医学部小論文の対策はこれで完璧!合格を引き寄せる書き方とは?

医学部入試情報

医師という職業に何となく憧れがあって医学部受験に興味があるという方から、親が医師だから医学部に進学することを決めているという方まで、「医学部の小論文について不安がある」「小論文の書き方を知りたい」という方は多いと思います。

本日は、医学部の小論文の特徴から、何を書いたら良いかまで、分かりやすく解説します。

医学部の小論文の特徴:医系用語が注なしで出題

医学部の小論文の最大の特徴は、大学によっては医系用語や最新専門用語が語注なしで出題されることがある点です。出題する教授にしてみれば、「近い将来、医師になるんだから、これくらいは勉強していて知っていて当然ですよね?」ということでしょう。あらかじめ小論文対策の参考書や、医系用語集で勉強していて熟知しているに越したことはありませんが、万一知らない用語が出てきても、うまく推測し、外堀から埋める感じで書き始めて、論旨の通った論文に仕上げましょう。

また、医学部の小論文の出題パターン(形式)としては、主に以下のものが挙げられます。

①「自由論述型」

「〇〇について、あなたの考えを自由に論じなさい」というパターンです。論理的に破綻の無いような構成をあらかじめ決めてから書き始めるのが重要だと言えます。

②資料分析型

図表やグラフが示され、それを元に論じていくパターンです。文系学部では出題されないパターンで、小論文の出題形式としては最も高度だと言えます。まず図表やグラフを正確に分析し、自分なりの説明を与えてから、意見や論を展開していくようにしましょう。

③課題文型

「次の文章を読んで、あなたの考えを述べよ」と、先方から課題文が提示されるパターンです。課題文の筆者が何を言いたいのかを理解し、その理解をアピールしつつそこから問題点や問題意識を引き出し、自分なりの意見や論を展開していくことが重要です。

小論文の書き方のコツ:葛藤する要素を入れ込む

医学部の小論文に関しては、「医系用語」や「最新医療用語」が注なしで出てくる可能性があること以外は、特に気にする必要のあることはありません。逆に言えば、文系学部などで小論文が出題される大学と同じように書けばよいので、そこまで深い対策をする必要はないと言えます。ただ、万が一、知らない専門用語が出てきたとき、くれぐれもパニックを起こさず、冷静に知っている知識を論理的に展開していくようにしましょう。

まず、「序論」「結論」「まとめ」という西洋式の構成(3つの塊)か、「起・承・転・結」という日本式の構成(4つの塊)で書くかを決めて、問題用紙の空いているスペースなどに、自分なりの構成や要約をまとめてから、本題を執筆するようにしましょう。構成をあらかじめ決めておくことで、自分なりの全体の流れを把握できるようになり、小論文全体で矛盾が生じたり論理的破綻を来たしたりすると言った事態を避けることができます。

そして、「序論」もしくは「起」の部分では、与えられたテーマを自分がどう受け止めたのかを明確にし、これから詳しく論じていく内容の出発点となる「問い」や「原点」や「問題点」「問題意識」をはっきりと打ち出すようにしましょう。それらの「問い」や「問題意識」に基づいて、「本論」や「承・転」の部分で詳しく本格的に論を展開していく流れとなります。

さらに、「本論」や「承・転」の部分では、テーマが内的に孕(はら)んでいる問題点や、テーマとなっている題材が波及している様々な諸問題を扱います。それらの問題が発生している理由や背景を様々な観点から具体的に論じて、「卒業論文やレポートの一番大事な部分」のように、学者になったつもりで、あなたなりの知識・知見や他人の意見をいろいろと組み込み、具体例を挙げつつ、それらを上手に組み合わせながら文章や論理を発展させていきましょう。

そして、それらの問題点がどうすれば解決されるのか、あなた自身の考えや方策を具体的に述べます。この部分では、「あなたなりのオリジナリティ」と、「論理を深く発展させていけたか」ということ、さらに「具体的に知識や意見や理由や背景など様々な材料を「料理」できているか」が重要なポイントとなります。

ここで、この「本論」や「承・転」の部分を書くにあたって、説得力のある立派な論文に見えるためのコツをお教えします。それは、「葛藤する要素や、対立する関係」を上手に描ききり、論文全体の性質向上のために利用することです。たとえば、一般的な文系の小論文では、「業者は、湾を干拓したがっているが、住民や漁業者は環境が破壊されるので反対している」という事実や、「政府は原子力発電所を僻地(へきち)に建設したがっているが、僻地の住民は健康への影響という観点から反対している」といった対立関係を組み込むと本格的に響きます。医学小論文でも同じことなので、「欧州諸国では、患者の意思の尊重と尊厳維持という観点から積極的安楽死を認めているが、日本では限りある命を少しでも維持するために延命措置を取り続けることが多い」といった対立要素、葛藤しあう要素を組み入れられると論文として本格的に聞こえます。

最後に、「結論」もしくは「結」の部分では、なにか新しいことを論じたり付け加えたりする必要はありません。これまで書いて論じてきた内容を振り返って、説得力を持ってあなたの論を響かせられるように、読んだ人に馬鹿にされないように、補強すべき点は補強して、繰り返し強調すべき点は強調しておきましょう。「これは読んだ人にうまく伝わらないかもしれない」という点については補足説明を加えてもいいですし、緊張した状況で一気に書き上げたために何か書き忘れた点があればここで書き足しておくのも良いでしょう。

また、誤字脱字がないかに注意し、指定された文字数と時間配分に気をつけましょう!

小論文で書いたことが、面接の場で読まれることも

医学部に限らずどこの大学でもいえることですが、あなたが小論文で書いたことが、面接の場で教授によって読まれることがあります。軽く一文だけを突っ込まれることもあれば、一段落丸ごと読まれることもあるでしょう。そういう心構えをしておけば、いざ小論文で書いた内容を突っ込まれても対応しやすくなります。

また、なるべくなら、面接で突っ込まれたときに上手に説明・対応できないことは書かない方が得策だと言えるでしょう。そしてもちろん、面接で教授に読まれたときに恥じないような、社会的・論理的・倫理的に整った立派な文章を書くことが肝要です。医系用語集や、小論文対策の参考書を読むときに、「どうすれば立派な大人の文章を書けるのか」を念頭に置いておくだけで、全然違うと思います。

医師になりたい強い意志や、確固たる理由を書く

これは最後の補足ですが、意外と重要なことです。小論文と面接で、大学側は、将来医師になるにあたって社会的・人格的・道徳的・体力的に問題がないかを判別しようとしています。そういった事情のため、小論文の中で、「何としても医師になりたいという強い意志」や「どうしても医師になりたい確固たる理由」を混ぜ合わせることができれば、さらに強いアピールができると言えます。まだ学士課程の入試なので、医師になることが子供の頃からの(あるいは高校時代からの)夢であるならば、どうして医師になりたいことが強い夢であるのか、淡々と書き綴っても問題ないと言えます。

いかがでしたか。小論文対策にあまりたくさんの時間をかけることはお勧めしませんが、小論文と面接でラストプッシュして合格をつかみとることもできます。通学時間など、スキマ時間を用いて自分なりの論文をイメージしておくのもよいかもしれません。

 

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