医師国家試験を解説!第117回の合格者が教えます!

現役医大生の実情

受験生の皆さん、医師国家試験がどういうものか詳しく知っていますか?

ニュースで今年の合格率が報道されているのを見たことがある人もいるのではないでしょうか。

今回は、実際に117回医師国家試験を受験して合格した私が、国家試験の概要や対策について説明します。これさえ読めば、あなたも少し医師国家試験合格に近づくかも!?

第117回医師国家試験合格発表の結果は?

合格発表の日時

医師国家試験の合格発表は、厚生労働省のホームページにて公開されます。

第117回の合格発表の日時は、3月 16日 14時(午後2時)に公開されました!全国12箇所の試験会場ごとに合格者の受験番号が公開されます。

発表直後はアクセスが集中して、すぐには見れなかった人も多いようですが、10分経った頃には、多くの受験生がアクセスできる状態になっていました。

また、合格発表の2、3日後には合格基準と自分の得点が記載された成績通知書と合格証書が、厚生労働省から送られてきます。これが届くと合格した実感が少し湧いてきますね。

第117回医師国家試験合格率

医師国家試験の合格率が気になりますよね!この結果は厚生労働省のホームページより見ることができます。

2023年の出願者数は10,586人、受験者数は10,293人、合格者数は9,432人、合格率は91.6%でした。

新卒者の出願者数は9,703人、受験者数は9,459人、合格者数は8,972人、合格率は94.9%でした。

出願者数 受験者数 合格者数 合格率
新卒者 9,703人 9,459人 8,972人 94.9%
全 体 10,586人 10,293人 9,432人 91.6%

(出典)https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2023/siken01/about.html

合格基準は以下の通りです。第117回医師国家試験の合格基準は、

  1. (1)必修問題は、一般問題を1問1点、臨床実地問題を1問3点とし、
    総得点が、 160点以上/200点
  2. (2)必修問題を除いた一般問題及び臨床実地問題については、各々1問1点とし、
    総得点が、 220点以上/295点
  3. (3)禁忌肢問題選択数は、2問以下

となっていました。

第117回医師国家試験の大学別合格率

全国に82校ある大学の大学別合格率も発表されています。気になる方は、厚生労働省から発表されている以下のサイトより閲覧できます。

表を見ると、国公立、私立、その他の大学に分けて大学ごとの合格率が発表されています。合格率を比べてみてわかるのは、どの大学も合格率はさほど変わらないというところです。特に、国立、私立で差があるわけではなく、各大学ごとの方針によって結果が分かれることとなっているのは、よくわかるでしょう。

医学部受験生の皆さんは、この大学ごとの合格率を見てどの医学部を受験するか決めても良いかもしれませんんね。

医師国家試験の概要

当日の詳細について

医師国家試験は毎年、近年は2日間に分けて行われます。(6年前までは3日間に分けて行われていました。)

第117回は2月4日と5日の2日で行われました。例年、2月の第1土曜日と日曜日に行われることが多いです。

試験は全部で6ブロックに分けられていて、1日あたり3ブロックずつ行われます。

時間割は、両日ともに

9:30-12:15(165分)、13:35-15:10(95分)、16:00-18:30(150分)

と丸一日掛けて行われます。2日間で合計400問の問題を解くことになります。

センター試験を受けたことがある人は、その感覚に近いかもしれませんね。間の休み時間も決して長いわけではないので、お昼ご飯や軽食を食べる時間はありますが、十分な休憩は取れない人が多そうです。同じ大学の人は、基本的に同じ会場になるため、緊張はほぐせると思います。

私の場合、軽食を食べた後は前のブロックの試験で出た内容で復習したい内容を見返したり、気分転換に友達と会場内を散歩したりしていました。自分なりの気分転換の方法があると良いかもしれません。

国家試験の対策は?

大学ごとに対策は異なる

国家試験の対策をどのようにしていくか気になる人は多いでしょう。対策は大学によって大きく異なります。

医学部の高学年では、一年を通して病院での実習をしている大学が多いので、合間を縫ってコツコツ勉強する必要があります。

その中で、大学で国家試験に向けた授業が組まれていたり、卒業試験において国家試験と同じような内容が出題される大学もあります。毎週テストがあって、大学にサポートしてもらえるような大学もあるようです。大事な範囲を見落とすことも少ないので、安心感もあるかもしれません。

私の大学では、国家試験の対策用の授業はほとんど組まれておらず、自分達で勉強を進めていく必要がありました。勉強を始めるタイミングも自由なので、自分のペースで学習を進めていくことができます。大学で教わらないで、どうやって勉強するのか気になりますよね?そういう人のために、国家試験予備校があります。こちら位については、次の章で説明します。

国家試験対策予備校もある

自分で好きなタイミングで勉強を進めるための、国家試験予備校が存在します。

多くの予備校では、テキストが紙でも電子媒体でも販売されていたり、映像授業が公開されているため、携帯やiPadなどの端末で気軽に学習することができます。問題等もスマホで解けるので、スキマ時間を利用できて、時間がない医大生にはとても良いコンテンツですね!

第117回の難易度は?

合格基準の推移は難化

第117回の合格基準の点数は先ほど示しましたが、このデータだけでは難易度がよくわかりませんよね。そこで、昨年度の国家試験と合格基準の点数を比較してみました。第116回医師国家試験の合格基準は、

  1. (1)必修問題は、一般問題を1問1点、臨床実地問題を1問3点とし、
    総得点が、 158点以上/197点
  2. (2)必修問題を除いた一般問題及び臨床実地問題については、各々1問1点とし、
    総得点が、 214点以上/297点
  3. (3)禁忌肢問題選択数は、3問以下

となっていました。

単純に得点率のみで比べると、(2)必修問題を除いた一般問題及び臨床実地問題における得点率が上がっていることがわかります。

先ほど挙げたように、全体の受験者から見た合格率は変わっていないので、受験生はより点数を取らなくては合格できなくなったということがわかります。

実際の受験生の手応えも難化

全体の合格者の割合は変わっていないのに、合格基準の点数が上がっているということは、問題の難易度が易しくなったのかと思う人もいるかもしれません。

しかし、実際に受けた私や私の周りの人の手応えとしては、問題が難化しているように感じました。

国家試験の前には模試を何回か受ける人が多いと思いますが、難易度が高く設定されている模試と同じかそれ以上に感じる人も少なくありませんでした。

実際に、問題を分析してみると、正答率が80%以上の問題が増えていると同時に、正答率が60%以下の難問も増えているという傾向にありました。長いコロナ禍もあって、多くの人が家で勉強に時間を割く割合が増えたことも、合格基準点が高くなった要因の1つにあるかもしれません。

医師国家試験について知ることが、まず最初の対策!

いかがでしたか?

今回は医師国家試験の合格率や当日の様子、対策方法についてまとめてみました。

医師国家試験に向けて勉強を始める医大生にとっても、これから医学部を受験する受験生にとっても、医師国家試験がどういうものか知ることがまず最初の対策です。これを読んだあなたは、少し周りの人よりも前進していることでしょう。頑張ってください!

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