【2023最新情報】国際性や英語とともに異分野連携を強める大分大学医学部!
「大分医科大学」という名前を聞いたことはありますか?
1976年に大分医科大学は設立され、1981年には同附属病院が開設されました。
そして、2004年のいわゆる「国立大学法人化」の1年前である2003年に、旧大分医科大学と旧大分大学が統合し、新制の大分大学になりました。国公立大学にとっては独立法人化や統廃合が一気に行われた時期であり、医学部や医学部附属病院も荒波を乗り越えて存続を勝ち取りました。
Contents
領域・業種横断的で「起業もできる人材」を目指す新学科
医療マネジメントの知識や起業家精神も重視
なんといっても大きなニュースは、医学科と看護学科しかなかった医学部に、2023年4月に「先進医療科学科」が新設されたことです。
公式サイトによると、先進医療科学科が育成を目的としている人材は以下の通りです。
大学・企業研究者
医療従事者
起業家
医療事業マネジメントを行える人材
全体的に、「研究者であり医療者でありながらも、業種の垣根を越えて、企業においても医療事業を発展させ、医学や医療を研究開発できる人材」を育成しようとしています。
ある意味で、大学や大学病院の外に出て、民間企業での研究開発職との連携や、その深化を目指そうとする意図が込められており、まさに未来の「医療社会」を担い発展させていく強力な人材を育成する、意欲的な新学科であります。
公式サイトには、教育目標が以下のように書かれており、引用します。
- 生命の尊厳と人権を守り医療社会の発展に尽力できる誠実な人材。
- 医学・医療の素養を持ち、さらに生命科学、理工学、医療マネジメントの知識と技術を備えた、未来の医療を研究・開発できる人材。
- 医療に関連する様々な領域、業種の垣根を超えた橋渡しを果せる、社会性と多様性、コミュニケーション能力を持つ人材。
- 研究者精神、起業家精神と豊かな想像力を持ち地域社会のみならず国際的にも活躍、貢献できる人材。
生命医科学の先進領域をきわめる生命健康科学コース
先進医療科学科は2つのコースに分かれており、そのうちの1つが「生命健康科学コース」です。4年制です。公式サイトには以下のような説明があります。
医学部内に設置された利点を活かし、医学科と同等レベルの医学教育を受けることで医学的な素養を身につけ、がんゲノム医療(中略)など生命医科学の先進領域と臨床検査・診断の先端的な専門知識と技能を修得します。
さらにAIや情報処理、医工学、医療マネジメントに関する融合領域の教育を受けることで、幅広い視野を持ち、未来の医学・医療の基盤を支えるイノベーションを創造できる生命科学、医療科学の研究者の育成を目指します。
なお、卒業後の進路としては「大学院進学」「大学・企業の研究者」「医療機関、製薬企業、検査会社、研究所の専門職」が挙げられていますが、やはり大学院進学が冒頭に置かれているように、大学院学位を前提とした高度な専門職を理想としていることが察せられます。
というのも、「大学・企業の研究者」に関して、先進的な自然科学においては博士号を持っていなければ大学研究者はほぼ不可能ですし、企業の研究者に関しても理系分野では最低限、修士号が求められます。
大学院に進学しなければ理想の就職が難しいことを念頭に置いたうえで、計画的に、粘り強くポスト(職場)を探していくことが肝要であることに違いありません。
ですが、医科学・生命科学ならではの利点として、単位を取得することで国家試験等の受験資格を得ることができます。それが以下の4つであり、やはり手に職をつけるために資格等を取得しておくのが望ましいと言えます。
・臨床検査技師国家試験・毒物劇物取扱者試験・第2種 ME 技術実力検定試験・遺伝子分析科学認定士(初級)試験
人工臓器や医療機器をきわめる臨床医工学コース
もう1つのコースが「臨床医工学コース」であり、こちらも4年制です。
こちらのコースは、以下の知識や技術の修得などを目標の1つとしています。
・医用機器学・人工臓器学などの医工学の先進領域に関する知識
・最先端の生体機能代行装置の操作技術
卒業後の進路として挙げられているのは、「大学院進学」「大学・企業の研究者」「医療機関、医療機器開発メーカー等の専門職」です。やはり大学院進学や、研究者が初めに挙げられています。
また、得ることができる受験資格として、やはり複数のものがあります。
・臨床工学技士国家試験 ≪国立大学初≫・毒物劇物取扱者試験・第2種 ME 技術実力検定試験
融合領域を学ぶ「先進医療学科」
先進医療科学科は、2つのコースのいずれも、学生さんたちは融合領域や学際的領域を必ず学ぶことになります。かつて大学院に分与された教育研究機能を、再び理系学部に戻そうとする野心的試みに属する新学科であって、教授陣と所属学生が力を合わせて発展していくものです。
多少のデメリットを恐れない、大胆で豪胆なチャレンジ精神が求められるものであり、またそれを養うこともできるでしょう。
最近は日本でも、大学教授ではない「民間企業の研究者」が理系のノーベル賞を受賞するようになってきましたが、このように「大学より民間企業のほうが研究で強い」という状況は、すでにアメリカやドイツでは当然でした。
このような民間での研究職と研究開発を推し進める動きの一つでもあります。さしあたって現在の日本の自然科学では、「そのために最低限、修士号は取っておきたい」という状況です。
医師になる道ではありませんが、新学科では2つのコースのいずれも「医学科と同等レベルの医学教育」を掲げられています。
自然科学に続いて、人文科学や社会科学も民間での研究が盛んになることも予想されています。
ある意味で、理系の研究と文系の研究は、国を興隆させ推進するための「両輪」です。そのため、医師を育成するのはもちろんのこと、「学者も養成しなければ国や社会は発展しない」という考え方があります。また、そのためには、論文の読み書きに必要な英語力も必要です。新学科の創設も関係しているのか、大分大学は医学部全体で1年次の教養における「医学英語」に力を入れています。
大分大学医学部の先進医療科学科の公式サイトは以下のリンクよりご覧になれます
医学科は一般選抜と総合型選抜ともに「地域系の枠」
新卒生の国家試験合格率は約94%
一般選抜の医学科の偏差値は62.5で、先進医療科学科は偏差値47.5
一般選抜において、看護学科や先進医療科学科は前期と後期の両方で入試を行っている一方、医学科は前期日程のみの入試です。
医学科入試は、一般選抜では、「一般枠」と「地元出身者枠」の2つがありますが、いずれも偏差値は62.5で、共テ得点率は79%であるのが特徴です。
なお、先進医療科学科の前期日程は、2つのコースのいずれも偏差値47.5で、共テ得点率は59%です。入学しやすく狙い目と言えますが、研究職や開発職に就くためには知識と力量が必要ですので、偏差値から判断すると、理想の進路を歩むためには、入学してから大学や大学院で相当努力することが必要であると推察されます。
やはり、医学科合格への道のりは、険しいものではありますが得られる物も多く、医学科に入学すれば同時に安定した将来をも手にすることができるのです。
医学科も総合型選抜を実施
大分大学の医学科の入試は、一般選抜だけでなく、総合型選抜もあります。
医学科の総合型選抜では、「個別学力検査」が「筆記」ではなく「個人面接」になっているのが特徴で、「共通テスト + 個人面接 + グループディスカッション」で合否が決まります。
なお、医学科の一般選抜では「地元出身者枠」がありましたが、医学科の総合型選抜には「地域枠」があります。
2024年以降に実施される入試の定員や要件については公式サイト等の最新情報を確かめていただきたいのですが、参考までに2023年度の医学科の入試要項の一部を抜粋して掲載します。
大分大学医学部の公式の入試情報ページは以下のリンクよりご覧ください。
なお医学科の「個人面接」では、医師志望理由と本学志望理由を中心に、「高校生活の様子を知る」という観点から課外活動や通塾状況などについても問われるということです。
では皆さん、適宜息抜きをして疲れを取りながら、コツコツ頑張っていきましょう!
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