生理前にだるい原因?PMS(月経前症候群)はコントロールできる!
「今日は特にだるいな」と感じることはありませんか?
それは女性ホルモンの変動が原因かもしれません。女性は周期的に体調が変わり、生理前は特に疲れを感じやすくなります。私自身、PMS(月経前症候群)に悩まされ続け、23歳でやっと自分なりのコントロールの方法を見つけることができました。
今回は、私がPMSを乗り越えた経験と医学的知識を交えながら、PMSをコントロールする方法をお伝えします。
この他、若い人が朝のだるさを訴えるものに「起立性調節障害」があります。だるさで悩んでいる方はぜひこちらもご覧ください。
Contents
いつ、どんな状況でだるくなりやすい?
自分がだるくなりやすい時期や状況を思い返してください。
たとえば、「朝ものすごくだるいけど夜は元気」「よく眠れなくてだるい」「天気の悪い日にだるい」「前日食べすぎてだるい」「だるいときは食欲もない」など、「だるさ」にもいろいろなパターンがあります。
私は決まって生理前10日前後だるくなります。しかし、自分の体の周期に気づいたのは大学3年生の頃でした。
自分の「だるくなる法則」をつかめれば、それを防ぐ対策をしたり、治療をしたりすることができます。まずは自分の体の状況を客観的に把握することが重要です。
生理前だけだるいのはPMS(月経前症候群)
生理前だけ疲れたり、イライラしたりする女性は多い
生理前10日ほどの間に起こる様々な体の不調を「PMS(月経前症候群)」と言います。主な症状としては、疲れやすい・下半身の浮腫・イライラ・憂うつな気分・すぐ泣いてしまう・眠気・食欲増進・便秘・手足の冷え・乳房や胸郭の膨満感などがあります。個人差はありますが、月経のある女性のうち、約70%~80%の人に何らかの症状があると言われています。
人によって症状の重さは異なりますが、私の場合、抑うつやイライラなどの精神症状が最も深刻でした。普段気にならない些細なことが気になって、親しい友人や両親に当たってしまい、その後後悔して泣きながら謝ることを何度か繰り返していました。
精神疾患なのではないか、と思ったこともあります。ただ、これらの症状は生理の始まりとともに軽快します。
女性ホルモンの変動でPMSが起こる
これらの症状は主に女性ホルモンの変動で起こると考えられています。
女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類があり、排卵後から生理前にかけてエストロゲンが減少し、プロゲステロンが急増します。ホルモンの変動だけでなく、自律神経の異常やストレスなども関連していると言われています。
女性ホルモンの変動について、詳しくはこちらをご参照ください。
低用量ピルでPMSをコントロールできる
低用量ピルは別名、経口避妊薬と言い、女性ホルモンを安定化させ、PMSの症状を軽減します。それだけでなく、生理痛を軽減させたり月経周期を安定させたりします。「避妊薬」という名前のため誤解されることも多いですが、女性ホルモンが安定すると月経に関連するさまざまな悩みが軽減されます。大学に入ってから多くの友人たちが飲み始めました。
低用量ピルについてこちらで詳しく述べられています。
しかしピルにも副作用があります。飲み始めてから3カ月の間に頭痛や吐き気などの副作用が出やすいです。吐き気がひどく、ピルを続けられなかった友人もいます。
また、ピルは血栓を作りやすいため、血栓傾向の体質やリスクになる家族因子がある場合は服用を避けるべきです。必ず医療機関を受診して処方してもらうようにしましょう。
ピルが体に合えばメリットはとても多いです。月経関連で悩んでいる人は一度医療機関を受診し、試してみる価値があります。
ピルが合わない人は漢方も試してみて
古代中国の哲学から発展した漢方がPMSに著効する場合があります。
漢方では、五臓六腑(内臓)や気血津液(生命のエネルギーや血液、体を流れる水分)のバランスが取れている状態を「健康」であると見なします。そのどこかのバランスが複合的に崩れて病気の状態になったと考えます。そのため、PMSといった病名よりもその人の体質(どこのバランスが崩れているか)を重視して治療を行います。
ここでは簡単にPMSの漢方的な鑑別を行います。
①肝気鬱血タイプ:生理前に「肝(西洋医学の肝臓とは異なります)」に蓄えられている血が「女子胞(現代で言う子宮のようなもの)」の周りに移動し、肝を栄養できなくなったことで、肝の疏泄作用(エネルギーを全身に行きわたらせる作用)が悪くなり、気鬱(エネルギーの停滞)を引き起こします。
肝気鬱血タイプの方に現れやすい症状は、疲れやすい・精神不安・不眠・イライラ・肩こり・手足の冷えなどです。このような症状がある方には、加味逍遙散が効く可能性が高いです。
②血虚タイプ:そもそも血が足りないためにPMSの症状が重くなっているタイプです。主に、貧血・全身の冷え・むくみ・疲れやすい・めまいなどの症状を呈します。このような症状がある方には、当帰芍薬散が効く可能性が高いです。
③血瘀タイプ:全身の血のめぐりが悪いためにPMSの症状が重くなっているタイプです。主に体力が中程度以上の人で、のぼせ・下半身の冷え・頭痛・肩こりなどを訴えます。このような症状がある方は桂枝茯苓丸が効く可能性が高いです。
以上3つが婦人科でよく使われる漢方薬です。しかし漢方的に正確な診断をするためには症状だけではなく、舌や脈の所見が必要となります。可能であれば漢方医のいる病院や漢方薬局などで診断してもらってからの服用をおすすめします。
自分に合った方法を見つけてPMSをコントロールしよう
私はPMSが特に辛かったのですが、自分に合う漢方薬を見つけてから人生が変わりました。1か月の間ずっと元気でいられるので、新しいことにもチャレンジでき、家族や友人に当たることもなくなりました。
自分に合ったコントロールの方法を見つけられれば、人生はだいぶ楽になります。まずは自分の体の状態を客観的に把握し、必要であれば医療機関を受診しましょう。
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