【2023最新情報】京都府立医科大学!独自の世界レベルの医療・医学を京都地域へ!

医学部入試情報

京都府立医科大学は、京都府にある公立の大学で、医学部医学科と医学部看護学科があります。大学院も、医学研究科と看護学研究科の2つです。

東京圏にお住まいの方は、あまり聞き慣れない大学かと思いますが、2023年の国家試験合格率は93.2%(新卒者にしぼると94.5%)と高く、決して侮れません。日本的な文化が最も色濃く残る京都の地で医学を学びたい人にとって、この記事は必読です!

京都府立医科大学は、学際的な教育環境、優れた教員陣、最新の研究施設、地域との連携、国際的な視野、学生支援体制といった要素、充実したカリキュラムといった要素によって、実践的な医療知識を提供するだけでなく、社会に貢献する使命感や倫理性を養っています。

この記事では、京都府立医科大学の特徴や取り組みについて紹介します。

京都に軸を置き「地域の中核」と「特色ある研究大学」を目指す

明治初期に寺に建てられた病院が起源

京都市民は明治になったばかりの1868年より西洋医学の教員病院を設立したいと願っていましたが、遷都の余波で官庁がこれを退けたため、お寺から寄附を募り、青蓮院という寺の境内に病院を建て、そこにドイツ人医師を呼んできたのです。

明治の混乱と動揺の中で建てられた、この「京都療病院」の設立に伴い、初代外国人医師のドイツ人ヨンケル(Junker von Langegg)は、明治5年に診療を開始し、また青蓮院の療病院で解剖学の講義を開始しました。

2代目のオランダ人医師マンスヘルト(C.G van Mansvelt)と、3代目のドイツ人医師ショイベ(Heinrich Botho Scheube)は、熱心な診療と研究により、療病院に近代医学を導入し、病院の発展と医学教育に多大の貢献をしました。そして、明治12年4月16日には医学校も併設されました。

1952年の学制改革では新制の大学となり、さらに、1957年には大学院医学研究科博士課程を開設、1971年には医療センター、1982年には小児疾患研究施設、1990年には脳・血管系老化研究センターといった附属施設を開設しました。

このように、京都府立医科大学にあっては、大学より先に「府民の医療を第一とする病院」が作られたのであり、現在よく言われている地域医療を先取りした形で進んできました。

また、かつてのヨーロッパにおいてキリスト教会(カトリック教会)が病院設立母体であったことを考えると、この療病院は、僧侶たちが資金集めに奔走した点と、ドイツ人医師らが就任したという点で、ヨーロッパ医学の正統を引き継いだともいえます。

(情報出典:大学公式サイト

発展を続けるために地域に根ざした独自の努力

これまで見てきたように長い歴史を誇る京都府立医科大学は2022年で「創立150周年」ですが、過去には何度も存亡の危機に瀕してきました。

そのため、「府立医大の絶対条件」として、公式サイトには3つが掲げられています。

1.地域に軸足を置いた大学のスタンスを守り続ける

2.世界トップレベルの研究・臨床を追究し発信し続ける

3.志が高く有能な人材を育成し続ける

そして、上記の3つを貫徹するために、学長の名のもと、「9つの方針」が定められているのです。医学科と看護学科ともに、卒業前と卒業後の教育・実習・研修の計画的展開により、卒業して数年たってから大きく飛躍できるようなプログラムになっているのが特長です。

1) 京都府との連携のさらなる強化 

2) 大学整備構想の実現 

3) 医学・看護学準備教育のさらなる充実 

4) 医学・看護学科の卒前・卒後教育の新たな展開と充実 

5) アカデミア研究基盤の環境整備

6)研究財政基盤の確立

7) 大学教職員の本来業務の見直しの徹底と働き方改革への対応
8) 教育・研究・臨床における国際化
9) 地域医療構想を見据えた洛中アライアンスの構築 

医学科に関係する改革事項は、おおむね以下の通りです。

・「卒業前2年」「研修医2年」の4年間の実習・研修を計画的に行い、その後の専門医教育に繋げられるプログラムを構築

・IRセンターの充実により、教学に関するデータ収集・分析。教学マネジメントを推進し、教育の質の向上を策定

・入試室の整備や高大接続の推進を通して、多様で優秀な学生を受け入れ

・大学院生への支援と研究環境の持続的な整備。様々な育成基金を設立し、若手研究者の研究活動を支援

・国際学術交流センターの充実を図り、提携校を拡大して交流。教育・研究・臨床において日本に留まらずボーダーレスに展開

国に頼らないという設立当初からの心意気

ところで、日本古典文学に登場する「鴨川」を挟んで東側に「京都大学医学部」があり、西側に「京都府立医科大学」があるというユニークな配置なのですが、皆さんはその理由が分かりますか?

京都府立医科大学は、国による直轄管理や制約を拒み、自由な気風と大学自治を重んじてきたのです。その結果、国立大学に吸収合併されることなく、統廃合の波を耐え抜いて、現在も独立した公立大学として存材し続けています。

それゆえに、伝統的な地である鴨川両岸に「2つの医学部」があるのですね。

京都府立医科大学は、地元の人々に慕われながらも、「国に頼らない」という設立当初の「京都っ子らしい粋な心意気」を失うことなく、独自路線で研究や国際化を発展させています。

そして、京都地域での実習では、地域住民との密接な関係構築により、文化や伝統を尊重しつつ、地域の特性に即した医療サービスを提供することも目指しています。

ディプロマポリシーはオーソドックスな8つ

卒業時点で学位を出すにあたって学生に求める「ディプロマポリシー」として8つの項目が挙げられていますが、数が多いだけで、いずれもオーソドックスなものであり、要求レベルは高くありません。

具体的には、「医学知識と問題対応能力」「診療技能と医の心」「コミュニケーション能力」「科学的探究心」「プロフェッショナリズム」「社会における医療の実践 」「国際的視野」「生涯にわたって学ぶ姿勢」の8つです。詳しく見たい人は以下のリンクよりどうぞ。

公立大学として生き残るために「地域への貢献」「地方自治体との連携」といったものがどうしても欠かせないのですが、キビキビした雰囲気が苦手な人でもマイペースに学び続けられる、自由な学風の大学だと思います。

「京都大学医学部はちょっと無理だけど、どうしても京都で・・・」という人は受験を検討してみてはいかかでしょう。

9つ以上ある研究センターが研究教育水準を保障

レベルの高い国公立大学の医学部としての学際的な教育環境は、広い視野で実習を行うことを促し、「患者を安心させられるどっしり構えた医師」という人間的魅力も養っています。

それだけでなく、京都府立医科大学は、「脳・血管系老化研究センター」「ガン征圧センター」「京都ヘルスサイエンス総合研究センター」など、いくつもの最新の研究施設を備えており、医大生に知的刺激を与え患者のために研究する意義を教えてくれます。

医学部はたしかに教科書をたくさん買わされることで有名ですが、高校ではない以上、「大学独自の教育や実習」を行い「大学生の興味をひく講義」を行うためにアカデミックな研究を推進していく必要があり、多くの研究センターがそれらの質を担保しています。

公式サイトに詳しい概要、経緯、部門などがそれぞれ明記されていますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

「学際的環境」と「最先端研究」と「産学公連携」がたくみに組み合わさり、京都府立医科大学のレベルを高めています。医大生たちは、伝統ある鴨川の地のキャンパスで、心おきなく「人間性」「国際性」「知的探究心」「倫理的意識」といったものを磨くことができるでしょう。

 

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