研修医の後期研修・専門研修とは?平均3〜5年の修行が必要

医者のキャリア

初期研修の次にやってくるのは、「後期研修」いわゆる「専門研修」です。

初期研修についてはこちらの記事で説明していますので、興味のある方はご覧くださいね。

初期研修→専門研修という流れがオーソドックスです。

以前は後期研修と呼ばれていましたが、専門医制度の切り替えによって、専門研修と呼ばれることが多くなりました。

この記事では、「専門研修」について解説していきます。

専門研修は専門医になるための数年間の研修期間

専門研修を端的に言うと

「〇〇科の医師です。」

と名乗れるようになるための研修と言っても良いかもしれません。

例えば消化器内科医になりたい!と思ったら、研修制度のある病院の消化器内科で数年間研修を受けます。

専門研修の期間は診療科によって異なり、3〜5年くらいです。研修期間は各専門医機構によって定められています。

その後「専門医試験」と言う試験に合格すると、

「私は消化器内科医です」と名乗ることができるようになります。

初期研修と同じ病院で研修する人もいますし、別の病院に移って研修をする人もいます。

専門研修の病院選びは紹介が多い

 後期研修病院の選び方は、大学時代に教わった先生の紹介など実は人の繋がりで選ぶ方が多いとのことです。
初期研修でローテーションしているときに、どこかの先生が「うちの診療科に来る?」と誘ってくれることもあります。

 お給料や忙しさも病院によって異なるため、医学生は4年生くらいから病院見学に行って自分に合う病院(まずは初期研修病院)を選んで行きます。

大学病院と市中病院の2つの選択肢がありますが、

大学病院は教育機関としての責務がありますし、学生なども多くいます。

また研究機関でもあるため、沢山の症例が集まりやすいです。

一方で、市中病院はより地域密着型のため、近所の人が通っていることが多く、患者さんと顔馴染みになったりもします。

また大学病院に比べて医師の数が少ないことが多いため、研修医になんでもやらせてくれるところが多い印象です。

「研修というと大学病院」というイメージがある方が多いと思いますが、最近では市中病院で研修を受ける人も増えています。

大学病院で働くとなると、「忙しい」ことは覚悟しておいたほうが良いです。

三次救急として、地域医療の最後の砦となることもありますし、日本にない症例・重篤な患者さんも来ることが多くなるので、その人達への医療提供をしなければなりません。また大学病院なので研究もしなくてはなりません。

大学病院のお給料は安めなので、後期研修に入ると外勤、いわゆる「アルバイト」を休日に多くの医師が行います。初期研修では、多くの場合バイト禁止です。

金額は1日8万円ほどと平均的なアルバイトよりもかなり稼ぐことができます。

 現在は「マッチング」という制度が取られており、医師免許を得て臨床研修を受けようとすると、研修病院の研修プログラムとを研修希望者及び研修病院の希望を踏まえて、一定の規則に従って、コンピュータにより組み合わせを決定するシステムです。

詳しくはこちらからご覧ください。

働く医療専門家

専門医取得には規定のプログラムが必要

専門医の認定試験を受験するためには、規定のプログラムを履修している必要があります。

数年前に新専門医制度が誕生しました。この制度は、厚労省のHPで詳しく説明されていますので、参考にしてください。

この新専門医制度に則って決められた専門プログラムのもと、勤務することになります。

マイナー科の専門医を取りたい場合、地方の市中病院ではそもそも診療科がないということもあります。

市中病院よりも大学病院の方が多くのプログラムが用意されています。

専門医取得で一人前、その後のキャリアは2通り

専門研修を終えて晴れて〇〇専門医になるのは、最短で29歳です。

現役合格だとしても医師国家試験合格時点で24歳、初期研修修了時点で26歳、後期研修修了時点で29~32歳です。

専門医を取得していよいよ「1人前」の医師となった後のキャリアはどのようなものがあるのでしょうか。

大きく分けて3通りあります。

1、大学病院に残り、出世を目指す

最初から研修先に大学病院を選び、後期研修後も残った場合、順調に行けば講師→准教授→教授と出世していきます。
40歳ごろには自分がどこまで出世できるか、出世コースの先が見えてきます。
40歳から50歳前くらいまでは、このコースを取る人が多いですね。

2、民間病院に転職する

民間病院に転職する場合、主に3つのパターンがあります。

  1. 専門性を追求したり、腕を磨きたい場合
    ESE(運動負荷心エコー検査)ができる医療機関など、専門の分野に特化した病院に勤めれば自分の専門性を高められます。
    より多くの症例に携わることで、医師としての腕を磨くことを目標とする人もいます。
  2. プライベートと両立させたい場合
    民間病院のほうが休みや勤務時間などの相談により柔軟に対応してくれます。
    プライベートを充実させたかったり、あるいは子育てなどとの両立を目指したりするために転職される方もいます。
  3. ポストを手に入れたい場合
    麻酔科の部長や副院長など、キャリアアップを目指して転職される方もいます。

専門医は研修医からのレベルアップ!

高齢化に伴い、総合的に病態を把握することが求められる作興ですが、専門性の高い医師も必要不可欠です。

その道のスペシャリストに診察してもらうと、患者さんも安心します。

一人前になるために数年間の研修を乗り越える必要があります。

長い道のりに感じるかもしれませんが、医師になってからのことをイメージして、受験生のモチベーションにつながることを願っています。

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