浪人生から目指す第一志望合格の秘訣をすべて教えます

医学部入試情報

「浪人生」

その言葉の定義がふと気になり、ある国語辞書を引いてみると、次のような記述を見つけました。

”入学試験に不合格となり、入学できないでいる人”

何とも手厳しいですね…笑 しかし、大学受験において浪人して第一志望校を目指す受験生がいることもまた事実なのです。

22年度共通テストの志願者のうち、浪人生の占める割合は14.5%でした。また、文部科学省が発表する「大学基本情報」によると、国立大学の現役合格者は約7割で、残りの3割程度が浪人生であることが分かります。

1度は(あるいは2度、それ以上も…)不合格になりながらも、浪人生活を経て晴れて志望校に合格する受験生は決して少数派ではありません。かくいう私も浪人生活を経て大学に入学しました。今回は、私自身の体験談を踏まえながら、浪人生活の実際と、合格までの道のりをご紹介します!

また、現役高校生の方は以前私が執筆したこちらの記事をぜひご覧ください!

浪人生の1年間ー浪人はつらいよー

浪人生のなかには予備校などに通わず、自宅での自主学習で次の年の受験に備える浪人生、いわゆる「宅浪」と呼ばれる受験生もいますが、今回は、予備校で過ごす1年間を見ていきましょう!

3月 まずは予備校選びから

3月。各大学の合格発表が終わると、残念ながら不合格だった受験生は、その悲しみも抱えたままに、次の1年間を過ごす予備校探しを始めることになります。多くの予備校では、文理別に入塾試験が課され、その試験結果に応じたクラスへの入塾が許可されるのが一般的です。

当然ですが、上位のクラスほど有名講師が担当する授業の割合が大きくなるので、ここでのクラス分けは重要です。ただ、前期の成績次第でクラス替えも行われる予備校もあるので、もし下位のクラスだったとしても、あまり悲観せずに、前期をどう過ごすかが重要です!

4月〜7月上旬 まずは基礎固めから!

4月になると、いよいよ予備校での浪人生活のスタートです。予備校での授業は、各科目ごとに時間割が組まれており、高校の授業と大差ありません。それぞれの目指す志望校合格に向けて、予備校が組んだ時間割に沿ってクラスごとに授業が展開されます。また、志望校別で対策授業が組まれていたり、自身の選択科目に応じた授業を受けたりと、一部の授業はクラスの中でも分かれて受講することになります。

4月〜7月上旬。

この期間は予備校にもよりますが、前期期間とされ、各科目の単元に沿って基礎講義が行われます。高校3年間のカリキュラムを一気に復習することになるので、1回の授業で進むペースはとても速いです。ひとによっては授業とは別で自主学習の時間に復習の時間を確保しないと、授業から置いていかれてしまいます。

基礎とはいえ、浪人生は受験勉強を一通り経験してきたはず、という前提のもと行われる授業がほとんどなので、そのレベルは高校の授業に比べると高いです。この期間はまず、授業に必死についていくために、予習・復習のサイクルを確立させることが最優先事項になります。

私の場合、高校生活を部活に、遊びに、学校祭と、勉強のことなど頭の片隅にも無いような三年間を過ごしたので、前期の初っ端の基礎の部分からつまづきました。正直、高校の授業で何か知識を得た記憶が一切ありません笑

反省として、予備校の授業が始まる前の3月の間から各科目の教科書レベルの復習だけでもしておけばよかったです。全科目となると時間が足りないので、せめて数学と英語に絞ってでも3月から勉強しておくべきだったと、予備校に通い始めてすぐに後悔しました。浪人が決まったら、苦手科目だけでも基礎の勉強は進めておきましょう!

7月中旬〜8月 夏は受験の天王山!基礎力の完成

さて、そうは言っても季節の流れは待ってはくれません。あっという間に夏がやってきます。

7月から8月。

夏期講習の期間です。この時期は、クラスごとの通年の授業はありません。代わりに各自で申し込んだ夏期講習を受講することになります。共通テスト対策から、各科目レベル別の授業、志望校対策と、様々な授業が展開されます。どの授業を受けるかは、予備校生ひとりひとり違うので、自分に合ったものをクラス担任と相談しながら、選択して受講します。夏の間に基礎力を完成させてしまいましょう!

「夏を制する者は、受験を制す」という言葉があります。普段の予備校生活と違い、決められた時間割はありません。いかに自身で勉強のスケジュールを立て、自己を律して勉強できるかで、夏休み明けには大きな差ができます。授業がないから昼過ぎに起きて、ちょこっと勉強する、なんて生活を送っていると後から手痛いしっぺ返しをくらうことになります。

前期の復習をするもよし、志望校対策に時間を割いてもよし、自分がしたい勉強に時間を使うことができる貴重な期間です!前期に抱えた問題を後期に引きずらないように夏を有意義に過ごしましょう!

9月〜12月上旬 基礎から応用へ飛躍の時

9月〜12月上旬。

夏が終わると、クラスごとの後期授業のスタートです。先述したようにクラス替えが行われ、前期とはクラスが異なる人もいるでしょう。前期で学んだ基礎を活かして実践的な入試問題を解くための応用的な授業が各科目で展開されることとなります。

授業で扱う内容の難易度は高いものとなるので、予習の時間をしっかりと確保しましょう。前期では、復習の時間をとり、基礎をとりこぼさないよう強調しましたが、後期に扱うような応用問題では、頭をフル回転させて自分なりの答案を作成して授業に臨むことで、授業の内容が濃いものになります!

12月下旬〜1月上旬 入試直前!ラストスパート

12月下旬〜1月上旬。

12月の上旬までに、予備校の通年での授業は終了し、冬期講習へと突入します。冬期講習も夏期同様、自身で授業を選択して受講することになります。共通テストの演習とその解説の授業が多く用意されています。

春、夏、秋と学んできたことを活かして、志望校や共通テストの過去問をひたすら解きまくる期間です。夏が知識をインプットする期間であるとするならば、冬はアウトプットの期間です!演習量をこなして、自身をもって本番に臨みましょう!

1月中旬〜2月下旬。1年間の集大成

年が明けると、大学入学共通テストを皮切りにいよいよ入試が始まります。この頃になると予備校のクラスごとの授業はなく、冬期講習同様、志望校別の直前対策講習を必要に応じて受けながら、各自が入試に臨むことになります。あとは自分自身との戦いです!志望校合格を目指して駆け抜けるだけです!

そして3月の国公立大学の合格発表をもって長い長い浪人生活が終わる(あるいはもう1年やってくる)ことになります。

参考までに、駿台予備校の年間スケジュールおよび1日の流れが紹介されているリンクを掲載しておきます!

浪人はお金もかかりますー家計もつらいよー

ここまで、浪人生の1年間を見てきましたが、それだけでもなんだかお金がかかりそうなことが伝わってきたのではないでしょうか。

予備校では、通年の授業とは別に、夏期講習、冬期講習、直前講習で別途お金がかかります。

大学受験の2大予備校である、河合塾と駿台について比較すると、各予備校で浪人した際にかかる費用は以下のようになります。

河合塾:入学金100,000円+年間授業料750,000円〜850,000円+夏期・冬期講習授業料

駿台:入学金100,000円+年間授業料725,000円〜845,000円+夏期・冬期講習授業料

各予備校で、入学金は各種割引制度があるので、その部分の費用はもう少し抑えることができます。

しかし、入学金と授業料に加えて、各種講習受講料がかかることを踏まえると、どちらの予備校でも年間で1000,000円以上の出費は覚悟する必要があるでしょう。年間授業料も、個別指導などの各種オプションを追加すると、さらに費用がかかります。

国公立大学の年間の学費が535,800円であることを考えると、浪人して予備校にかかる費用だけで、2年間大学に通えることになります。現役で志望校に合格することがやはり家計的には大助かりですね!笑

また、年間授業料に関しては、各予備校で希望するコースによってかなり異なるので、自身が志望するコースではどれくらいの費用になるかは、それぞれのHPでチェックしてください!

合格までの道のりー最後は笑顔で春を迎えようー

予備校での浪人生活で、様々な受験生と出会い、共に勉強してきました。そんな浪人時代を振り返りながら、浪人してでも志望校合格を目指す方々へのアドバイスを、僭越ながら送らせていただきます。

苦手科目をつくらない!

苦手科目をなくしましょう。現役生には、苦手科目がいくつかあったとしても、得意科目で取り返そう!というようなアドバイスを送ります。しかし、カリキュラムを既に1通り学習し終えている浪人生が、現役生と差をつけるためには、どの科目も合格者の平均程度の学力が求められます。

苦手科目を決して得意にまでもってくる必要はありませんが、せめて苦手意識はなくし、受験において足を引っ張るようなことはないようにしましょう!

ですが、苦手科目の克服に際限なく時間を使っていては、勉強のコスパは悪いです。

私は、どうしても物理の苦手意識が拭えず、時間を取られすぎて他の科目の勉強時間があまり確保できませんでした。物理を完全に理解してやろうという意気込みが完全に裏目に出ていたように思います。

先程、平均程度の学力、と述べましたが、具体的には、共通テストレベルの学力の完成をまずは目指すといいでしょう!

それ以上の勉強は他の科目との兼ね合いにもよります。志望校に合格した浪人生の多くは、どの科目をどこまで勉強するのかの取捨選択が上手かったです。

苦手科目の学習には、駿台予備校が出版している短期攻略シリーズがおすすめです。一か月で、共通テストレベルの基礎力の完成を謳っているので、予備校の授業が始まる前の3月に苦手科目だけでも、こちらの問題集で学習してはいかがでしょうか。また、夏休みの間に使用するのも、まとまった時間がとれるのでおすすめです。

毎日規則正しい生活を!

規則正しい生活を1年間続けることは、最も重要なことかも知れません。高校とは違い、予備校の授業は出席が必須ではありません。浪人生の中には、いつの間にか生活リズムが崩れ、ついつい夜ふかしをして昼頃に起きて、予備校へ向かう、果ては予備校も休みがちになるというような人も出てきます。

毎日決まった時間に起きて予備校に向かい、決まった時間まで勉強して帰る。この習慣を前期のうちにつくってしまいましょう。1人ではどうしても気持ちが緩むこともあるので、何人かのグループで一緒の自習室で勉強すると良いでしょう。

私は、浪人中1年間を通して、何人かの友人と同じ自習室で勉強をしていました。友人の勉強する姿に刺激を受け、時には気分転換におしゃべりしたり、ご飯を食べに行ったりと、根を詰めすぎないように勉強していました。

それでも、昼頃に起きたり、予備校の授業をサボることもあったので、おそらく友人たちの存在が無ければ、受験勉強のストレスでそのまま予備校からフェードアウトしていたかもしれません笑

模試ごとに目標を立てよう!

予備校では年間に何度も模試を受ける機会があります。それぞれの模試では試験範囲が決められているので、模試ごとに、各科目の目標を定めて日々の学習を進めると、モチベーションを保つことができます!

模試ごとの結果に一喜一憂する必要はありませんが、あらかじめ立てた目標に対する結果はどうであったかにはこだわり、しっかり復習しましょう。ただただ模試を受けるだけ受けて終わりとするより、1回1回の模試で得られるものが多くなります。

また、スポーツでも、試合がないのに闇雲に練習だけしていても気持ちも上がらないですし、集中力が切れてしまいます。模試を、日々の勉強の成果を試す、アウトプットの機会とすると、長い1年間の浪人生活の中にもリズムが生まれるはずです。

最後にー浪人は長い人生のほんの1年ー

志望校に受からず、不本意にも浪人をすることになり、悲観的になる人もいるでしょう。ですが、浪人した1年、2年なんてものは、長い長い人生の中のほんの一部に過ぎません。浪人してでも、第一志望校を譲らずに、晴れて合格を掴み取ることができれば、その後の人生の可能性は大きく広がります。

辛いことの多い1年間ですが、最終的に春に笑えれば良いのです。途中うまく息抜きもしながら、最後まで諦めずに頑張ってください!

ピックアップ記事

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

【2023年版】 現役医大生が選ぶ医学部予備校おすすめTOP5