【女性医師のキャリア】 結婚・出産後も続ける人が多い

医者のキャリア

医学部医学科を目指している女性の中で

「本当に女性でもやっていけるのだろうか、両立できるのだろうか」

と思っている方も多いのではないでしょうか。

私も思っていました。

しかし、実際には結婚・出産後も続けている人が多いのです。

今回は女性医師のキャリアについて紹介します!

木の下に立つ女性

 

結婚・出産のタイミングで悩む女性医師は多い

以前の記事「プライベートと両立させたい」という理由で民間病院に転職する例を紹介しましたが、女性医師には特に密接な問題でしょう。

私自身も結婚・出産をしたいと思っていますが、「本当に医師と両立できるのだろうか?」と不安です。

女性医師が「家庭と両立することが難しい」と感じる理由と、実情を紹介します。

 

結婚・出産とキャリア形成期が被ってしまう

高校を卒業したときが18歳だとすると、ストレートで医学部に合格して順調に初期研修まで終えたとしても、その時点で26歳。

後期研修が終わる頃には30歳前後になっています。

つまり、「出産や結婚のピークと、キャリア形成期がかぶってしまいがち」という点が女医特有のキャリアについての悩みであると言えるでしょう。

今は、家庭があっても働き続けたいと考える女子が大多数。
しかし、「出産・子育てと仕事を両立できるだろうか」と考えると、結婚や出産を不安に感じてしまう人もいるのではないでしょうか。

 

「出産で辞める女性医師が多い」は噓

それでは、「女性医師は出産で辞めがち」というのは本当なのでしょうか。


出産や子育てなどを理由として女性医師の就業率が減るのは本当ですが、他の職業に比べたら低い割合である、と言えるでしょう。

少し前の情報ですが、「女性医師に関する現状と国における支援策について」厚生労働省がまとめたものがあります。

(引用:厚生労働省「女性医師に関する現状と国における支援策について」)

これによると、平成18年の女性医師の就職率は36歳で最低の76.0%になります。
そして女性医師の休職や離職の理由はやはり「出産」「子育て」が圧倒的多数。

4人に1人、と考えると多いかもしれませんが、その6年後の総務省「平成24年労働力調査」によると、35〜39歳の女性の就業率は平均で66.9%。
他業種に比べると、医師の離職率はずっと低いんです。

 

しかも、この「年齢階級別就業率」は段々向上していっており、「令和2年度労働力調査」では35~44歳の女性の就職率は 76.1%になっています。
医師の離職率の低さを考えると、今ではもっと離職率が低くなっていてもおかしくありません。

 もちろん出産してみないとわからないこと、子どもが育ってみないとわからない問題などもあります。
実際に働くにあたって、子供の体調不良時の預け先や、当直をどうするか、残業時の対応など、クリアしなくてはならない問題はたくさんありますし、「こんなはずではなかった」と思うこともあるかもしれません。

しかし「出産したら辞めなきゃいけないのかな」とむやみに不安がる必要はないでしょう。

男と女が手を繋いでいる

 

女性医師の働き方 出産後も常勤が70%

平成29年8月の女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書からみると、一般的な女性医師のキャリアとしては、結婚・出産をする場合は
「30代頃に出産・子育てをし、育児休業まで取って復帰。日勤のみなど、負担を減らしてもらいながら仕事を続ける」
という形が多いようです。

女性医師のうち、今子育て中の人や子育て後の人は約半数。
そして、出産しても働き続けている女医のうち、常勤は70%もいます。

時短勤務を選んでいる人や、非常勤に切り替える判断をしている人もいらっしゃいます。
ただ、時短や非常勤の割合も年齢が上がるにつれ低くなっていることから、子どもが大きくなってきたらまた常勤に勤務形態を戻していると考えられます。

 

「出産しても、できる限り働き続ける」というのが今の女医のスタンダードなキャリア。
もちろんそのためには相応の覚悟と努力が必要ですが、同時に働き続けやすい環境もできてきているということ。

 

出産や子育てと仕事、どちらも大事にできる時代になってきていると言えるでしょう。

以下のサイトでは、実際の女性医師4名のケースレポートが紹介されています。

年齢も診療科も様々。興味を持った方はぜひご覧ください。

 

女性医師を取り巻く環境はさらに良くなっていくことが予想される

女医の働く環境は、今後さらに良くなっていくでしょう。
制度面でも院内保育所がある病院は増えてきていますし、雰囲気的にも女性が働きやすい環境になってきています。

実際、私の通う大学の付属病院にも院内保育所が併設されています。

 

中には、女性の働きやすい環境であることをアピールし、「女性医師ウェルカム!」の姿勢を押し出している神戸大学整形外科の例もあります。
こちらでは、女性比率が低く、「力仕事が多い」イメージのある整形外科でありながら、多くの女性医師や子どものいる医師が活躍している様子が伺えます。

 

また、女性医師専門の相談機関である女性医師相談センターもありますし、女性医師の支援相談窓口を置く都道府県も。
こちらでは、子育てや介護などと自分のキャリアの両立について相談したり、支援情報を手に入れることが可能です。

ブランクが大きく、いきなり現場に戻るのが心配……という人向けの復職支援として研修も受けられますし、もちろん求人情報も得られます。

求人情報については、女性医師バンク女性医局など、女性医師専門の人材紹介会社もあります。
女性医師専門なので、「当直なし」「オンコールなし」「病児・病後児保育あり」「再研修/再教育制度あり」など、多彩な条件から求人を検索したり、コンサルタントに相談したりすることが可能です。

2022年からは育児・介護休業法が改正されるため、男性も産後の休暇も取りやすくなることが期待されます。

女医でも自分に合わせた働き方ができるようになってきているため、今以上に出産・育児などとキャリアを両立させやすくなっているでしょう。

赤ちゃんにキスする女性

まとめ  結婚・出産との両立を過度に心配する必要はない

今回は「女性医師のキャリア」として結婚・出産との両立を軸に紹介しました。

「結婚・出産との両立は難しいのではないか」

と医学部受験をためらっている受験生の方や、懸念している親御さんの不安が少しでも晴れたら幸いです!

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