【2023年最新版】医学部全82大学を徹底比較!【学費・偏差値・倍率】

医学部入試情報

「自分の偏差値ではどこの医学部に出願すれば良いだろう」

「どのくらいの学費がかかるのだろう」

医学部受験では、大学によって学費や偏差値が大きく異なります。

そこで、今回は医学部がある全82大学について、学費や偏差値などを徹底的に比較していきます。

私自身が高校生の時に気になった、6年間の学費総額や各大学の特徴、国家試験合格率も合わせて記載しています。

医学部の基本的な受験方式と学費

医学部受験をする際に、日程がどのように組まれているかと共通テストが必要かどうかは、特に優先的に確認するべき事項です。

大学受験では試験日が同じ日程で設定されていることも多く、偏差値などで予め自分が受験する大学を絞る必要があります。

また、私立大学を受験する場合、一つの大学で様々な受験方式を採用していることもあり、注意が必要です。

自分の得意分野が何かを考えた上で、適した受験方式を選択することで、合格する可能性を高くすることができます。

学費で言えば、国立大学と私立大学で10倍程の差があり、また私立大学内でも卒業までに必要となる総額は大きく異なります。

国公立大学の学費は入学金28万+年間授業料54万でほぼ同じ

国立大学では、入学金と授業料の標準額が定められています。

標準額は、入学金が282,000円、年間授業料が535,800円で、多くの大学ではほぼ同等の学費の設定となっています。

公立大学では、その大学が定めた地域の居住者でない場合、上記の金額より入学金が高くなることがあります。

国公立大学は後期試験のボーダーが84%以上で狭き門

国公立大学の前期試験のボーダーは77%以上に対して、後期は84%以上で合格するために点数がより必要となっています。

国公立大学のうちほとんどは前期日程のみが受験日に設定されており、1月中旬に共通テスト、2月末に二次試験という日程になることが多いです。前期日程は一つの大学しか受験できないため、国公立大学の中から志望校を一つに絞って受験する必要があります。

また、後期日程を有する大学は全82大学中16大学のみです。

2023年度後期日程がある国公立大学は、旭川医科大学、秋田大学、山形大学、東京医科歯科大学、千葉大学、山梨大学、浜松医科大学、名古屋大学、福井大学、奈良県立医科大学、三重大学、山口大学、佐賀大学、鹿児島大学、宮崎大学、琉球大学でした。

私立大学は学費が平均3,000万円程度で、国公立大学の約10倍

私立大学は学費を自由に設定できるため、大学によって学費総額は大きく異なります。

6年間総額は平均で3,000万円程で、最も安い国際医療福祉大学の1,919万円と最も高い川崎医科大学の4,737万円では、約2.5倍ほどの開きがあります。

多くの私立大学には奨学金制度があり、修学資金貸与制度を設けている大学もあります。防衛医科大学校、自治医科大学、産業医科大学では、各大学の規程に沿って義務を達成することで修学資金の返還が免除され、実質授業料などを必要としないこともあります。

さらに、地域枠という制度を設けている大学もあります。

地域枠とは、特定の地域や診療科で一定期間医療に従事することで、貸与された奨学金の返還義務がなくなるという制度のことです。卒後9年間が義務年限に設定されていることが多く、また貸与される金額は大学や地域によって異なりますが、月10万から30万円程度のことが多いようです。

詳細は以下の記事を参考にしてみてください。

将来勤務する地域や診療科が決まっており、学費が高いことが気になるという受験生は、地域枠も検討してみましょう。

私立大学の受験では日程や募集要項を要確認

私立大学は国公立大学とは異なり、各大学によって試験日が設定されています。後期日程を設けている場合や、学校推薦がある大学もあるため、受験日には注意が必要です。

また、筆記試験を一次試験、面接や小論文を二次試験としている大学もあり、学力だけではなく面接や小論文の対策も行う必要があります。

受験方式を併願することで、合格可能性を上げることも可能

私立大学の中には、大学独自の個別試験の他に、共通テスト利用や英語技能試験利用が可能な受験方式を設定している大学もあります。これらは一般方式と併願可能なことが多く、併願することで合格可能性をあげることができます。

私立大学専願の場合でも、共通テスト利用方式を受験したい場合は、共通テストを事前に受験する必要があります。

各大学の受験方式を確認した上で、共通テストも受験するか考えるようにしましょう。

医学部全82大学の偏差値、学費、倍率を比較

ここからは、全国の医学部をランキング形式で紹介していきます。

<参考>

2024年度入試難易予想ランキング表(河合塾)

令和3年度医学部(医学科)の入学者選抜における男女別合格率について(文部科学省)

* 偏差値によってグループ分けをし、グループ内で国立大学、私立大学の順に順位付けを行っている。また、国立大学は共通テストボーダーと合格率、私立大学は合格率でさらにランキング化している。

* 合格率、国試合格率は小数点以下四捨五入。

第一位グループ:偏差値72.5

受験者数 合格率 共通テストボーダー 国試合格率 備考 ()内は6年間の学費総額
1位 東京大学(理科Ⅲ類) 352 29% 91% 91% 二次で国語あり/理科Ⅲ類以外からの医学部進学も可能/学閥が広い
2位 京都大学 301 36% 89% 88% 二次で国語あり/学閥が広い
3位 慶應義塾大学 1100 20% 97% (2,224万円)/内部進学者が多い/私立御三家

第二位グループ:偏差値70.0

受験者数 合格率 共通テストボーダー 国試合格率 備考
4位 東京医科歯科大学 375 29% 88% 96% 後期日程あり(ボーダー90)/国立大学唯一の医療系総合大学/留学支援あり
5位 大阪大学 255 40% 88% 91% 再生医療などの最先端研究あり
6位 日本医科大学 3,530 7% 97% (2,200万円)/地域枠や後期試験あり/国際認証基準に対応したカリキュラム/私立御三家
7位 順天堂大学 3,568 9% 100% (2,080万円)/1年生は全寮制/地域枠や共テ利用など様々な受験方式あり/英語教育に熱心
8位 東京慈恵会医科大学 1,478 16% 96% (2,286万円)/留学支援や国際交流が充実/私立御三家

第三位グループ:偏差値67.5

受験者数 合格率 共通テストボーダー 国試合格率 備考
9位 神戸大学 275 41% 87% 92% 基礎配属実習をいち早く導入し、研究医養成
10位 名古屋大学 361 31% 86% 93% 後期日程あり(ボーダー92)/二次で国語あり/研究室配属や海外留学の充実
11位 山梨大学 421 33% 86% 91% 後期日程のみ/修士課程あり
12位 千葉大学 359 36% 86% 94% 後期日程あり(ボーダー89)/海外留学多い
13位 横浜市立大学 231 42% 86% 98% 地域医療体制の見学・実習
14位 九州大学 262 43% 86% 93% 研究医コースもあり
15位 東北大学 399 30% 84% 93% 医学研究教育が充実
16位 岡山大学 382 29% 83% 91% 医学研究は3か月必修
17位 京都府立医科大学 267 40% 82% 93% 留学支援など国際的医療者育成
18位 浜松医科大学 385 33% 81% 95% 後期日程あり(ボーダー87)/海外留学制度充実
19位 昭和大学 4,428 7% 95% (2,817万円)/1年生は4学部で寮制/留学プログラムあり
20位 自治医科大学 2,285 7% 99% 地域医療に特化/国試合格率高い
21位 関西医科大学 3,565 10% 91% (2,144万円)/令和5年度より学費引き下げ/スーパードクター制度導入
22位 東邦大学 2,570 11% 86% (2,630万円)/内部進学あり/自主学習用の設備が充実
23位 大阪医科薬科大学 2,485 11% 93% (2,908万円)/2021年に大阪医科大学と大阪薬科大学が統合
24位 産業医科大学 1,139 12% 98% (1,150万円)/共通テストが必須/各学年で産業医について学習
25位 東京医科大学 2,200 15% 96% (2,994万円)/自主自学重視で少人数ゼミも開催
26位 防衛医科大学校 92% 医師と幹部自衛官の両立/特別職国家公務員として手当てが支給される

第四位グループ:偏差値65.0

受験者数 合格率 共通テストボーダー 国試合格率 備考
27位 大阪公立大学 261 37% 86% 95% 2022年大阪府立大学と大阪市立大学が融合/最先端の医療が学べる
28位 北海道大学 321 32% 84% 92% 1年次は他の理系学部生と教養科目を学習
29位 筑波大学 429 30% 83% 96% 総合大学で医学部のスポーツ強い
30位 名古屋市立大学 284 35% 83% 95% 医療系3学部が連携
31位 広島大学 499 24% 82% 87% 広島県内に残って地域医療を重視
32位 熊本大学 351 32% 82% 89% 国際的視野を重視
33位 岐阜大学 500 23% 81% 93% チュートリアルなどの少人数教育が充実
34位 長崎大学 418 30% 81% 92% 離島実習などの僻地医療あり
35位 新潟大学 382 35% 81% 94% 地域医療実習が必須
36位 金沢大学 243 48% 81% 88% 伝統あり/北陸で最大
37位 愛媛大学 456 24% 80% 95% 一年から研究室配属あり
38位 滋賀医科大学 302 31% 80% 96% 再受験生に寛容
39位 三重大学 404 32% 80% 96% 後期日程あり(ボーダー88)/国際化教育と地域医療教育の実践
40位 信州大学 390 32% 80% 94% 世界標準の参加方臨床実習
41位 島根大学 442 23% 78% 89% 進級要件が厳しい/大学内での先生との交流も盛ん
42位 群馬大学 310 36% 78% 93% 自主性を重んじる/海外留学もあり
43位 帝京大学 7,144 3% 83% (3,880万円)/シュミレーション教育あり/留年多い
44位 東海大学 3,641 6% 79% (3,531万円)/内部進学あり/海外留学や米国式教育が充実
45位 金沢医科大学 3,658 7% 89% (4,044万円)/北陸唯一の私大/自習スペース充実
46位 久留米大学 2,861 7% 92% (3,638万円)/早期からチーム医療に参加
47位 近畿大学 3,522 7% 94% (3,586万円)/関西私立総合大学で唯一の医学部
48位 日本大学 3,061 10% 82% (3,338万円)/6年次までの一貫したカリキュラム
49位 福岡大学 2,372 10% 89% (3,774万円)/内部進学あり/1年次から専門科目
50位 国際医療福祉大学 3,620 11% 99% (1,919万円)/医学を英語で学ぶ/USMLE受験者も多い
51位 藤田医科大学 3,136 12% 97% (3,053万円)/他職種連携に繋がるアセンブリ教育
52位 杏林大学 3,011 13% 93% (3,759万円)/グローバル教育充実
53位 東北医科薬科大学 1,684 21% 99% 2016年に医学科新設

第五位グループ:偏差値62.5

受験者数 合格率 共通テストボーダー 国試合格率 備考
54位 佐賀大学 342 31% 81% 95% 後期日程あり(ボーダー86)/地域医療教育あり
55位 徳島大学 265 43% 81% 95% 他学部との共同研究もあり/研究医養成
56位 高知大学 450 25% 80% 94% 先端医療学や地域医療を学ぶ
57位 山口大学 418 26% 80% 92% 後期日程あり(ボーダー86)/試験回数が多い/海外での研究の機会もあり
58位 香川大学 396 28% 80% 96% 国際交流あり
59位 宮崎大学 395 28% 80% 92% 後期試験あり(ボーダー85)/少人数教育/地域医療教育あり
60位 福井大学 333 34% 80% 95% 後期試験あり(ボーダー85)/地域医療を重視し、課程や総合医の育成もあり
61位 鹿児島大学 319 34% 80% 93% 後期日程あり(ボーダー86)/必修で地域医療実習
62位 札幌医科大学 299 37% 80% 93% 地域医療実習が盛ん
63位 和歌山県立医科大学 249 41% 80% 95% 国際教育、地域医療に取り組む
64位 大分大学 219 47% 80% 89% 感染症分野で高い評価
65位 旭川医科大学 354 28% 79% 87% 後期日程あり(ボーダー85)/北海道の地域医療に積極的に取り組む
66位 鳥取大学 371 28% 79% 92% 学生が主体的に教育を選択
67位 琉球大学 408 29% 79% 96% 後期日程あり(ボーダー84)/地域性による僻地医療や風土病を学べる
68位 富山大学 376 30% 78% 95% 和漢医薬学総合研究所で東西医学の融合を研究
69位 山形大学 368 32% 78% 90% 後期日程あり(ボーダー84)/最先端の教育と地域医療の中核を担う
70位 福島県立医科大学 456 30% 77% 96% 地域密着医療と先端研究が併存
71位 埼玉医科大学 3,769 6% 92% (3,957万円)/少人数教育が充実/精神科が有名
72位 獨協医科大学 2,964 8% 93% (3,730万円)/内部進学あり/地域枠あり/地域医療盛ん
73位 聖マリアンナ医科大学 3,134 9% 89% (3,473万円)/キリスト教精神に基づく教育/1年次から臨床教育
74位 岩手医科大学 2,271 12% 86% (3,529万円)/1年生は全寮制/地域医療に力をいれる
75位 愛知医科大学 3,114 13% 97% (3,435万円)/1年次から専門科目を学ぶ
76位 兵庫医科大学 1,777 14% 97% (3,760万円)/実践的な他職種連携教育を行う
77位 北里大学 1,923 23% 95% (3,953万円)/指定校推薦多い/早期から医療に触れる
78位 東京女子医科大学 985 24% 85% (4,621万円)/唯一の女子医大

第六位グループ:偏差値60.0

受験者数 合格率 共通テストボーダー 国試合格率 備考
79位 秋田大学 380 34% 77% 95% 後期日程あり(ボーダー84)/最大規模のシュミレーション研究センターあり
80位 川崎医科大学 1,651 16% 90% (4,737万円)/附属高校からの内部進学あり

その他

* 弘前大学は、個別学力検査ではなく総合問題による試験が行われる。共通テストボーダーは78%。

* 奈良県立医科大学は、2024年度入試より前期の学科試験が廃止される。共通テストボーダーは前期が84%、後期が89%。

私立大学の学費安い順ランキングTOP32

私立大学は学費が大きく異なるため、受験の際に注意してから志望校を選ぶようにしましょう。

(単位:万円)

学費総額(入学金含む) 初年度納入金 偏差値 備考
1位 防衛医科大学校 0 0 67.5 防衛省職員として学業や訓練に専念するため入学金や授業料を必要とせず、学生手当として給与支給
1位 自治医科大学 0 0 67.5 指定の公立病院に一定期間勤務することで、修学資金2,300万円の返還を免除
(参考) 国公立大学 350 82
3位 産業医科大学*3 1,150 233 67.5 産業医等の職務に従事することで、修学資金の返還を免除
4位 国際医療福祉大学 1,919 462 65.0
5位 順天堂大学 2,080 290 70.0 別途寮費・諸会費が必要
6位 関西医科大学 2,144 306 67.5 令和5年度より6年間の学費総額を670万円引き下げた
7位 日本医科大学 2,200 450 70.0
8位 慶應義塾大学 2,224 387 72.5
9位 東京慈恵会医科大学 2,286 380 70.0
10位 東邦大学 2,630 530 67.5
11位 昭和大学 2,817 542 67.5 寮費含む
12位 大阪医科薬科大学 2,908 610 67.5 2023年度より6年間の学費総額を300万円引き下げた。
13位 東京医科大学 2,994 500 67.5
14位 藤田医科大学 3,053 660 65.0
15位 日本大学 3,338 642 65.0
16位 東北医科薬科大学 3,415 656 65.0
17位 愛知医科大学 3,435 835 62.5
18位 聖マリアンナ医科大学 3,473 722 62.5
19位 岩手医科大学 3,529 1,024 62.5 寮費含む
20位 東海大学 3,531 647 65.0
21位 近畿大学 3,586 682 65.0
22位 久留米大学 3,638 931 65.0
23位 獨協医科大学 3,730 930 62.5
24位 杏林大学 3,759 1,009 65.0
25位 兵庫医科大学 3,760 903 62.5
26位 福岡大学 3,774 863 65.0
27位 帝京大学 3,880 936 65.0
28位 北里大学 3,953 1,844 62.5
29位 埼玉医科大学 3,957 882 62.5
30位 金沢医科大学 4,044 1,194 65.0
31位 東京女子医科大学 4,621 1,145 62.5
32位 川崎医科大学 4,737 1,222 60.0 寮費含む

自分に適した志望校を探そう

本記事では、全医学部の偏差値や学費をまとめて紹介しました。

各大学によって偏差値や学費には大きな差があり、志望校を選ぶためには受験で何を重要視するか考える必要があります。

また大学によって特徴があるため、ただなんとなく志望校を選んでしまうと、自分の目的に合わない場合もあります。

本記事を医学部受験の際に、是非参考にしてみてください!

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