共通テストの古文、漢文はコツを掴めば満点を狙えます。
受験する大学によっては、共通テストや2次試験で国語が必要ないケースもありますし、また「国語は現代文のみで良い」と指定する大学もあります。
でも、共通テストで古典を受験しなければならない方は、よほど日本古典が好きだという方を除いて、古文と漢文の両方をブラッシュアップしなければならないことに戸惑われると思います。
本日は、「共通テストの古文、漢文が苦手で勉強法を知りたい」と言う方や、「共通テストの古文、漢文で高得点を取りたい」という方のために、共通テストの古文・漢文で高得点をとる対策と勉強法を解説します。
共通テストの古文で点を取るために、頭に入れておきたいこと
2021年度から、センター試験ではなく共通テストになりました。各教科において、出題傾向や出題形式に、多かれ少なかれ変化が見られます。特に、英語と国語は、出題傾向や出題形式がガラリと変わり、難易度も上がり、特別な対策が必要となりました。
古文と漢文は、現代文に比べれば、共通テストになって変わった点は少ないため、これまでと同じように勉強していけば大丈夫です。共通テストの古文と漢文は、国語の第3問と第4問に出題されます。大問3が古文で50点、大問4が漢文で50点となります。
古文と漢文というと、1000年以上前の文章で、現代文より難しく感じると思いますが、要領よく対策すれば、実は安定して高得点が狙えるのです。現代文のほうは、出題される素材文についての背景知識を持っているかどうか、出題される素材文と相性がいいかなどが重要になってくるので、古文と漢文でガッツリ高得点を稼げるようになれば、国語全体の点数が上がってきます。
古文は、英語と同じく、単語と文法の暗記が核になります。でも、古文の単語は英語より少なく、文法に関しては本当に少ししかありませんから、古典文法は短期間に集中してマスターしてしまい、単語はコツコツ覚え、国語で安定して高得点をとれるようになりましょう!
さて、古文では、「古文特有の特徴」があります。単語と文法を覚えたら、この古文特有の特徴に随所随所で対応していけるようになることが重要なステップになります。このステップを超えられれば、古文を得点源にできます。逆に言うと、ここを超えられないと、単語と文法を覚えてもなかなか点数は上がりません。古文特有の特徴とは、「主語の省略」と「和歌」です。
では、主語の省略とは、どのようなものなのでしょうか。実は、古文では、主語は一度出てきたら、基本的にそのあとは省略されるのです。いかにも日本語らしい特徴ですよね。そのため、一文一文、適切に主語を補って読み進めないと、「全部、(解釈が)ずれていた」ということも起こりえます。私自身、そういう大学受験生を見てきました。
古文で省略される主語を正しく補うために役に立つのが、敬語がどのように使われているかを把握することです。主語が省略されていても、敬語を見て、動作主つまり主語が分かるわけです。敬語をヒントに、その文は、だれが、だれに対して行動を起こしているのかを理解しましょう。敬意の方向、敬語の語順、最高敬語をヒントに、省略されている主語を素早く察する思考回路を身につけましょう。
さらに、アドバイスです。古文を読むときには、登場人物の人間関係を頭の中で図式化しながら読む習慣を身につけましょう。これは、問題を解くときだけでなく、学校の授業や課題で古文を読むときにも、必ずそうしましょう。素早く、的確に古文の内容をつかめるようになります。
主語の省略と敬語の他に、「和歌」が重要なのでしたね。
日本文学史における和歌とは、親しい相手に自分の感情を伝えるためのものでした。恋人に愛の気持ちを詠む和歌、感謝の気持ちを伝えるための和歌など、貴族なら当然のように身につけたい技術の一つでした。
和歌には「修辞」という規則があり、古文における単語や文法のように、和歌の基本となるものです。「修辞」とは、句切れ・枕詞・序詞・掛詞・縁語などです。これらを覚えることが、和歌における基礎となります。
そのうえで、共通テストで古文を確実に得点源にするために、和歌の解釈をできるようになりましょう。現在親しまれている百人一首でもよくつかわれる「掛詞」に気づけるようになると、和歌の解釈がぐっと深まります。掛詞とは、ある言葉に2通りの意味を含ませて、和歌を面白くする技法です。共通テストでも、掛詞を理解しているかはよく問われます。
さらに、和歌の深い部分を理解して確実に得点するために、和歌の前後の文脈や、登場人物の人間関係に注意して、それを念頭に置いて和歌を読み解きましょう。和歌に関して、深い読解ができるようになれば、共通テストの古文の点数はぐっと上がります。
共通テストの古文を解くうえで、すぐに実践できるテクニック
古文ですぐに得点を挙げるテクニックとして、現代文で紹介したのと同じく、さきに設問と選択肢と注釈に目を通してから本文を読む、という技が挙げられます。
注釈に目を通すことで、その古文と背景となっている人間関係や場面や状況をある程度先読みできるのです。
また、設問や設問の選択肢を予め読んでおくことで、物語の流れや、起こった出来事などを、ある程度先に理解することが可能です。
このように、設問と、すべての選択肢と、注釈に目を通しておくことで、本文理解に役立ちますし、それだけでなく、解答するにあたってどこがポイントとなるのか、どこに注力して本文を読み進めていけば選択肢を絞れるのかを先に把握できます。
共通テストの漢文の対策法、勉強法
いよいよ、漢文についてです。漢文は、古文と同じく50点の配点で、古典合わせて100点となり、現代文100点と合算されます。
「漢文を後回しにする」「漢文は捨てる」といった話をよく聞きますが、漢文はポイントと最低限の暗記項目さえ押さえておけば、確実に得点でき、意外なことにある意味で得点源科目なのです。
だから、この記事をお読みの方は、できるだけ漢文を捨てないで、時間のあるときに短期集中で暗記を済ませ対策を終え、要領よく共通テストの国語の点を伸ばしてほしいと思います。
「漢文の基本は、再読文字にあり」と言います。かくいう私も、進学校の高校でしたが、漢文専科の教員が、再読文字だけは必ず覚えるようにと念を押していたのを今でも覚えています。
再読文字は、「未」「将」「当」「須」です。
また、参考書に載っている重要漢語を覚えてましょう。漢文に出やすい漢語は注釈がつかない可能性があるため、覚えておくと得点アップにつながります。教科書レベルのものでも構いません。
そして、再読文字と重要漢語が古文で言う単語に当たり、古文で言う文法に当たるものに「句形」というのがあります。使役形、受身形、否定形、二重否定、全否定、部分否定、疑問反語といったもので、該当する漢字を教科書や参考書で覚えておけば、暗記量はそれほど多くない一方で得点を稼げます。語順は英語に近く、用法も英語的なので、古文よりもとっつきやすいという理系受験生が多いんですよ。
さらに、漢文でも、ある点以上を取ろうとすると、現代文や古文と同様に、本文の解釈が重要になってきます。
再読文字と重要漢語、句形を覚えたら、過去問演習を繰り返し、類題や予想問題で磨きをかけ、作問者の意図を酌みとって解答できるようにすると同時に、現代文と同様に「この選択肢を作った人は、どこで受験生を引っかけたいのか」を読み取れるようになるまで「自分は、なぜ、どこで間違えたのか」を突き詰める復習をきっちり行うことです。
最後に
古文と漢文は、社会と比べると暗記事項が少ないので、ある意味簡単に100点を取れる科目です。覚えるべき単語と文法を完璧にしたら、あとは選択肢を正しく選んで確実に正答できるよう、本文の内容と選択肢を照らし合わせて考察する訓練を積んでください。急がば回れ、です。要領よくコツを掴めれば、現代文や社会より短期間で成績が上がりますよ。
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