全統模試の判定は信頼できる?基準を徹底解説!!

医学部入試情報

多くの受験生が耳にしたことがあるだろう「全統模試」。受験して成績が返却されると、まず目に留まるのはアルファベットで示された判定でしょう。

志望校の判定でA判定を取れれば非常に嬉しい気持ちになり、D判定やE判定を取ればかなり落ち込むことと思います。

それと同時に、「そもそも全統模試の判定は信頼できるの?」「そもそも判定ってどうやって決められているの?」と気になっている受験生も多いのではないでしょうか。

今回は、全統模試の概要から判定の基準と信用性、模試成績と入試結果の関係性の信頼性、さらには判定の活かし方まで、徹底的に解説します。

全統模試とは?河合塾が主催!

そもそも、全統模試とはどのような模試なのでしょうか。まずはその概要について見ていきましょう。

マーク式と記述式がある

まず、全統模試の方式について紹介します。

全統模試は、高校生の各学年を対象に実施されており、高校1年生・高校2年生を対象に、記述・論述問題を中心とした、記述式の模試が用意されています。

また、高校3年生・高卒生を対象とした全統模試には、共通テスト対策としての全統共通テスト模試(マーク式)と、国立大二次と私立大学の入試を見据えた全統記述模試(記述・論述式)の2種類が用意されています。この二つは、両方受験することで、実際の入試と同じように「共通テスト+二次試験」のドッキング総合評価を受けることも可能です。

模試の方式、各学年ごとの模試のラインアップについての詳細はこちらのページをご覧ください。

年3回実施される

次に、全統模試の年間スケジュールについて見ていきましょう。

全統模試は各学年、3回ずつ実施されます。

例えば、2022年には、高校1年生、2年生の全統模試は5月、8月、10月の3回実施されています。また、高校3年生・高卒生を対象とした模試は、全統共通テスト模試(マーク式)が5月、7月、10月の3回、全統記述模試(記述・論述式)が5月、9月、10月の3回実施されています。

継続的に模試を受験することで、自分の学習状況を把握できる、自分の学力の推移を知ることができる、試験の時に多くなるミスや自分に合った時間配分などを見つけることができるとも言われています。

それぞれの時期の学習段階に応じた試験内容になっているので、特に受験生は1回だけではなく、年に2回、3回受験することも検討するのが良いでしょう。

全統模試の判定は信用できる?全受験生におすすめ!

全統模試の判定は信用できるものなのでしょうか。結論から言うと、かなり信用できると言えます。

その理由は、全統模試の受験者と難易度です。

受験者数が多い

河合塾によると、年間のべ約263万人(2020年度実績)の受験生が全統模試に参加しています。

一回あたりの受験者数は30~40万人とされていて、共通テストの志願者数が約53万人(2022年度)だったことを考えても、かなり大きい割合ですね。

そのため、全統模試は、自分の立ち位置が測りやすい模試です。

他の模試の受験者数と比較すると、駿台模試は2~4万人、進研模試は40万人弱と言われています。模試の受験者層が、実際に大学受験をする学生であることを考えても、判定の信用性は高いと言えるでしょう。

問題の難易度のバランスが良い

全統模試の問題の難易度は、入試レベルで考えると「標準〜やや難」の難易度と言われています。

これは、大手塾による模試である駿台模試、進研模試と比較すると、進研模試より難しく、駿台模試より解きやすい問題の難易度になります。

実際の入試で「合否を分ける」問題のレベルになっており、問題の難易度のバランスが良いです。

そのため、受験者層も受験生全般になっていて、全受験生にとって自分の実力を測りやすい模試になっています。

全統模試の判定の基準は?判定と偏差値、合格可能性の関係

では、全統模試の判定はどのような意味を持つのでしょうか?

判定の基準と、判定と合格可能性の関係について説明していきます。

判定は偏差値で区切られていた!

まず、判定がどのように設定されているのか具体的にご紹介します。

実は、この設定には、前年の受験者の「模試成績」と実際の「入試結果」が用いられています。

前年の受験者の模試での偏差値と、合格/不合格のを照合し、偏差値の幅2.5の区間で、合格率が50%になる偏差値帯が、C判定の偏差値帯として設定されます。

また、この偏差値は、各大学・学部の教科の配点の比率に換算した点数で算出されています。

そのため、一つの模試成績に対して、大学ごとに評価偏差値が変わってくるのです。

C判定は「合格可能性50%」

以上のように、前年の受験者のうち50%が合格した偏差値帯として設定されたC判定をもとに、偏差値を2.5ずつに区切って判定が決められます。

つまり、偏差値50.0~52.4をC判定とすると、合格可能性の評価は次のようになります。

  • A判定:55.0~57.4
  • B判定:52.5~54.9
  • C判定:50.0~52.4
  • D判定:47.5~49.9
  • E判定:45.0~47.4

合格可能性については、A判定:80%以上、B判定:65%、C判定:50%、D判定:35%以下、E判定:20%以下とされています。

合格可能性評価の基準について詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。

全統模試の判定をどう受け止める?

次に、全統模試の判定をどのように受け止めるべきか、模試の結果は実際の入試結果との関係の上でどのくらい信頼できるのか、合格可能性の観点から考えていきます。

判定の分析

まず、同じ判定でも、2.5の偏差値の幅の分布であることには注意が必要です。例えば、同じB判定でも、あと1点でA判定を取れたという人と、あと1問間違えていたらC判定だったという人では、志望校合格のためにはどのくらい成績を上げる必要があるのかや、志望校の選定の判断は異なってくるでしょう。

自分の今の判定より一つ上の判定を取るには偏差値をいくつ上げれば良いのか、またそれは点数で考えると何点に当たるのかは、河合塾のホームページの「教科科目別成績順位表」から確認することができます。

そして、目標の偏差値に届くためには、ミスを減らしたり、時間配分などの試験場での戦略を変えれば良さそうか、それともかなり現在との成績にギャップがありそうか、分析してみましょう。

A~B判定でも油断は大敵

A~B判定を取ることができた受験生は、この調子で行けば合格できそうだと胸を撫で下ろしているかもしれません。

しかし、油断大敵、この判定を信頼して安心してはいけません。悲しいことに、A判定をずっと取り続けていても、気の緩みや甘さで不合格になってしまう人も少なからずいます。

ここまでの勉強を頑張ってきて成果を上げたことは素晴らしいことです。しかし、今の判定があるのは、努力を続けてきたからだということを忘れず、淡々と勉強に励んでください。

D判定以下は要注意

D判定以下は、合格可能性が35%以下の評価です。

判定はその後の学力の伸びなどは予想していないので、それ以降、入試までの学習によっては、合格を勝ち取ることができる可能性はもちろんあります。

ただし、時期やそれまでの勉強期間によっては勉強のやり方を見直す必要があります。

例えば、部活を引退したばかりなど、勉強期間が短い受験生は、D判定をとってもその後大きく伸びる可能性も高いでしょう。一方、受験勉強の期間が長く、第1回、第2回、第3回の全統模試を受験して全てD判定以下であれば、勉強法を変えたり、伸び悩む根本的な原因を考え直したりしなければ、合格は難しいと言えます。

その意味で、D判定、 E判定は信頼でき、「今の勉強ではいけない」ことを教えてくれるものになっているでしょう。

全統模試の結果を受けてやるべきことは?判定を受験勉強に活かそう!

ここまで、河合塾の全統模試について、自分の受験生としての立ち位置を知る上でかなり信用性が高いこと、判定は合格可能性が50%のC判定を基準に設定されていること、判定ごとにその結果をどの程度信頼できるか・すべきかを解説してきました。

その判定に一通り喜んだり悲しんだりした後は、自分の成績を冷静に分析し、勉強に活かすことが重要です。

例えば、模試を受験したことで苦手な分野が分かった場合は、その分野を克服する必要があるでしょう。また、特定の教科のみで点数を稼いでいる状態なら、苦手な教科の勉強時間の割合を増やしたほうがいいでしょう。ミスが多いなら、自分がミスしがちな場面を明らかにし、ミスを減らす具体的な対策を考える必要があります。

さらに、受験校の選定にも積極的に役立てていきましょう。例えば、C判定の大学を2校受験すれば、計算上は片方合格することになります。自分がどの偏差値の大学を何校受験するのか、判定は重要な判断基準になります。

模試は、自分の現状の立ち位置や傾向を知るために大事なツールです。分析して、受験に最大限生かしていきましょう。

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