医学部合格に必要な偏差値は?ランキングとともにご紹介
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受験において、よく用いられる“偏差値”
医学部受験を考えたことのある方なら、一度は医学部偏差値ランキングなどをみたことがあるのではないでしょうか。
倍率や問題の傾向などもありますから、必ずしも偏差値=難易度とは言えません。ですが、偏差値は、受験校を決める際に参考になる値です。実際、医学部医学科の偏差値は非常に高く、狭き門です。ただ、入る大学や受ける入試方式を戦略的に選択することで合格可能性は大きく変わってくるでしょう。
今回はその偏差値について詳しくみていきましょう!
Contents
私立医学部の受験者数はこの10年で2倍に増加
この10年間で、私立大学医学部を受験する人は2倍になりました。その背景としては、不景気に左右されずリストラもされなくて、収入や社会的地位が安定していて、将来性もある医師という職業の人気が高まったことが挙げられます。それだけでなく、私立大学医学部の学費が下がって、各種の奨学金制度が充実してきて、一般的な家庭でもローンを組めば私立大学医学部に通えるようになったことが挙げられます。
それでは、そんな状況で、私立大学医学部の偏差値がどのように推移しているのか、気になる人がたくさんいると思います。国公立大学は前期・後期で1つしか受けられないため、滑り止めを兼ねて私立大学医学部をたくさん併願する人もいるでしょうし、浪人の方などで私立専願で10校くらい受験する人もいると思います。
医学部の偏差値は、さまざまな条件や社会状況に応じて絶えず推移していますので、直近の偏差値の推移をよく見て、志望大学を決めたり受験戦略を立てたりすることが重要です。
医学部の偏差値は以前として高い
国公立の偏差値は最低65!
また、学費が安くて済む国公立大学が本命だという方も、少なからずいらっしゃると思います。国公立大学は、全体的に少しだけ偏差値が下がっていく傾向にあるようです。それでも、実際の偏差値としては65~74ですから、超難関であり続けていると言っても過言ではありません。以下にに偏差値推移表を掲げていますので、参考にしてください。
私立の偏差値と学費は反比例する
私立大学医学部も、大学によって幅に差がありますが、全体的に偏差値が下がる傾向が認められます。また、私立大学医学部は、学費が高い大学ほど倍率が下がって偏差値も下がるという傾向にあり、その傾向は今も変わらないようです。川崎医科大学は偏差値が62.2まで下がっていますが、そのぶん学費が極めて高額なので、そのあたりの点にもご留意ください。そして、大昔は「底辺」と呼ばれる医学部はもっと偏差値が低かったのですが、「偏差値の底上げ」が起こって「偏差値が低めの医学部でも難関である」という事実は変わらないようです。
でも、全体的に見て、国公立大学医学部の前期と、私立大学医学部は微量ではありますが偏差値が下がってきていますので、これから受験する人にはチャンスであると言えなくもありません。偏差値の推移を見て志望大学の目安をつけたら、出題傾向を把握して受験対策をしっかりと行いましょう。
国公立医学部は前期と後期ともに偏差値も下がり気味
以下の表は、国公立大学医学部(前期)の偏差値推移です(表は、すべて「医学部受験ノート」より抜粋)。各大学の最新情報や募集状況については、大学のホームページや募集要項でご確認ください。
順位 | 大学名 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|---|---|
1位 | 東京大学 | 74.8 | 74.8 | 73.8 |
2位 | 京都大学 | 73.8 | 73.8 | 73.2 |
3位 | 大阪大学 | 72.7 | 72.7 | 71.7 |
4位 | 東京医科歯科大学 | 72.7 | 72.3 | 71.3 |
5位 | 名古屋大学 | 71.2 | 70.8 | 69.8 |
6位 | 千葉大学 | 71.2 | 70.5 | 69.5 |
6位 | 神戸大学 | 71.2 | 70.8 | 69.5 |
8位 | 京都府立医科大学 | 70.8 | 70.2 | 69.4 |
9位 | 奈良県立医科大学 | 70.5 | 69.3 | 69.3 |
10位 | 東北大学 | 70.5 | 70.2 | 69.2 |
10位 | 横浜市立大学 | 71.2 | 70.8 | 69.2 |
12位 | 九州大学 | 70.3 | 69.8 | 69.1 |
13位 | 広島大学 | 70.2 | 69.8 | 68.8 |
14位 | 筑波大学 | 70.8 | 70.2 | 68.3 |
15位 | 新潟大学 | 72.0 | 70.5 | 68.2 |
16位 | 大阪市立大学 | 69.3 | 69.0 | 68.0 |
16位 | 三重大学 | 69.7 | 69.3 | 68.0 |
16位 | 北海道大学 | 70.0 | 70.2 | 68.0 |
19位 | 名古屋市立大学 | 70.2 | 69.8 | 67.9 |
20位 | 岐阜大学 | 70.2 | 69.8 | 67.7 |
20位 | 岡山大学 | 69.3 | 69.8 | 67.7 |
22位 | 長崎大学 | 69.8 | 68.7 | 67.6 |
23位 | 熊本大学 | 69.3 | 69.0 | 67.3 |
23位 | 和歌山県立医科大学 | 70.2 | 69.0 | 67.3 |
25位 | 金沢大学 | 69.3 | 69.0 | 67.2 |
26位 | 群馬大学 | 69.0 | 68.7 | 67.1 |
26位 | 信州大学 | 69.0 | 68.7 | 67.1 |
28位 | 鹿児島大学 | 68.7 | 68.3 | 67.0 |
28位 | 浜松医科大学 | 68.7 | 68.3 | 67.0 |
30位 | 滋賀医科大学 | 68.7 | 68.3 | 66.9 |
31位 | 山口大学 | 68.7 | 68.0 | 66.7 |
31位 | 大分大学 | 68.0 | 67.7 | 66.7 |
33位 | 島根大学 | 67.7 | 67.3 | 66.6 |
34位 | 香川大学 | 67.3 | 67.3 | 66.5 |
35位 | 愛媛大学 | 69.0 | 68.7 | 66.3 |
35位 | 弘前大学 | 68.8 | 68.5 | 66.3 |
37位 | 鳥取大学 | 68.0 | 67.7 | 66.2 |
38位 | 防衛医科大学校(防衛医大) | 69.3 | 69.8 | 66.1 |
38位 | 宮崎大学 | 68.0 | 67.7 | 66.1 |
38位 | 琉球大学 | 68.0 | 67.7 | 66.1 |
41位 | 福井大学 | 67.2 | 67.7 | 66.0 |
41位 | 旭川医科大学 | 67.3 | 67.3 | 66.0 |
43位 | 富山大学 | 68.7 | 68.3 | 65.8 |
43位 | 札幌医科大学 | 68.2 | 67.8 | 65.8 |
43位 | 福島県立医科大学 | 67.3 | 67.3 | 65.8 |
46位 | 佐賀大学 | 66.5 | 67.3 | 65.7 |
47位 | 高知大学 | 67.3 | 66.5 | 65.5 |
48位 | 徳島大学 | 68.2 | 68.7 | 65.2 |
48位 | 山形大学 | 67.2 | 66.8 | 65.2 |
50位 | 秋田大学 | 66.8 | 66.5 | 64.8 |
以下の表は、国公立大学医学部(後期)の偏差値推移です。各大学の最新情報や募集状況については、大学のホームページや募集要項でご確認ください。
順位 | 大学名 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|---|---|
1位 | 東京医科歯科大学 | 74.3 | 73.7 | 73.7 |
2位 | 名古屋大学 | 73.7 | 72.7 | 71.7 |
3位 | 千葉大学 | 71.8 | 72.0 | 71.3 |
4位 | 奈良県立医科大学 | 72.3 | 71.3 | 71.0 |
5位 | 岐阜大学 | 72.0 | 71.3 | 70.7 |
6位 | 山口大学 | 70.7 | 69.7 | 70.5 |
6位 | 香川大学 | 70.2 | 70.0 | 70.5 |
8位 | 三重大学 | 71.7 | 71.0 | 70.3 |
9位 | 山梨大学 | 70.8 | 70.0 | 70.2 |
10位 | 富山大学 | 71.3 | 70.7 | 70.0 |
10位 | 浜松医科大学 | 71.0 | 70.3 | 70.0 |
12位 | 旭川医科大学 | 70.7 | 69.7 | 69.7 |
13位 | 鹿児島大学 | 70.5 | 69.5 | 69.5 |
14位 | 宮崎大学 | 71.0 | 69.7 | 69.3 |
15位 | 山形大学 | 69.8 | 69.7 | 69.2 |
16位 | 愛媛大学 | 70.2 | 70.3 | 69.0 |
16位 | 福井大学 | 70.3 | 69.3 | 69.0 |
18位 | 佐賀大学 | 70.7 | 69.7 | 68.8 |
19位 | 秋田大学 | 70.7 | 69.7 | 68.7 |
19位 | 琉球大学 | 69.8 | 69.7 | 68.7 |
– | 広島大学 | 71.7 | 71.0 | -(廃止) |
– | 鳥取大学 | 70.3 | 69.3 | -(廃止) |
– | 福島県立医科大学 | 70.3 | 69.3 | -(廃止) |
私立大学医学部の偏差値も緩やかに低下
以下の表は、私立大学医学部の偏差値推移です。各大学の最新情報や募集状況については、大学のホームページや募集要項でご確認ください。
順位 | 大学名 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|---|---|
1位 | 慶應義塾大学 | 73.5 | 73.2 | 71.8 |
2位 | 東京慈恵会医科大学 | 71.0 | 70.7 | 69.3 |
3位 | 日本医科大学 | 69.7 | 69.7 | 69.0 |
4位 | 順天堂大学 | 70.3 | 70.7 | 68.7 |
5位 | 産業医科大学 | 69.0 | 68.5 | 68.0 |
6位 | 自治医科大学 | 70.8 | 70.5 | 67.2 |
6位 | 大阪医科大学 | 69.5 | 69.2 | 67.2 |
8位 | 日本大学 | 68.5 | 68.8 | 67.0 |
9位 | 関西医科大学 | 68.8 | 68.8 | 66.8 |
10位 | 昭和大学 | 68.5 | 68.8 | 66.5 |
10位 | 東邦大学 | 68.5 | 68.8 | 66.5 |
12位 | 近畿大学 | 68.5 | 68.8 | 65.7 |
13位 | 東北医科薬科大学 | 68.5 | 68.8 | 65.5 |
13位 | 東京医科大学 | 68.0 | 68.0 | 65.5 |
15位 | 国際医療福祉大学 | 68.0 | 68.0 | 65.3 |
16位 | 久留米大学 | 67.3 | 67.3 | 65.0 |
17位 | 兵庫医科大学 | 67.7 | 68.0 | 64.7 |
18位 | 愛知医科大学 | 67.3 | 67.7 | 64.5 |
19位 | 藤田医科大学 | 67.3 | 67.3 | 64.3 |
19位 | 杏林大学 | 67.3 | 67.3 | 64.3 |
21位 | 東京女子医科大学 | 67.3 | 67.3 | 64.2 |
22位 | 帝京大学 | 67.3 | 67.3 | 64.0 |
22位 | 福岡大学 | 67.3 | 67.3 | 64.0 |
22位 | 東海大学 | 67.0 | 67.0 | 64.0 |
25位 | 岩手医科大学 | 67.3 | 67.3 | 63.7 |
26位 | 金沢医科大学 | 67.3 | 67.3 | 63.3 |
27位 | 獨協医科大学 | 65.8 | 65.8 | 62.8 |
28位 | 聖マリアンナ医科大学 | 66.5 | 67.3 | 62.5 |
28位 | 北里大学 | 66.5 | 66.5 | 62.5 |
30位 | 埼玉医科大学 | 66.2 | 66.2 | 62.2 |
30位 | 川崎医科大学 | 66.2 | 66.2 | 62.2 |
偏差値が低くても医師になる方法3選
医学部医学科の偏差値がかなり高いことがわかりました。しかし、高い偏差値をとれていないけれども医学部医学科に入りたい、という人は多いでしょう。一番はやはり、猛勉強して医学部医学科に合格できるような水準に達することでしょう。今はまだ夏休みですので、冬に受験という人も今から追い上げれば十分間に合います。ただ、戦略として医学部の中でも入りやすい大学や、入りやすい入試方式を選ぶことが大切でしょう。
入りやすい大学というのは、正直どこというのは一概には言えません。というのも、大学によって出題傾向や重視している科目が違う上に、相性や運による要素が大きいためです。ただ、入試方式をうまく選べば、偏差値が高くなくても医学部医学科に合格する道筋が見えてきます。今回は、推薦と地域枠を紹介します。
1、推薦を利用する
一つの方法は、推薦です。これには、高校が推薦する指定校推薦・学校推薦と、自分で自分を推薦する自己推薦があります。指定校推薦であれば、その高校から枠のある医学部に、学校の成績とちょっとした試験と面接・小論文だけで合格することもできます。学校では真面目に勉強しているのに模試の成績が伸び悩んでいる人にとっては良いかもしれません。しかし、在籍している高校が指定校推薦の枠を持っていなかったり、行きたい大学の枠がなかったりすることもあるので注意が必要です。
学校推薦や自己推薦を使って医学部医学科を目指す場合、指定校推薦よりは受験層が広がる分入りやすさはやや下がるかもしれません。しかし、勉強だけでなくスポーツや芸術などの分野で功績を残した人にとっては、良いアピールポイントになりますし普通に勉強して入学するよりもハードルが低いかもしれません。国立大学でも推薦枠がある大学もあり、選択肢が多様です。
2、地域枠を利用する
もう一つの選択肢としては、地域枠の活用があります。地域枠というのは、指定された都道府県で一定帰化に量に従事することを義務付けられる代わりに学費が免除になる制度です。将来進む診療科や就業場所に縛りがありますが、多くの大学では一般枠に比べて偏差値が低い傾向にあります。地元に残って働き続けたい人にとってはありがたい制度かもしれません。ただ、地域枠で入学すると将来の進路に制限ができますし、入りやすいとは言っても一般枠と大きく変わるわけではなく微々たる差だと言われているので、注意が必要です。
地域枠で注意したいのは、受験母集団のレベルがそもそも高い可能性があるということです。例えば、共通テストを課さない地域枠推薦入試です。この形式の入試では、共通テストが課されずに大学が独自に用意した理系科目の試験問題で合否が決まります。この問題はかなり難しいものが多く、そのレベルに達している受験生が集まるのです。その中でも好成績を残さないといけません。ですので、地域枠=入りやすいと安直に考えてはいけません。
3、海外医学部という選択
難易度の高い医学部医学科に入るために、上記のように推薦や地域枠を活用するのも手ですが、それでも狭き門ではあります。推薦を取るには学校の成績や学外活動での実績が求められますし、再受験生や多浪生は制度を使えないこともあります。地域枠は将来の進路が縛られるので、指定されていない科に行きたい人や研究したい人にとっては向きません。そこで、日本ではなく海外の医学部に入って学ぶという選択をする人が近年増えています。海外の医学部を卒業しても、日本の医師国家試験に合格すれば日本で医師として働くことができます。英語など外国語の能力は必要になりますが、日本よりも入試のハードルが低く、さらにグローバルな医師になれるというメリットがあります。
特に人気なのが、ハンガリーやチェコなど東欧の大学です。授業を英語で行っている上に日本から入学する学生が多く、支援体制が万全です。日本の私立大学よりも学費が安く、生活費を含めても日本の私立医学部より安いと言われています。このグローバルの時代に、英語で医学を学び外国の医師免許と日本の医師免許を両方持っていることは大きなアドバンテージになるかもしれません。
海外の医学部についてはこちらの記事でも触れているのでもしよければ読んでみてください。

医学部合格のために、偏差値65以上を目指そう
医学部の偏差値についてご理解いただけたでしょうか。
偏差値で全てが決まるわけでは無いので囚われすぎるのも良く無いですが、まだ偏差値が上がりきっていない人は、まずは60を目指して勉強を進めてみましょう。
自分自身の自信にもつながりますし、受験生の中で自分がどの位置にいるのかも知ることができますので有効に活用していきましょう。
みなさんの受験でも、サクラが咲きますように。
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