【速報2022】あの国立大学医学部は名古屋市から近かった!岐阜県唯一の国立大学!

医学部入試情報

気持ちのいい夏空が、心身を元気にしてくれます。私は、本格的なドイツ留学から帰ってきてから、スキマ期間を利用して1週間ほどドイツに「里帰り」したことがあります。そこで、衝撃的な話を聞きました。

もともと紛争地域などの難民がドイツに押し寄せていることは知っていましたが、昨今は、「正規にドイツの大学に留学して、無事に故国に帰国した卒業生」の多くが、「人種・宗教上の理由、自然災害、紛争など」で故郷に住めなくなって、もう一度ドイツで生活したいと望んでいるという事を知ったのです。彼らは、もう学生ではありませんから、学生ビザは出ませんし、学生寮にも住めません。でも、そういった事情を抱えた「卒業生」が非常に多く、ドイツの大学側も何らかの対応を迫られている、という事実が衝撃的でした。

さて、「東京圏に近い国公立医学部」を、2022年に発表された速報データと共に紹介・解説してきたこの連載記事も、扱う医学部が、だいぶ東京から離れてきました。今回は、岐阜大学医学部を取り上げて、解説・分析します。皆さんのヒントや参考、刺激になれば幸いです。

 

岐阜大学医学部の最新情報

岐阜大学ってどんなところ?

静岡、山梨、名古屋、松本といった都市であれば、東京から少し離れてはいますが、気軽に行ける範囲内です。ですが、岐阜となると、行ったことがないという人も多いのではないでしょうか。

岐阜大学は、岐阜県内にある唯一の国立大学で、岐阜県岐阜市にあります。そこに、医学部もあるわけです。岐阜大学は、旧制岐阜師範学校、旧制岐阜青年師範学校などを母体として1949年に発足しました。そして、東京オリンピックと東海道新幹線開通の年である1964年に、岐阜県立医科大学を併合し、岐阜大学に医学部が設置されました。

岐阜県外からの入学者が、入学者全体の5割を上回っているほか、岐阜県の出身者よりも愛知県の出身者が多いことが特徴です。東京圏にずっと住んでいる人には馴染みがないと思いますが、実は、名古屋から岐阜までは、交通の便が良いのです。

また、岐阜大学の「おおもとのルーツ」である師範学校は1873年の創立で、ルーツが相当古いことでも知られています。

公式データに基づく岐阜大学医学部の最新入試情報や入試制度

岐阜大学医学部は、医学科と看護学科に分かれています。

医学部医学科に絞って見ていきますと、こないだ行われた2022年の入試では、一般入試の前期日程で45名の募集人員、一般入試の後期日程で10名の募集人員、そして学校推薦型選抜で55名の募集人員(地域枠推薦28名を含む)となっていました。学校推薦型選抜の募集定員がかなり多いことがポイントです。

ですが、岐阜大学は、2023年の入学者選抜より、医学部医学科では、一般入試の後期日程試験を行わないことを公表しています。全体の募集定員については、改めて公表するとの事です。このことは、「2022年度入試に限って、25名の医学科の入学定員の増員が文科省に認可された」という時限措置と関連しています。

また、大学案内、学生募集要項、入学者選抜要項については、受験生のために用意された以下の公式ページよりご覧ください。

では、文科省が公表した速報データに基づき、医学部医学科に絞って倍率をお伝えします。

医学部医学科は、2022年までは、一般選抜の前期日程と後期日程の両方で入試を実施しており、前期日程は倍率7.1倍(前年は9.9倍)であり、後期日程は倍率39.3倍(前年は23.0倍)です。た、高いですね・・・。

東京圏の人にとっては「岐阜」というと遠い印象ですが、名古屋から交通の便が良いことも手伝って、県外の受験生が殺到している様子が分析できます。1校しか選べない前期日程入試ですから、充分に実力をつけて対策を練った受験生でも、当日のコンディション次第で不合格になってしまう倍率の高さです・・・。倍率が高いという理由で、そこまで強く薦めることはできないかも・・・。

ですが、朗報があります。学校推薦型選抜の倍率は、医学科のほうが看護学科より低いのです。医学科の学校推薦型選抜は、一般枠が倍率1.3倍、地域枠が倍率1.9倍となっています。やはり、経済的・金銭的に優遇を受けることができる地域枠のほうが倍率が高いものの、十分に射程距離に収まる倍率ではないでしょうか。

 

なお、医学部医学科に限定した入学案内は、以下の公式ページよりご覧いただけます。「岐阜県の地域医療に貢献したいという強い意志をもつ方を対象に実施され、岐阜県医学生修学資金を受給することができる」地域枠推薦入試や、MD-PhDコース(医師免許と博士号の両方を取得できるプログラム)についても案内がありますので、愛知県に近いエリアで国公立医学部を考えている人は、是非ご覧ください。

 

岐阜大学医学部の入試科目や配点

まず岐阜大学の医学部医学科の、2021年入試の合格最低点をお知らせします。前期日程は、総合得点が2000点満点中、1389点です。

後期日程は、第1段階は、共通テストが400点満点中336.5点です。最終的には、総合得点が1600点満点中1138.8点となっています。

ここまで知ったら、入試科目と配点が気になりますよね。では、こないだ実施された2022年入試における、医学部医学科の一般入試の入試科目と配点を紹介します。(2021年入試とは、若干異なっています。)

前期日程は、共通テストが「国語200点、地歴公民100点、数学200点、理科200点、外国語200点」の計900点です。地歴公民は、「世界史B、日本史B、地理B、倫理・政経」から1科目選択であり、現代社会などを選択することはできません。数学は、数学Ⅲを含みません。また、前期日程の個別試験は、数学、理科、英語が各400点の、計1200点であり、共通テストと合わせて計2100点です。

個別試験の数学は、数学Ⅲを含みます。また、理科は、共通テストも個別試験も、物理、化学、生物から2科目選択です。個別試験については、国公立大学の一般選抜前期日程としては典型的な物ですが、やはり特筆すべきは、国公立大学として共通テストの占める配点割合が低くないことで、とりわけ国語200点は大きいと言えます。

続いて、医学部医学科の一般入試の後期日程についてです。共通テストが、「国語100点、地歴公民50点、数学100点、理科100点、外国語100点」の450点です。それに、前期日程と同じ科目・配点で実施された個別試験の1200点を合わせて、合計1650点となります。なお、共通テストの地歴公民の科目選択も、前期日程と同じです。

医学部医学科の後期日程試験としては珍しく、共通テストの配点を下げることで、個別試験の結果を重視する形を取っています。

なお、上記の内容に関しても、来年以降の入試に関しては変更が起こりえますので、大学のホームページなどで最新情報をご確認ください。

医師国家試験などの医学部最新情報

では、厚労省が正式に公表した最新データに基づき、医師国家試験の合格率を分析します。

2022年に実施された最新の医師国家試験において、岐阜大学医学部の合格率は、93.9パーセントとなっています。なお、新卒者の合格率は94.6パーセントであり、既卒者の合格率は75.0パーセントであるため、他の国公立大学医学部と比較すると、既卒者が奮闘していることが分析できます。

以下は、岐阜大学医学部医学科のオリジナルホームページです。

上記のホームページには、Webオープンキャンパス、説明会、地域ゼミ、ランチョンセミナー、募集定員変更といった最新情報がアップデートされています。また、特筆すべきは、医学部医学科に入学してから履修できる講座が、生命原理学、生命秩序学、生命関係学、脳神経科学、感覚運動医学、生体管理医学など学問分野ごとに極めて詳細に紹介されていることで、医学部を志す人や自然科学分野を志望する人は必見です。(参考写真を添付します)

医学部医学科のホームページの上記写真のエリアから、たとえば「生命原理学講座 解剖学分野」など個々の研究室のページに飛べるのですが、そこで研究論文、学会・シンポジウム、出版、受賞など、学問的な内容が紹介されているようです。高校生の皆さんも、大学での医学に知的興味を刺激されながら、受験校選びを進めていってください。

 

 

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