東北地方の有名医学部5校の基本情報を解説【国試合格率・志願倍率】

医学部入試情報

日本には1つの都道府県に最低でも1つ医学部があります。

今回は、東北地方の医学部にフォーカスして紹介します。

東北地方の医学部である、山形大学、福島県立医科大学、弘前大学、東北大学、秋田大学を紹介してまいります。なお、福島県立医科大学は公立大学ですが、他4大学は国立大学です。

都心から3時間で着く地方医学部「山形大学」

戦後の高度経済成長に伴って、山形県民の生活は豊かになったものの、高齢化や過疎化が浮き彫りになって、山形県内の医師不足は深刻化しました。そこで、1968年に、山形県が、山形大学に医学部を設置する準備を始めました。様々な著名人が尽力を積み重ね、1971年に山形大学に医学部が設置されることが正式決定。1973年に、ようやく山形大学医学部が設置されました。同じく国立大学である岩手大学に医学部がないけれど、山形大学には医学部があるのは、決して単なる偶然ではなく、複雑な経緯と背景があるのです。

地方国公立の中でも倍率が高い

では、入試情報から紹介・分析をします。山形大学医学部は、2024年入試において、前期日程と後期日程の双方で入試を実施しており、募集人員は一般枠前期が60名、地域枠前期が8名、後期が15名です。やはり後期入試は定員の絶対数が少ないですね。

前期日程は、一般枠60名の募集に対し、志願者数は288名で、倍率は4.8倍です。また、地域枠では、8名に対して34名が志願したので4.3倍です。地方の大学の医学部としては、倍率が高めだと感じますが、2023年の一般枠前期日程の倍率は5.4倍ですから、今年の倍率はやや落ち着いたわけです。特に現役生を中心に、医学部受験生はこうした変化や波に翻弄されてしまうと思いますが、どんな時も慌てず、平常心で動くことが肝要です。また、様々な変化やハードルを予想して、受験戦略を立てましょう。

特に、医学部受験では、前年の倍率が高いと今年は低くなり、前年の倍率が低いと今年は高くなるという現象が起きがちです。また、受験科目の増加や形式の変化によっても倍率は左右されるのが現状です。

後期日程においては、15名の募集に対し、318名が志願しており、倍率は21.2倍。非常に高い倍率です。しかし、後期の場合、すべての志願者が受験するとは限りません。なぜなら、前期で他の国公立に合格していたり、私立の医学部に進学を決めている人たちは受けないことが多いからです。前期、後期のいずれも高い倍率になっており、ハードルが低めの地方の医学部を志願しつつも、国公立大に入りたい受験生が多いことが分析できます。

国立大学の中では、高い医師国家試験合格率を誇る

次に、国家試験合格率の数字を分析します。今年の医師国家試験において、山形大学医学部は、受験者数が129名、それに対する合格者数が124名で、合格率は96.1%となっています。全国では、20位の合格率です。日本には82校の医学部があるので、20位というのは上位に入りますね。

山形大学医学部には、医学科と看護学科があり、「総合大学ならではの幅広い教育内容」「高度な医療現場で行われる長期の実習」が特徴であるほか、とりわけ医師を養成する医学科においては「人間性豊かな信頼のおける医療」を目指しており、地域に開かれた医療が目標に掲げられています。国立大学医学部として、人間性や人間力の養成を重視しているほかに、発足の由来である「地域に根差した、地域のための医療」も重視されていることが窺えます。人間性や地域貢献の重視をベースに、国立大学としての幅広いアカデミックな教育・研究にも力を入れていると総括できます。

山形大学医学部の公式ホームページは、以下のリンクカードよりご覧ください。

東北で唯一の公立医学部「福島県立医科大学」

福島県立医科大学は、1944年に設置された医学専門学校を母体として、1950年に学部の設置が正式に認可されたものです。そして、少しずつ戦後の混乱から抜け出していく1950年代を通して、新制大学・研究機関としての体制が徐々に整えられていきました。県民から慕われている、歴史ある医科大学と言えます。

倍率は前期でも10倍弱

福島県立医科大学にあっては、2024年の最新入試において、看護学科は前期と後期の双方で入試を実施しているものの、医学科は前期日程のみの入試です。これから医学科入試のデータを分析していきますが、「極端」といって過言ではない、特徴のあるものになっています。

医学科の前期日程入試において、募集人員は一般枠45名、地域枠30名と、比較的少なめなのですが、それに対する志願者数は一般枠404名、地域枠115名と多く、倍率はそれぞれ9倍、3.8倍となっています。狭き門に多くの志願者が殺到している状況が分析でき、医学部受験が難関と言われるゆえんが、具体的根拠をもって示されています。ただ、2023年の倍率は10.5倍ですから、倍率は微減しており、これに救われた受験生もいたでしょう。地元県民と、他地方からの受験生、双方が志願した結果、倍率が高くなっているのが特徴です。

国試合格率はのびしろあり

では、国立大学医学部を優に凌(しの)ぐ倍率を誇る福島県立医科大学の、国家試験での奮闘ぶりが気になるところです。

2024年に行われた医師国家試験において、福島県立医科大学は、受験者数が134名、合格者数が127名であり、合格率は94.8%です。比較的、高い数字です。

福島県立医科大学の医学部の公式ホームページは、以下のカードリンクよりご覧ください。医学部の教育理念をはじめ、医学部の3つのポリシー、カリキュラムの特徴、教務予定表・授業計画など、多くの貴重な資料が公開されており、福島県立医科大学にしかない特徴を知ることができます。

同医科大学ならではの特徴のごく一部を紹介すると、患者と地域社会に貢献できる医師育成が目標に掲げられているほか、「いのちを尊ぶ心」「高い倫理観と豊かな人間性」「広い視野と適切な判断力」「地域の発展や福島県の復興に貢献する熱意」を備えた学生を求めているとあり、いわゆる地域貢献だけでなく、倫理的に高いレベルが要求されているのが最大の特徴の1つです。この「高い倫理性」は、必ずしも全ての国公立大学において「最大の目標の1つ」にされているわけではないのです。

福島県立医科大学は、あくまで「県立」ですから、県独自の方針にもとづいて、「高い倫理観」や「震災後の福島の復興に貢献できる熱意」などを目標に掲げているわけです。

本州の最北端医学部といえば「弘前大学」

りんごが美味しいというイメージのある青森県の弘前大学にも医学部があります。(※なお、岩手大学には医学部はありません。ニッチな情報ですが、知っていると役に立つ可能性も。

都心から離れていても倍率は高い

弘前大学医学部は前期課程のみの入試実施で、2024年の募集人員は一般枠50名、青森県定着枠20名です。それに対して志願者数は一般枠368名、青森県定着枠197名ですので、志願倍率はそれぞれ7.4倍、9.9倍となります。2023年の志願倍率は一般枠6.8倍、青森県定着枠7.2倍でしたから、受験生本人におきましては思わぬ難化に足を取られたと思います。

国試合格率は全国75位

では、国家試験の合格率については、弘前大学医学部はどうだったのでしょうか。「新卒者と既卒者の総計」で見ますと、受験者数は163名、そのうち合格者数は144名、従いまして合格率は88.3%となります。倍率の高い医学部であることを考え合わせると、「やや低め」「比較的低め」といってよい合格率です。

なお、以下のサイトによると、弘前大学医学部については次のようなことが言えそうです。「国立大学医学部の中では最も難易度が低いが、弘前大学医学部が誇る歴史や人脈や学閥を考えると非常に受験価値が高い」「地元に残る人材育成に力を入れる傾向にあり、近年、そういった目的で地域枠を増やしている」「昨今、面接の配点が激増し、若い人が有利となった」「2021年度から、2次試験が総合問題となり、問題構成が大きく変わった」などです。

こちらから弘前大学のホームページを見ることができます。詳しい情報を知りたい方はぜひご覧下さい!

研究医になりたい人にオススメ「東北大学」

東北大学は、東北地方にある旧帝国大学であり、「豊かな杜(もり)」に囲まれた自然豊かな環境のキャンパスでありながら、学問研究や科学における最大規模の砦の一つです。もちろん、医学部も付設しています。東北大学医学部は研究に力を入れているので、将来研究医になりたい受験生には候補に上がってくるのではないでしょうか。

難易度が高いが故に倍率は低い

まず、志願倍率の変化から見ていきましょう。東北大学医学部は、前期課程においてのみ入試を実施しており、2024年の募集人員は77名、それに対する志願者数は289名、それらによる志願倍率は3.8倍です。昨年の倍率が3.1倍ですから、ほぼ横ばいで安定していますね。やはり他の旧帝大と同じく、偏差値が高く入試難易度が高いことから敬遠する受験生が多く、受験を控える人が多いです。また、足切りを避けるために出願しない受験生も多い印象があります。ですが、もちろん東北大学のネームバリューと研究教育水準の高さ、ヒエラルキー、学閥、人脈などを考えれば、奮起して猛勉強しチャレンジする価値は大きいです。

国試合格率は96%で東北医学部のトップに降臨

では、東北大学医学部の国家試験合格率はどうでしょうか。結論から言うと、かなり高いといってよい数字です。既卒者と新卒者の総計で見ますと、受験者数が140名、それに対する合格者数は135名で、合格率は96.4パーセントという高い数字をはじき出しています。

なお、東北大学医学部医学科のホームページへは下記のリンクから飛ぶことができます。やはり、旧帝大が発足した当時からの目的と理念に沿って、学問研究や医学研究に携わる「研究医」の養成にも力を注いでいることが、他の医学部と一線を画している点です。学問研究に携わりたい人、研究職で生計を立てたい人、大学教授を目指している人、アカデミックな世界にあこがれている人などは、様々な要素を加味して検討しつつ、受験を試みる意義があります。

進級のしやすさNO.1の医学部「秋田大学」

なお、秋田大学医学部は、待望の戦後初の新設医学部であり、留年に関する基準が易しく進級しやすいと言われています。

下記の秋田大学医学部医学科の公式ホームページでは、医学研究に関する多様なニュースを閲覧することができますので、医学の道を志す人はぜひ目を通してみてください。

倍率・受験科目の観点からも狙い目

志願倍率の推移から見ていきましょう。秋田大学医学部は、前期日程と後期日程の双方において入学試験を実施しており、2024年の最新情報を前期日程入試から見ていくと、募集人員は55名、志願者数は258名、志願倍率は4.7倍、2023年の志願倍率は4.2倍です。倍率から見ると前期日程入試の倍率は微増しているものの、二次試験の学科試験では数学と英語のみなので、理科が苦手な受験生にとっても挑む価値は大きいです。

2024年の最新入試情報を、後期日程入試についても見てみましょう。募集人員は一般枠20名、秋田県地域枠4名、それに対する志願者数は一般枠369名、地域枠50名です。したがって倍率は一般枠18.5倍、地域枠12.5倍です。昨年の倍率は一般枠22.4倍、地域枠14.0倍です。後期でも入試を実施しているものの、後期日程については、ほぼすべての受験生にとって、合格の可能性が低い「チャレンジ枠の入試」となります。

旧帝に並ぶ高い国試合格率

では、秋田大学医学部の国家試験合格率はどうなっているのでしょうか。こちらについては、東北大学医学部に並ぶ、相当高い合格率を誇っています。2024年の最新情報によると、新卒者と既卒者を合わせた総計のデータは、受験者数が134名、それに対する合格者数が129名と、合格率は96.3パーセントであり、旧帝大である東北大学医学部の次に高い合格率を誇っています。

医学部の倍率と国試合格率に相関はない

どこの医学部も倍率は高い傾向にあります。

また、この記事は、大学の偏差値や国試合格率を評価するものではありません。いずれの大学にも素晴らしい特徴や力を入れている部分が必ずあります!受験生の皆さんには様々情報に触れて、「本当に行きたい大学」を見つけてほしいです。

入ってからも勉強は必須です。実際、テスト前は受験生と同じくらいまたはそれ以上に勉強します。それくらい時間をかけないと、医師国家試験には合格できません。

平坦な道のりではありませんが、その過程で得ることができる知識・価値観などは人生にとって大きな影響を与えてくれます。

皆さんにも良い結果が訪れることを心から願っております。

なお、今回の記事の医師国家試験の合格率はこちらのサイトを参考としています。

入試倍率のデータは河合塾のものを参考にさせていただきました。

皆さんの検討している受験校についてもぜひ見てみてください!

ピックアップ記事

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

【2024年版】 現役医大生が選ぶ医学部予備校おすすめTOP5