【速報2022】琵琶湖のある県!単科大学だけど国立大の滋賀医科大学

医学部入試情報

いよいよ、東京都多摩地域も最高気温が連日35℃に達し、盛夏が近づいてきています。私は末端冷え性のため気温は気にならないのですが、皆さん、熱中症に気を付けましょう! 「昨日、たくさんしょっぱい物を食べたから平気」と思っていると、汗をたくさんかいて塩分不足になりそうです・・・。

さて、以前、浜松医科大学を取り上げました。

東京からも近い便利な場所にある浜松医科大学は、名称からして私立大学や公立大学に聞こえますが、国立大学なのでした。

今回、取り上げる滋賀医科大学は、私立大学なのでしょうか。実は、滋賀医科大学も、国立大学なのです!

滋賀医科大学の最新情報

滋賀医科大学ってどんなところ?

滋賀医科大学は、1974年の設立。医学部の設置も同じく1974年ですから、比較的、歴史のある医学部と言えます。開学以来、滋賀県内で唯一の医科大学であり続け、他県でもよくあるように、滋賀大学に吸収合併される話も過去にはありましたが、現在では凍結しています。なお、医学部看護学科は1994年の設置で、歴史が若いです。

地域医療への貢献を理念とする一方で、独自の医学・看護学教育により世界に向けて学術発信できる研究者の養成も理念としており、まさに地方のエリート国立大学として、「globally」と「locally」の両輪を回し続けています。

公式サイトのトップページでも、「地域に支えられ、地域に貢献し、世界に羽ばたく大学」というキャッチコピーが掲げられ、地域性・ローカル性と、国際性・グローバル性の双方が並べられています。国立大学では、しばしば「虫の目と鳥の目、両方を持つことが大事」と説かれますし、一つの地域のローカル的な物を極めることで、グローバルに羽ばたく国際性が得られるとも言われます。

なお公式サイトのトップページでは、「教育・学生支援」と「研究・産学官連携」のほかに、国際交流と社会連携も見出しとして掲げられています。単科大学ながら、エリート国立大学として必要な要素がすべて盛り込まれた、オールマイティな医科大学と言えます。

公式データに基づく滋賀医科大学の最新入試情報や入試制度

では、文科省や大学が公表した最新の公式データに基づいて、滋賀医科大学の入試状況を分析していきます。

まず最新の2022年(令和4年度)入試においては、医学科は、一般入試の前期日程で60名、推薦で35名の募集を行いました。推薦の募集枠が比較的大きい一方で、後期日程の入試を実施しなかったのが最大の特徴の1つです。

一般入試の前期日程においては、60名の募集に対して405名が志願しましたが、そのうち実際に受験したのは210名でした。その210名のうち62名が合格し、60名が入学しています。

「確定志願倍率」は6.8倍となり、相当高くなります。一般的に「倍率」として表記され掲載されるのは、この「6.8倍」という数字になりますが、実際には半分近くの人が受験を辞退しています。ですから、実際に受験した210名のほうで倍率をはじき出すと、3.4倍になり、半分になるわけです。これは、受験生にとっては大きな違いであり、時と場合によっては「番狂わせ」になります。

「医学部入試は表面的な露見だけでは判断できない」「医学部入試の構造は、ちらっと一瞥(いちべつ)して察せられるよりも複雑である」というテーゼの根拠が、このような点においても垣間見えます。

なお、推薦のほうは、35名の募集に対して114名が志願し、志願した全員が受験し、合格者数は35名です。合格した全員が入学しています。こちらのほうは、確定志願倍率は3.3倍で、実質的な実際の倍率も3.3倍です。

ちなみに、看護学科は、前期日程で45名の募集、学校推薦型選抜で15名の募集、後期日程入試は行っていません。医学科、看護学科ともに後期日程の入試を行っていないのは特徴的です。

滋賀医科大学の公式ホームページには、受験生にとって重要・必要な情報だけをまとめた「受験生の方へ」というページがあります。最新情報や重要情報も掲載されていますので、是非ご一読ください。

最新の令和5年度入試の要項が公表!

来年行われる、令和5年度(2023)入試の入学者選抜要項が、正式に発表されました。

医学科においては、求める学生像が以下のように述べられています。人間性や倫理観の重視に加えて、「好奇心」や「気概」が求められており、さらに「地域医療」と「国内外の医学・医療研究」が掲げられています。面接で求められる水準が、少し高めであると分析できます。

1.医学の修得に必要な幅広い基礎学力と応用力を有する者
2.十分なコミュニケーション能力を持ち、協調性や他者への思いやりのある者
3.大いなる好奇心を持って、自ら考え自ら解決する気概のある者
4.地域医療に深い関心を持ち、特に滋賀県の医療に貢献する意欲を持つ者
5.国内外における医学・医療研究の実践及び発展のために、生涯を通じて真摯に取り組む者

なお、学校推薦型選抜については、以下のように明言されていますので、参考にしてください。

学校長の推薦書、調査書、志望理由書並びに大学入学共通テスト、小論文、面接を総合して選抜を行う。・・・調査書等の提出書類と面接では地域医療への意欲、協調性、自己表現力、リーダーシップ、倫理観、コミュニケーション能力等を評価する。

募集人員と「2つの地域枠」

来年行われる入試の募集人員については、以下のように定められていますので、入学者選抜要項より抜粋を掲載します。

医学科では、「地域医療枠」と「地元医療枠」の両方が設けられる見込みですね。これらは、両方とも通常の「地域枠」と同じく、初年度から滋賀県奨学金の貸与を受け、卒業後は滋賀県知事が指定する滋賀県内の病院で勤務する、というものです。ただし、学校推薦型選抜の「地元医療枠」のほうは、滋賀県出身者しか受験資格がありません。似たような名称であっても、このような点が複雑ですから、留意してください。

来年行わわれる医学科の入試の配点は?

来年行われる入試の一般選抜前期日程の科目や配点についても公表されましたが、医学科としては、かなり特徴的です。

「共通テスト」と「個別学力検査」が各600点です。共通テストは、「国語200点、地歴公民100点、数学100点、理科100点、外国語100点」の計600点です。2次試験(個別学力検査)のウェイトを高めるために共通テストの配点を低くするというケースは時々見られますが、数学と外国語を100点に下げるだけでなく、理科も100点に下げて、国語だけが200点という、非常にユニークな点数処理です。

個別学力検査は、理科、数学、英語が200点ずつで、面接は「個人面接、グループワーク」です。面接の点数は明示されておらず、代わりに「面接は、段階評価を行い、その評価が一定の基準に満たない場合は、総合点の如何にかかわらず不合格」と明記があります。

なお、共通テストの地歴公民は現代社会では受験不可、共通テストの数学は『数学Ⅰ・数学A』、『数学Ⅱ・数学B』です。個別検査の数学は数学Ⅲを含みます。理科は、共通テストも個別検査も、物理・化学・生物より2科目選択です。

学校推薦型選抜の学生募集要項などは9月に公表予定ですので、受験や併願を考えている方は、こまめに最新情報をチェックしましょう!

まとめ

滋賀県には、国公立大学が3つしかありません。

1つは滋賀大学で、設立当初からずっと教育学部と経済学部の2学部でしたが、2017年にデータサイエンス学部が新設されました。

残りは、滋賀県立大学と滋賀医科大学です。滋賀県立大学は4学部ありますが、やはり大規模な大学ではありません。

そのため、滋賀医科大学は、開学当初より地域に果たしてきた役割は独自かつ大きなもので、これからも必ず発展していくとともに、地元の人々にとって、いろいろな意味でなくてはならない大学だと言えます。地元医療への貢献はもとより、産学官連携や、様々な社会協同が行われており、グローバル化に関しても国際的学術研究を筆頭に大いに期待されます。そのような「小粒だがピリリと辛い」大学であることを念頭において、皆さんの将来を考えてみてはいかがでしょうか。

以上の内容が、皆さんの参考や知的好奇心への刺激になれば幸いです。

 

 

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