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【2023最新情報】知識と倫理を重んじながら21世紀社会にキャッチアップ!学生生活も充実の九州大学医学部

医学部入試情報

医学科を1つずつ分かりやすく解説していく記事シリーズも、いよいよ九州地方に入り、残す国立大学はあと少しとなりました。

本日は、旧帝大の1つである「九州地方の総本山」である九州大学の医学部です。

「医学部」の特徴と、「医学部(医学科)が所属している大学そのもの」の特徴を合わせて分かりやすく説明し、キャンパスライフの実像に焦点を合わせることで、高校生・受験生の皆さんが将来を決めていくのに役立つ情報を提供していきます。

 

学部・大学院・病院に力を入れている九大医学部

100年以上の伝統の九大医学部は「病院地区キャンパス」が充実

九州大学医学部は、「医学科」(6年)、「保健学科」(4年)、「生命科学科」(4年)の3コースから成っており、それぞれ独立した方針なりポリシーを持っているのが特徴です。

なお、保健学科は、「看護学専攻」「放射線技術科学専攻」「検査技術科学専攻」の3専攻に分かれており、「医学科に入るのは難しいけど、医学部を出て専門的な医療業務に従事したい」という人は、とりわけ後者の2専攻を受験することを考えてみるのも良いでしょう。

九州大学医学科について、公式サイトには次のように書かれています。

明治36年の創始以来、百年以上の伝統に培われた医学部には世界の医学界に誇る数多くの研究業績があります。そして現在、病院地区キャンパスには医学部、歯学部、薬学部、九大病院、生体防御医学研究所を擁し、21世紀の医療を支える研究・教育が共同して行われています。(・・・)さらに大学院大学として医学系学府には修士課程、専門職学位課程を含めて8専攻があり、充実した大学院教育が受けられます。

豊富な実績のある医学研究、充実した教育、そして大学病院のいずれも優れていて、かつ「病院地区キャンパス」という1つの場所で緊密に助力しあっていることが示されています。

まさに覇気のある若い人が医学を学ぶ環境として、欠点が見当たらないと言えるでしょう。

保健学科と生命科学科も個性に溢れている

そして、保健学科については、以下のように述べられています。

専攻によって異なりますが、看護師、保健師、助産師、診療放射線技師、臨床検査技師の国家試験受験資格を得ることができます。学部教育は様々な分野の教授陣が揃っており、また実習教育では最先端の設備が揃った九大病院などで行われ、充実した教育を受けることが出来ます。

専攻という条件はありますが、全部で5つの国家試験を受験する道が開かれているという事で、将来の展望が大きく開けることと思います。「九州大学医学部卒」という箔をつけたい人にもおススメです。

また、全般的に大学院での学究をメインに推す旧帝大の一つでありながら、「保健学科は、学部教育においても、優秀な教授陣が揃っている」ことが確約されています。大学院での学問や、医療研究よりも、病院実習などの実学をメインにやっていきたい人にも向いています。

 

そして、生命科学科については、以下のように述べられています。

医学部生命科学科では、ヒトならびに様々なモデル動物を対象とした次世代の生命医科学研究と医学教育を担う人材を育成し、世界に向けて輩出することを目標としています。そのために、本学科では多様な生命活動とその分子メカニズムに興味を持ち、未知の領域を探求する旺盛な好奇心と柔軟な思考力をもつ学生を歓迎します。

生命科学とは、最も分かりやすく言うと、「高校の生物」を発展させた学問領域です。

「医科学研究」と「医学教育」を担う人材の育成が掲げられており、頭が良くて、研究によって未知の領域を明らかにすることが好きな学者肌に向いています。大学院に行かなくても学部学生のうちから知的好奇心や研究魂が満たされることでしょう。

ですが、この類のコースの常として、「医師」や「放射線技師」といった国家資格を取得できないという事情があります。

そのため、基本的には大学教授志望の人の進学先となりますが、もちろん九大で培った学識を活かして民間企業や研究機関に就職する道もあります。「手に職をつける」のに比較的苦労すると思いますが、生命医科学に対して心がメラメラ燃えている人にとっては、たまらない環境です。

九大の生命科学科に進学する人は、研究職に就いて大金持ちになる大志を最後まで捨てずに頑張りましょうね!

シンプルでありながら密度の濃い九大医学科のカリキュラム

ここからは、九大医学科にしぼって解説をしていきます。

九州大学医学部医学科の公式サイトは、以下のリンクカードよりご覧になれます。

九大の「基幹教育」と「専攻教育」は医学科でも

九州大学の学部教育は、「基幹教育」と「専攻教育」の2本柱によって構成されているのですが、これは九大医学部医学科においても同様なのです。

基幹教育とは、九大においては、

「基本的知識の習得をベースにするものの、それらを活かし、自ら問いを立て新たな知を創造・発見・解決していくための学び方・考え方を身に付けるためのもの」

と定義されており、知識習得に主眼が置かれた高校勉強と異なった、「大学での学問」という性格を強く打ち出しています。旧帝大である九大がアカデミズムを強く主張するのは当然のことです。

一方、「専攻教育」のほうは、医学科ならではの独自性がにじんでいます。

医学科の「専攻教育」は、将来の我が国の医学研究・教育と先端医療を支える人材の育成を目指しています。 医学研究者には旺盛な探究心と独創性に富んだ発想が重要であり、臨床医には診療の実力と病気とともに闘う患者に寄り添う良き援助者であることが重要です。

海外や外国人に備える「国際医学」は国際交流も展開

九大の医学科のページを見ていて分かることは、「医学の知識」「医学の倫理観」の他にもう1つ、重視されていることがあることです。

もちろん、一流の研究大学として、法学、統計学、情報学など教養も重視されているのですが、特筆すべきは「国際医学」です。

九大医学科の「国際医学」とは、医学・医療に必要な英語の修得はもちろんのこと、「海外で臨床や研究を行う動機づけのために、海外の医学・医療を学ぶ」ものです。

この「国際医学」は、九大として独自に力を入れている分野でもありますが、同時に、「圧倒的な少子高齢化によって外国人労働者を移民として受け入れることから逃れられない先行き不透明な日本社会」が強く要請しているものでもあるのです。

自然科学や医学だけでも、6年間で学ぶ量は膨大になります。ですが、日本社会で医師として生きていくにしても、海外に出て臨床や研究に携わるにしても、「スカーフ」や「礼拝」といった外国の習慣に配慮するといった国際理解の視点や、海外の文化的・社会的・医療的背景を知ると言った社会学や文化人類学の視角を削るわけにはいかないのです。

これは、少子高齢化に歯止めが効かず「体感治安」が落ちていく日本において、医師や大学教授といった高位の職だけでなく、いずれ、普通の会社員にも求められる素養になります。

だからと言って、若い人が将来を不安に思う必要は全くありません。大学で学べる内容が深くなることは知的な喜びになりますし、異文化との接触は知的な刺激をもたらし、脳を活性化させ、人生や家族を豊かにしてくれるものです。

それに、医者であれ学者であれ、異文化に触れ、海外の考え方を知ることは、自分の仕事を前に進めるための意欲やエネルギーになります。

「国際医学」という独自の用語も九大オリジナルのものですが、これからも発展が続いていくに違いありません。

なお、九州大学の大学院医学研究院・大学院医学系学府・医学部の交流協定校は、韓国と中国を中心に、アメリカ、カナダ、オーストラリアといった英語圏にも及びます。

旧帝大でありますから、東南アジアや欧州など、もう少し交流地域が広くても良いとは思いますが、やはり九州は地理的にも韓国や中国に近いですから、韓国や中国の大学医学部と交流したい人には持ってこいと言えます。

公式ページには、「九州大医学部 国際交流の実績」というPDFファイルも掲載されています↓

 

「英国大学医学部での臨床実習のための短期留学」もあり、「国際部の企画で実施される語学研修(全学部学生対象、夏休み期間中)への参加も奨励」されているとのことです。

なお少し雑談になりますが、九大医学部の国際交流の一つとして、「釜山(プサン)大学校医科大学との交流」と紹介されています。「〇〇大学校△△大学」という言い方は韓国語の表現によるもので、日本だと「プサン大学医学部」に相当します。全ての大学について、「ソウル大学校工科大学」(=ソウル大学工学部)のように言います。

2023年の医師国家試験合格率も平均超え!旧帝大で2位

厚労省の「第117回医師国家試験の学校別合格状況」によると、2023年に実施された医師国家試験の合格率の高かった国立大学医学部は、以下のようになっています。

1位 三重大学

1位 東京医科歯科大学

3位 香川大学

4位 琉球大学

4位 筑波大学

4位 滋賀医科大学

7位 秋田大学

すべての国立大学医学部の医師国家試験合格率の平均は92.4%で、「約9割の人が医師国家試験に受かる」という巷説を立証しています。そんな中で、旧帝大としては、東北大医学部が92.6パーセント、それに次いで九大医学部は92.5パーセントと健闘しています。

旧帝大のなかでは九大医学部は第2位の合格率で、国立大医学部の平均も上回っています。

研究、学問、語学など自分の人生に役立つことを続けながら、しっかり国家試験にもうかっている状況が窺えます。

また、九州大学医学部のサイトからは、学部教育も学生生活も充実していることが読み取れますが、「華やかさ」「派手さ」「アピール精神」「要求の多さ」といったものは感じられません。

九大の医学部では、ゆっくり着実に、一歩一歩どっしりと勉強していく事ができます。「きらびやかな雰囲気が苦手」もしくは「多くのものを求められるのが苦手」「意識高い系の雰囲気が苦手」といった人にもピッタリの学風です。

でも油断せずに体調不良やメンタル維持などに気を付けるようにしましょう!

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