医学部の大学院の特徴5選
みなさんこんにちは。
今日は、医学部を卒業したその後の進学先である「大学院」についてお話ししたいと思います。
医学部にも入ってないのにまだ早すぎる!と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、学生生活はあっという間です。それに、院に進む未来も考えると、将来自分にどんなことができるのか、キャリアを考えるきっかけにもなると思います。
「え?患者さんを診るのが医師の仕事なんじゃないの?」と思ったそこのあなた、いろんなキャリアがありますよ〜!
では、大学院の特徴について紹介していきます。
Contents
医学部の大学院の特徴5選
1、医学部の大学院は4年がメジャー
まず、一般的に大学院といえば修士課程が2年、博士課程が3年ですね。しかし、医学部医学科は6年制のカリキュラムのため、卒業後は、すぐに博士課程4年のコースに乗ることができます。これは一般的な大学院との大きな違いですね。
この4年間の間に、自分の専門とする分野に関連した基礎研究や臨床研究を行います。
博士の学位を取得する方法が2通りあります。
1つ目は、大学院の博士課程において、所定の単位の取得と博士論文の審査に合格することで学位を取得する「課程博士」です。入学して4年後には学位申請の準備ができます。誰が研究の指導にあたるのかも明確です。
2つ目は大学院の博士課程を修了したのと同等の学力を有することを確認された上で(つまり院の単位を取得しなくても良い)、大学院が行う博士論文の審査に合格することで学位を取得する「論文博士」です。指導者も期限を決めて決定するわけではないため、きっかり4年で卒業できるわけではありません。10年以上かかる人もいるそうです。
2、出世する時に重要になる
実は、大学院で博士課程を修了していない人は「講師」以上の出世ができない、という暗黙のルールがあります。
これは私も実際に聞いた話で、大学院に進学して研究、論文執筆といった一連の流れを経験していない人は准教授、教授といった出世コースに行くことができないようです。もちろん例外もあるでしょう。しかし、医局に入局して専門医を取得したり、学会発表などを経験する上で上司や教授の人からのアドバイスがとても重要になります。研究をしてある程度の学位を持っている人でなければ、説得力のある教育を人に施すということは難しいと思います。
だからこそ、医学博士の取得が出世のための必要条件となるのでしょうね。
3、学位が肩書きに箔を付ける
どうでもいい〜〜と思う方もいるかもしれません(笑)
でもこれ、結構重要なんです。大学院に進学して修了することができれば、医学博士の肩書きを持つことができます。
みなさんは、実家が開業されていたらそれを継ぐ予定ですか?それとも、開業したいと思っていますか?
もしこの2つに当てはまるのであれば、博士課程は取っておいてもいいかもしれません。自分が病院という組織を離れた後に、自分の価値を証明してくれるものは案外多くはありません。親の後を継ぐ、となった場合でも「この先生は信頼できるのか」という判断を患者さんがするための材料にもなります。開業するのであればなおさらです。
どんな研究をしていたのか、どんな論文を書いていたのか、を患者さんが知ることは信頼関係を築く上でとても役立ちますし、自分が開業した後では大学院に進学するといった時間は持てなくなります。
開業のお話が出てきたので追記しますと、開業するには医学部卒業後、短くても10年以上の臨床経験を積んでからという方がほとんどです。すでに教授として勤務していた人がその後に開業する、というケースもあります。
なぜそこまで臨床経験を積んでから開業する人が多いのでしょうか?
これは開業すると全て自分で責任を負わなくてはいけなくなるからです。
総合病院に勤めていれば、周りに相談できる仲間が沢山います。自分の手に負えない症例が来た場合は、上司に診療をお願いすることもできますし、治療方針を一緒に考えることもできます。
しかし開業するとそうはいきません。どんな疾患を持った患者さんが来るのか、当日になって診察室に来てもらわなければわかりません。だからこそ、開業するためには臨床能力に磨きをかけておく必要があるんですよね。
4、学費は年間50〜100万円が多い
医学部に6年間通ってやっと医師になれたと思ったらまた学生生活。
しかもフルタイムで働けるわけではないからこそ、金銭面が不安ですよね。
国公立の大学院であれば、1年間の授業料が東京大学 で520,800円、京都大学では535,800円と50万円あまりです。
私立の大学院であれば、慶應大学で1,110,000円、東京女子医科大学では850,000円など、大学院によって金額がバラバラです。また、自大学出身者への授業料減免を行なっている大学院や、独自に奨学金を設けている院など学費に関する制度は多種多様です。自分が受験する大学の大学院にはどんな制度があるのか、ぜひ調べてみてください。
5、大学院生の傍ら、医師としても働ける
大学院生になったら研究と臨床現場での仕事はどうやってやりくりするのでしょうか?
実は、大学院生という身分の傍ら、アルバイトをして生活費を稼ぐ医師がとても多いです。働き方は様々で
・平日は研究に明け暮れ、土日で泊まり込みのアルバイトをして稼ぐ人
・大学院で研究をしながら、平日の1,2日で外来のアルバイトをするor夜勤や当直で稼ぐ
など、組み合わせ方もその人のライフスタイルに応じて変わってきます。特に、すでに結婚されていたりお子さんがいらっしゃる先生は、時間の使い方を考えなくてはいけませんね。
大学院で臨床研究を行うパターンでは、医師としての臨床現場での勤務と並行して行なう人も多くいます。しかしガッツリ臨床研究に時間を使うとなると、外来で数日働くのみ、といった働き方をする人もいますし、研究のみという人もいます。
研究医についての詳細が書かれた記事がありますので、こちらを読んでみてください↓
すでに医局に入局していて、同じ大学の院で研究している場合は、教授や自分の上司が勤務時間の調整などに協力してくれる、なんてこともあったりなかったり(笑)
自分のキャリアを想像して、なりたい像を目指そう
いかがでしたか?なんか難しいな…と思った方もいらっしゃるかもしれません。
みなさんはすでになりたい医師像や、やってみたい仕事がありますか?
まだ決まっていない人は、医学部で見つかるかもしれません。もうすでに見つかっている人はもっと具体的な目標ができるかもしれません。みなさんの夢を実現するのに大学院が大きなサポートとなってくれる可能性があります。
ぜひ、勉強したいこと、やってみたいことを大切にしてください☆
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