【「倍率が低い=合格できる」ではない】大学受験と倍率の関係について

医学部入試情報

大学受験で志望校を決める際、「倍率」が気になるという人も多いのではないでしょうか。
倍率が高いということは「合格枠に対しての受験者数が多い」ということなので、「たくさんライバルがいる(=倍率が高い)と合格が難しいのでは?」と思う人も多いでしょう。

 

今回の記事では、大学受験における倍率と合格の決め方について解説します。
倍率の仕組みを知って、数字に惑わされない受験をしましょう!

 

大学受験の倍率について

 

大学入試について調べるとよく出てくる倍率には「志願倍率」と「実質倍率」の2つの種類があります。
それぞれどんな計算方法なのか、何を意味しているのかを知っておきましょう。

 

志願倍率

志願倍率とは、
受験志願者数 ÷ 募集人数
のことです。

 

つまり、「その学部学科や志願方式に願書を出した人数」を募集要項に書いてある「募集人数」で割ったものになります。
簡単に言ってしまえば、「募集人員1人の枠に対し、何人が応募しているか」ということです。

 

実質倍率

実質倍率とは、
受験者数 ÷ 合格者数
のことです。

 

「実際に当日受験会場に行って試験を受けた人数」を、学校が発表する「合格者数」で割ったものです。

 

より志望度の高い学校に合格した、前期の試験で合格したなどの理由から、大学受験では「願書は出しているが、受験はしない」という人がいます。
また、学校側も募集人員ピッタリの数で合格を出してしまうと、辞退者が出てきた時に困ってしまうので「だいたいこのくらい辞退者が出るだろう」という見込みの元、多めに合格者数を発表します。

 

その実際の数を元に計算したのが「実質倍率」です。
「実際に受験した人のうち、何人に1人が合格したか」を表しています。

 

チェックすべきは「実質倍率」!

実際に「志願倍率」と「実質倍率」を計算してみましょう。
日本医科大学医学部の令和4年度入試結果を元に考えてみましょう。

 

募集人員 志願者数 1次試験受験者数 1次試験合格者数 2次試験合格者数
一般入試(前期) 75 1,845 1,681 353 161

 

志願倍率
1845÷75=24.6

 

実質倍率
(1次試験のみ)
1681÷353=約4.8
(2次試験まで含める)
1681÷161=約10.4

 

志願倍率と実質倍率を比較すると、倍以上の差があることがわかります。
特に少ない大学に志願者が殺到しがちな医学部受験では、合格者数が多めに出やすいこともあり志願倍率と実質倍率で大きな違いが出がちです。

 

その他の学部学科であっても、大学の倍率をチェックするときはできるだけ実質倍率の方を見るようにしましょう。

 

ちなみに、実質倍率の計算でも追加合格者数・補欠合格者数は倍率の計算には含めません。
そのため、特に繰り上がり合格の多い大学では、もっと実際の合格者の割合は増えると考えられています。

 

倍率と入試難易度の関係

 

よく「倍率が高い=合格するのが難しい」と考えている人がいますが、実は倍率と入試の難易度は直接的には関係しません。
倍率はあくまでも「受験者何人中に1人合格者が出ているか」の目安でしかないからです。

 

先程の日本医科大学医学部(偏差値70)と帝京大学医学部医学科(偏差値65)を比較してみましょう。

帝京大学の2021年度入試結果によると、一般受験の受験者は6,236人、合格者は172人です。
つまり実質倍率は約36.3倍です。
日本医科大学の約10.4に対して3倍以上の倍率ですが、偏差値で比較すると日本医科大学のほうが上になります。

 

倍率だけでは、その大学にどのくらいのレベルの受験者が応募しているかは分かりません。
たとえ倍率が低くとも、受験生全体のレベルが高いのであれば合格はとても厳しくなります。

 

入試方法による倍率への影響

入試方法によって、倍率が高くなりやすいものが存在します。

 

《倍率が高くなりやすい入試》
・合格者が少ない
・志願者が多い
・複数回受験可能

 

例えば、医学部の地域枠や公募制推薦など、辞退ができない入試方式の場合は辞退者分を見込んだ合格者は存在せず、募集人員と同じ数しか合格者が出ないことがほとんどです。
国公立大学の後期試験なども「今更辞退する人は少ないだろう」という考えから本当に必要な分しか合格者は出しません。

 

合格者数が絞られる場合、志願者数に対して倍率は非常に高く出てしまいます。

 

また、チャンスが最大でも3回しかないため出願に慎重になりがちな国立大学に比べ、私立大学は試験日さえ被らなければ何校でも出願可能です。
そのため、私立大学と国立大学を比べるとどうしても私立大学のほうが受験者数が多くなりやすく、倍率も高く出がちです。

 

有名大学も記念受験をする人が多く、少ない科目数で受験できる大学なども同様の理由で倍率が高くなりがちです。

 

また、大学によっては同じ受験に対し複数回チャレンジ可能な「複数日受験」を取り入れているところもあります。
この場合も同じ人が何回も受験している人がいると受験者数が増えるため、倍率が高くなりがちです。

 

気にすべきは「最低合格点数」

 

「倍率が合格難易度に関係ないのなら、大学の難易度を比較する時にどこを見ればいいの?」と思う人もいるでしょう。
その際は「偏差値」、もっと言ってしまえば各大学の「最低合格点数」と自分の点数を比較してみましょう。

 

その大学に合格した人の学力層から計算されているのが大学の偏差値です。
受験者数の人数や層に関係なく、どのくらいの学力レベルがあれば合格できるのかが分かるため、やはり気にすべきは偏差値になります。

 

また、もっと詳しく各大学の難易度を比較したい場合は、自分が解いた過去問とその年の合格最低点を比較するようにしましょう。

 

偏差値が同じくらいでも、大学によって出題傾向は違います。
「難しい問題をその場で考える思考力が要求される大学」と「比較的簡単な問題をミスなく解ききる力が要求される大学」では、同じ偏差値でも人によってどちらのほうが合格点を取りやすいかは違うでしょう。

 

「自分にとって」入りやすい大学を探すことが重要です。

 

「定員割れ」と倍率の関係は

「定員割れ」とは、募集人員より受験人数のほうが少なくなることで、倍率で言えば志願倍率が1以下の状態です。

 

「倍率が1以下なら、受験した人全員合格できるのでは?」と思ってしまいがちですが、実際はそうではありません。

 

定員に満たないからといって応募してきた人を全部合格にしてしまうと、学力の低い人まで入学してきてしまうことになってしまいます。
そうすると、結果として授業のレベルを落とさざるを得なかったり、就活がうまく行かなかったりして大学としてのブランドを傷つける結果になってしまう可能性が高いからです。

 

そのため、たとえ募集人員より受験人数のほうが少なかったとしても、ある程度の学力がない場合は受験で落とされてしまいます。
自分の志望校の倍率が低いからといって、油断しないようにしましょう。

 

倍率の意味を知って受験しよう!

大学受験によく出てくる「倍率」は、「志願倍率」と「実質倍率」の2つがあります。
このうち、実際の入試状況により即しているのは「実質倍率」のほうです。

 

そもそも、大学の倍率と入試難易度には直接の関連性はありません。
入試の方式や志願者層などによって倍率は高低するため、必ずしも「倍率が高い=入試の難易度が高い」とは限りません。

 

大学受験において気にするべきは、ライバルの数ではなく「自分が合格できるかどうか」、つまり合格者最低点を自分が取れるかどうか。
倍率に惑わされず、自分の学力を高めて合格を勝ち取りましょう!

 

 

 

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