【2022速報】顕著になる国公立医学部の志願者減と志願者増

医学部入試情報

国公立大学医学部というと、リーズナブルな学費で6年間を過ごすことができ、かつ医師になってからも明るい道を歩みながら活躍できるという、あこがれの的ですよね。

実は、そんな国公立大学医学部においても、大学によって大幅に志願者が増加した医学部や、大幅に志願者が減少した大学があります。それらは、募集人員(の変更)、地理的要因、共通テストの難易度、景気不景気などによって変動すると言われています。

今回の記事では、それらを具体的に見てみることにします。

志願者の増加が目立った国公立大学医学部の一例を紹介

医学部受験生は、共通テストの結果を見ながら、受験する国公立大学医学部を決めるものですが、その結果、志願者の増加が特に目立った大学もありました。

まず、前期課程において志願者の増加が著しい大学の紹介からです。現時点で公表されている志願者数を基にお伝えいたします。

前年に比べ、前期日程の志願者増が目立つ国公立大学医学部医学科を北から順に見て行きましょう。

まず、弘前大学医学部前期一般枠は前年より50%以上、志願者が増加しました。志願者は253名で、85名の増加です。山形大学医学部の前期一般枠と地域枠合計の志願者は386名で、前年より145名増加し、60.2%の増加となりました。

群馬大学医学部の前期志願者は、前年を120人上回り、73.2%増となりました。福井大学医学部前期の志願者は、前年を91.7%上回る370名で、177名増加しました。2倍に近い志願者数となったわけですね。

岡山大学医学部の志願者は、181名の増加でした。前年の志願者数に比べ、50.4%増となりました。広島大学医学部は83名増、香川大学医学部は138名増でした。

志願者が増加した国公立大学医学部に出願された皆さん、落ち着いて冷静に対策を練ってくださいね。

志願者の減少が目立った国公立大学医学部の一例を紹介

一方、志願者の減少が顕著な国公立大学医学部もあるのですよ。チャンスが増えますね。

旭川医科大学医学部前期の志願者は募集人員40名に対し、178名でした。昨年の志願者279名に比べ、101名の減少となりました。志願者は36.3%減でした。信州大学医学部医学科前期の志願者は、前年に比べ93名少ない383名で、19.5%減となりました。

名古屋の国公立医学部は、2校とも志願者減となりました。名古屋大学医学部の志願者は前年の345名から195名の大幅減で、志願者は150名でした。前年に比べ、56.5%もの大幅な減少となりました。また、名古屋市立大学医学部前期の志願者も前年の208名から44名減の164名でした。

今年、大きな注目を浴びた大阪公立大学医学部前期の志願者は153名で、前身の大阪市立大学医学部の昨年の志願者225名から72名の減少となりました。

九州の国公立大学医学部医学科前期の志願者は、どの大学も大きな変動はありませんでした。

以下のサイトからは、国公立大学医学部医学科の志願状況の最新版を見ることができます。是非参考になさってください。

2022年度 国公立医学部医学科 志願状況の最新状況はコチラ

志願倍率が変化する要因について

志願倍率が変動する要因について、主なものとしては以下のものが考えられます。でも、志願者が増加していても、低学力者層が流入しているかもしれないし、増加した新規志願者が二次試験の難度に対応して高得点をとれるとも限りません。受験生は、客観的・総合的な判断を下しましょう。

  • 募集人員の大きな変化
  • 一番直接的で大きい影響となります。
  • 昨年の倍率+地理的要因
    • ある年のA大学が低倍率、その近隣かつ同レベルのB大学が高倍率だったとすると、翌年は倍率が入れ替わることがあります。「隔年現象」と言われるものです。
  • その年の共通テストの難易度
    • 共通テストが難しかった年は二次重視型の大学に流れる、というジンクスがあります。
  • 配点や出題科目・形式の変更
    • ほかにも、面接での変更点や増加点が大きいと、確実に医学部に入りたい再受験生や浪人生は受験を控えることがあります。
  • 景気
    • 不景気だと、安定職といわれる公務員や医者の人気は高まっていきます。景気不景気が、どこまで高校生に影響を及ぼすのかがポイントですね。

医学部があるすべての国公立大学の志願状況の分析

50の国公立大学医学部医学科の2022年度入試の前期日程全体の志願倍率は4.0倍となり、2021年度の3.9倍からわずかに上がりました。(各大学のホームページから集計した志願者数速報値による)

募集定員は計3607人(2021年度は3597人)、志願者数は計1万4445人(2021年度は1万4152人)でした。

後期日程は募集定員計363人(2021年度、408人)に対して、7031人(2021年度、6787人)が応募し、全体の倍率は19.4倍(2021年度、16.6倍)でした。

前期日程の大学別(地域枠等も合計)の倍率は、岐阜大(定員45人)が9.4倍と最も高く、島根大(定着枠含め定員58人)の7.1倍、福井大(定員55人)の6.7倍が続きました。

2021年度の各大学の志願倍率を100とした場合の増減を比べると、福井大の193.2%、群馬大(地域枠含め定員71人)の168.4%、滋賀医科大(地域枠含め定員60人)の163.6%などで伸びが目立ちました。

駿台予備学校とベネッセコーポレーションが2022年度センター試験直後に第一志望校を集計した「データネット2022」による志願倍率と比べると、岐阜大の倍率は約3倍になり、愛媛大(定員55人)と福井大は2倍以上になりました。一方、筑波大(定員62人)は半分以下に下がりました。

国公立大入試は2月25日から前期日程、3月12日から後期日程が実施されます。受験生は、防寒対策を徹底したうえで、自己を客観的に分析して、最終調整に臨んでほしいと思います。

大手予備校による国公立大学医学科の出願状況分析

河合塾が発信する医学部入試・受験対策情報サイト「河合塾 医進塾」は2022年2月14日、2022年度入試の国公立大学医学部医学科の出願状況を一覧にまとめて公開しました。確定出願倍率は、京都大学2.6倍、大阪大学2.7倍などとなっており、最難関大学だと逆に倍率が低くなる傾向が見られます。一方、山口大学(後期)の45.0倍が最も高い倍率でした。

2022年度入試の国公立大学医学部医学科の出願状況は、2月14日に河合塾 医進塾が発表したものです。「北海道・東北」「関東・甲信越」「東海・北陸」「近畿」「中・四国」「九州・沖縄」の6地区に分け、大学・方式・日程ごとに2022年度と2021年度の「募集人員」「志願者」「倍率」を一覧表にまとめています。

他の医学部の確定出願倍率を具体的に見ますと、京都大学が2.6倍、東北大学が3.1倍、名古屋大学が前期(一般枠)1.7倍、後期(地域枠)7.6倍、大阪大学が2.7倍、東京医科歯科大学が前期3.8倍・後期16.6倍となっております。大阪市立大学と大阪府立大学の統合で開学する大阪公立大学は1.9倍でした。

一方、東京大学は2月4日午後5時時点で4.2倍、北海道大学は2月4日午後5時時点で3.4倍、九州大学は2月7日時点で2.8倍となっています。

もっとも出願倍率が高かったのは、山口大学の後期(全国枠+地域枠)45.0倍です。岐阜大学の後期38.0倍、旭川医科大学の後期27.6倍、千葉大学の後期(一般枠)26.7倍、奈良県立医科大学の後期24.8倍、佐賀大学の後期22.7倍が、高倍率の医学部ランキングです。

なお、出願状況は情報が更新されていることがあるため、必ず各大学のWebサイト等で確認しましょう!

河合塾 医進塾では、2022年4月入学予定者向けの医学部入試情報として、医学部予想ボーダーライン、国公立大学合格発表日一覧も掲載していますので、ぜひご参照ください。

医学部志願者数 増加率ランキング

国公立大学医学部 合格発表日一覧

医学部予想ボーダーライン2022

医学部入試変更点2022

ピックアップ記事

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

【2023年版】 現役医大生が選ぶ医学部予備校おすすめTOP5