医療への興味と覚悟がなければ医学部に入って後悔する

医学部受験のメンタル対策

みなさんの中には、「医学部に入って医師になったら、稼げて最高!」と思っている人はいませんか?

そのような考えでは、正直医学部を卒業し医師として働くのは難しいです。

実際、私の周りにも「理想と違う」と医学部を辞めてしまった人がいます。

今回は医学部入学後に後悔しないための知識や入試前の相談方法を紹介します。

文章

 

医学部で後悔する理由は「忙しさ」「狭いコミュニティ」

日々、懸命に受験勉強に取り組んでいる皆さんには、ひょっとすると「寝耳に水」かもしれませんが、「医学部に入って後悔している人」は、私の経験上、他学部に進学した人よりも多い気がします。

せっかく医学部に入ったのですから、後悔しても夢を追い続けるしかないのですが、今日は、医学部を目指している人や、医学部を受けようか迷っている人、医学部受験に不安を感じている人のために、「医学部に入って後悔することがある場合の理由」や「医学部に入ると後悔する人の特徴」について解説します。

収入も多いけど、労働時間も多い

医者は、将来性や安定性があり、ステータスもありますが、肉体的な消耗の激しい激務が続くと言えます。

労働時間も長く、夜勤などもあり、深夜に起こされて働かなければならないこともあります。

医学部の狭き門をくぐり、6年間の学業を立派に終えて無事に国家試験に合格した、人格のある素晴らしい医師でも、激務や過労から過食に走ってしまい肥満症や糖尿病にかかった人の例を、私はたくさん知っていますよ。

 

医学部に入ってからの勉強量も多い

医学部という狭き門を突破した人でさえ音をあげ、さじを投げたくなるほど、医学部に入ってからの、専門的な医学分野の勉強量や暗記量は、とてつもないものがあります。

月曜日から金曜日まで、毎日1限から5限まで必修が入っており、1つでも単位を落としてしまうと留年になります。

遊ぶ時間が取れなくてストレスが溜まっているのに、「留年」という重圧とも闘いながら6年間を切り抜けなくてはなりません。

医学部に入学して、医学という学問の膨大さや深遠さに自信を打ち砕かれ、上記のようなストレスを抱えている医学生に、さらに追い討ちをかけるものがあります。

それが、「閉鎖的で狭い医学界」特有の人間関係や環境からくるストレスです。

医者になってからも、(医学界は)狭い世界ですが、医学部にいるうちから外界と断絶されているため、付き合いたくない先輩と絡んだり、会いたくない同期と毎日顔を合わせたりしなければなりません。

もちろん、「この人が、あの人と別れた」「あの人が、この人にフラれた」などというニュースは、瞬く間に学年中に広まり、6年間、そういう噂やレッテルと一緒に過ごさなくてはなりません。

昨今は、スマホと向き合う時間が長いなど、個人主義的傾向が強く、交友関係が狭い、いわゆる「ひとりっ子」タイプの若者が多いので、さらに苦労することが多いと思います。

 

 

 

 

 

医学・医師の仕事に興味がないなら別学部の受験が吉

上述の内容をまとめると、「医学部に入ってから膨大な勉強量をこなす覚悟や勇気のない人(医学部合格で安心してしまって、そういう努力をできない人)」、「医学にもともと興味のない人」、「医師になってから激務をこなす覚悟や体力のない人」、「医学生の時や医師になってから狭い世界での人付き合いがうまくできない人」などは、医学部に向いていないと言えるでしょう。

医学部を考えている受験生や社会人の人は、今一度、医学部に入ってからの苦難と重圧について、考えをめぐらしてみてください。私の見解では、精神的・肉体的な「粘り強さ」や「タフさ」も大事だと思います。

私の友人でも勉強が得意で医学部に入ったものの、医学部の勉強や実習のハードさに耐えられず辞めてしまった人を知っています。

やはり医学部の時点で体力・気力ともに必要なのですね。

医学部受験は覚悟を決めてもつらいもの【事前に自分の悩みを書き出す】

覚悟を決めて、医学部受験を決意したものの、やはり受験勉強はつらいものです。

医学部はどの大学もやはり難関。他学部を目指す友人が近くにいると不安になることもあるでしょう。

一人で抱え込むと、うつ病などに発展しかねません。相談するまでの3ステップをご紹介します。

 

①自分は何に悩んでいるのかはっきりさせる

悩みを書き出します。
複数の悩みがある場合は、分けて書くとわかりやすいと思います。

「家では勉強に集中できないし、このままだと志望校に受かるか不安」という悩みを例に考えます。

「家では勉強に集中できないし、このままだと志望校に受かるか不安」
→「家では勉強に集中できない」「志望校に受かるか不安」と、2つに分けることができます。

複数の悩みは、それぞれの解決方法が違うときもあるため、
分解して考えるとよいと思います。

 

②何を相談したいか決める。

 

悩みに対応した、相談内容を書き出します。

悩みの解決につながる内容だとよいでしょう。

例えば、「第一志望が決められない」という悩みを例に考えます。

 

「第一志望が決められない」

→なぜ決められないのか

→どんな大学があるのか知らないから

→いろいろな大学の情報がほしい!

 

この場合、相談内容は「第一志望を決めるために、いろいろな大学について知りたい」になります。

 

③自分の悩みに適した相談相手をリストアップする。

 

自分の悩みを解決できる情報、方法を知っている人をリストアップする。

できるだけ、相談内容に詳しそうな人を選びましょう。

 

以下の表のように整理していくとよいでしょう。

 

悩み 相談する内容 相談相手
成績があがらない 成績を上げる方法を知りたい 塾の先生
どんな滑りどめの大学を、受ければよいかわからない 滑り止めの大学の候補を出してほしい 塾の社員
チューター
受験に疲れた 受験についての愚痴がいいたい。励ましてほしい。 友達
兄弟

 

みなさんこんな経験はありませんか。

よし、悩みを相談するぞと思って相談しに行ったが、トンチンカンな回答をもらい、相談する時間が無駄だったり逆に傷ついたりしてしまった。

 

また、これについて話すぞと勢いこんで、相談しにいっても、気がついたら違うことを話していて、自分が話したいことは相談できなかったなど。

 

このような例は、以上の方法で避けることができます。

 

そもそも何に悩んでいるか分からないときは一緒に考えてくれる相手に相談しよう

「自分が何に悩んでいるか分からない」というときもあると思います。

受験勉強はとてもストレスになりますし、このように明確に悩みが浮かばないことがあっても当たり前です。

このような場合、以下のように整理するとよいと思います。

悩み 相談相手 相談内容
何にかわからないが、ともかく悩んでいる。 信頼している学校の先生 よくわからないが、ともかく悩んでいる。一緒に考えてほしい。

 

このように、一緒に考えてくれそうな相手を相談相手に選びましょう。

親に相談すると逆にこちらに喝をいれようと今聞くには辛い言葉をかけられてしまう可能性があります。

そういった点で、このように「もうとにかく悩んでいる」という状況では信頼できる第三者に相談することが有効です。

そして、一緒に悩みを整理してほしいと頼みます。これをすると、何もわからずに相談するよりは、相手も相談に乗りやすいと思います。

ペンの横の白いプリンター用紙

 

まとめ 医学部受験はしっかり検討し、周りに相談しながら乗り越えよう

今回は医学部に入学して後悔しないために気を付けておきたいポイントや相談の3ステップを紹介しました。

せっかく医学部に入ったのに合わなくて退学、というのは悲しいですよね。医学部受験を決意する前によく考えておきましょう。

そして覚悟を決めてもつらいときはあるでしょう。

そんなときは

①何に悩んでいるのかはっきりさせる→②何を相談するかはっきりさせる→③相談する相手を選ぶ

のステップで解決していきましょう。

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