【倍率トップ10大学も】医学部受験において倍率は参考になる?

医学部入試情報

受験においては自分の点数だけでなく、「他の人がどれくらいできるのか」「何人が同じ学校に出願しているのか」といった情報も気になるもの。
たとえば偏差値的には大丈夫そうでも、志望校の倍率が高いことがわかると「本当に合格できるのかな?」と不安になってしまいますよね。

 

そこで、今回の記事では、倍率の計算方法、どんな時に参考にすればいいのかを教えます!
国立大学の倍率トップ10も紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

 

そもそも倍率とは

 

『倍率』には、以下の3つの種類があります。

・応募倍率
・受験倍率
・実倍率

 

応募倍率は「応募者全員の数÷募集人数」で計算されるもの。
単純に、その学校に応募したうち、何人に1人が合格者となるだろうかを表します。
簡単に言ってしまえば、「応募倍率5.0」なら、「応募者5人のうち1人が合格する可能性がある」ということ。

 

それに対し、受験倍率は「受験者数÷募集人数」で計算されます。
これは、応募者のうち「当日の体調不良」や「第一志望に合格したために試験を受けなかった」などの人を抜いた、実際の受験者何人のうち1人が合格するだろうかを計算しています。

 

最後の実倍率とは、「受験者数÷実際の合格者数」の割合。
「辞退する人の分も想定した」「繰り上げ合格があった」などの理由で実際の合格者数は募集人員よりも多くなります。
受験した人のうち合格を手にした人が、何人あたりに1人いたのかを表す数です。

 

当然ですが、基本的には応募者>受験者、合格者数>募集人数となりますので、応募倍率→受験倍率→実倍率の順番で数値は上昇します。
(高校受験などだと、定員割れで募集人数よりも合格者数のほうが少ないこともあります)

 

受験者として一番知りたい倍率は「実倍率」になりますが、受験者数や追加合格者数の数などは公表していない場合も多いため、大体は「応募倍率」が倍率として表されることになります。

 

『倍率=難易度』ではない

倍率が高い=募集人数に対して応募者が多い、ということですが、だからといって必ずしもその大学が「難しい」ということにはなりません

 

というのも、あくまでも「募集人数に対して応募者が多い」ということだけを倍率は表しており、どのような層の応募者なのかまでは分からないからです。

 

例えば、有名な大学だと記念受験やチャレンジ受験で偏差値帯が下の方の人も受験するケースが多くなるため、応募者が多く倍率が高くても偏差値は高くない=実際の入試難易度は高くない場合があります。

 

逆に、有名な大学と試験日がかぶってしまった大学の入試は、「本当にその大学に行きたい人が受験している」と考えられますので、応募者が少なく倍率が低かったとしても油断できません。

 

また、2回、3回と受験が可能な大学だと複数回受験する人も出てきます。
実際の受験者数に比べて応募者数が多くなるため、その場合も倍率が高めに出るようになります。

 

国立大学の倍率が低い理由

国公立大学の倍率は、私立大学に比べて低く出ます

 

それは、私立大学に比べて国立大学のほうが受験機会が少ないから。
多くても前期と後期の2回しか受験ができないため、お金と時間の許す限りどの学校にも出願可能な私立大学に比べて倍率が低くなるのです。

 

しかし、その分国立大学に応募する時は、記念受験などではなく共通試験の結果を見て「自分の確実に合格できそうな学校」を選ぶ傾向が高くなります。
そのため、応募人数は少なくともその偏差値は高め。
国立大学のほうが倍率が低いからと言って私立よりも楽、ということはありませんので注意しましょう。

 

医学部の倍率は下がっている?

医学部の倍率は、実はだんだん下がってきています

 

河合塾によると、国公立大学の医学部は2012年に平均して5.6だった倍率が2021年には3.9に、私立大学は2014年に平均して19.5あった倍率が2021年には13.4にまで低下しています。

 

志願者減少の理由は少子化。
年々若者が減るに従って志願者数も徐々に減ってきているため、同時に倍率も下がってきているのです。

 

ただし、それでも他学部と比べると飛び抜けて高い倍率なのが医学部。

 

また、医学部の倍率は下がっているものの、偏差値は下がっていません。
単純に志願者数が減ってきているだけであり、難易度は変わっていませんので気をつけましょう。

 

倍率は何の参考になるのか

 

「志望校を決めるときは倍率よりも偏差値を気にして」「倍率はただの受験者数の目安」と言われると、「じゃあ倍率を見ることに何の意味があるのか」と疑問に思う人もいるでしょう。

 

結論から言ってしまえば、「倍率はそこまで気にしなくてもOK」です。

 

それよりも重要なのは「その大学の偏差値がどれくらいか」ですし、「自分が合格点を取れるか」です。
ただし、そのどちらもが同じくらいの場合は、当然ながら「倍率が高い大学のほうが難易度は高く」なります。

 

ですから、偏差値が同じくらいで志望度も同じくらい、過去問でも同じくらいの点数が取れている大学に出願する時、どこにしようか迷ったら最後に倍率も参考にしてみてもいいでしょう。

 

ただし、その場合「去年はこの大学が倍率が高かったから、別の大学にしよう」と簡単に考えるのはNG。
だいたい皆考えることは同じなため、特に医学部医学科では「去年倍率が高い大学の倍率が低くなり、倍率が低かった他の大学の倍率が今年は高くなる」(そして翌年はまた逆転する)という隔年現象が起きるケースが多いからです。

 

数年間の倍率をチェックして、隔年現象が起きていないか、あるいは別の要因などで突然志望者数の増減が起きていないかを見てみましょう。

 

国立大学の倍率トップ10【2021】

 

参考までに、2021年の入試における国立大学医学部の倍率トップ10を紹介します。
(2021年度国公立全50大学の医学部入試志願者倍率速報 | m3.comを参考に作成しました)

 

【前期】

大学 2021年度志願倍率 2020年度志願倍率
2019年度志願倍率
1 愛媛大 9.0 7.7 5.7
2 岐阜大 8.7 11.1 8.4
3 奈良県立医科大 7.0 7.4 9.3
4 島根大(定着枠含む) 6.2 7.8 6.0
5 鳥取大(地域枠含む) 5.8 5.9 7.0
6 旭川医科大 5.7 7.0 9.3
7 山口大 5.5 5.6 3.2
8 福島県立医科大 5.4 3.4 6.8
9 広島大 5.3 5.4 6.6
10 長崎大 5.3 3.7 5.2

【後期】

大学 2021年度志願倍率 2020年度志願倍率
2019年度志願倍率
1 岐阜大 43.0 25.8 22.5
2 浜松医科大 22.5 14.7 8.5
3 山口大 21.2 21.4 38.1
4 千葉大 20.1 18.7 18.0
5 佐賀大 19.7 21.5 20.4
6 富山大 18.5 15.1 16.3
7 三重大 17.6 12.1 13.8
8 宮崎大 17.3 18.0 19.4
9 奈良県立医科大 16.8 18.3 15.0
10 東京医科歯科大 14.9 16.8 20.2

 

どちらも東大や京大といったトップ校よりも、地方国立のほうが倍率が高くなる傾向にあります。
後期試験は実施している学校が少ないため、どの学校も10倍超えの倍率になることがほとんどです。

 

倍率に惑わされずに受験校を決めよう!

受験する時になんとなく気になりがちな倍率ですが、実際には倍率と入試の難易度は関係ないことがほとんど。
あくまでも倍率は「志望者数÷募集定員」の数なので、「募集された人のうち何人に一人が受かるか」の目安でしかありません。

 

自分の志望校の倍率が高い、あるいは高くなるかも、などと聞いたら「どうしよう、合格がもっと難しくなってしまうかもしれない」と焦ってしまいますが、新校舎が設立されて大人気になった、などでもない限りそこまで気にする必要はありません。

 

倍率に惑わされずに、冷静に志望校を検討しましょう!

 

 

 

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