で医学部受験のことがよく話題にあがります。

その話を聞いていると「補欠○番で、例年だと回ってこないから諦めていたよ」「もう他の学部に入学金を支払った後に補欠合格の連絡がきてびっくりしたよ」

といった声がありました。

正規合格した人でさえも「なんで正規合格したか分からない」と言っている人が大多数でした。

「医学部に合格している」

=「受験したとき/する前から合格すると思っていた」ではないのです。

まずはそれを覚えておくだけでも心が少し軽くなると思います。

医学部受験をやめたいと思う理由

では、どうして医学部受験を辞めたいと思ってしまうのか考えてみましょう。

成績が伸びない

勉強を頑張っているのに成績が伸びない時期がありますよね。一般的には、現役生は部活を引退してから成績が上がる、または夏をこえて秋ぐらいに成績が上がるなどと言われています。しかし受験が近づくにつれ、他の受験生も実力を付けているので相対的に成績が上がりにくくなります。頑張っているのに結果が付いてこないと、果たして自分の努力は意味があるのか、無駄ではないのかとつい考えてしまいがちです。

また、成績が伸びないと焦ってしまい、計画性のない過密スケジュールになりがちです。

スケジュール管理は受験勉強において重要ですが、細かく決めすぎてしまうと、完璧主義な人ほど1つ狂うだけで勉強自体に嫌気がさしがちです。スケジュールについての記事もありますので、こちらの記事をご参考ください。

勉強に疲れたから

毎日勉強していると心も体も疲れてきて、もう諦めたくなることがあります。私も受験生の秋以降、何度も「受験勉強が苦しすぎて今にもやめたい」という気持ちになりました。当たり前のようにみなさんは毎日勉強をしていると思いますが、実は毎日勉強を続けるのはとても大変で、そして立派なことです。まずは、いつも頑張っている自分を認めてあげましょう。

成績が少し下がったからといって落ち込んだり、上がったからといって過剰に喜ぶことはあまりよくありません。

なぜなら、感情だけでなく行動に結びついてしまう場合が多いからです。

例えば、「数字で1問間違えた、英語と理科は置いておいて数学ばかりやろう」「英語の偏差値が1上がった、英単語はもういいや」というのが悪い例です。

模試の結果はとても参考になりますが、あくまで解答用紙に目を向け、数字に左右されないようにしましょう。

家庭の経済的な事情があるから

受験にはとてもお金がかかります。受験する学校ごとに受験料、交通費、宿泊費、そして合格してからの入学金、授業料、引越しなど、数え上げるときりがありません。例えば遠方の大学を受験し、入学するまでに平均で約200万円かかると言われています。さらに私立大学医学部は入学金だけで100万円から200万円かかるところが多く、一般家庭の受験生にとって厳しい金額でしょう。

大学受験をやめたい時の対処法

成績が伸びない時はやり方を変えてみよう

頑張っているのに成績が伸びないときは、環境や方法を変えてみましょう。たとえば、勉強の場所を変えて集中力を高めたり、新しい勉強方法を試したりするのが効果的です。

おすすめの勉強場所はこちらをご参照ください。

いろいろな勉強方法がある中で、私がこれまで試してきた方法たちをご紹介しますね。

・毎日全科目を少しずつ勉強する

・特定の科目だけを3日かけて集中的に強化する

・To Doリストを作り、勉強内容を可視化する

・勉強時間管理アプリを使う

・朝4時に起きる

・間違えた問題を集めたノートを作る

・歴史の授業プリントのキーワードを修正テープで隠す

・教科書を繰り返し読む  etc…

いろいろな勉強方法を試してみて、自分に合うやり方を見つけましょう。

勉強に疲れた時は思い切ってちょっと休んでみる

勉強に疲れ、もう受験を諦めたいと思ったときは、一日勉強をしない日を作ってしっかり休息を取るのがおすすめです。しっかり休むことで、次の日には受験勉強を継続する力が回復するはずです。一日勉強しなくても成績にあまり影響ありません。受験勉強においては、休むときと頑張るときのメリハリがとても重要です。

さまざまな奨学金について情報収集する

経済的に豊かでなくても大学を目指すことは十分可能です。おすすめの奨学金制度をいくつかご紹介します。

①各国公立大学の授業料減免制度(両親の収入証明が必要)

②日本学生支援機構奨学金

住民税非課税世帯を対象に給付型の奨学金と、多くの大学生が利用している貸与型の奨学金があります。詳しくはこちらのウェブサイトをご覧ください。

医学部を目指す場合

③地域枠

地域枠のメリットとデメリットについて、こちらで解説しています。

④自治医科大学(卒後出身県で9年勤務する代わりに、学費無料)

⑤防衛医科大学校(卒後9年間指定の施設で勤務する代わりに、学費無料、さらに月額約11万円の手当が支給される)

⑥産業医科大学(入学時に6年間の学費総額2300万円貸与し、卒後9年間産業医として勤務すれば返還免除)

⑦慶応義塾大学、北里大学、国際医療福祉大学などの特待生

⑧その他民間の奨学金

奨学金ごとに金額や卒後の条件が異なるので、しっかり情報収集しましょう。医学部には奨学金を借りている同級生がたくさんいます。経済的な事情で進学をあきらめる前に、制度について知っておくことが必要です。

一旦考えを保留にする

落ち込んでいる時に重要な決定をしてはいけません。体調や気分が一時的に不安定になっているときに、諦めたくなってしまいがちです。ふとやめたい、と思ったときは一旦答えを保留にしましょう。しばらくすると考えが変わるかもしれません。

また、ひとりで悩んでいると、頭の中で問題はますます大きく膨らんでいきます。家族や先生、信頼できる友人に相談することで、悩んでいた問題が実はそんなに深刻な問題ではないと気づくことができるでしょう。人に話すことで、悩みは小さくなっていきます。

受験勉強が医大生生活で役立つこと3

では、本題に入りましょう。

辛いと感じながらも医学部受験のために勉強をすることは一体何の意味があるのでしょうか。

現役医大生が医大生として生活する中で、受験勉強が役に立つと思う瞬間をご紹介します。

1、自己管理能力が身につく

大学受験を経験することで身につく最も重要な能力は自己管理能力でしょう。医大生生活を送る上で、自己管理能力は非常に重要です。この能力が長けている人は、より充実した学生生活を送っているように感じます。

自己管理能力とは、目標や時間、行動、健康などを自分で管理しコントロールする能力です。

この能力は大学受験をする上で自ずと求められ、培われます。

  • 1日の時間の使い方や勉強について、ベストと思われる方法を考えて、試してみる、うまくいったかふり返る、そして改善していく。
  • 自分の苦手分野や弱点を洗い出し、成績を上げるために戦略を考える。
  • どこで勉強をするのが良いか考える。カフェや図書館、自習室などいろいろな場所を試してみる。その日の勉強の進み具合や集中度合いによってその場所に通ったり、たまに勉強場所を変えたり、工夫しようとする。

この、計画を立て、実行し、振り返り、修正する、という自己管理の能力は社会人になってからもずっと求められる能力です。

自分で試行錯誤することができるようになれば、それ自体が大きな学びとして意味があります。

こちらのページでは、社会で働く上での自己管理能力について詳しく説明されています。

[blogcard url=”https://www.hrpro.co.jp/learning-management/post-2441/”]

2、「勉強の仕方」「努力の仕方」が分かるようになる

さらに、自己管理として試行錯誤を繰り返したことで、見つけた自分の「オリジナル」も今後大きく活かすことができます。

医学生といえば、勉強ですね。

その時に自分に合った「勉強の仕方」「努力の仕方」がわかっていれば強みになります。覚えることが膨大なので、自分に合った勉強方法を知らないと効率が非常に悪いです。

「勉強の仕方」として、勉強をする場所を例に挙げると、勉強の気分が上がらない時や苦手な科目はカフェの方がはかどる、逆にテスト前日で追い込まれているときは図書館など静かな場所の方がはかどる、など。

把握していることで今後勉強するときに役立ちますね。

「努力の仕方」についても同様です。努力の仕方とは具体的に、必要な努力、目的にフォーカスした努力、さらには努力を続けるための方法などがあるでしょう。

SNSは断ち切った方が良いのか、息抜きのためにむしろあった方が良いのか、ノートはどのくらい作り込むのが自分に合っているのかなどが例として挙げられます。

3、教養が身につく

ここまでは「経験」として大学受験が役立つ面を見てきましたが、受験勉強で学ぶ内容自体も、自分の財産になります。

それは、「教養」です。

教養は最近はビジネスマンにも注目されていて、書店にも関連書籍が多く並べられています。

世界史・地理・経済・倫理などは、世界の政治や経済の流れを知るために役に立つでしょう。

数学も、限られた情報を整理し、公式を必要に応じて用いることは情報整理能力や問題解決力を培います。また、作業能力や処理能力も求められるでしょう。

このように、受験勉強を通して「教養」を学ぶことができるのです。

また、同級生はしっかりと教育を受けてきた学生が多く、話をしていると多くの学びを経験してきたことが伺えます。

しんどいときこそ踏ん張り時

今回は「医学部受験なんて無理!」と感じている人に向けた記事でしたがいかがだったでしょうか。

合格/不合格、正解/不正解、偏差値、などなど受験は白黒はっきりした世界です。ときに深く傷つき「自分には無理」と思ってしまうこともあるでしょう。

しかし、そこで諦めず最後までしがみ続けた人にしか見えない景色があります。

受験勉強を初めてから受験が終わるまで失敗しない人は誰1人いません。模試の成績が落ちたり、停滞期に入ったり、苦手教科が克服できなかったりと多かれ少なかれ何かしらの「失敗」を経験します。

完璧主義な人ほど1回の失敗で「もう無理だ!」となりがちです。

「結果よければすべてよし」ということわざがありますが、どんな失敗をしても、最終的に医学部に合格すれば笑い話として他人に話せるようになります。

皆さんが望む場所に到達し、思い描いたように学業に専念できるよう、応援しています。

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