【速報2022】教育という点から!「世界大学ランキング日本版」の最新情報が発表!

医学部コラム

アメリカの上流大学がこの10~20年で最も力を入れてきたことに、お家柄である「リベラルアーツの徹底」のほかに、「たとえ予測不可能などんなことが起こっても、とっさに最適な対応をとれる学生を育てること」を挙げることができます。これはとりわけ、情報系・IT系など理系分野で大卒後に求められるスキルなのですが、結局、文系の人でも一般就職すれば同じ(環境)で、必ず求められる能力の一つです。

その流れをくんで、ドイツの総合大学・一般大学においても、「たとえ予測不可能などんなことが起こっても、とっさに最適な対応をとれる学生を育てること」が重要な教育目標に掲げられてきました。とりわけアメリカやドイツの大学のプロフェッサーたちは、自らがリーダーシップをとっていくという気鋭に富んでいますから、まず彼らがどんなハプニングが起こっても動じることなく適切に対応する能力を身に着けました。

そのため、彼らのもとで修業を積んだり、同僚として一緒に働いていると、いつの間にか日本人である自分も、ハプニングが起こっても動ぜずに冷静に解決策を考えだせるようになります。このように、大学には「大学生や大学院生の教育」という極めて重要なミッションがある中で、もちろん教授陣や大学院生が行う「大学院での研究」も重要な使命です。

イギリスの教育専門誌が、真に日本に特化した大学ランキングを新公表

このたび、イギリスの教育専門誌である「Times Higher Education」が、「世界大学ランキング」の日本版を発表しました。「Times Higher Education」誌は、毎年秋に世界大学ランキングを公表しており、こちらの「本家版」は、アメリカと西欧において最重要視される大学基準である「(大学院での)研究」に焦点が当てられています。

それに対し、桜の時期に発表される「世界大学ランキング日本版」は、対象を日本国内の大学に絞っているだけでなく、日本国内の事情や大学生・高校生の立場・気持ちを勘案し、日本の現状に即した基準でランキング付けされています。具体的には、「教育面」での充実度を中心にランキング付けされており、したがって大学院のみならず学部教育の充実度も重視されています。大学院生と違って、学部学生は、まだ手取り足取り面倒を見てあげる必要があるのです。

このように受験生・高校生にとって最も重要となる指標の1つが公表されたわけですから、本記事でじっくり取り上げて解説していきます。

やはり国立大学が勢ぞろい! TOP10大学の分析

「Times Higher Education」誌の英語版のホームページには、「学生たちに人生において最も重要な決断の1つを成す時に、彼らと彼らの家族にとって最も重要になる質問に答えるように設計されたランキングである」という趣旨のことが述べられています。具体的には、大学カリキュラムの核を成す授業の充実度が計測されているのはもちろんのこと、論文指導といったあらゆる指導のクオリティも勘案されているほか、大学教員と学生の交流も重視されています。

さて、気になるランキング結果ですが、なんとTOP10の大学全てを国立大学が占めています。地位を譲らなかった国立大学にとっては喜ばしいことですし、日本国家や文部科学省もメンツを保てたといったところです。また、韓国に次いで世界で最も激しい熾烈な受験競争の裏付けもとれた形です。

TOP3大学など

第1位 東北大学

栄えある第1位は、宮城県の東北大学でした。2位以下の大学と、総合得点において大差をつけての1位です。また、2年連続の1位となります。

では、1位の理由は何なのでしょうか。その答えは、「国際性」の高さにありそうです。「国際性」の点数が88.6点と、TOP10入りした他の大学を引き離して、群を抜いて高くなっています。(ただし、12位の国際基督教大学と、24位の立命館アジア太平洋大学の、「国際性の点数」には負けています。)そして、「教育充実度」においても、TOP10入りした他の大学よりも高い点数を獲得しています。そのほか、「教育リソース」「教育成果」においても善戦して、比較的高い点数を誇っています。

「国際性」において国立大学で群を抜いた優秀さを示し、かつ他の教育的要素においても第一級であること、これが東北大学が連続して1位だった理由といってよさそうです。

第2位 東京大学

昨年は3位だった東京大学が2位に上昇し、何とか首都大学の意地を見せることができた形です。とはいっても、同点3位の大阪大学と東京工業大学との差は0.1点なので、本当にギリギリです。2位の東京大学は、「国際性」の点数が69.0点と、1位の東北大学と比べて19.6点も低い結果です。でも、その他の要素である「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」の全てにおいて相当高い点数を収めることができたため、2位に浮上できた形です。

第3位 大阪大学、東京工業大学

第3位は、2つの大学が、まさに同点です。日本第2の都市である大阪府が擁する国立大学である大阪大学、そして東京の理工系の雄である東京工業大学です。どちらも、口コミでもよい評判を聞くほか、文科省など国からの評価も高く、かつ多彩で独特な教育が発揮している人間的側面についても評判が良いです。これまで、ひたすら真面目に、そして独自性を振り絞りながら進んできた努力が実った結果です。

上に申し上げたように、大阪大学と東京工業大学は、各セクションの得点配分も似ています。つまり、似たような教育的長所や特色を持っているという事です。具体的には、「教育成果」の点数が最も高く、次いで「教育充実度」の点数が高く、その次に「国際性」の点数が高くなっています。とりわけ、TOP10入りした他の大学と比較すると、「教育充実度」がトップクラスの点数を誇っており、楽しい授業、双方向的な教員と学生の交流、キャンパスが持つ優れた学風などが反映されています。

第5位 京都大学

旧帝国大学の1つであり、東京大学と並んで歴史が長く、優れた研究の積み重ねや大きな学閥などの点で威容を誇っている京都大学が5位です。

6位から10位までの大学

第6位 北海道大学

第7位 九州大学

第8位 名古屋大学

6位から8位までに、旧帝国大学が3つランクインしました。旧帝国大学は、5位までに4つランクインしていますので、これで全ての旧帝国大学がランクインを果たしました! イギリスの教育専門誌からも、これだけ高く評価される旧帝大のポテンシャルはおそるべしであり、旧帝大をめぐって苛烈な受験競争が繰り広げられるのにも頷いてしまいます。

第9位 筑波大学 

第10位 広島大学

9位と10位には、地道にコツコツ努力してきたといった印象の地方の国立大学がランクインしました。

 

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Times Higher Education 2022 Japan University Rankings(英語)はコチラをクリック

11位以降は名門私立大学もラインクイン

11位から20位まで

では、11位から20位までも気になりますよね。まずは、ランキングをご紹介します。

第11位 慶応義塾大学

第12位 国際基督教大学

第13位 早稲田大学

第14位 神戸大学

第15位 東京医科歯科大学

第16位 一橋大学

第17位 国際教養大学(※秋田県)

第18位 会津大学(※福島県)

第19位 金沢大学

第20位 上智大学

東京の由緒ある名門私立大学という事で、第11位に慶応義塾大学が、第13位に早稲田大学がランクインし、それらに第12位の国際基督教大学が挟まれている形です。また、俗に「早慶上智」と呼ばれる、外国語教育などで著名な上智大学は第20位にランクインし、かなりの善戦です。

その一方で、第14位に神戸大学、第15位に東京医科歯科大学、第16位に一橋大学と、名実ともに優れていて受験生の人気も高い国立大学が3つ連続でランクインしています。神戸大学は、俗に「京阪神」地区と呼ばれるように、大阪大学や京都大学からも地理的に近く、西日本でも大学教育が充実している様子が読み取れます。

また、第15位の東京医科歯科大学は、東京近郊において、東京大学医学部や千葉大学医学部と並び称される、人気も実績もトップクラスの大学ですが、総合ランキングにおいては、医学部を擁する慶応大学を下回っているのが少し気になります。第16位は、高貴な学風、堅牢な教育研究で名高い、西東京地区の文系の大学です。

21位以降の大学をピックアップ

では、21位以降にランクインした大学の中から気になるものを、ピックアップします。

21位が千葉大学、23位が東京農工大学、26位が横浜国立大学、27位が東京外国語大学となっています。

最後に

以上、イギリスの教育専門誌が発表した世界大学ランキング日本版を分析してきました。

これらのランキングの順位や特定は、一定の基準に従って精査されたものですから、「人気ランキング」などとは違い、客観的な信頼に足るものです。ですから、受験生・高校生の方々、および保護者の方々には、将来のために是非大いに参考にしていただきたいです。

ですが、あくまでもランキングであり、これらの順位が大学の全てではありません。異なる客観的指標を加えれば、順位は変動します。大いに参考にしていただいたうえで、最後はご自身の意思で受験校を決定するのがベストです。

 

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