【2022年速報】多様化する入試制度!各医学部で合格発表あり2次試験へ

医学部入試情報

医師になるためには医学部医学科に進学しなければなりませんが、大学である以上、入試がありますし、様々な大学側の事情、あるいは医学上・臨床上の都合から入試制度や入試問題は刷新されて行っております。

今回は、最新の情報を含め、多様化し、革新的になっていく医学部の入試制度や入試システム、選抜方法の一部を厳選してご紹介します。

斬新な入試制度!帝京大学医学部は「全員補欠」に

現役生も浪人生も、どうしても医師になりたいということで、帝京大学医学部を併願する人は多いと思います。

2月3日、4日に2次試験を行った帝京大学医学部で、2次試験合格者の発表がありました。帝京大学医学部の合格発表は受験生が自分の受験番号と生年月日で合否を確認する方式となっています。したがって、合格者全員の受験番号を発表するわけではありませんので、帝京大学医学部の正規合格者数は不明です。

また、正規合格者には合格通知が送られてきますが、2次試験を受けたものの正規合格とはならなかった受験生に対して、補欠通知は全くありません。

したがって、帝京大学医学部の2次試験を受けて正規合格とならなかった受験生は、全員が補欠状態ということになります。そう考えて間違いではないのです。帝京大学医学部は「追加合格者を出す場合、本学より本人に郵便または電話にて連絡します」と、しています。

ある日突然、帝京大学医学部から「追加合格になりました」と電話が来る方式です。どうですか。斬新だと思いませんか。電話1本で、医師という将来が確定するのですから。

帝京大学医学部では、正規合格者数や補欠者数、繰り上げ合格者数(追加合格者数)について公表していません。唯一、公表しているのは総合格者数で、昨年は172名、一昨年は176名でした。

帝京大学医学部 入試結果 募集人員、志願者、受験者、合格者

 

日本医科大学の2次試験は、小論文も面接も討論も手が抜けない

日本医科大学と言えば、「私立医大御三家」の1つであり、私立医大でトップなのはもちろんのこと、国公立を含めて考慮しても、非常に難関の医学部です。慶応の医学部が偏差値72.5であり、東京慈恵会医科大学、日本医科大学、順天堂大学医学部は全て偏差値70ですから、数字が難関さを物語っていますよね。

「一般枠75名、地域枠13名、合計88名」の募集枠で2月2日(水)に1次試験を行った日本医科大学医学部一般前期試験において、1次試験合格者の発表がありました。

一般枠での1次試験合格者は353名、募集人員5名の東京都地域枠の1次試験合格者は27名、募集人員4名の千葉県地域枠の1次試験合格者は15名でした。

日本医科大学医学部の2次試験では、小論文と面接が行われます。日本医科大学の小論文は、ここのところ変化を続けています。日本医科大学としては、受験生がこれまでの人生で培った「総合的な真の力」を試したいため、また平等性を担保する観点からも、あえて過去問で出ているような小論文は出題しない可能性が考えられます。今年も小論文は変化する可能性が十分あると思います。

日本医科大学の2次試験に臨む医学部受験生の皆さんは、見たことのない小論文のテーマや出題形式であっても、焦ることなく自身の総合的な力を振り絞って、冷静に出題内容を嚙み砕き、出題にそぐうように論述してください。

日本医科大学の面接は、個人面接とグループ討論の両方を行います。面接に力を入れていると考えられます。昨年の一般前期のグループ討論は、「キャッチコピー」という医学部の面接では見たことの無いテーマについて討論させました。受験生は戸惑ったと思います。

グループ討論が終われば、そのままの面接官による個人面接が行われます。グループ討論をやってみた感想などが聞かれます。

日本医科大学は、1次試験も難関ですが、2次試験も昨今の大学の改革風潮にのっとって複雑化しており、一筋縄では行きません。

日本医科大学 令和4年度 前期1次試験合格者

人気の福岡大医学部の面接試験は、グループ討論やグループ面接に

募集人員65名に対し、2135名が出願した福岡大学医学部一般選抜で1次試験合格者の発表がありました。私立大学なのに、ものすごい倍率の数字をはじき出していますよね。医学部入試のハードルの高さの一端が、このような点からも垣間見えます。合格者数は、今のところ分かっていませんが、昨年の1次試験合格者は457名でした。

福岡大学医学部の2次試験では、面接だけが行われますが、面接には50点の配点がついています。1次試験時に書き終えている小論文や提出書類と合わせての、評価になります。

福岡大学医学部の面接は受験生5名程度が一つのグループになっての面接になります。3名の面接官によって評価されますが、面接の進行は面接官によって違いがあります。

面接官によってはグループ面接と言っていいような面接であったり、グループ討論と言っていいような面接であったりします。福岡大学医学部の面接に臨むにあたっては、グループ面接を受けることになっても、グループ討論をさせられることになっても、慌てふためかないように2つとも心の準備をしておいてください。

昨年の福岡大学医学部の面接では、「医師の働き方改革」「新型コロナウイルス感染症の影響」などについて問われています。また、面接の最初に自己紹介を求められます。自己PRの絶好の機会と考えられますので、受験生は高校生活を振り返りながらアピールするポイントを考えておきましょう。

今年の福岡大学医学部の1次試験日は、4校の私立医学部の試験が重なりました。その中でも福岡大学医学部は、2000名以上の医学部受験生を集めています。ものすごい人気ぶりであると言えます。

ちなみに昨年は、457名の1次試験合格者から125名が正規合格、54名が繰り上げ合格となっています。

福岡大学医学部 令和4年度 入試状況

東京慈恵会医科大学の入試は、小論文などが入試改革

東京慈恵会医科大学医学部医学科の一般選抜の1次試験が行われました。東京慈恵会医科大学医学部医学科の入試のどこが革新的と言えるのか、ご説明していきます。

慶応義塾大学医学部は、私立医大の古参御三家の一つであり、旧帝大並みの伝統、学閥、ヒエラルキーを保持しています。世界に冠たる「慶応」ブランドもあります。経済的に余裕さえあれば、慶応医学部を目指したいところですが、やはり偏差値も突出しているため、東京慈恵会医科大学、日本医科大学、そして順天堂大学医学部に優秀な人たちが分かれていく傾向にあります。

東京慈恵会医科大学の入試の方法は、独特です。

一般選抜1回の入試だけで105名の入学者を決めるのです。このような私立医学部は他にありません。「東京慈恵会医科大学の信念、気概」を感じます。

私立医学部入試は、どの大学も推薦・AOをはじめ、多種多様化しています。一般選抜においても前期・後期や共通テスト利用入試など、多様な医学部入試を実施していますね。

慶應義塾大学医学部も、結局は「付属校推薦入試」を行っています。その関係で慶應義塾大学医学部一般選抜の募集人員は、入学定員110名に対し僅か66名と少なくなっています。付属校びいきと言われる姿勢のゆえんです。

そして、現在の私立医学部は「多様な人材を入学させる」というミッションを実践するため、多様な入試を行っています。この考えは間違っていないと思いますし、今後さらに進んで欲しいと思います。

一方で、「自校の学生募集に最もふさわしい入試」に集中する大学があってもいいと思います。東京慈恵会医科大学の小論文は1200字以上2000字以内となっていますが、慈恵会医科大学に進学した卒業生の情報によると、これも欲しい人材を募集するための改革だということです。この入試に対する信念のようなものは凄いと思います。

一方で、医学部入試を別の観点から俯瞰してみると、また別の面が見えます。それは「105名の募集人員というと多く合格できるように見えるが、入試難易度は非常に高い」ということです。募集人員が多いと言っても東京慈恵会医科大学は医学部の中でも最難関です。

出題される問題も、解きやすくはありません。数学を除けば試験時間も短くなっています。医学部受験生の皆さんは、体調管理やメンタルヘルスを保ち、これまで培った全力をぶつけてほしいと思います。

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