大学受験は塾なしでも合格できる?独学で勉強するポイントを解説!
「大学受験」というとなんとなく「塾や予備校に通う」こととセットにして考えてしまいがち。
しかし、「受験したいけれども塾代が心配」「そもそも田舎で周囲に通いたい塾がない」という受験生も多いでしょう。
今回の記事では、大学受験に塾なしで挑む人がどれくらいいるか、独学で勉強する際にはどのような点に注意すべきかを解説します。
塾に通わずに大学受験をしたいと考えている人や、どれくらいの人が塾に通っているかが気になる人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
Contents
塾なしで受験するメリット・デメリット
まずは、大学受験において塾を利用しないことについてのメリットとデメリットについて確認しておきましょう。
【塾なしで受験するメリット】
・塾代がかからない
・上手に計画を立てれば効率がよい
・自分のペースで勉強できる
塾に通わず受験することの最大のメリットはやはり「塾代がかからない」こと。
塾に使う分のお金を受験料や学費として取っておけるため、受験できる学校が増えたり、一人暮らしをして遠方の学校に通ったりと進学先の選択肢が増える可能性があります。
また、塾で授業を受けるとどうしても「既に分かっている部分の説明」「自分の志望校に関係ない対策」などどうしても無駄な時間が発生してしまいますが、自分で勉強している場合はそれらの無駄な時間をカットできるというメリットも。
塾の時間やスケジュールに縛られず、自分の理解に合わせて勉強もできるでしょう。
【塾なしで受験するデメリット】
・参考書選びやテキストで迷う・間違う可能性がある
・ライバルを意識しにくい
・自習室などの設備を利用できない
・わからない時に質問できない
塾に通った場合は、「時間とお金はかかるが、プロのアドバイスを受けられるため間違った選択をしなくて済む」のが大きなメリット。
塾に通っていないと、参考書やテキスト、勉強方法などが間違っていても気づきにくくなりますし、受験計画の見通しが甘くても指摘してくれる人はいません。
また、塾に通わないと家やカフェなどを中心に勉強することになりますので、ライバルに会う機会も減ってしまいます。
参考書などでわからない部分があったときも、塾ならすぐに先生に質問ができますが、塾に通っていない場合は学校の先生に聞くか、自分でどうにか解決するしかありません。
すぐに解決できなかったり、わからないものがわからないままになってしまいがちな点にも注意が必要です。
【大学受験で塾に通うことについてのメリット・デメリットについて、詳しくはこちらの記事も参照してください】
大学受験に塾なしで挑む人の割合
では実際、どれくらいの割合の人が塾に通って大学受験をしているのでしょうか。
残念ながらこれについて正確な値はわかりませんが、いくつかの研究からある程度の推測ができます。
学研の「高校生白書」、ベネッセの「学校外教育活動に関する調査」・「学校基本調査」から考えてみましょう。
高校生白書2018・2021
学研が行っている高校生白書の調査によると、高校3年生で「受験のための塾・学校の補習のための塾」に通っている人の割合は以下の通り。
2018年 | 2021年 | |
高1 | 29.0% | 20.5% |
高2 | 26.0% | 16.5% |
高3 | 28.0% | 19.5% |
また、2017年の調査では高校3年生の28%が塾・予備校について「熱心に通っている」「熱心ではないが通っている」と回答しています。(高校1年生は計19%、高校2年生は計20%)
大学・短大進学予定者ではやや「熱心ではないが通っている」人の割合が増えているものの、全体として塾・予備校に通っている人のパーセンテージは28%と変わっていません。
学校外教育活動に関する調査 2017
似たような調査で、ベネッセが「学校外教育活動に関する調査」という調査を行っています。
それによると、学校外の何らかの教室に通っている人の割合は以下の通り。
2013年 | 2017年 | |
高校生 | 38.4% | 36.3% |
この調査では塾に限らず、塾以外にも趣味の英会話やプログラミング教室などもあるため、実際に塾に通っている人の割合よりも高めに出ている点に注意が必要です。
では塾に通っている人はどれくらいか、というと「この1年間で、お子様が定期的に通っている塾・教室はありますか(複数回答)」という質問で高校生全体で調査されており、それについては以下の結果が出ています。
2013年 | 2017年 | |
受験勉強をするための塾(進学塾) | 20.6% | 20.8% |
学校の補習をするための塾(補習塾) | 8.0% | 5.1% |
学校が行う補習教室(放課後や土日など) | 6.7% | 6.2% |
複数回答ありなので、実際に塾やそれに準ずるものに通っている人の割合は、2017年では20.8%〜32.1%、2013年では20.6%〜35.3%の割合の範疇になるでしょう。
「第5回学習基本調査」報告書 報告書 2015
高校生白書・学校外教育活動に関する調査はどちらも「高校3年生全体」が対象。
中には受験せず就職する人や、専門学校などに進む人も多く含まれています。
「高校3年生全体ではなく、受験する人のうちどれくらいが塾に通っているかが知りたいんだ!」という人も多いでしょう。
2015年とやや古い調査ですが、それについて参考になるのがベネッセの「第5回学習基本調査」です。
この調査によると、高校生全体で「学習塾や予備校に通っている」と答えた人の割合は27.2%。
ベネッセはこれをさらに偏差値別に分けて調査しています。
偏差値帯 | 「学習塾や予備校に行っている」と答えた人の割合 |
55 以上 | 35.6% |
50 以上 55 未満 | 29.6% |
45 以上 50 未満 | 22.5% |
45 未満 | 15.1% |
3つの調査から考えられること
この3つの調査から考えられることは、「コロナ禍以前は塾通いをしている人は高校生の3割程度いたと考えられるが、現在はそこまでではないのではないか」「多くても全受験生の35%程度しか塾には通っていないのではないか」ということです。
というのも、2015年〜2018年の調査では、どの調査結果でも高校生の塾・予備校通いは概ね3割弱と考えられるのに対し、2021年の高校生白書でのみその割合がガクッと落ちているからです。
コロナ禍により対面授業を行う塾が少なくなり、また同時に映像授業などのコンテンツが充実してきたことにより、以前ほど塾や予備校に通うという選択を取る高校生が減ったのではないかと考えられます。
また、偏差値が高くなるほど塾に通っている生徒が多くなるのは当然ですが、「第5回学習基本調査」によると偏差値55以上でも35.6%。
しかもこれは2015年の話なので、現在ではもう少しその割合が少なくなっている可能性が高いのではないでしょうか。
「大学受験をするのに、塾や予備校には行かない」という選択肢は、割とスタンダードなものである、と言えるでしょう。
塾に行かず勉強する際のポイント
塾に行かずに勉強していると、プロの指導や監視がないため、どうしてもだらけてしまったり、思うように勉強が進まなくなってしまう可能性が高まります。
塾や予備校に行かず、大学受験を成功させるためのポイントを知っておきましょう!
計画をしっかり立てる
大学受験を成功させるためには、まず「受験計画を正しく立てる」ことが必要となります。
受験計画とは「自分の現在の実力を把握し」「志望校のレベルを把握し」「その2つのギャップを埋めるためには何をすべきか考える」ということ。
この計画がしっかりしていない場合、どんなに勉強していたとしても合格は難しくなってしまいます。
模試の偏差値や合否判定といったふんわりとしたレベルではなく、「出やすい分野・問題形式は何か」「教科ごとに自分は何点を取ればいいのか」といったより解像度の高いレベルで自分と志望校について分析し、何が足りないのかを考えましょう。
【勉強計画について詳しく知りたい人はこちらの記事も参考にしてください】
モチベーションを維持する
受験計画は立てるだけではなく、確実に実行しなくてはなりません。
塾なしで受験する場合は宿題のように強制力のある形で課題が出ませんし、決まったペースで授業が進んでいくわけでもないので、だらけようと思えばいくらでもだらけられてしまいます。
そうなってしまわないよう、モチベーション管理と自己管理がより重要です。
毎日継続的に勉強を続けるには、勉強を「やる時間」や「やる場所」を決めてしまい、基本的に同じペースで勉強しつづけることが有効です。
勉強を習慣化してしまうことで、大きなモチベーションがなくとも勉強を続けられるようになりますし、毎日の勉強量が一定になることで計画の進捗把握がしやすくなります。
正しい勉強方法を知る
塾に頼らずに受験を成功させるには、自分1人で成績を上げられる勉強法を知っている必要もあります。
例えば英単語や漢字を覚える時にひたすらノートに書いたり、数学のわからなかった問題の答えをただ写して終わり……にしてしまっているようだと、なかなか成績は上がりません。
そうではなく、1問1問について「なぜ間違ったのか」「どこを直せばいいのか」「類似した問題との違い」などを自分で分析できるようになってはじめて成績の上昇に繋がります。
自己分析が正しくできると、自分の学力やできないところ、できるところが正確にわかるようになるため、自分の使うべき参考書や、どの勉強にどれくらい時間をかければいいのかも正確に分かるようになります。
映像授業などを積極的に活用する
状況によっては参考書だけでなく、アプリや映像授業など、塾や予備校より安く勉強できるコンテンツを活用するとより効率よく勉強を進められるでしょう。
特に苦手な教科は、文字だけでなく動画で見ることでより理解しやすくなります。
苦手部分だけ視聴したり倍速で視聴したりと自分のペースで勉強を進められるので、独学との相性は抜群。
プロの指導を受けられるので、本当は塾に通いたいのだけれど、費用面や立地面で諦めている……という人にもおすすめです。
塾と独学、それぞれのメリットを考えて勉強しよう
独学で勉強すれば時間や場所にとらわれず、また費用を抑えて大学受験ができます。
しかしその反面、独りよがりな勉強になっていたり、全く見当違いなことをしていても止めてくれる人はいなくなってしまうというデメリットも存在します。
「塾に通わずに受験したい!」と思うなら、まず自分が独学できるタイプなのか、そうではないタイプなのかをよく考えるようにしましょう。
また、例えば「講習期間だけ通う」「苦手科目だけ通う」など、全部を塾に頼り切りにせず、できるところは自分で勉強し、できないところだけ塾に通うという使い方もアリです。
塾と独学、それぞれのメリットを知って賢く使うようにしましょう!
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