医学部に1年で合格するために必要な勉強時間や戦略とは?

医学部受験生の生活習慣

医学部受験を前々から考えていて、準備している受験生も多いと思いますが、

一方、高校3年生や他大学進学後に「医学部を目指そう!」と決めた方々も一定数いるでしょう。

私自身も高校3年生で医学部受験を決め、現役合格をしました。

今回は医学部合格に必要な勉強時間、1年で合格するための勉強方法、勉強していくうえで付き合っていかなければならないスマホ問題やスケジュールについてそれぞれ紹介します!

ニンバス雲の下の青い湖と虹

医学部に1年で合格するためには基礎固めが必須

まず、結論から言うと、無駄なく効率よく進めれば、高校3年生でも浪人生でも再受験生でも、1年で医学部に合格することは可能です。

その際、大切になるのは基礎固めと模試などで現在位置をしっかりと把握し「ゴールから逆算した最短距離」を進んでいくことです。

「基礎が固まっている」とはどういう状況かというと、「問題集の解説を読んで納得しただけ」「公式や解法を丸暗記もしくは鵜呑(うの)みにしただけ」ではなく、共通テストを受けて確実に9割の得点ができる状態のことです。

他人に説明できるくらい一つ一つの項目を深く理解していて、また「分かった」だけでなく「実際に手を動かして解ける」状態まで進んでいて、かつ入試本番の異常な緊張下でも確実かつスピーディに解けるくらい問題慣れしている状態だと言えます。

また、苦手科目があれば、言うまでもなく潰しておく必要があります。

実際、難関と言われる国公立大学でも、大都市圏内や旧帝大を除けば、共通テストで9割以上の得点を取れば確実にほぼどこにでも出願できます。

また私立大学医学部であれば、共通テスト利用入試を利用した場合、英数理で9割得点できればほぼ確実に合格できるといった医学部もあります。

次からは受験生の平均勉強時間から見た必要な勉強時間と、合格するために必要なことを紹介していきます。

 

受験生の平均勉強時間と必要な勉強時間

まずは、この表を見てください。

・高校1~3年生の平日の平均学習時間(進学した大学の偏差値ごとに算出したもの)

高校1年生 高校2年生 高校3年生
偏差値45未満 1時間48分 1時間27分 2時間3分
偏差値45以上55未満 1時間32分 1時間39分 2時間51分
偏差値55以上65未満 1時間34分 1時間41分 3時間55分
偏差値65以上 1時間47分 2時間6分 4時間16分

(参考:『[解説記事]第2回 学習時間のあり方を考える(その3)受験は学習時間にどんな影響を与えるのか』https://berd.benesse.jp/special/datachild/comment02_3.php)

 

これは進学した大学の偏差値別に、高校1~3年生のときの学習時間の平均を出したものです。ベネッセが実施した「子どもの生活と学びに関する親子調査2017」と「高校3年卒業時調査2018」によると、受験生の平日の平均勉強時間はこの表のようになっています。ここでの学習時間とは、学習塾での学習、家庭学習、宿題のことをいいます。

 

この表からわかることは、3つあります。

・偏差値の高い大学に進学した生徒のほうが、平日の学習時間が長い。

・特に、高校3年生での勉強時間の差が大きい。偏差値45未満の大学に進学した生徒と、偏差値65以上の大学に進学した生徒は、2倍も平日の学習時間が違う。

・高校1年生のときは学習時間にそれほど差がない。しかし、学年があがるごとに、どんどん学習時間の差が開いていく。

やはり、平日の学習時間が長いと、難関大学に受かりやすいのかもしれません。

また、高校3年生のときに勉強していることが重要であるということがわかりましたね。

 

休暇中の勉強時間は以下の通りです。

では、休暇での勉強時間はどうなのでしょうか?

この表を、見てください。

・駿台現役フロンティア生・現役合格者の平均(予備校・塾の学習時間を除く)

高校1年生・休暇中 高校2年生・休暇中 高校3年生・休暇中
1.4時間 2.3時間 7.9時間

(参考:高校生新聞『現役合格する高校生の勉強時間は?効率の上げ方、睡眠やスマホの注意点を教えて』https://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/6638)

これは、駿台現役フロンティア生の現役合格者にアンケートをとり、勉強時間を調査したものです。

これによると、休暇中の高校3年生にはなんと、約8時間も勉強していることがわかりますね。

 

最後に、合格までの勉強時間について調べてみました。
東進ハイスクールが、2020年の合格発表直後に実施したアンケートによると、
第一志望校現役合格者の学習時間は以下の表のようになりました。

・第一志望校現役合格者の学校以外の学習時間

高校1年生 高校2年生 高校3年生
学校以外の学習時間 743時間 1086時間 2414時間
1日の平均学習時間 2.03時間 2.98時間 6.61時間

注:平均勉強時間は学習時間を365日で割ったもの、小数点2位以下四捨五入。

やはり、ここでも高校3年生になると一気に勉強時間が増えますね!

これは全高校生の平均のため、「1年で医学部合格を目指す」となるとより多くの勉強時間が必要になります。

ブロックを積み上げる人

1年で合格する方法  勉強時間の確保、戦略決定

まずは勉強時間の確保をしよう

先ほど紹介したように、合格するためには勉強時間がかなり必要であることがお分かりいただけたと思います。

当たり前のことですが、「受かりたい」と思っているだけでは合格できません。

まずは勉強時間を増やすことを考えましょう。「質より量」という考えで良いと思います。

ちなみに私は平日は学校を除き6時間、休日は12時間ほど勉強していました。

 

勉強時間の確保において、スマホは憎き敵ですよね。

脳神経科学者の青砥瑞人さんによると、脳はスマホを使うことも習慣化しますが、スマホを触らない時間も習慣化することができるそうです。スマホを使わない時間を習慣化することで、無意識にスマホを使うことを防止できます。

そこで、スマホを触らない時間を作り出すことを手助けする方法を紹介します。

 

スマホのスクリーンタイム機能を利用

iPhoneの場合、「設定」から「スクリーンタイム」に行くと、アプリごとに使う時間を制限できます。

たとえば、よく使うアプリがツイッターの場合、ツイッターの使用時間を1日1時間までと設定することができます。

このスクリーンタイムパスコードを親など、他人に設定してもらえれば、自分で使用時間を延ばすことはできません。設定した時間を過ぎて使用し続けると、砂時計のマークの画面が現れ、それ以上使うことができません。

アンドロイドにも同様な設定があります。

スマホにあらかじめ存在するスクリーンタイムを使って、スマホの使いすぎを防いでみてはどうでしょうか。

 

②スマホを隔離する

スマホや自分が依存するものを、一定の時間閉じ込めてくれる箱というものが存在します。

それは、タイムロッキングボックスや禁欲ボックスと呼ばれています。この箱に、スマホを入れてタイマーをかければ、一定の時間が経たないと取り出せません。

値段は高いですが、本当に勉強に集中できないあなたはこれを買ってみてもよいかもしれません。

また、タイマー式南京錠と、箱やスーツケースを用意すれば自作できるという情報もあります。高いと思った方は、自作のスマホを閉じ込める箱を作ってみても良いかもしれません。

 

逆算して戦略を立てよう

次は「質」についての話です。

まず、私立医学部のみを目指すのか国公立医学部のみを目指すのか、あるいは私立医学部と国公立医学部を併願するのかを決めましょう。

それにより受験科目が異なります。

基本的に

私立医学部は英語、数学、理科2科目

国公立医学部は英語、数学、理科2科目、国語、社会

が受験に必要になります。

私立医学部もしくは国公立医学部専願にするのか、もしくは併願するのかによって勉強スケジュールが変わります。

「いつまでに」「どのくらいのレベルまで」到達できるようにするのか、偏差値などを目安として目標を決めましょう。

そしてどの問題集をどれくらいのペースで取り組むのか計画を立てて実行していきましょう。

 

ここで気を付けたいことがあります!

共通テストはあくまで基礎的な内容からの出題ですし、国公立医学部の個別学力試験や、私立医学部の1次試験も「みんなが取れる問題」をしっかり取ることが大切です。

繰り返しになりますが、1年で合格ラインに到達するには、基礎が本当に大切なのです。これは実体験からも明言出来ます。

1つの大学や共通テストに特化した対策をするのではなく、まずは全科目の基礎を固めることを重視しましょう。

模試などで自分の現在地を把握し、「基礎が身についていない」と明らかになった場合は過去問や共通テスト対策問題集なども後回しにして、絶対に基礎問題集に取り組みましょう。

 

合格するためのスケジュール

よく言われることですが、9割の得点を目指すためには、「ミスが許されない」という原則が挙げられます。

受験するすべての科目において、最初からケアレスミスや計算ミスをなくすつもりで問題集に取り組みましょう。

また、得意教科に時間を割きすぎたり、苦手教科に注ぐエネルギーが不十分であるなど、科目間のバランスが取れていないと、全科目で共通テスト9割以上を達成するのは難しくなります。

今まで通っていた(通っている)高校や塾のカリキュラム、およびそこで使っていた参考書の影響で、バランスよく実力をつけていくのが難しく、結果的にムダが多くて失敗していく受験生が多いのです。

その一つに、「基礎が固まっていないのに、高度な問題集を買って、手を付けてしまう」ことも挙げられます。

上述のようなことを防ぐため、初めのうちは、問題集は1冊ずつ取り組むのがオススメです。ただし、英単語、英文法、計算問題の参考書(問題集)は、毎日取り組んでください。

そして、受験直前の総復習期に入ったら、すべての科目を並行して復習しましょう。

参考までに、浪人生(高卒生)の学習スケジュールを示しておくと、以下のようになります。

・4月~7月は、英数理の基礎問題集の習得
・8月~12月は、基礎問題集の総復習
・9月 2次試験の過去問を解き始める(受験する大学全て出なくてよい。あくまで基礎優先。)
・10月 国語と社会の勉強を始める(国公立の受験者)
・11月 共通テスト(センター)の過去問を解き始める
・1月~2月は、全教科総復習

ノートに黒のマーカー

まとめ 1年で医学部に合格することは可能だが、早めの準備がオススメ

今回は「医学部に1年で合格する」をテーマに紹介しました。

1年で合格するための特効薬はなく、勉強時間の確保や基礎固めが大切です。

「勉強時間の確保」と「基礎固め」が大切であることは医学部のみならず大学受験生全てに言えますし、どの時期に目指しても同様です。

しかし、早めに準備すればするほど、過去問や共通テスト対策など+αのことに時間を割くことができます。

私自身も1年で合格しましたが、基礎がグラグラな状態からスタートしたためとても大変でした。「早くから準備を始めていれば」と何回も思いました。

現在「受験まで時間がない!」という方は一気に勉強時間を増やしてスイッチをonにしていきましょう!

 

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