総合型選抜ってどんな入試?推薦型選抜との違いや合格のポイントを知ろう

医学部入試情報

一般入試の他に、総合型選抜や推薦型選抜での入学者も増えている大学入試。
「自分にはどんな入試方法があっているんだろう」「それぞれの入試の特徴を知りたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。

 

今回の記事では、総合型選抜について推薦型入試やAO入試との差、合格するためのポイントを紹介します。
総合型選抜での受験を考えている人や、受験の仕組みを知りたい高校1〜2年生やその保護者の方は必見ですよ!

 

総合型選抜とは

 

総合型選抜とは、「大学側が求める人材とマッチした生徒を選抜する」入試です。

 

各大学や学部にはどのような学生を受け入れたいか、大学が求める自校の学生像をまとめた「アドミッションポリシー」が存在します。
「自ら主体的に学び,各分野で創造的役割を果たす人間へと成長していこうとする意志を持った学生(東京大学・一部抜粋)」「家庭や地域、学校等で豊かな交流経験をもつ人(埼玉医科大学・一部抜粋)」などが実際のアドミッションポリシーの例です。

 

総合型選抜では出願者がこの求める学生像(アドミッションポリシー)に当てはまるかどうかが書類審査や面接、小論文を中心にして総合的に判断されます。
学ぶ意欲が強い、なぜその大学に行きたいかがはっきりしている、などの観点から「当大学・学科に向いている生徒だ」と思われる順に合格になるのです。

 

総合型選抜の割合

総合型選抜を導入する大学は年々増えており、文部科学省の調査によると令和3年度には国立大学63校、私立大学の542校が総合型選抜を実施しています。

 

これは国立大学の76.4%、私立大学の90.8%という非常に高い数値であり、総合型選抜での入学者数は全入学者の12.7%を占めるまでになりました。
(国立:5.5%・私立14.7%)

 

私立では20人中3人程度が総合型選抜と、かなりメジャーになっていることがわかります。

 

実施年度 国立 公立 私立
平成31年度 58校

(70.7%)

31校

(34.4%)

493校

(84.0%)

582校

(76.7%)

令和2年度 60校

(73.2%)

36校

(39.1%)

511校

(86.0%)

607校

(79.0%)

令和3年度 63校

(76.8%)

38校

(40.0%)

542校

(90.8%)

643校

(83.1%)

(参照:令和3年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要

 

多くの大学の場合、総合型選抜での募集人員が増えているということは同時に「一般入試で採る人数が減っている」ということでもあります。
特に私立大学の受験を検討している人は、総合型選抜での募集人員が多いため一度考慮に入れてみるといいでしょう。

 

基本的に出願は第一志望のみ

総合型選抜は、その性質上合格した大学に必ず入学しなくてはなりません。
稀に併願を認める大学はあるものの、基本的に第一志望1校にのみ出願が行なえます。

 

「合格できそうだから」「アドミッションポリシーを満たしていそうだから」などの理由で安易に大学を選んでしまうと合格後に困ってしまう場合もありますので、受験校は慎重に選ばないといけません。

 

総合型選抜の倍率は学校によって違いますが、指定校推薦のように合格率が高いわけではないため、不合格になることもあります。
滑り止め校を受験することもできないため、「総合型選抜で不合格になってしまった時」のことも考えておきましょう。
万一の時は締切の遅い他大学の総合型選抜に出願するか、志望校を変えず一般入試で再チャレンジするかを考え、そちらの準備も並行して進める必要があります。

 

学校推薦型選抜との差

 

同じく書類審査や面接、小論文を中心として選抜が行われる学校推薦型選抜との差は「学校からの推薦があるかないか」。
学校推薦型選抜は指定校推薦・公募制推薦問わず学校からの推薦状が必要ですが、総合型選抜の場合推薦は必要ありません。

 

また、学校推薦型選抜は出願条件として評定平均が課されますが、総合型選抜では評定平均が不問となっているケースも多く見られます。
学校にもよりますが出願時期も総合型選抜より遅く、11月以降に出願→受験というスケジュールが一般的です。

 

評定平均などが課されるため、学校の授業でよい点を取っている人に向いているのが学校推薦型選抜、自分の将来の夢に向けてイベント参加やボランティア活動を積極的に行っている人に向いているのが総合型選抜、と考えると良いでしょう。

 

AO入試との差

 

総合型選抜は「旧AO入試」とも呼ばれています。
総合型選抜と以前のAO入試との差は「学力が重視されるようになった」ことです。

 

以前のAO入試では小論文やペーパーテストなどの学力試験は必須ではありませんでした。
そのため、「いざ入学したけれども学力が足りず学校の授業についていけない」という学生が現れて問題になってしまったのです。

 

そこで文部科学省は、調査書などだけではなく『各大学が実施する評価方法等(例:小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等)、又は共通テストのうち、少なくともいずれか一つの活用』を義務付け、名称を『AO入試』から『総合型選抜』へと変えたのです。

 

ただし、大学によっては総合型選抜のことを現在でも「AO入試」と呼んでいる場合もあります。

 

総合型選抜の選考方法

 

総合型選抜の選抜方法は「書類審査+面接+小論文」という形式が一般的です。

 

学校によってバリエーションがあり、口頭試問や実際に大学の授業を受けてのレポート提出、ペーパーテスト、グループ討論、実技などが課される場合もあります。

 

国公立大学の場合は共通テストの受験が必要なこともあるため、「総合型選抜だからいいや」と学校の勉強をおろそかにしないようにしましょう。

 

出願条件が課されることも

一部の大学では、「専願」「現役生」以外にも出願条件が必要な場合があります。

 

【代表的な出願条件】
・評定平均
・コンテストや全国大会入賞などの経験
・外国語検定などの資格

 

これらの出願条件も、入試直前になってから満たすことは難しいことがほとんどです。
試験直前になって慌てないように、志望校の選考方法・出願条件は高校1〜2年生のうちからしっかりと調べておく必要があります。

 

選考スケジュール

総合型選抜は9月から出願開始になり、10月頃入試、11月頃合格発表があるスケジュールが一般的です。

 

ただし中には「エントリー」といって出願開始前にオープンキャンパスや特定のイベントへの参加が必要な大学、11月や12月にも総合型選抜の募集を行う大学もあります。
自分の出願する大学の募集要項を確認し、正確な情報を得るようにしましょう。

 

総合型選抜で合格するには

 

総合型選抜で合格するには、早いうちから将来の受験を見据えた行動をすることが大切になります。
ライバルに差をつけたいなら、以下の内容をすぐに実践しましょう!

 

活動実績を作っておこう

早いうちからやっておきたいのが「活動実績」を作ること。
もちろんコンテストや大会の入賞なども実績になりますし、大学で専攻したい内容に関わるイベントへの参加やボランティア活動などでもOK。

 

「実績」というとなにか凄い結果を残していないといけないと思ってしまう人もいますが、ここで問われているのは「どのような素晴らしい結果を残したか」よりも「そこであなたはどんな工夫や経験をして、どのような気づきを得たか」ということ。

 

ただ結果を出せば良いのではないため、主体的に問題意識を持って活動に取り組むようにしましょう。

 

学校の勉強もしっかりと

総合型選抜の場合、出願条件として評定平均が問われることもありますし、ペーパーテストが課される場合もあります。
もし総合型選抜に合格できなかったら一般入試に切り替える可能性もありますので、「総合型選抜で受験するから学校の勉強はそこまでしていなくても大丈夫」ということはありません。

 

出願校の幅を広げる・より合格率を高めるために学校の勉強も手を抜かずにやるようにしましょう。

 

検定などを取っておく

英検やTOEIC、簿記検定などの検定類も早い段階から勉強して試験を受けておきましょう。
検定は出願条件の1つになることもありますし、学校によっては指定の検定に合格していると1次審査が免除になったり加点されたりと入試が有利になることも。

 

そうではなくとも、自分の将来に役立つ試験に挑戦するのはプラスになります。
将来なりたいものに向け、積極的に検定試験などにチャレンジしていきましょう。

 

大学でやりたいことが決まっている人は総合型選抜がおすすめ

総合型選抜は、書類審査や小論文などを通じて「大学のアドミッションポリシーと一致するする生徒」を選ぶ試験です。

 

「学力は一般入試より重視されない」というと一見簡単そうに思えてしまいますが、実は早いうちからの準備が必要な上、試験に必要な期間も長く受験者の負担は大きめの選抜形式です。
しかし直接自分の将来への思いを教授に話せるということ、いままでそのためにやってきたことが評価につながるというのは他の試験にはない特色。

 

「将来の目標がしっかりしていて、それが大学と一致している生徒」や「自分の将来に向けて様々なチャレンジをしてきた人」はぜひ挑戦してみましょう!

 

 

 

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