医学部の数学はどう攻略したらいい?
目安となる問題集も紹介!

医学部入試情報

医学部の数学は難しいと言われていますが、実際にはどんな部分が難しいと言われているのかよく分からない、どうやって医学部のレベルにまで学力を伸ばせばいいのかわからない、という人も多いのではないでしょうか。

 

そこで、今回の記事では医学部の数学が難しいと言われる理由や、実際に医学部攻略のためにおすすめの問題集、その問題集の使い方を解説します。

 

医学部に合格したいからといって、むやみに難しい問題ばかり解くのは実は逆効果。
着実に実力を伸ばす方法を知りましょう!

 

医学部の数学はどこが難しい?

 

医学部の数学が難しい理由には、主に2つの要素があります。

 

・「解けなければならない問題のレベル」が高い
・計算が複雑、かつ時間がかかるものが多い

医学部の数学は、基本的な問題とされるものでも応用力が要求されます。
そのため、問題集の丸暗記では太刀打ちできず、問題の解き方を制限時間内に見抜く力を要求されます。

 

黒チャートやFocus Goldレベルの問題集の丸暗記ができれば別ですが……そこまで数学に時間をかけられる人はそういないはずです。

 

もちろん、応用問題ができるようになるためには、基礎問題は完璧であることが前提。
数学の公式や基本的なパターン問題に対する知識と、「その知識を使って、この問題をどう解くか」を見抜く思考力が高いレベルで要求されるのです。

 

また、ただ応用力が必要なだけでなく、計算力も要求される点が医学部受験をさらに難しくさせています。
つまり、ただ「解法がわかる・解ける」だけでは不十分で、それを時間内に解ききるスピードと、ミスなく回答を導く正確性も必要となってくるのです。

 

特に計算力は小学生時代からの積み重ねの上に成り立つものであり、受験期に一生懸命計算練習をしたからといってメキメキ計算力が伸びることはありません。
医学部の数学は、受験期の勉強だけでなく、「小さい頃から今までどれだけ数学をしてきたか」まで問われる入試と言えるでしょう。

 

医学部は基礎問題ができれば受かるって本当?

よく言われる話に、「医学部も基礎問題ができれば合格する!」というものがあります。
聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

 

実は、この話は「半分正解」で「半分不正解」です。

 

「半分正解」というのは、医学部受験であってもやみくもに難しい問題を解けるようになる必要はなく、基礎問題ができれば合格点に到達するというのは本当だからです。

 

「半分不正解」というのは、そもそも医学部受験で言うところの「基礎問題」は、他の大学で言うところの「入試標準」レベルであり、つまり我々が普通にイメージする「基礎的な問題」ではないからです。

 

簡単に言ってしまうと、GMARCHレベルの理系を受験するときに「この問題は部分点狙いで行こう」「解けなくても合格できます」という難易度の問題が、医学部では「絶対に解けなくてはなりません」という位置づけになるのです。

 

その上で、入試応用レベルの難問(予備校講師でも「え、ええっと…?」と初見では即答できないレベル)からどれだけ部分点を取れるかで得点差がつくのが医学部入試。
そもそもの「基礎として要求されるレベル」が高いため、基礎問題ができればいいといっても、他大学よりも遥かに難しいのです。

 

具体的にどんな問題集を使えばいい?

 

医学部に合格するための数学力を身につけるためには、どのような順番で勉強していけばいいのでしょうか。
標準的な例と参考書のレベルを紹介します。

 

青チャートは高2までに

入試問題に取り組む前に必要なのは、まず「公式や定理についての正確な知識」と「計算力」。
これらを身につけるためには、教科書レベルの理解を完璧にした上で、入試の基本とされる問題(この場合は「医学部以外の入試」での基本問題です)を解いていく必要があります。

 

目安としては青チャートと同じくらいの難易度。
青チャートは量が多いので重要なものだけピックアップしてもOKですが、高1高2の時間があるうちに全部マスターできれば、将来的に数学を得点源にできるようになってくるでしょう。

 

ここでのコツは、「わからなかったら解答をすぐ見る、そして解答を覚える」こと。
このレベルの問題が「わからない」と思うときは、公式の使い方が理解できていない、パターンが分かっていないなど問題の解き方そのものを理解できていません。

 

じっと考え込んでいても時間のムダでしかないので、わからなければ解答をさっさと見てしまいましょう。
そして、解法や考え方のポイントをどんどん覚えていきます。

 

1対1レベルまでは「見たら解ける」ように!

次のレベルとしておすすめなのが以下の3冊。

 

・理系数学の良問プラチカ
・1対1対応の演習
・実戦数学重要問題集

レベルは同じくらいなのでどれか1冊を選び、高校3年生の7〜8月くらいまでにこのレベルの問題集を完璧にできるようにしておくのが目安になります。

 

一般的にはこのレベルの問題集はじっくり考えて解法を見つけ出していく練習に使うのですが、医学部の場合はここからが受験の始まり。
ここまでは「見たら反射的に解法が浮かんで解ける」ようになっておかなくてはいけません。

 

解法を自分の中にひたすらインプットしていきましょう。

 

スタ演レベルで思考力を養おう

1対1やプラチカの後、高校3年生の10月頃までに終わらせたいのが以下の2冊。

 

・新数学スタンダード演習
・上級問題精講

このレベルの問題集であれば、他のものでも構いませんので1冊取り組みます。

 

この段階では、「思考力」を養うことを目的として、とにかく考えて手を動かす練習をします。
ここまでやってきた「わからなかったら解答を見て覚える」という勉強法はNG。

 

今まで見た問題に似たものはなかったか、あの公式は使えないか……答えを見ずに、とにかくできる限り、思いつく限りの解法を試して計算します。
「もう無理、何もできることがなくなった」となってからはじめて答えを見るようにしましょう。

 

解答を見たときは、丸暗記ではなく考え方や手法に注目して覚えることも大切。

 

最初は「無理!解けない!」と思ってすぐに答えを見たくなってしまうかもしれませんが、考える練習をしているうちに段々と「こうすれば解けるかもしれない」と思いつく数や「こうすればいいんじゃないか」という正解の道へのひらめきができるようになってきます。

 

最終的には過去問で抜けを補う

高校3年生の秋以降は、ひたすら過去問を解くことで実践的な演習と初見の問題に対する対応力の養成、そしてここまでの勉強でもまだ足りない知識の穴埋めを行います。

 

数多くの過去問をこなす中で、「絶対に解けなくてはならない問題」と「部分点を取らなければならない問題」を見抜き、時間内に確実に得点にできるようにしていきましょう。

 

医学部は「入試標準レベル」を固めよう

数学は大問を1つ落としてしまうだけで30点以上の得点差がついてしまうことが珍しくない科目。
苦手な人も多いため、入試では英語や理科に比べて得点差がつきやすい教科です。

 

配点も、学校にもよりますが25%から35%程度と大きめのウエイトを占めています。
つまり、「高得点を取れればそれだけ入試では有利になり」「苦手でも、ある程度の点数をとっていないと得意科目でカバーしきれない」のが医学部の数学。

 

高いレベルが要求される上に、受験期以前からの積み重ねが重要になってくる医学部受験の数学。
難易度は高いですが、高得点を取れれば大きなアドバンテージになりますよ!

 

 

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