医学部受験の面接で失敗しない自己PRの答え方と注意点
医学部受験で避けて通れないのが、面接です。
以前は面接がない医学部もありましたが、現在ではどの医学部でも実施されています。
面接では大学ごとに聞かれやすい質問があるので、事前に調べて答えられるように準備しておくことをお勧めしています。
数ある質問のうち、受験生を悩ませるものの1つに自己PRがあげられます。自分をアピールするのは慣れてない分、恥ずかしいですよね。しかし、事前に自分自身を分析することで自信を持って自己PRできます。
今回は、自己PRの攻略方法について現役医大生がご紹介します。
Contents
面接での自己PRは自分の良さを伝えることが重要
そもそも自己PRとはなんでしょうか?
入試においては、面接官に対して「自分がどんな人間なのか、どんな魅力を持っているのか」さらには「医師になりたい熱意」を表現する場と言えます。
また、面接官からすると「この受験者が本学に相応しい人間なのか、将来在校生・卒業生となってもいい人物か」「医師に適切かどうか」を確認する場です。
そのため、面接官は
客観的な自己分析能力
医師に求められる誠実な人間性
ありのままの人物像
といったポイントを見ています。
ではここから、具体的にどうやって自己PRをしていくのかを確認していきましょう。
自分がどんな人物なのか考えてみよう
みなさんは
「あなたはどんな人物ですか?」と聞かれたら、どう答えますか?
どう答えていいかわからなくなる人も多いのではないでしょうか。
そこでまずは具体例を挙げていくことをオススメします。
・小学校の時に熱中していたことは?
・中学校/高校の時の部活は?
・習い事はどんなことをしているか?
・生活の中で気をつけていることは?
・普段どんなことをするのが好きか?
・学校生活の1番の思い出は?
具体例を挙げるときのポイントは、勉強以外のエピソードも織り交ぜることです。医学部だからといって勉強のエピソードだけではインパクトがありません。
医学部では、「勉強を頑張るのは当たり前」という考え方が普通です。また、医師になってから必要なのは、コミュニケーション能力や協調性、困難にもめげずに取り組む姿勢など、勉強からは学べないことが多いです。
部活やスポーツ、課外活動など、勉強以外でも積極的に活動していたことがアピールできると最高です。
このようにして自分の今までの人生を振り返っていきます。そして、その時の出来事を詳細に思い返していきましょう。
オススメは、付箋などを使ってエピソードやキーワードとなる言葉を書いていき、似た付箋同士をグループにして紙に貼っていきます。すると、紙の上に自然とグループごとの島ができていき自分を表すようなエピソードがまとまっていくと思います。
次にそのグループごとに、付箋同士で共通点を見つけ出し、一言で表せる言葉を書いていきましょう。
例えば
『小学校・中学校・高校で皆勤賞だった』
『部活の練習では毎朝7時に学校に行って練習していた』
『いつもテストの2週間前からは1日の勉強時間が8時間以上になるように時間の確保をしていた』
この3つのエピソードは、時間や日々の生活にまつわる誇れるエピソードですよね。
全てに共通していることはなんでしょう?
私なら、「タイムマネジメント能力がある」とまとめると思います。
このように具体例→抽象化、と言った流れができるようになれば、もう自己PRは完成したも同然です。この作業を何回か繰り返し、まとめていきましょう。
グループを作って言葉でまとめていくことで、「自分が一体どんな人物なのか」を形作ることができます。
次はまとめることでできた言葉を実際にどのように使って自己PRしていくのか見ていきましょう。
自己PRはテンプレートを使って実践してみよう
「では自己PRをしてください」と言われたらどうしますか?
・タイムマネジメント能力がある
・リーダーシップがある
・探究心がある
この3つが自分のPRポイントとして挙がっていた場合、どのように話を構築していきますか?
とっさにどうやって話していけばいいのか戸惑いますよね。
この時、私はテンプレートを使います。
私は医学部受験生の面接指導を数年行っていますが、いつもこの型で自己PRをするように勧めています。型があることで、途中で話すことがわからなくなったり無駄に緊張することがなくなります。
私にはPRポイントが〇つあります。
1つ目は〇〇です。+エピソード
2つ目は△△です。+エピソード
3つ目は##です。+エピソード
この3つが私のPRポイントだと考えています。
このような流れで話していきます。
「私には@@(職種)になるのに必要な資質が3つあります」のように言い始めるととてもまとまりますね。この時に、エピソードは最低でも2つ、できれば3つ用意しておきましょう。1つだけですとなかなかあなたの魅力が伝わらないです。
そしてエピソードを話す際は、できるだけ具体的に話しましょう。エピソードを話した際に面接官が想像できるくらいまで話せると、話に引き込むことができます。
そして、なるべく暗記してきたことを悟られないように話す工夫をしましょう。
「えーっと…(次なんだっけ?)」と言いながら斜め上を見て思い出すようなことはせず、話の途中で少しずつ言葉を絞り出すように話すとより自然です。
時間ですが、決められていればそれに従いましょう。2,3分で話すケースが多いです。また、時間が少しオーバーしてしまった場合は、よほどのことがない限り、あちらから止められたり指摘されることはないと思います。しっかりと自分をアピールしましょう。
自己PRで評価される2つのポイント
それでは、ここからは具体的に、自己PRでどういったところが評価のポイントになってくるのかを解説していきます。
あなたにしかない「強み」や長所は遠慮せずアピール
その医学部を志願する受験生全員が面接をすることになります。そのため、似通った内容だと面接官への印象は薄らぎ、自然と評価の幅が狭まってしまいます。その観点から、他の受験生と差別化できるポイントを、些細なことでもよいので遠慮せずにアピールすることを意識しましょう。もちろん作り話は、のちのちのボロにつながるためNGですが、具体的なエピソードなどを加えて内容を膨らませるのは、むしろ評価されるポイントになるので盛り込んでみましょう。
どれだけ先を見据えてこの医学部を選んだのか
受験生の頃から、自分が医師としてどのように社会に貢献していくのかを明確に思い描けている人は少ないと思います。しかし、全国82校もある医学部の中から、なぜその大学の医学部を志願したのかははっきりと伝えなければなりません。根拠を明確にし、一貫性を持たせるために、その時点でどれだけ将来へのプランに見通しが立っているかは、大切な評価ポイントとなります。そのため、入学後に進路が変わる可能性があったとしても、その時点での将来プランはある程度明確にしておいて、いつでも答えられるようにしておきましょう。
さらに地方の医学部であれば特に言える事なのですが、地域医療に人手を欲している大学が多く、地域枠なども設けられています。そのため、卒業後の就職先をどうするのかも踏み込んで聞かれることも否定できません。10年後20年後のキャリアをしっかり持っておくとまでは言いませんが、地方に残るのかどうかの進路だけでも考えておくことをお勧めします。
医師になることへの思いは伝えられるように
医師になりたいと考える理由は、必ず聞かれます。私も受験した全ての医学部で聞かれました。あまりに典型的な質問であるため、多くの受験生は事前に解答を用意して挑んでいくのですが、そこにおいても自己PRは必要になってきます。独自のエピソードに基づいて、独自の理由で医師になることの抱負を伝えられるようにしておきましょう。
またこの際に、医学部の小論文対策の参考書などは考えをまとめる上で非常に便利になってきますので、興味のある方はこちらもぜひご覧ください!
自己PRでやりがちな「過剰な意識」はNG!
自己PRについて求められることが把握できたところで、ここからは受験生のよく陥りがちなポイントについて押さえていこうと思います。これらのポイントを意識することで、マイナス評価を減らせるだけでなく、他の受験生との差別化も図れるようになります!
具体性がない総花的な話[アピール]はしない
物事を伝えるためには、話の中に抽象性と具体性をバランスよく盛り込んでいく必要があります。「部活動で協調性を育みました。」というのと、「高校2年生の夏に合宿を行い、そこで毎日チーム一人一人の意見を共有しあい練習メニューを精査していくことで、その後の大会で優勝できました。その期間を通じて培われた協調性は、今でも役立っています。」では、ボリュームも増す上、より根拠が明確になり、さらに独創性を足すことができます。また抽象的な内容だけだと、内容が漠然としすぎて掴みどころのない内容になってしまいます。そういった観点からも、抽象的な内容だけで固めすぎず、適度に具体例を盛り込んで、文章を構成してみましょう。
一貫性がなく多くの話題が乱れるのはNG
話が少しそれますが、みなさんはパラグラフリーディングという言葉をご存知でしょうか。英語や現代文において、よく使用される読解法なのですが、一つのパラグラフには、そこで話したい内容の方向性が大きく一つ決まっており、それを読み解く事で長文全体の流れを把握できるというものです。それはつまり、文章を構成する上で、全体を通じて伝えたいメッセージがあらかじめ存在していて、それをわかりやすく解釈してもらうために、いくつかのパラグラフに分けて段階的に説明しているということなのです。
これは自己PRをする上でも重要で、全体を通して伝えたい事はなるべく絞り、話が二転三転しないように心がけるようにしましょう。そうすることで、聞き手も非常にスムーズに話の趣旨を理解することができ、解釈のズレを防ぐことができます。
自信を持って自分をアピールしよう
自己PRは、面接の中でも特に自分からアピールできる絶好の機会です。
なんて言えばいいのかわからない、というのはとてももったいないことです。むしろこの質問が来たら、チャンスだと思いましょう。ここで面接官に好印象を与えることができれば、合格がかなり近づきます。
医師になる上でも、自分自身のことを理解しておくことは非常に重要です。ほとんどの場合、面接官は現役医師ですから、将来一緒に働きたいと思ってもらえるようにしましょう!
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